アイヲシル(3/14)
2020.10.11.Sun.
<1→2>
それから一時間ほど話をして木村は帰ります、と席を立った。俺も見送るついでに外に出た。車を止めているパーキングまで一緒に歩く。
「最初から兄に俺たちのことを言うつもりで来たって本当か?」
「あぁ、サンジャイからおまえが兄ちゃん二人に大事にされてるって聞かされてたから、いつかちゃんと言わなきゃいけないって思ってた。一緒に暮らすいまがそのタイミングかなって。殴られるくらいの覚悟はしてたんだけど、予想より優しいし理解ある人で良かったよ」
「でもどうして」
「なんとなくね。おまえの兄貴二人には言っておかなきゃいけないような気がしたから。おまえだってそう思ったから打ち明けようとしたんだろ?」
うん、と頷いた。昔から親代わりに俺を育ててくれた。何かと俺を庇い、気にかけてくれたから、兄弟という絆以上のものが俺たちにはあるように思う。小さい頃から兄二人には何でも相談してきたから、今回もその延長のようなものだった。がしかし、内容が内容なだけに、今日ほど緊張した打ち明け話はなかったが。
「これで俺たち、公認だな。引越しはいつにする? 鍵はもうもらってるからいつでもいいけど、俺は出来るだけ早く一緒に住みたい」
「でも家具とか買い揃えないと」
「今日買いに行くつもり。俺が勝手に選んでいい?」
「任せていいのか?」
「おまえは体一つで来てくれればいいから」
と笑う。ベタな表現だが、社会の荒波にもまれた木村の顔は、学生の時のような緩さや甘さがなく、精悍さを増して今の俺には眩しいくらいだった。そんな笑顔を見ると少し胸が痛くなる。本当に俺でいいのかと。
「じゃ、今日一日で全部買い揃えるつもりだから、悪いけど、真ん中の兄貴には一ノ瀬一人で言ってくれる?」
パーキングについた。立ち止まった木村と正面から向き合う。
「あぁ、俺一人で大丈夫だ」
礼兄ちゃんは兄さんと比べ、昔から話しやすかった。だから兄さんに告白するときよりずっと気は楽だ。
「ごめんね、一人で言わせて。ほんとは一緒にいたいんだけど、俺もなかなか休みがないからさ」
「いや、俺こそおまえ一人にすべて任せて悪いと思ってる」
「それなら気にしないで大丈夫。おまえと一緒に暮らせると思うと、男一人でする買い物も楽しく感じるんだよね。おかげであっちも興奮して大変」
と俺の首の後ろに手をあて、引き寄せられた。お互いの額をコツンと合わせ、木村はクスッと笑う。恥ずかしくて目を伏せると、木村のズボンを押し上げるふくらみが見えた。
「きっ、木村、おまえ!」
「これから毎晩、寝不足になりそう」
「早く行け、馬鹿!」
「はいはい」
笑いながら車に乗り込む。「じゃあまた」と手を振る木村を見送り、俺も家に帰ることにした。不覚にも俺まで反応しそうになり、慌てて気持ちを静めなければならなかった。
引越しをしたのはその月の末。木村が寝室にしようと言っていた部屋にはダブルベッドがひとつ置かれてあり、それを見たときは恥ずかしくて赤面してしまった。
仕事部屋という部屋には机が二つ、その間には間仕切りの棚。俺より先にここで生活をはじめていた木村の机は、もうすでにパソコンやプリンター、仕事で使う書類や様々な資料が所狭しと置かれてあった。
広めのリビングにはオフホワイトのソファと黒のテーブル。黒いテレビ台の上には液晶テレビがのっている。木村の自宅の部屋にはテレビがなかった。だからこれをはじめ見たとき少し違和感があった。あいつでもテレビを見るのか、と。社会人になったのだからニュース番組くらい見るだろう
「見て見て」
木村はバスローブを二着持ち、ニヤニヤ笑った。
「俺とおまえの。おそろいで買ったんだ。これから風呂上りはこれね」
と俺の肩にそのひとつをかけてくる。
「これだと脱がせるのも簡単だろ」
耳元に囁かれ、顔が熱くなる。
「また馬鹿なことを」
木村の胸を押し返し、
「俺は荷解きがあるから」
と、とりあえず当面の着替えを詰め込んだ鞄を持ち上げた。寝室に向かう俺を木村が後ろから抱きしめる。
「風呂場も見て」
俺を抱きしめたまま浴室へ移動する。
「ね、なかなか広いだろ。今日、一緒に入ろうね」
「断る」
「つれないなぁ。同棲生活一日目なんだぜ、もっとイチャイチャしたい」
言いながら俺の首筋に舌を這わせる。背中がゾクゾクとして、ぎゅっと目を閉じた。
「やめ……っ」
木村の手が前に回って俺の服を脱がせて行く。ズボンのチャックをおろし、する、と中に入って直に触られた。思わず腰が引ける。
「木村、やめろ」
「やめたくない。このまましたい」
「ばか、俺は嫌だ」
「嫌じゃなくなるまでしてあげる。一ノ瀬、もっとやらしくなってよ。もっとエロくなって、もっと好きもんになって、俺の精液全部搾り取って」
「ば……っ!」
全身がカッと熱くなる。なんてことを言うんだ、こいつは!
木村の指は容赦なく的確に責め続けている。俺のものは情けないことに反応を見せはじめていた。
「一ノ瀬、俺、のど渇いた」
「だったら水を飲みに行け!」
「一ノ瀬のがいい。一ノ瀬の、濃い、原液が飲みたい」
意味を理解して言葉をなくした。力強く首を左右に振る。
「い、嫌、嫌だ……」
「嫌でも、しちゃうけどね」
木村はその場にしゃがみこみ、俺の腰を抱えて口にくわえた。
「あっ」
浴室に俺の声が響いた。恥ずかしい。下半身が溶けそうに熱い。
下から俺を見上げる木村と目が合う。
「エロい顔。かわいい」
と先端を吸い上げる。ビリビリと全身を駆け抜ける衝撃に膝が震える。
「もう、いい、木村」
「らしていいよ、俺に飲ませて」
「いやだ」
「出せってば、じゃないと違うことしちゃうよ」
木村の手がするりと俺のうしろへまわる。その場所を触られた瞬間はなんど体験してもなれることがなく、たまらない羞恥がこみあげてくる。
「やめっ」
長い指が中に入ってくる。その感触に顔が歪む。立ち上がった木村がキスをしてくる。舌をからめながら、木村は自分の前を緩めた。
「後ろ向いて」
余裕のない荒い息遣いで囁く。躊躇って動かない俺の肩を持ち、強い力でひっくり返した。肩に木村の顎が乗る。擦れた吐息を耳のそばで聞いて体が震えた。
木村の手が俺の双丘を割り、その中心へ誇らしげに固く反り返るものを押し当ててきた。来る。そう思うと力が入ってしまう。
「服が、汚れる……」
「あとで洗濯すればいい」
俺のささやかな抵抗もあっさり切り捨てられ、ぐいと腰を押し付けられた。木村のものによって押し開かれる。わずかな痛みの次に、どうしようもないほどリアルに感じる木村の存在。
俺は歯を食いしばるが、その隙間からは声が漏れる。だんだん木村に慣らされていく体。木村の言う通り、「エロい好きもん」になってしまいそうで怖い。
前にまわった木村の手が俺のものをしごいた。
「いっ、いい、触るな」
「大好き」
俺の耳元で囁く。俺は壁に手をつき、首を振る。理性が飛んで行きそうだ。
「く、あっ」
耳元に吐息混じりの木村の喘ぎ声。その直後、体の奥深くに噴き上げられるものを感じながら、俺も木村の手によっていかされた。
その後「ついでだから」と服を脱いでシャワーを浴び、木村が買ってきたおそろいのバスローブを着て、そのままベッドルームへ直行し、そこでもまた求められた。
「俺、ほんとに毎晩おまえに溺れそう」
二度目を出した時に木村が真顔で言ったので冷や汗をかいた。
結局その日は荷解きもせず、疲れてそのまま寝てしまった。
それから一時間ほど話をして木村は帰ります、と席を立った。俺も見送るついでに外に出た。車を止めているパーキングまで一緒に歩く。
「最初から兄に俺たちのことを言うつもりで来たって本当か?」
「あぁ、サンジャイからおまえが兄ちゃん二人に大事にされてるって聞かされてたから、いつかちゃんと言わなきゃいけないって思ってた。一緒に暮らすいまがそのタイミングかなって。殴られるくらいの覚悟はしてたんだけど、予想より優しいし理解ある人で良かったよ」
「でもどうして」
「なんとなくね。おまえの兄貴二人には言っておかなきゃいけないような気がしたから。おまえだってそう思ったから打ち明けようとしたんだろ?」
うん、と頷いた。昔から親代わりに俺を育ててくれた。何かと俺を庇い、気にかけてくれたから、兄弟という絆以上のものが俺たちにはあるように思う。小さい頃から兄二人には何でも相談してきたから、今回もその延長のようなものだった。がしかし、内容が内容なだけに、今日ほど緊張した打ち明け話はなかったが。
「これで俺たち、公認だな。引越しはいつにする? 鍵はもうもらってるからいつでもいいけど、俺は出来るだけ早く一緒に住みたい」
「でも家具とか買い揃えないと」
「今日買いに行くつもり。俺が勝手に選んでいい?」
「任せていいのか?」
「おまえは体一つで来てくれればいいから」
と笑う。ベタな表現だが、社会の荒波にもまれた木村の顔は、学生の時のような緩さや甘さがなく、精悍さを増して今の俺には眩しいくらいだった。そんな笑顔を見ると少し胸が痛くなる。本当に俺でいいのかと。
「じゃ、今日一日で全部買い揃えるつもりだから、悪いけど、真ん中の兄貴には一ノ瀬一人で言ってくれる?」
パーキングについた。立ち止まった木村と正面から向き合う。
「あぁ、俺一人で大丈夫だ」
礼兄ちゃんは兄さんと比べ、昔から話しやすかった。だから兄さんに告白するときよりずっと気は楽だ。
「ごめんね、一人で言わせて。ほんとは一緒にいたいんだけど、俺もなかなか休みがないからさ」
「いや、俺こそおまえ一人にすべて任せて悪いと思ってる」
「それなら気にしないで大丈夫。おまえと一緒に暮らせると思うと、男一人でする買い物も楽しく感じるんだよね。おかげであっちも興奮して大変」
と俺の首の後ろに手をあて、引き寄せられた。お互いの額をコツンと合わせ、木村はクスッと笑う。恥ずかしくて目を伏せると、木村のズボンを押し上げるふくらみが見えた。
「きっ、木村、おまえ!」
「これから毎晩、寝不足になりそう」
「早く行け、馬鹿!」
「はいはい」
笑いながら車に乗り込む。「じゃあまた」と手を振る木村を見送り、俺も家に帰ることにした。不覚にも俺まで反応しそうになり、慌てて気持ちを静めなければならなかった。
引越しをしたのはその月の末。木村が寝室にしようと言っていた部屋にはダブルベッドがひとつ置かれてあり、それを見たときは恥ずかしくて赤面してしまった。
仕事部屋という部屋には机が二つ、その間には間仕切りの棚。俺より先にここで生活をはじめていた木村の机は、もうすでにパソコンやプリンター、仕事で使う書類や様々な資料が所狭しと置かれてあった。
広めのリビングにはオフホワイトのソファと黒のテーブル。黒いテレビ台の上には液晶テレビがのっている。木村の自宅の部屋にはテレビがなかった。だからこれをはじめ見たとき少し違和感があった。あいつでもテレビを見るのか、と。社会人になったのだからニュース番組くらい見るだろう
「見て見て」
木村はバスローブを二着持ち、ニヤニヤ笑った。
「俺とおまえの。おそろいで買ったんだ。これから風呂上りはこれね」
と俺の肩にそのひとつをかけてくる。
「これだと脱がせるのも簡単だろ」
耳元に囁かれ、顔が熱くなる。
「また馬鹿なことを」
木村の胸を押し返し、
「俺は荷解きがあるから」
と、とりあえず当面の着替えを詰め込んだ鞄を持ち上げた。寝室に向かう俺を木村が後ろから抱きしめる。
「風呂場も見て」
俺を抱きしめたまま浴室へ移動する。
「ね、なかなか広いだろ。今日、一緒に入ろうね」
「断る」
「つれないなぁ。同棲生活一日目なんだぜ、もっとイチャイチャしたい」
言いながら俺の首筋に舌を這わせる。背中がゾクゾクとして、ぎゅっと目を閉じた。
「やめ……っ」
木村の手が前に回って俺の服を脱がせて行く。ズボンのチャックをおろし、する、と中に入って直に触られた。思わず腰が引ける。
「木村、やめろ」
「やめたくない。このまましたい」
「ばか、俺は嫌だ」
「嫌じゃなくなるまでしてあげる。一ノ瀬、もっとやらしくなってよ。もっとエロくなって、もっと好きもんになって、俺の精液全部搾り取って」
「ば……っ!」
全身がカッと熱くなる。なんてことを言うんだ、こいつは!
木村の指は容赦なく的確に責め続けている。俺のものは情けないことに反応を見せはじめていた。
「一ノ瀬、俺、のど渇いた」
「だったら水を飲みに行け!」
「一ノ瀬のがいい。一ノ瀬の、濃い、原液が飲みたい」
意味を理解して言葉をなくした。力強く首を左右に振る。
「い、嫌、嫌だ……」
「嫌でも、しちゃうけどね」
木村はその場にしゃがみこみ、俺の腰を抱えて口にくわえた。
「あっ」
浴室に俺の声が響いた。恥ずかしい。下半身が溶けそうに熱い。
下から俺を見上げる木村と目が合う。
「エロい顔。かわいい」
と先端を吸い上げる。ビリビリと全身を駆け抜ける衝撃に膝が震える。
「もう、いい、木村」
「らしていいよ、俺に飲ませて」
「いやだ」
「出せってば、じゃないと違うことしちゃうよ」
木村の手がするりと俺のうしろへまわる。その場所を触られた瞬間はなんど体験してもなれることがなく、たまらない羞恥がこみあげてくる。
「やめっ」
長い指が中に入ってくる。その感触に顔が歪む。立ち上がった木村がキスをしてくる。舌をからめながら、木村は自分の前を緩めた。
「後ろ向いて」
余裕のない荒い息遣いで囁く。躊躇って動かない俺の肩を持ち、強い力でひっくり返した。肩に木村の顎が乗る。擦れた吐息を耳のそばで聞いて体が震えた。
木村の手が俺の双丘を割り、その中心へ誇らしげに固く反り返るものを押し当ててきた。来る。そう思うと力が入ってしまう。
「服が、汚れる……」
「あとで洗濯すればいい」
俺のささやかな抵抗もあっさり切り捨てられ、ぐいと腰を押し付けられた。木村のものによって押し開かれる。わずかな痛みの次に、どうしようもないほどリアルに感じる木村の存在。
俺は歯を食いしばるが、その隙間からは声が漏れる。だんだん木村に慣らされていく体。木村の言う通り、「エロい好きもん」になってしまいそうで怖い。
前にまわった木村の手が俺のものをしごいた。
「いっ、いい、触るな」
「大好き」
俺の耳元で囁く。俺は壁に手をつき、首を振る。理性が飛んで行きそうだ。
「く、あっ」
耳元に吐息混じりの木村の喘ぎ声。その直後、体の奥深くに噴き上げられるものを感じながら、俺も木村の手によっていかされた。
その後「ついでだから」と服を脱いでシャワーを浴び、木村が買ってきたおそろいのバスローブを着て、そのままベッドルームへ直行し、そこでもまた求められた。
「俺、ほんとに毎晩おまえに溺れそう」
二度目を出した時に木村が真顔で言ったので冷や汗をかいた。
結局その日は荷解きもせず、疲れてそのまま寝てしまった。
110万打ー!!!ありがとうございます!!しゅごい!
本当にいつもありがとうございます!ありがたすぎる~。
来て下さる皆さんには本当にいつも感謝しております!私のありがとうの気持ち届け!届いて!
拍手押してもらえるのもすごく嬉しいです。コメントもらったら毎回ニヤニヤしながら読んでウキウキで返信考えてます。
これからも完全に私の趣味丸出しの萌えを吐き出し続けていくと思います。
気が向いたとき、お暇なときにお立ちより下さると嬉しいです。
ひとつでも誰かの萌えに刺さりますように。数撃ちゃ当たるの精神で!書き続けまーす!^^
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本当にいつもありがとうございます!ありがたすぎる~。
来て下さる皆さんには本当にいつも感謝しております!私のありがとうの気持ち届け!届いて!
拍手押してもらえるのもすごく嬉しいです。コメントもらったら毎回ニヤニヤしながら読んでウキウキで返信考えてます。
これからも完全に私の趣味丸出しの萌えを吐き出し続けていくと思います。
気が向いたとき、お暇なときにお立ちより下さると嬉しいです。
ひとつでも誰かの萌えに刺さりますように。数撃ちゃ当たるの精神で!書き続けまーす!^^
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コメントありがとうございます!うれぴよ!!
ロンはチート設定なので心を病んだことはあっても体はとっても丈夫です!高熱が出ても元気そう!w
一ノ瀬はどこまで考えてるのかわかりませんが、ロンは意外と将来のことを考えていて、たぶん薄ぼんやりと2人で入る墓のことも人生設計のなかに入っていそうです。(これもある意味暴走ですねw)
大人のスーツのラストにあった木村の決意というか目標が、今回のテーマになっていて、木村は変わったようで変わってない、変わってないようで変わっているのが、伝わっているといいなあと思います。
ぜひぜひ、最後までお付き合い願います!!><