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日常茶飯事(1/5)

2020.11.11.Wed.
<前作「NO!サプライズ!」>

※日常系終わり方(なんそれ?)


「おい翔、起きろ」

 なかなか起きない頭を遠慮なく引っぱたいた。翔が寝惚け眼で俺を見つけ「誰あんた」と寝ぼけたことを言う。

「忘れたのかよ、お前が寝取った真由の彼氏だよ」
「ああ、真由ちゃんの元カレね」

 にやりと笑ってベッドから出てきた翔は素っ裸だ。股間でブラつくものに否が応でも目がいってしまう。あれが真由のなかを出たり入ったり……

 昨夜、サプライズしようと寝室のクローゼットに隠れて真由を待っていたら真由は男連れで帰宅した。そして俺が隠れているとも知らずに二人はおっぱじめやがった。

「俺が寝取ったって、真由ちゃんに係ってんの? それとも彼氏さん?」

 ボクサーを穿いて翔が振り返る。言われてみれば確かに「真由」と「彼氏」の両方にかかっている。真由のあと、俺もこの翔に食われた。あのちんこは、俺のなかも出たり入ったりしたわけだ。その現場を真由に見つかり「最低! 浮気者!」と自分のことを棚上げした真由に家から追い出され、自分のせいでもあるからと言う言葉に甘えて昨夜は翔の家に泊めてもらった。

 下関係はダラしなさそうなのに部屋は驚くほど整理整頓されてきれいなのが意外だ。そもそも物が少ないから散らかりようがないだけかもしれないが。

「そんなことはどうだっていい。さっさと顔洗って飯食え」
「えっ、ご飯作ってくれたの?」
「お前のせいとは言え、放りだされた俺を泊めてくれたんだから、このくらいの恩返しはしてやる」
「うわー、こういうの憧れだったんですよね。俺より先に起きた恋人がご飯作って起こしに来てくれるの。感動だなあ。まじ嬉しいですよ、数矢さん」

 子供みたいに顔をキラキラさせているがどうせ口だけだ。顔だけはいいコイツのことだ、朝飯どころか夕飯だって作りに来てくれる彼女はゴロゴロいるはずだ。本当に口がうまい。

「今日はどうするんですか? 真由ちゃんのところに帰るんですか?」
「まあ一回はちゃんと話しあわないとだろ。別れるにしたってあの部屋どうするか決めないといけないし、俺の荷物もあるし」
「別れ話終わったらまた俺んち来ていいですよ。ホテル行くのもお金勿体ないでしょ。新しい部屋決まるまでここに暮らせばいいじゃないですか。かわりにこうやって朝飯作ってくれたらいいんで」

 これ以上間男の世話にはなりたくない。首を横に振って固辞する。翔は気障に肩をすくめたあと「気が向いたら来て下さい。いつでも歓迎しますよ」と言うと顔を洗いに行った。

 朝飯を食べたあと翔と一緒に出勤した。駅のホームで別れるとき「行ってらっしゃい」と翔が手を振るのが恥ずかしかった。

 電車を待つ間真由にメールを送った。会社に着いてからチェックしたが返事はなし。自分が先に浮気をしておいて「浮気者!」とは笑わせる。俺の出張中に男を連れこんだ反省はまるでナシだ。

 昼休みになっても返信はない。退社してから電話をかけたが着拒されているようで繋がらない。あの部屋は俺の家でもある。真由がいようがいまいが俺には入る権利がある。真由の許可は必要ない。

 たった一晩で他人の家のように感じる我が家の前に立ち、鍵穴に鍵を差し込んだ。奥まで入らない。上下間違えたかと入れ直したが結果は同じ。鍵が入らない。どうやら真由は鍵を交換したようだ。行動の早い女だ。俺の荷物もまだ中にあるっていうのに。

 真由に電話しようとしたら見知らぬ番号から電話がかかってきた。真由か? まさか携帯も変えたのか? 通話ボタンを押した。

『あっ、数矢さん? 俺俺、翔だよー』
「なんで俺の番号知ってるんだよ」
『真由ちゃんが教えてくれたんですよ。荷物預かってるんで取りに来てください。俺んちに集合ってことでいいですか? いいですよね。どうせ部屋の中入れてもらえてないんでしょ?』
「どうしてそれを」
『真由ちゃんから伝言で、二度と顔見せんな、だそうですよ』
「ふざけんなっ」
『俺に八つ当たりしないでくださいよ。もう真由ちゃんの心は数矢さんから離れちゃったんだから男らしく諦めましょうよ』
「誰のせいだ」
『俺だけのせいじゃないですよ。数矢さんだって気持ち良くなって俺にイカせてっておねだりしてきたくせに、もう忘れちゃったんですか? ボケるにはまだ早いですよ』
「うるさい! だいたいなんでお前は真由からシカトされてねえんだよ!」
『真由ちゃんのなかでは、俺が数矢さんに寝取られたことになってるみたいですよ』

 絶句した。逆だ。俺がこいつに寝取られたんだ!

『そういうわけなんで、遅くなんないうちに来てくださいね。ついでに牛乳買ってきてくれたら明日の朝は俺が飯作りますよ』
「泊まらねえよ!」

 通話を叩き切った。真由はもう別れるつもりで話しあう気もないらしい。荷物も翔に預けているならここにいても仕方がない。早く荷物を受け取り今夜の宿を確保しないと明日の仕事に響く。とりあえず今日はネカフェに行って即入荷可の部屋を探すとしよう。

 翔のマンションへ行く途中、見つけたコンビニに入った。今日の晩飯と、ついでだから牛乳を一本買ってやった。

 ※ ※ ※

「ほんと馬鹿っていうか学習しないっていうか。そういうとこ、かわいいですけどね」

 翔が俺にのしかかり首筋を舐める。

 本当にただ荷物を取りに来ただけだった。牛乳はただの手土産のつもりだった。弁当を見つけた翔が「俺んちで食べて行けばいいじゃないですか。お茶くらい出しますよ」って俺を引き止めるから弁当を食べたら出て行くつもりで部屋に入った。今夜はネカフェに行くと言ったら「ああいう場所の風呂って落ち着かなくないですか? 俺んちでシャワー浴びればいいじゃないですか。ついでにお湯張りますよ」と言うと俺の返事を待たずお湯張りのスイッチを押してしまった。

 出張中ずっとシャワーで済ませていたからつい湯船が恋しくなった。風呂入ったら出よう、そう思って言われるまま風呂に入って出てきたところを翔に押し倒されてこのザマだ。

「お前最初からこのつもりだったな」
「数矢さんこそ」
「俺はほんとに荷物だけのつもりだったんだ」
「じゃあどうして牛乳買ってきてくれたんですか。それもうOKってことですよね」
「手ぶらじゃ悪いと思ったから」
「のこのこ部屋にあがりこんで、風呂まで入って、女でもそんな言い訳通用しないよ」

 女じゃないからそんな言い訳が通用すると思ってしまったんだ。

 翔は俺にキスをしながら股間を揉んできた。二日連続好き勝手やられてたまるか。俺も翔の股間に手を伸ばした。半立ちのものを掴んでやると驚いた顔をする。

「やる気になってくれた?」
「さっさとイケ、どうせ出したら終わりだろ」

 男なんて出すもの出したら嘘みたいに欲望が消えるものだ。虚脱感からもう何もしたくなくなる。だから先に翔をイカせれば俺が突っ込まれることもない。

「挑発的だなあ」

 翔は目を眇めた。

「じゃあどっちが先にイクか勝負しましょうよ。俺が負けたら今日は絶対手は出しません。数矢さんが先にイッたら今日もヤラせてくださいよ」
「受けて立ってやらあ」



やば!かわいい!最高!

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