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接点t(1/6)

2020.11.18.Wed.
※イミなし、オチなし、三角関係、近親相姦あり

 テレビゲームしてたら兄貴が帰ってきた。

「大介! お前ちょっと外出てろ」

 リビングに顔を出すなり言いつける。いつもこうだ。二年早く生まれてきたってだけで偉そうに命令してくる。

「なんで」
「いいから」
「いま始めたばっかだから、きりのいいところまで待ってよ」

 ズカズカ入ってくると兄貴はゲームのコンセントを抜いた。

「おら、終わっただろ、行け」

 しっしと犬を追っぱらう見たいに手を振る。俺よりちょっと顔がよくて、ちょっと頭がよくて、ちょっと親から期待されてるからって、こんな横暴が許されていいんだろうか。

 でも歯向かったところで勝てる見込みはない。たった二歳差。されど二歳差。一度も喧嘩で勝てたことはない。

 ぶつくさ文句を言いながらリビングを出たら廊下に人がいてびびった。兄貴の友達らしい。なんかお洒落雑誌のストリートスナップで「写真撮らせてくださーい」とか言われてそうなシュッとして今風のお洒落大学生って感じの人。

 俺と目が合うとにこっと愛想よく笑ってくれる。リア充特有の、誰とでも分け隔てない感じの馴れ馴れしさ。

「薫の弟?」
「あ、はい、不本意ですけど」
「あははっ、薫って横暴だよねー。あんなのが兄貴じゃ苦労するでしょ」
「わかってくれます?」
「わかるわかる」

 と屈託なく笑う。兄貴の友達だが悪い人じゃなさそうだ。いやしかし、兄貴も外面だけはいいらしいから、この人も裏の顔があるのかもしれない。

「なんだお前、まだいたのか。早く行けよ」

 リビングから出てきた兄貴の目がマジになる。やばい。そろそろ鉄拳制裁の予感。

 屈辱だが、殴られる前に玄関へ急ぐ。それを見届けた兄貴は友達を連れて階段を上っていった。兄貴が友達を呼んだときに人払いをするのは、たいてい悪いことを企んでいる時だ。

 初めて煙草を吸った時、AVを見る時、彼女を連れこんだ時も、俺を追っ払った。なぜ知っているかと言うと、家を出たふりをして中に残っていたことが何度かあるからだ。それをネタに兄貴を脅したところで倍返しが待っているだけだから、ただ個人的に兄貴の秘密の悪事を知りたいだけ。ささやかな優越感のためだ。

 ちゃんと玄関の扉を開けて外へ出たという演出をする。そのあと念のため靴を下駄箱に隠して静かにリビングに戻った。全神経を使って上からの物音に集中する。

 ほとんどなんの物音も聞こえない。上まで行かないと駄目みたいだ

 階段を軋ませないよう、忍び足で近づく。兄貴の部屋の扉が見えた。それでもまだ何も聞こえてこない。匍匐前進で廊下を進み、兄貴の部屋の前へ。扉に耳を当ててやっとかすかに声が聞こえてきた。

「薫の弟、大介くんって言ったっけ。かわいそうじゃん。なにも追い出さなくてもいいのに」
「あいつ、俺が女連れこんだら隣で聞き耳立ててオナニーするような奴だからな。油断ならねえんだよ」

 ギクリと身をすくませた。親がいる日に彼女を連れこんだときは俺を追い出さないし、さすがに兄貴もセックスまではしない。でも部屋の壁にくっついて聞き耳を立てていると、あきらかにいやらしい声が聞こえてくるときがある。彼女に触ったり、彼女に口でさせたりと。あれを盗み聞いていたこと、しかも自慰してたことまで兄貴に見抜かれていたなんて。

「いまも外で聞いてたりして?」

 友達の声にサーッと血の気が引いた。

「それ静馬の願望だろ。お前ほんと変態だよな。露出狂っての? 公衆トイレとか空き教室とか、人の気配があるとこでヤんの好きだもんな。破滅的なセックス大好きだろお前」
「付き合ってくれる薫も充分変態じゃん」
「俺はドノーマルな人間だったのに、お前のせいで性癖歪められたんだよ、責任取れ」

 俺のことから話がかわってほっとしたが、内容に首を傾げた。ひとつの可能性が浮かんだが、2人とも男同士だと打ち消す。だが中から聞こえてきたのは、そのまさかだった。

「おら、もっと奥まで咥えろ。イラマ好きだろ、お前」

 兄貴の声のあとくぐもった呻き声。イラマって……イラマチオのことか?! あの、ちんこをのどの奥まで突っ込んで扱くやつ?! あのスナップショットの人が兄貴のちんこを喉でしゃぶってるのか!?

 想像したら心臓が口から出そうな勢いドクンドクンと鳴りだした。兄貴はいままでずっと女としか付き合ってこなかった。男を家に呼ぶことはあったけどばか騒ぎする友達しか知らない。こんな、イラマさせるような男を連れこんだのは初めてだ。あいつとうとう、女じゃ飽き足らず男にまで手を出すようになったのか。連れてる女のタイプを見て前から節操がないと思っていたが、まさか性別にもこだわりがなかったとは……。

「突っ込んでやるから足開け」

 兄貴の声に我に返る。男同士のセックスなんて興味ないしゲボ出そうだけど、兄貴が男とヤってるなんて面白いし、静馬って呼ばれたスナップの人は見た目悪くなかったし、こんな機会人生一度きりかもしれないから、俺はこの場に留まって盗み聞きを続けた。

「後ろから入れて」
「好きだな、お前」

 しばらくしてベッドの軋む音と肉のぶつかる音が聞こえてきた。生々しいスナップの喘ぎ声、兄貴の暴言のような言葉責め、それに反応してスナップの声がいっそう大きくいやらしくなる。兄貴が言う通り、静馬って人は変態なんだろう。

 恐ろしい反応が俺にも起きていた。ちんこが勃起してしまったのだ。男同士なんて興味ない。ただいやらしい事柄にちんこが反応しただけ。そう言い訳しつつ、床に擦りつけた。

「はあっ、あんっ、あっ、薫のちんこ好きっ、気持ちい……! もっと……もっと動いて……!」
「指図すんな、ゆるゆるマンコのくそビッチが」

 もう無理だ。我慢の限界。仰向けになってズボンのチャックをさげた。勃起ちんこを出してシコシコ扱く。兄貴は中学の頃から彼女がいて、高1ではもう童貞を捨てているのに、兄貴とたった二歳しか違わない俺は盗み聞きしてオナニーしてるだけの童貞なんて不公平だ。

「……ウッ……!」

 ドピュッと手に生温い精液。放心状態も束の間、中の二人もフィニッシュを迎えそうな気配に気付いて、そっと階段を下りた。音を立てないように洗面所で手を洗い、下駄箱から出した靴を持って裏口から外へ出た。

 昔、兄貴とよく遊んで泣かされた近所の公園のベンチに腰を下ろす。奇声をあげてはしゃぎまくる小/学生を見ながら盛大にため息をついた。ホモセックスで抜いてしまった……。

 まさか兄貴がホモだったなんて。いや女もいけるから、バイ? そんなものにジョブチェンジしていたなんて知らなかった。女とやってるときも軽い言葉責めはしてたけど、静馬相手には本性解放してドS丸出しだった。あれに興奮する静馬も相当なドМだ。

 のどが乾いていることに気付いて自販機でジュースを買った。17時のチャイムが流れる。そんなのお構いなしに遊んでいる小/学生たちを見ていたら胸がきゅっと苦しくなった。




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