FC2ブログ

接点t(5/6)

2020.11.22.Sun.


 翌朝、洗面所に行ったら兄貴が歯磨き中で思わず「げっ」と声が漏れた。こっちを見ないまま器用に俺を蹴りあげる。口をゆすぐと洗面所を出て行った。それ違いざま、俺は兄貴を睨んでやったのに目も合わさないで行きやがった。昨日あんなことしておいて。

 俺が朝飯を食って学校へ行く時間になっても、兄貴はリビングのソファに寝転がってずっとテレビを見ていた。講義まで時間がある日は部屋で寝てるくせに早起きとは珍しい。昨夜のこと、ちょっとは気にしてる証拠かもしれない。

 学校で授業はほとんど上の空だった。昨日は色々ありすぎた。静馬で脱童貞したこととか。そのあと兄貴にキスされたこととか。思い出していたら授業中何度か勃起しかけた。

 今日は見える景色が違った。昨日まで童貞仲間だった俺の友達が幼く見える。漫画とかゲームの話をしてくるのが微笑ましい。今なら確実に非童貞のリア充共と対等に話ができる気がする。いや、手近な女とヤッてるあいつらより、俺のほうがはるかに経験豊富かもしれない。なんせ俺は年上の男とヤッて、その日のうちに実の兄貴ともキスしたんだ。そんな経験した奴、このクラスに他にいるか?

 一日中浮ついたまま授業が終わって放課後になった。電車を降りて歩いてる途中でスマホが鳴った。知らない番号からだ。ちょっと迷ったが出てみると『元気~? あれから大丈夫だった?』妙に馴れ馴れしい口調と声ですぐ相手は静馬だとわかった。

「なんでこの番号知ってんですか?」
『昨日、ファミレスで大介くんがトイレ行ってる隙に見た』

 油断ならねえ。

『薫に怒られなかった?』

 心配してると見せかけて声はウキウキ弾んでいる。

「怒られてねっすよ」
『えー、なんで? 俺と寝たってバレなかったの?』
「バレたけど、別に。あんたのこと、ただの公衆便所としか思ってないからじゃない? もう二度と会うなって言われただけ」
『そうなの? 残念~。今から遊ぼって誘おうと思ってたのに』

 ぜんぜん声が残念がってない。俺が断らないってことがこの人はわかってるんだ。断られてもそれを覆す自信があるんだ。

「昨日駅にいたのって、もしかして俺を待ってたりする?」
『当たり。大介くんに会いたいなーと思って、薫に色々探り入れて待ち伏せしたんだ。薫と体の相性いいから、絶対大介くんとしても気持ちいいだろうなと思って。実際良かったわけだし、またしない?』

 断んなきゃいけないんだろうなと頭ではわかっていた。でも電話越しにこの人の声を聞いてるだけで股間に血液が集まり始めていた。またしゃぶって欲しい。突っ込みたい。

 でも兄貴のことを思い出したら恐怖のほうが勝る。また会ったってことがバレたら、今度こそ鉄拳制裁だ。

「あんた、ほんとは兄貴を怒らせたいんだろ」
『そんなことあるわけないじゃん』

 って笑うけどぜったい嘘だ。兄貴を怒らせてなんの得があるんだ? 破滅的なセックスが好きだから? 兄貴の気を引きたいから? 都合のいいビッチだって言うくせに俺には近づくなって言う兄貴と同じだ。2人とも言葉と本音が裏腹だ。

「俺もうあんたらに利用されたくない」
『じゃあもう俺とはセックスしないの? のどの奥まで大介のちんぽ咥えこんでふやけるまでしゃぶって欲しくないの? 俺のおまんこ使ってあっつい精子たっぷり中出しして、オナホみたいに使い捨てていいんだよ。いまもほんとは勃起してんじゃない? 俺にしゃぶって欲しくてたまんないでしょ? 今すぐ舐めてあげるから、大介の勃起ちんぽ出してごらんよ。ねえほら、触って。硬くておっきくなってる。俺にも触らせてよ。大介の精子、俺に飲ませてよ。のどに精液絡みつく感じ、俺大好きなんだから』

 もう耳元で直接囁かれてるも同然だった。静馬の息遣いが俺を煽る。昨日童貞捨てたばかりの俺に抗う術はなかった。

「どこ行けばいいの」
『昨日と同じ駅』

 通話を切り、走って駅に戻った。

~ ~ ~

 改札を出たら静馬がいた。知らない男と話をしている最中で、俺に気付くと「ちょっと待って」とジェスチャーする。男が頭を下げて駅を出て行った。

「誰?」
「知らない人。ファッションの参考にしたいから写真撮らせて欲しいって言うから、一枚撮らせてあげてたの」

 今日もスナップいいですかあ?って言われそうなお洒落ないでたちだった。

「雑誌載るの?」
「雑誌じゃないよ。個人で保管用って言ってた」
「やばいじゃん。なにに使われるかわかんないよ」
「ナニに使うんだろうね?」

 静馬はニヤニヤ笑った。

「あんた平気なの? あの人、写真見ながらマスかくかもよ」
「興奮するよね」

 あ、この人変態だったの忘れてた。

 お腹空いてる?って聞かれたけど、先にセックスしたかったからホテルに直行した。部屋に入るなり静馬を跪かせてフェラさせた。有言実行でのどまで咥えこんでジュプジュプ音立てながらふやけるまでしゃぶられた。この人は本当にちんこだったら誰のでもいいんだろう。例えばさっき駅で写真を撮らせた男だっていいに違いない。だんだん腹が立ってきたので、最後は静馬に顔射した。

「やられたぁ」

 って言うわりに嬉しそう。なにをしてやっても逆効果。

「お風呂入ってくるね」

 俺の目の前で静馬が一枚一枚服を脱ぎ捨てていく。わざとらしいストリップショーに俺の目は釘付けになる。昨日抱いた体。いまから抱く体。待ち切れなかった。静馬のあとを追いかけて俺も風呂に入った。キスをしながら静馬が俺の体を洗ってくれる。手つきがいやらしくて、すぐまた勃起した。静馬は俺に見せつけるように尻の穴を洗った。早くぶち込みたい。

 濡れた体を拭くのもそこそこにベッドに連れこんだ。今日もねだられて四つん這いの静馬に後ろから挿入する。

 最初はガン掘りして責めた。さっき出したばかりだから長引かせられそうだ。昨日は必死だったけど今日は静馬のちんこを触る余裕がある。静馬も勃起していた。先っぽが濡れている。それをクチュクチュ扱いてやったら中が締まった。

「気持ちいい?」
「はぁ……すっごい気持ちい……ちんぽハメられたまま扱かれたらすぐイッちゃう」
「ほんとに?」

 ピストンしながらちんこを扱いてやった。ビクビクと静馬の腰が痙攣したみたいに震える。

「ああ……あ……出ちゃう……イッちゃう……!」

 射精の瞬間、ぎゅっと奥がキツくなった。俺もはやくこの中に中出ししてやりたい。

 息を吐き出しながらベッドに静馬が突っ伏す。俺もその上にのしかかった。体を密着させるのが気持ちいい。静馬からはいい匂いがする。それを吸いこみながら細い体を抱きしめる。さっきはイラついて顔射したけど、いまは静馬が愛しいし、他の誰にも抱かれて欲しくないと独占欲がわきあがってくる。ぴったりくっついて柔らかな髪の毛とか項に何度もキスした。これは俺のものだって印をつけていくみたいに。

 腰をゆったりグラインドさせた。長くなかに留まっていたい。静馬と離れるのが惜しい。淫乱くそビッチの変態でもいい。この人を俺のものにしたかった。

 長引かせる限界がきて、最後は静馬に中出しした。ちゅぽんと音を立てながらちんこを抜いて、静馬の横に寝転がる。静馬と目が合いキスした。だんだん頭が冷静になっていく。性欲に負けてまた静馬とセックスしてしまった。兄貴にバレたらどんな目に遭うか。

「兄貴にバレたらまじで殺されるかも」
「じゃあ秘密にしとかないとね」

 信用できない笑顔を浮かべ、静馬は俺の乳首を指で弄んだ。

「あんな奴のどこがいいの?」
「顔とちんことセックスが強いところ」

 はっきりしていて思わず吹き出した。

「俺と付き合ってって言ったら?」
「いいよ」
「まじ?」
「3人でしよっ」
「またそれ」
「本気だよ。薫も大介も大好きだから、3人で付き合いたい。3人でしたい」
「俺はやだ。吐くわ」

 吐くで思い出した。

「そうだ、昨日兄貴にキスされたんだった」
「なんでなんで?」

 肘をついて顔を覗きこんでくる。ずいぶん楽しそうだ。

「静馬を俺にちょうだいって言ったらキスされた。次そんなこと言ったらぶち犯すって脅されたし」
「なにそれ最高。犯されようよ、大介!」
「やだって」
「薫は大介を犯して、大介は俺を犯すの。良くない? 絶対いいよ。兄弟で3連結しようよ!」
「力説すんな。あんたほんと頭おかしい」

 体を起こし、ベッドから足をおろした。ぐうと腹が鳴る。性欲のあとは食欲を満たしたい。

「俺の頭がおかしいことなんて、最初からわかってたことだろ」

 静馬に背中を蹴られた。

「やめろよ」
「常識人ぶりやがって、ほんとつまんない奴。血は繋がっててもやっぱ薫とは違うね。期待はずれだよ。大介にはがっかりした!」

 兄貴と比べる言葉にカチンとくる。静馬の足を掴んで乱暴に押し返してやった。

「兄貴だって俺とヤリたがるわけないだろ」
「薫はやる気あるよ」
「……嘘だろ」

 穴兄弟になったことさえ心底嫌そうな顔をしたあの兄貴がそんなはずない。どうせ静馬の出任せに決まってる。でもはっきり言いきられると自信がなくなっていく。

「大介入れて3人でしたいって言ったら、薫は大介次第だって言ったよ」
「嘘だ。兄貴は俺を嫌ってるのに」
「薫も同じこと言ってた。大介は俺を嫌ってるから絶対実現しないって。でも傍から見てたらお前ら二人、相思相愛のブラコン同士だよ。ほんとは仲いいくせに仲悪いふりしてるだけじゃん」
「どこがっ」
「じゃあ今から薫呼び出そうよ。大介がいるって聞いたらあいつ何を置いてもすっ飛んでくるから。来たら俺の勝ちってことで3Pしようね」

 静馬は身軽にベッドからおりると鞄からスマホを出した。

「ほんとに電話すんの? 兄貴に殺される」
「大介は大丈夫。殺されるとしたら俺のほうだから」

 操作したあとスマホを耳にあてた。

「あ、薫? いま俺大介とホテルいるんだけど来ない? ほら前に言った話、覚えてるだろ? 3人でやろうってやつ。大介がやっとその気になってくれたんだ。……ほんとだよ。だから薫も早く来なよ。いますぐ大介にちんこぶち込みたいだろ? あははっ、そんなに怒るなよ。……手遅れだって、大介も電話聞いてるもん」

 静馬は俺を見ていたずらっぽく笑った。

「場所と部屋番号メールするから今すぐ来て。ただし、覚悟が出来てないなら来るなよ。意気地なしのフニャチンじゃ俺はイケないから」

 通話を切ると静馬はスマホをソファに投げ捨てた。

「薫が来るまでもう一回やっとく? あ、そんな気分じゃないか。顔真っ白だよ、大丈夫?」

 静馬に頭を抱えられ、額にキスされた。めちゃくちゃな言動とは裏腹に声もキスも優しい。俺はひたすら恐ろしくて仕方なかった。兄貴が来たらめちゃくちゃ怒られる。殴られるだけじゃ済まない。文字通りボコボコにされて半殺しにされる。こんなふざけた真似をして静馬もただじゃ済まないだろう。

 兄貴が俺とヤリたいわけがない。ここに来るのは3Pのためじゃない。俺たちを半殺しにするためだ。静馬はそれがわかってないんだ。

「いますぐここ出よう。逃げよう」
「嫌だ。大介だって知りたいだろ。薫が大介になにをしたいか。薫になにをされるのか」
「ボコにされんだよ!」
「そうなったらその時だよ」

 静馬が晴れやかに笑う。この人は本当にイカれてる。この人の破滅願望は本物だった。頭を抱えて呻った。静馬が隣に座り、慰めるように俺の背中を撫でた。細く硬い指。泣きそうなくらい、心地いい。



関連記事
スポンサーサイト
[PR]

コメント

管理者にだけ表示を許可する