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接点t(2/6)

2020.11.19.Thu.
<1>

 バイトが終わった夜、駅の改札で知った顔を見つけた。待ち合わせなのか柱にもたれてスマホを見ているのは、いつか兄貴とセックスした静馬だ。挨拶するほどの知り合いじゃないし、素知らぬふりで通りすぎようとしたら「大介くん?」と声をかけられてしまった。

「ああ、どうも」

 今日もお洒落。ストリートスナップ絶対撮られてますよねって感じ。だけど、あの口で兄貴のちんこをのどまで咥えこんだんだよな。後ろ向きでケツにちんこ突っ込まれて「気持ちいい」ってよがってたんだよな。思い出したらすっごく気まずい。

 俺が盗み聞きしていたなんて知らないから、「こんなとこで何してんの? バイト? お疲れ~」っていかにも年上の大学生って感じで会話してくる。この人が、兄貴曰く、露出狂の変態。おまけにユルユルケツマンコのくそビッチ。

「静馬さんはここで何してるんですか」
「あ、名前覚えててくれたんだあ」
「まあ」
「俺は待ち合わせだったんだけど、ブッチされたっぽい」

 笑いながらスマホをポケットにしまう。

「お腹すいてない? 奢るから食べに行こうよ」

 返事を待たずに静馬は俺の腕を掴んで歩きだす。

「いや、俺は。家でご飯用意してると思うし」
「いいじゃん。俺一人で食べるのも味気ないしさ。おすすめの店あるから付き合ってよ」
「でも」
「大介くんは真面目なんだね。薫と大違い」

 兄貴と比べられてカチンときた。生まれてこのかた、かけっこのタイムもテストの点数も逆上がりができた年齢もバレンタインでもらったチョコの数も、なにもかも兄貴と比べられる人生だった。それが一生続くのだ。

「別に、真面目じゃないです」
「じゃあ行こ」

 静馬に引っ張られて歩きだした。

連れて行かれたのはホテルの前。

「ほら入って」
「いや、飯って……ここ違いますよね」
「固いこと言わないの。この前俺と薫がセックスしてるとき盗み聞きしてたじゃん? 興味あるんでしょ」
「どうして知ってるんですか!」

 静馬が知ってるということは兄貴も知ってるということだ。全身サーッと血の気が引いたが、ニヤニヤ笑う静馬を見て気が付いた。

「カマかけた……?」
「どうでもいいじゃん。ヤろうよ。初めて会った時からかわいいなーって思ってたんだよね。薫と大介くん、兄弟2人コンプリートしたいしさ」
「嫌ですよ! 男となんて気持ち悪い!」
「俺たちのセックスでマスかいたくせに」
「あれはっ」
「薫の彼氏、寝取りたくない?」

 肩に手を置いて静馬が耳元で囁いた。

「兄貴だからっていつも偉そうにされて、大介くんの我慢も限界なんじゃない? 薫の初めての男って俺なんだよ。薫が知らないところで、薫の初彼寝取ってやるって興奮しない? あいつのものを、自分のものにしたくない?」

 兄貴の男を俺が寝取る……?

 おやつも、おかずもいつも兄貴のほうが多くてしかも何度も横取りされた。俺が買った漫画も先に読まれたし、テレビを見てても兄貴の好きなチャンネルに変えられた。外食しても俺が洋食がいいと言っても兄貴が焼肉と言えば焼肉になった。なにもかも、兄貴が優先されてきた。

 俺が静馬を寝取ったら。それを知らずに兄貴はまた静馬とセックスするんだ。俺に寝取られてとも知らずに。

 動悸が激しくなった。耳元で心臓の音が聞こえる。体中がカッカと熱くなって叫び出しそうになった。

「セックスでも薫に負けるなんて嫌だろ」

 静馬が妖しく囁く。男を誘う娼婦のように。兄貴の言葉が頭に蘇る。静馬は露出狂の変態くそビッチ。なんだかんだ言って、ただ俺とヤリたいだけなのかもしれない。怒りがこみあげてきた。

 静馬の腕を掴み、ホテルに駆け込んだ。

 初めて足を踏み入れたホテルに感動する間もなく、部屋に入るなり静馬にキスした。もちろんファーストキスだ。見様見真似、ただがむしゃらに静馬の口のなかを貪った。舌と舌が絡みあうのは気持ちよかった。混ざる吐息に興奮した。痛いくらいに勃起した股間を静馬に擦りつけた。

「焦らなくていいよ。今日は大介くんのものなんだから。俺の体、どこでも全部好きにしていいんだよ」
「じゃあっ……口でやって……兄貴にしたみたいに、口で……!」

 微笑むと静馬は床に膝をついた。ベルトを外し、ジーンズのチャックをおろす。工程ひとつひとつやるごとに、上目遣いに俺を見る。ずり下ろされたパンツから弾き出たちんこ越しにも、静馬は俺を見上げた。にこりと笑い、頬擦りしたあと、それを口に咥えた。

 熱い口腔内。さっき貪った舌が括れや竿を舐めている。物足りなくて静馬の頭を押さえ込んだ。兄貴にはイラマチオしてやったんだろ。俺にもやって欲しい。

 ズ、ズ、とちんこがのどの奥まで飲みこまれていく。腰が蕩けそうなほど気持ちいい。このまま射精してしまいたいくらいだ。静馬の頭を挟み、腰を振ってみた。静馬のきれいな顔が歪む。

「出すよ、飲んで……っ」

 ぐっと静馬の頭を引きよせ根本まで突っ込んだ。静馬の目が白黒する。のどの奥で射精した。静馬ののどが痙攣したようにビクビク脈打った。その動きすら気持ちいい。

 全部出しきったあと静馬の口からちんこを引き抜いた。ゲホ、ゴホッと静馬が噎せて咳き込む。その口から白い涎が垂れ落ちた。それを見たらまたしゃぶらせたくなった。

「一回出して満足したなんて言わないよね? こっちに突っ込まなきゃ、薫から俺を寝取ったなんて言えないよ」

 静馬はズボンとパンツを脱ぐとベッドに仰向けに寝転がり、膝を抱えあげた。俺の目に晒される静馬の尻と肛門。あそこに突っ込まないと、兄貴のものを奪ったとは言えないのだ。

 飛び掛かろうとする俺を静馬は笑いながら止めた。備品の小袋を俺に投げてよこす。

「ローションでそこを解してくれなきゃ、入れさせてあげないよ」
「ど、どうやるの? やり方がわかんないよ」
「まずそれを手に出して俺の尻に指入れて」

 言われた通りローションを手に出し、静馬の肛門に触れる。汚いとは思わなかった。頭のなかはもう、静馬に入れたい、兄貴から静馬を寝取りたい、それだけだ。

「大介のちんぽで怪我しないように指で解すんだよ。中で指を曲げたり、グリグリ回したりして。まわりの筋肉を揉み解すみたいにさ」

 ここに兄貴もちんこを突っ込んだことがあるのだ。俺もいまから同じことをしてやるんだ。兄貴より静馬を気持ち良くさせて、喘がせてやる。





この話を書いている時にとある予備校講師の動画を見ていたので、タイトルが「接点t」になりましたw
タイトルと人名は本当に考えるのが苦手なので、うっかり同じ名前使ってることがあります。仕方ないよね!現実世界でも同姓同名ありますしね!



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