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宇宙人の恋(3/4)

2020.11.03.Tue.


 ホテルの部屋に入ったタイミングで藍田のスマホが鳴った。慌てて電話に出た藍田の顔色は悪い。それだけで亮からの電話だとわかる。

「亮くん、どうしたの……えっ、俺んちにいるの……? えっと、いま……コンビニに来てて……」

 泣き出しそうな顔で俺を見る。抜き打ちで藍田の部屋へやってきてアリバイの確認をしようとしたらしい。執念深い男だ。

「ごめんね、すぐ帰るから待ってて」

 と、ベッドに置いた鞄を掴む。俺はそれをひったくった。非難めいた目が俺を見る。その目を見つめ返しながらゆっくり首を振った。いま帰ったらなにも解決しない。

 藍田は唇を噛んだ。亮がなにか怒鳴っているのが受話口から漏れ聞こえてくる。どうして藍田はこんな男を好きになったのだろう。どうしていつも禄でもない男ばかり好きになるのだろう。まともな男だって周りにいるはずなのに。例えば俺だって──。亮に比べればマシな部類に入ると思うのだが。

 藍田の腕を掴んだ。冷たくなっている手を握る。はっと息を飲んだ藍田が、おずおずと握り返してきた。

「亮くん、ごめん……」

 吐き出すように言葉を紡ぐ。

「俺、やっぱ帰らない。もう亮くんとは一緒にいらんない。別れよう。あれも駄目これも駄目って……もう我慢の限界なんだ。ほんとごめん」

 喚く声が聞こえたが、藍田は迷いを振り切るように通話を切ると大きく息を吐き出した。青ざめた顔で無理に笑う。

「こんなに簡単だったんだな」
「簡単じゃない、勇気が要っただろ、俺の前では無理するな」
「今日はずっと一緒にいてくれるんだよね?」
「ああ」
「俺のこと慰めてくれるんだろ」
「ああ」
「甘えちゃうよ、俺」

 藍田が抱きついてくる。友情を越えた行為だとわかっているがいまはこれが最善だと思える。俺も藍田を抱きしめてやった。

 ちょっと準備してくる、と藍田はシャワーを浴びに行った。その間にスマホをチェックしたら金吾から返事がきていた。

『様子見に行っといてよかったじゃん。俺も協力するし、なんかあったら連絡して』

 ありがとうと返事をして藍田が出てくるのを待った。十分ほどして腰にタオルを巻いた藍田が出てきた。俺を見るなり笑顔になって小走りで飛び掛かってきた。その拍子にベッドに倒れ込む。

「俺も風呂に」
「いいよ、このままで」

 俺の顔を両手で固定するとかぶりつくようにキスしてきた。すぐさまぬるりと舌が入ってくる。口のなかを舐め回しながら、藍田は俺の服を脱がせていった。半裸になったところで藍田はキスをやめ、俺を見据えながら腰のタオルを剥ぎ取った。もうすでに立ちあがって天を睨んでいる。

「触ってよ」

 膝立ちになり、見せつけるように股間をつきだす。覚悟はしていたつもりだったがやはり現物を目の前にすると躊躇う。なにもしゃぶれと言われたわけじゃない、触るだけだ、と勇気を出して握った。俺のものと変わらない弾力ある固さと、熱さ。俺より少し細い気がするそれを上下に扱いた。

 俺の肩に手を乗せて藍田は顔を歪ませる。

「はあっ、あ、ああっ、気持ちいいっ」

 と腰を揺らす。俺は女と経験がない。つい二ヶ月前に童貞を捨てた相手はこの藍田だ。だから俺には藍田しかデータがない。藍田はすぐ人のものを咥えるし、卑猥な言葉を言うし、積極的に自分で動いて快楽を搾り取ろうとする。こんなのAVの世界だけだと思っていたが、普通のことなのだろうか。

「もっと先っぽぉ……っ……あ、あっそれっ……ああっ、もうイキそう、もっと早くっ、あっあっ、気持ちいい……!」

 ハアハアと腹を脈打たせながら藍田は自分で乳首を弄りだした。そこも気持ちいいらしい。空いてる片方を口に含んだ。甘噛みして舌で嬲る。

「ああっ! やっ、ああっそんな……しちゃ……ああっ、もうだめっ、出ちゃうよ、井上……イクッ、イクッ!」

 俺の頭を掻き抱いて藍田は果てた。ビュクビュクと飛び出した精液が俺の喉や胸にかかった。全部出しきると力が抜けたように藍田は腰を落とした。荒い息をしながら俺を見て微笑む。

「ごめん、かかっちゃったね」
「あとで風呂に入るからいい」

 藍田は俺の股間に顔を寄せるとボクサーをずりおろし、半立ちになっているものを大事そうに外へ引っ張りだした。藍田の口が開くのを見て前回の記憶が蘇った。急速にそこに血液が集まりだす。屹立したものを藍田は咥えこみ、音を立ててしゃぶった。すぐに出てしまいそうだ。

「ゴム持ってないからさ、このままでもいい?」
「お前はいいのか?」
「俺はぶっちゃけ生の方が好き」

 呆れつつ、顔に熱がこもる。

「もういい。早くしないと出るぞ」
「フェラ上手でしょ、俺」

 頭をあげた藍田は俺の股間に跨った。手で添えながら、ゆっくり腰をおろしていく。熱くてキツい穴に、俺のものがゆっくり飲みこまれていく。前回はわけもわからないまま終わった。友人だと思っていた藍田にフェラされ、その処理もしきれないうちに藍田に童貞を食われた。気持ちいいのか、きつくて痛いのか、藍田はどうなのか、そんなことを考えているうちに終わっていた。本当にあれは強/姦と言っていい。俺の目の前で痴態を晒す藍田の姿しか記憶に残っていない。

 今日は違う。自分の置かれている状況がよくわかっている。俺が自分で選択した結果だということも。

 藍田の腰を掴んで支えた。全部を飲みこむと藍田は深く息を吐いた。俺を見下ろして艶めかしく笑う。

「井上のちんこ好き、気持ちいい」

 膝を開いて藍田はゆっくり腰を上下に動かした。藍田のなかで俺のものが全体的に扱かれる。熱いのに心地よくて、きついのに気持ちいい。思わず口から吐息が漏れた。

「あ……井上の、またおっきくなった」
「わかるのか?」
「全部わかるよ。いますごい気持ちいいでしょ。喜んでビクビク震えてるのわかるもん。もっと気持ち良くしてあげるね」

 後ろに手をついて体を反らせた。結合部まで丸見えになる。俺の動揺なんてお構いなしに藍田は腰を揺さぶった。体勢のせいなのか、中がより締まる。

「気持ちいい?」
「気持ちいい」
「良かった……んく……う、んっ、はあっ、あっ、あっ」

 一生懸命腰を振る藍田のほうは苦悶の表情を浮かべている。無理な体勢できつそうだった。尻を掴んで上下運動を手伝ってやった。手にもっちりと張り付いてくる肌が気持ちいい。無意識に撫でまわしていたら「助平」と藍田に笑われた。藍田の言葉も表情も、今日は妙にくすぐったい。

 物足りなくて自分からも腰を振った。下から突き上げるたび藍田は声をあげた。目の前で藍田のものがブルンブルンと揺れる。さっき出したのにもう復活していた。

「はあっ、あ、だめ……井上を気持ちよくしたい、のに……っ、俺のほうが気持ちいいっ……あっああっ、や、そんな動いちゃ……だめってば……っ」

 俺の上で藍田が見悶える。前回はドン引きした藍田の痴態もいまは平気だ。むしろもっと喘がせてやりたいと思う。

「ああっ、だめ、やっ……深いとこ当たって……気持ちいっ……やっあっあんっ、ああっ、そんな奥まできたら、やっ……ああっ」

 我慢できなくなったのか藍田は自分のものを握った。苦しそうに目を瞑り、食い縛った歯の隙間から荒い呼吸をしながら一心不乱に扱きあげる。

「やあっ、あっ、井上、井上……ッ!!」

 最後は俺の名前を呼びながら射精した。恥ずかしい姿を無防備に晒しながら達した藍田を見て、「絶景だな」なんてことを頭の隅で思った。そのくらい俺に目にはすべてが丸見えだった。

 倒れ込むように藍田が俺に抱きついてくる。しっとり汗をかいて熱い体が心地よい。耳のそばで荒い息遣いと笑い声。

「ごめん、また俺が先にイッちゃった」
「お前が早漏だってことはよくわかった」
「早漏じゃねえし。今日はたまたまだよ。今度は井上の番だから」

 体の向きをかえ、藍田は俺に尻を向けた。

「後ろから来て」



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