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日常茶飯事(5/5)

2020.11.15.Sun.


 俺は真由とキスをしていた。官能的なキスですぐ股間が元気になる。真由はそれを直で握って上下に擦った。

「真由……」

 もっと舌を味わいたくて吸い寄せると真由もそれに応えるように深く入り込んで口蓋や舌の裏まで舐めてくる。腰がじんと痺れた。俺も真由に触れたい。手を伸ばしたそこに熱い膨らみ。布越しに、にょきっと伸びた肉の棒。

 はっと目を覚ました俺の目の前に翔の顔。いま俺の口内を貪っているのは真由ではなく、翔。夢から覚めて混乱したのも一瞬で、すぐ我に返って翔を突き飛ばした。翔は上半身裸でズボンを穿いた股間はしっかり隆起している。さらによく見ると俺のワイシャツははだけ、下半身は何も身につけていなかった。

「おまえ、なにしてるんだよ! 何もしないって言っただろ!」
「今日は何もしないって言ったんですよ。ちゃんと約束守ったじゃないですか」

 今日はって……まさか……。

 にっこり笑って翔はスマホの待ち受けを俺に見せた。時刻は0時3分。日付が変わっている。今日は手出ししないが、日付がかわったから手を出しましたって? そんな馬鹿な話があってたまるか! 

「騙されたって思ってるでしょ」
「実際そうだろ!」
「でも一回俺にヤラれてるのに飯につられてホイホイやってきて酒飲んでベッドで寝る数矢さんにも問題がありますよ。鴨ネギもいいとこじゃないですか。無防備にベッドに寝転がって、好きにしてくれって言ってるようなもんでしょ。ほんとはちょっとは期待してたんじゃないですか?」
「ばっ、馬鹿なこというな。俺はホモじゃないんだぞ」
「俺だって誰でもいいわけじゃないですよ。女の子の守備範囲は広いけど、男の基準はかなりシビアなんです。数矢さんは俺の性癖ドンピシャですよ」

 翔は俺の目の前でズボンのチャックをおろした。パンツのゴムを引っ張ると中から勢いよくちんこが出てくる。もうすでに勃起状態だ。

「俺ね、こんなにお預けくらったの初めてですよ。さすがにもう待てないです」

 と俺に迫ってくる。

「待て待て待て! やんねえよ! 何考えてんだお前!」
「じゃあ、扱き合いだけ。それならいいでしょ。一宿一飯の恩義ってやつですよ」

 むずっと翔は俺のちんこを握った。ずっと勃ちっぱなしなのはさっき見た夢のせいだ! 断じて翔に反応してるんじゃないぞ!

「しっ、扱くだけだからな!」
「じゃあほら、俺の掴んで」

 そそり立つ翔のちんこに手を伸ばす。すでに太くて硬い最終形態。

「キスするなよ」
「しませんって」
「手だけだからな!」
「はいはい」

 手の焼ける子供をあしらうような口調。あとでほえ面かくなよ。前はそんな下手な手コキじゃイケないと言われたが、今日こそ翔を先にイカせてやる。翔の反応を窺いながら手を動かす。

 翔も俺の顔を見つめながら擦った。妙に優しくてエロい目で俺を見やがる。翔の視線が息苦しいし恥ずかしい。俺も見ているのに見るなとは言えない。ひたすら我慢大会だ。

「数矢さん、顔赤いよ」
「う、うるさい」
「照れてんの? かわいい」

 カウパーの滲む鈴口に軽く爪を立てられた。思わず体がビクンと飛び跳ねる。数矢は俺の体を抱きよせ、肩に顎を乗せた。頬と頬が触れ合う。今日も翔はいい匂いがする。こんなに近くにいると翔の匂いと体温に包まれて変な気分になってくる。俺はホモじゃない。男と寝た経験は翔と一回だけ。それまでは自分が男と寝るなんて考えたこともないし、男を意識したこともなかった。ところが今は男の翔を相手に胸をドキドキさせている。性の対象として認識している。自分がその対象になっていることも許容している。たった一度の経験で俺の性的価値観は変わってしまった。

「数矢さん、そこもっと擦って。そうそう、そこ。上手」

 翔が目を伏せて深く息を吐く。睫毛長い。若いから肌もハリがあるし、きれいだ。俺なんてもうおっさんと呼ばれる年齢に片足突っ込んでて寝起きの顔もひどいもんだ。そのうち加齢臭も漂うようになって、店で出されたおしぼりで顔を拭くようになってしまうんだろう。翔のそんな姿は想像できなかった。

 気付くと翔の手が止まっていた。気持ち良さそうな息遣いの合間に漏れる小さな声。エロ動画を見ている時は邪魔なだけの男の喘ぎ声なのに、翔の場合はなぜかエロい。卑猥だ。可愛いとも思う。

「イク?」

 俺が訊いたら素直に頷いて、小さく呻いたあと俺の手のなかに吐き出した。

「早いな」
「違うって今日は……、中途半端にムラついてたから」

 俺と入れ違いで追い出された女の子を思い出した。翔はパンツ一丁だった。それもきっと慌てて穿いたに違いないパンツ。もう挿入寸前まで事は進んでたんだろう。もしかしたら挿れてたかもしれない。そんな状況でどうしてこいつは俺を選んだんだ。無視すりゃ良かったのに。

「今日は数矢さんの勝ちですね」

 翔はティッシュでちんこを拭くとズボンのチャックをあげた。さっぱりした顔で立ちあがるとキッチンで手を洗い、冷蔵庫を開ける。ほったらかしにされて俺は自分のちんこを見下ろした。こっちこそ中途半端にムラつかされて処理に困っているんだが。

 缶ビールを飲みながら翔が戻ってきた。

「どうしたんですか?」
「あ、いや」
「ふはっ、素直じゃないなあ。俺もイカせろって言えばいいのに」

 缶ビールをテーブルに置いて翔が戻ってきた。俺を押し倒しながらキスをしてくる。それに抵抗しながら顔を背けた。

「キスだめ? もう勝負は終わったんだからいいじゃないですか。あとは数矢さんがいくだけですよ。出したいでしょ」

 剥き出しの股間に翔がむしゃぶりつく。ずるり、と口腔の奥深くまで飲みこまれて、当たった粘膜の気持ちよさに腰が蕩けそうになった。

「ちょっ……やめろ、それやばい……!」

 グポグポと音を立てながら翔の頭が上下に動く。翔の口を俺のちんこが出たり入ったりするのを目の当たりにして頭のなかが沸騰しそうになった。どうしてこいつはこんなことが平気でできるんだろう。

「はっ?! おまっ……どこ触ってんだよっ」

 フェラしながら翔の指が俺の後ろをまさぐっていた。撫でるように周辺を触ったあと指先を中へと入れてくる。今まで自分は突っ込む側としてそれが当たり前だと生きてきたのに、それが根底から覆される瞬間だ。

 グニグニと翔の指が中で動き前立腺を探し当てた。どうしてそんなところに性感帯があるのか不思議で仕方がない。

「ここ、覚えてるでしょ」
「触んなよっ」
「中イキできるようになって欲しいじゃないですか」

 にっこり笑って翔は激しく指を動かした。摩擦でなかが熱くなる。お腹も温かくなって、ちんこの根本がジンジンしてきて、嫌でも翔に突っ込まれて犯された日のことを思い出してしまう。ちんこもしゃぶられてもう何も考えられなくなっていく。イキたい。出したい。だからもっと強く。

「いっ……入れろよ……ッ!」
「えっ? なんて? よく聞こえなかった。もう一回言って」
「聞こえてただろ、入れろって言ったんだよ」
「どこになにを?」
「うるさい」
「仕方ないなあ。やっと素直に言ってくれたから、おまけですよ」

 嬉しそうに笑う。勝負じゃないけど負けた気分だ。でももう負けでもいい。新しく知ってしまった快感をおさらいしたい。

「じゃあ俺の、おっきくしてくださいよ」

 耳に寄せて翔が囁く。恥ずかしかったが翔のちんこを掴んで扱いた。これじゃ俺がめちゃくちゃ翔のちんこを欲しがってるみたいじゃないか。自分からねだったんだから間違いじゃないのか。いや、でもこれはなかなか屈辱的。

「そういえばもうゴムが切れちゃってんですよね。生でいいですか?」
「えっ」

 生はまずくないか。

「やめときます?」
「……そのままでいい」

 どうせ前も生で犯られているんだ。

「じゃ、ご開帳」

 翔が俺の膝を左右に抱えあげた。大股開きで自分の恥ずかしい場所が丸見えだ。しかも腰が痛い。

「明日体が辛いかもしれないけど、数矢さんに繋がってるとこちゃんと見て欲しいから我慢してね」

 ネチャネチャと粘着質な水音を楽しむように亀頭を俺の尻穴に擦りつける。期待と興奮と恐怖とで俺の息は自然と早く荒くなった。

「翔、早く……! 焦らすなよっ」
「かわいいー。見てて、ゆっくり入れるよ」

 翔が俺に体重をかける。亀頭を押しつけられた肛門がぐいと押し広げられる感覚。あんなでっぷりしたものが入るのか、身をもって前例を体験していても不思議で仕方なかったが、案外あっさりと亀頭は飲みこまれた。中途半端な場所に留まられているぶん圧迫感がすごい。奥まで一思いに入れてくれ。よくわかんない感情から目の表面がじわりと濡れる。

「つらいでしょ? 奥まで入れて欲しい?」

 無言で何度も頷く。胸が詰まって何も言えない。

「ほんとかわいいね。めちゃくちゃにしたくなっちゃうじゃん。俺、気に入った子はとことん甘やかしてあげたい派なのにさ。数矢さんのことは、ズクズクに泣かせてよがらせて俺に縋りつかせたいよ」
「翔……もう無理っ……早く奥まで来てくれ……!」

 半泣きで訴えかける。翔はうっとり俺を見下ろして「いくね」と言うとその強直を奥まで突きさした。

「ほら見て数矢さん。奥まで咥えこんでるよ。わかる? わかるよね? 奥まで俺のが届いてるの、体でも感じてるでしょ?」

 必死に頷いた拍子に目尻から涙が零れた。言われなくても翔のちんこが信じられないところまで入っているのを感じている。体勢のせいか背骨にまで当たってるんじゃないかって気がするし、入っちゃいけないところにまで届いてそうな気もする。

「また泣いちゃった? 今時、処女喪失くらいで泣く女の子もいないってのに、数矢さんは二回目でも泣いちゃうの?」
「ちがっ……お前の腹まで届いて……なかが熱いんだよぉ……! 熱くて気持ちいとか、俺、変だろっ」

 今まで突っ込む側だった俺が、体だけじゃなく心まで突っ込まれる側に作り替えられてしまった。それもこれも翔のせいだ。こいつの顔がいいから。キスとセックスがうまいから。引き際を心得てて料理がうまくて口八丁手八丁で俺を翻弄するから。これだからモテる男は嫌いなんだ!

「変じゃないよ、数矢さん。俺だってちんこ蕩けそうなくらい気持ちいいんだから」

 翔はゆっくり腰を動かし始めた。俺のなかを翔のちんこが出たり入ったり。それを目の当たりにして顔が熱くなる。俺は自分から望んで男の、翔のちんこで尻を掘られているんだ。

「ふあっ、あっあっ、翔の、好きにうごいてい、からっ、あっ」
「充分、好き勝手させてもらってるよ」

 翔は腰の角度をかえた。さらに深いところまで届く。恐ろしくなって手を伸ばしたら翔は手を握り返してくれた。

「怖くないよ」
「んっああっ、そんな奥……やっ、あっ、翔っ」

 こんなに気持ちよくていいんだろうか。体の隅々まで満たされていくようだ。自分が自分でなくなっていくようで怖い。

「そ、こっ……もっとしてっ……いいっ、そこ気持ちいっ……出るっ」

 最近ネカフェでおちついてマスもかけなかった。そんな俺が翔の手にかかればひとたまりもない。

「数矢さん、俺の名前呼びながらイッて」

 俺のちんこを翔が握ってシコる。

「翔……! 俺もう……イクっ……翔、翔……!」

 グ、と歯を食いしばる。吐き出された生温かい精液が見事顔に命中する。翔のやつ、わざと角度調節しやがったな。片目をうっすら開く。翔は満足げな顔で腰を振っている。

「悪趣味、変態」
「似合ってるよ。俺のもかけていい?」
「殺すぞ」
「ははっ、ウケる」

 浮いていた腰が下ろされた。無理な体勢を強いられていた腰がギシギシ悲鳴をあげる。これ絶対明日痛いやつだ。今度はひっくり返ったカエルみたいな格好で翔に揺さぶられる。足の持って行き場に困って翔の腰に巻きつけた。あ、これはこれで好き者みたいだ。

「俺もそろそろ出すね」
「好きにしてくれ」
「あとで一緒にお風呂入ろ」

 俺にキスしながら翔も達した。翔とのキスもセックスも、もう俺のなかでは異常なことではなくなっている。どうしよう。どうなる俺。

 ※ ※ ※

 朝起きたら案の定、体中が痛かった。原因を作った男の寝顔を睨みつけベッドを抜け出す。朝食になりそうなものはないかと冷蔵庫をそっと開ける。朝食を作ってやるのは昨日飯をご馳走になって泊めてもらったからだし、前回翔がすごく喜んでくれたからじゃないし。

 昨日の夕飯の残りがあったから、とりあえず味噌汁だけ作った。できた頃に、「いい匂いがする」と翔が起きた。寝起きのぼんやりとした顔で嬉しそうに味噌汁を見て、「嫁にきませんか」と俺に抱きついてきた。こういうことを誰にでも言っているくせに。

「次の部屋、たぶん決まったから」

 2人で向かい合ってご飯を食べながら翔に言った。

「良かったですね。ネカフェ難民卒業じゃないですか。どのあたりにしたんです?」
「別に他意はないし、ほんとにたまたま条件に合うちょうどいいのがそこだったってだけで、ほんとになんの意味もないからな」

 と前置きして、物件Bの資料を翔に見せた。最寄り駅が同じだと翔はすぐ気がついて、俺の必死な言い訳の理由を悟ると肩を揺すって笑った。

「ご近所さんですね。嬉しいなあ。これからもちょくちょく会えますね。俺、引っ越しの手伝い行きますよ。ここってちょっと行った先のマンションでしょ。めちゃくちゃ近い」

 俺を見て意味深に笑みを濃くする。

「ほんとにここにしたのはお前とまったく無関係の理由だからな!」
「わかってますって。たまたま条件が良かっただけでしょ。そんなムキにならなくてもいいですよ。逆に、そんなに俺のこと意識してくれてんのかなって勘違いしちゃうじゃないですか」
「してねえよ」

 鏡を見なくてもいまの俺はめちゃくちゃ意識してますって顔をしているに違いない。その証拠に翔がすごく嬉しそうでいやらしげな顔だ。俺も実は満更じゃないかもしれない。たまにこうしてお互いの部屋を行き来して、一緒に飯を食う。もしかしたら流れでセックスとかするかもしれない。俺はもう彼女いないわけだし、誰に責められることでもない。

 食事の後片付けをし、今日も2人そろって部屋を出た。



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