未成年のネクタイ(5/10)
2020.08.09.Sun.
<1→2→3→4>
※モブ女と絡みあり
それ以来、ロンは頻繁に俺の店に顔を出した。
菱沼には呆れられた。たまに鉢合わす真田はロンが気に入らないらしく、ロンが部屋にいるのを見ると露骨に嫌な顔をした。ロンの方は真田を相手にしない。それが余計に真田を苛立たせるようだ。
一学期が終わり、 夏休みに入ったとたん真田がやってきて、
「木村の奴、頭いいなんて嘘ですね、欠点取って追試ですから」
嬉しそうに報告してきた。そうとうロンが嫌いらしい。俺は苦笑するしかなかった。
菱沼は、
「頭はさておき顔はいいよな。こいつ連れて行ったら絶対逆ナンされるって」
ロンを利用する方法を思い付いたようだった。
菱沼の馬鹿な思い付きで ロンを美容室に連れて行き、黒く長い髪を茶色にして髪型も今風にカットしてもらった。見違えた。中一には見えない。背も高いほうだから高校生に見える。
「俺の言う通りだろ」
店から出て来たロンを見て満足げに菱沼が言う。ロンは気恥ずかしいのか、視線を泳がせている。
「ま、似合うんじゃね」
俺の言葉にロンがはにかんだ。その足で渋谷へ。三人並んでいると変な感じがした。一人は中1。それなのに、こいつが一番、女の視線を集めている。
そうか、こいつ、女にもてるのか。
知り合って二ヶ月目になるが、今更そんなことに気付かされた。
菱沼の言った通り、女の方から声をかけられた。相手は高校生。カラオケに行った。店を出ると夜になっていた。
「ねぇ、このあと、どうする?」
女に聞かれ、俺はロンを見た。ロンも俺を見ている。
「俺たちは帰るわ」
俺の言葉に菱沼が不満の声をあげる。
「おいおい、鉄雄、何言ってんだ、まだ早いだろ」
「馬鹿、こいつがいるんだぞ」
菱沼の腕を掴んで耳打ちする。中1のロンをいつまでも連れまわすわけにはいかない。
「ちょっとてっちゃん、お前はこいつのナニよ、保護者か? こいつだって遊びたりねえって顔してんじゃねえか」
ロンはいつもの無表情だ。適当なことを言うな。
「ロン、お前は帰れ」
「ロンが帰るなら私も帰る」
女子/高生の一人が口を尖らせ言った。こいつはカラオケでずっとロンの隣に座っていた女だ。ロンに気があるとわかりやすい態度だった。ロンが中1だと知ったらどんな顔をするだろう。
俺は溜息をついた。仕方ない。
「俺の店行くか」
女三人が嬌声をあげた。菱沼に背中を押されながら駅へ向かう。ロンは静かに俺のあとについてきた。こいつ、何を考えてるんだろう。
~ ~ ~
店のシャッターをあけ、中に入った。女子三人組は興味津々といった顔であたりを見渡しながら菱沼に押されて二階へあがって行く。俺はロンの腕を掴んで引き止めた。
「お前は帰れ」
「嫌だ」
「中坊が遊んでいい時間じゃない」
「鉄雄さんと一緒にいる」
俺の腕を振りきり、ロンも二階へあがっていった。
「鉄雄、酒持って来いよ」
上から菱沼の声。まったくあの馬鹿は。冷蔵庫から酒とジュースを持ってあがった。
ここからは最悪な状況だった。加減を知らない菱沼は女に酒を勧めながら自分も浴びるように飲んで前後不覚に酔っ払い、人目を憚らず女とキスし、服を脱がせ始めた。
ロンは緊張した顔で俺に渡されたジュースをちびちびやっていたが、ロンに言い寄る女は積極的な女で、話をしながらずっとロンの下半身を触っていた。今では股間に顔を埋め、ロンのものを口にくわえている。
酒を飲まずに煙草を吸う俺に、隣の女が焦れて腕を引っ張ってきた。
「下、行かない?」
耳に囁かれる。ロンと菱沼を見た。菱沼は裸にした女の胸に顔を埋めている。ロンはすでに馬乗りになっている女の腰に手をあて、挿入を支えているところだ。そんな二人を見て馬鹿馬鹿しくなってきた。
「行くか」
女の手を取って下におりた。カウンターに手をつかせ、後ろから貫いた。ロンのことが少し心配だったが、腰を振ってる間に忘れてしまった。
1時間ほどして2人で上に戻った。菱沼と女がベッドで眠っている。ロンの相手をしていた女は床に寝転がって寝息を立てていた。ロンは壁にもたれて座っていたが、俺を見つけると立ち上がった。
「寝る場所もねえな。俺たちは下に行くか」
俺の言葉にロンが頷く。女を上に残し、ロンと二人でまた下におりた。ロンは上半身裸のまま。汗と他の体液の匂いがした。俺も似たようなものか。
「なんか飲むか」
冷蔵庫を覗きながら声をかける。ロンが後ろに立って一緒に覗きこむ。ロンの手が俺の腰にまわされた。
「何飲む?」
「何でもいい」
ミネラルウォーターをロンに渡す。俺も一本取り出して一気に半分まで飲んだ。
「お前、初めてだったんじゃないのか?」
ロンが頷く。初めてがこんなんでいいのかと思う。俺の初体験は中/学二年。俺だって初めての時は好きな子とだった。
「だから帰れって言ったのに」
「どうして」
「お前、好きな子とかいないのか」
「うん」
「誰でもいいのか、このサル」
「うん、鉄雄さんとでもいい」
さらりと言い放たれて呆気にとられた。今なんて言った?
「なに気色悪ぃこと言ってんだ」
「鉄雄さんは、俺じゃ駄目なの」
「当たり前だ」
「俺は鉄雄さんでもいいのに」
「もういい、もうその話は終わりだ」
残りの水を飲み干した。心臓がどきどきする。こいつは冗談で言ってるだけだ。俺をからかってる。 そう思うのに、こいつの視線は妙にねっとりと俺の体にまとわりついてくる。事のあとだからだろう、気だるい表情に、男の俺がぞくっとしてしまうのだ。ロンの視線がなんだか気まずかった。
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※モブ女と絡みあり
それ以来、ロンは頻繁に俺の店に顔を出した。
菱沼には呆れられた。たまに鉢合わす真田はロンが気に入らないらしく、ロンが部屋にいるのを見ると露骨に嫌な顔をした。ロンの方は真田を相手にしない。それが余計に真田を苛立たせるようだ。
一学期が終わり、 夏休みに入ったとたん真田がやってきて、
「木村の奴、頭いいなんて嘘ですね、欠点取って追試ですから」
嬉しそうに報告してきた。そうとうロンが嫌いらしい。俺は苦笑するしかなかった。
菱沼は、
「頭はさておき顔はいいよな。こいつ連れて行ったら絶対逆ナンされるって」
ロンを利用する方法を思い付いたようだった。
菱沼の馬鹿な思い付きで ロンを美容室に連れて行き、黒く長い髪を茶色にして髪型も今風にカットしてもらった。見違えた。中一には見えない。背も高いほうだから高校生に見える。
「俺の言う通りだろ」
店から出て来たロンを見て満足げに菱沼が言う。ロンは気恥ずかしいのか、視線を泳がせている。
「ま、似合うんじゃね」
俺の言葉にロンがはにかんだ。その足で渋谷へ。三人並んでいると変な感じがした。一人は中1。それなのに、こいつが一番、女の視線を集めている。
そうか、こいつ、女にもてるのか。
知り合って二ヶ月目になるが、今更そんなことに気付かされた。
菱沼の言った通り、女の方から声をかけられた。相手は高校生。カラオケに行った。店を出ると夜になっていた。
「ねぇ、このあと、どうする?」
女に聞かれ、俺はロンを見た。ロンも俺を見ている。
「俺たちは帰るわ」
俺の言葉に菱沼が不満の声をあげる。
「おいおい、鉄雄、何言ってんだ、まだ早いだろ」
「馬鹿、こいつがいるんだぞ」
菱沼の腕を掴んで耳打ちする。中1のロンをいつまでも連れまわすわけにはいかない。
「ちょっとてっちゃん、お前はこいつのナニよ、保護者か? こいつだって遊びたりねえって顔してんじゃねえか」
ロンはいつもの無表情だ。適当なことを言うな。
「ロン、お前は帰れ」
「ロンが帰るなら私も帰る」
女子/高生の一人が口を尖らせ言った。こいつはカラオケでずっとロンの隣に座っていた女だ。ロンに気があるとわかりやすい態度だった。ロンが中1だと知ったらどんな顔をするだろう。
俺は溜息をついた。仕方ない。
「俺の店行くか」
女三人が嬌声をあげた。菱沼に背中を押されながら駅へ向かう。ロンは静かに俺のあとについてきた。こいつ、何を考えてるんだろう。
~ ~ ~
店のシャッターをあけ、中に入った。女子三人組は興味津々といった顔であたりを見渡しながら菱沼に押されて二階へあがって行く。俺はロンの腕を掴んで引き止めた。
「お前は帰れ」
「嫌だ」
「中坊が遊んでいい時間じゃない」
「鉄雄さんと一緒にいる」
俺の腕を振りきり、ロンも二階へあがっていった。
「鉄雄、酒持って来いよ」
上から菱沼の声。まったくあの馬鹿は。冷蔵庫から酒とジュースを持ってあがった。
ここからは最悪な状況だった。加減を知らない菱沼は女に酒を勧めながら自分も浴びるように飲んで前後不覚に酔っ払い、人目を憚らず女とキスし、服を脱がせ始めた。
ロンは緊張した顔で俺に渡されたジュースをちびちびやっていたが、ロンに言い寄る女は積極的な女で、話をしながらずっとロンの下半身を触っていた。今では股間に顔を埋め、ロンのものを口にくわえている。
酒を飲まずに煙草を吸う俺に、隣の女が焦れて腕を引っ張ってきた。
「下、行かない?」
耳に囁かれる。ロンと菱沼を見た。菱沼は裸にした女の胸に顔を埋めている。ロンはすでに馬乗りになっている女の腰に手をあて、挿入を支えているところだ。そんな二人を見て馬鹿馬鹿しくなってきた。
「行くか」
女の手を取って下におりた。カウンターに手をつかせ、後ろから貫いた。ロンのことが少し心配だったが、腰を振ってる間に忘れてしまった。
1時間ほどして2人で上に戻った。菱沼と女がベッドで眠っている。ロンの相手をしていた女は床に寝転がって寝息を立てていた。ロンは壁にもたれて座っていたが、俺を見つけると立ち上がった。
「寝る場所もねえな。俺たちは下に行くか」
俺の言葉にロンが頷く。女を上に残し、ロンと二人でまた下におりた。ロンは上半身裸のまま。汗と他の体液の匂いがした。俺も似たようなものか。
「なんか飲むか」
冷蔵庫を覗きながら声をかける。ロンが後ろに立って一緒に覗きこむ。ロンの手が俺の腰にまわされた。
「何飲む?」
「何でもいい」
ミネラルウォーターをロンに渡す。俺も一本取り出して一気に半分まで飲んだ。
「お前、初めてだったんじゃないのか?」
ロンが頷く。初めてがこんなんでいいのかと思う。俺の初体験は中/学二年。俺だって初めての時は好きな子とだった。
「だから帰れって言ったのに」
「どうして」
「お前、好きな子とかいないのか」
「うん」
「誰でもいいのか、このサル」
「うん、鉄雄さんとでもいい」
さらりと言い放たれて呆気にとられた。今なんて言った?
「なに気色悪ぃこと言ってんだ」
「鉄雄さんは、俺じゃ駄目なの」
「当たり前だ」
「俺は鉄雄さんでもいいのに」
「もういい、もうその話は終わりだ」
残りの水を飲み干した。心臓がどきどきする。こいつは冗談で言ってるだけだ。俺をからかってる。 そう思うのに、こいつの視線は妙にねっとりと俺の体にまとわりついてくる。事のあとだからだろう、気だるい表情に、男の俺がぞくっとしてしまうのだ。ロンの視線がなんだか気まずかった。
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