君が笑った、明日は晴れ(85/89)
2020.06.26.Fri.
<1話、前話>
「馬鹿馬鹿しい」
森下さんは俺を振りほどいて立ち上がり、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
「付き合う前から終わる時のことを心配するなんてどこまで臆病なんだ? 君がそんなことを心配するなんて意外だな」
「誰とも本気で付き合えないあんたに言われたくねえよ」
「へぇ! その子は本気なんだ?」
しまった、と口を噤む。押し黙る俺の横に森下さんは座り、顔を寄せてきた。
「認めちゃうんだ? その子が……好きだって」
最後は俺の耳に唇を押し当て囁いた。だからその言葉を言うなって言っただろ。森下さんを睨んだらキスされた。口移しで水が入ってくる。
「もうこんなこと出来るのも最後かな」
言いながら俺を押したおし、服を脱がせていく。
「どうして最後になんの」
「行き詰るほどその子が好きなんだろ。終わるのが怖いから認めたくないほど好きなんだろ。その子にはそれだけ本気なんだろ」
「わかんねえ」
「いまさらとぼけるなよ」
「たぶん、そうなのかなって気はするけど、あいつが男だからはっきり確信持てねえんだよ。あいつが女みたいな顔してるから間違ってそう思ってんのかもしんねえし」
「どっちにしろ気になるんだろ。好きなんだろ。物にしろよ……あぁ、もう物にされてたんだっけ」
「うるせえ」
ふっと笑って森下さんは俺の股間に顔を埋めた。膝を立てられ、後ろを弄られる。
「シャワー……」
「いいよ、このまま」
口が離れ、手で俺の先をクチュクチュと揉む。快感が走りぬけ体がブルブル震えた。
「こんなおいしい体、これが最後だなんて」
「最後にしなくてもいいだろ」
「誰かに夢中の男なんていらないよ」
「もう会わねえの?」
「そんな目で見るなよ。未練残っちゃうじゃないか。君が会いに来るのは拒まない。でも俺からはもう連絡しない」
誰とでも浮気する森下さんらしくない台詞だと思った。
「入れるよ」
森下さんの膝で腰を少し持ち上げられる。その中心に熱い塊。ぐっと押し広げられ、下腹部が圧迫される。
「今日もすごい締め付けだな。食いちぎられそう。ココ、鍛えてるの?」
「馬鹿なこと言うな。そんなわけねえだろ」
「あぁ、ほんとに嫉妬する。君を渡したくないよ。どうしてこんな生意気な子……、あぁ、もう!」
何かを振り払うように首を振り、森下さんは俺の腰を引き寄せた。深く繋がり、痛みのような感覚が背骨を引っかいた。
「俺は年上だからね、ここは潔く引き下がるよ。君は俺じゃなくあの子を好きになったんだしね」
いつになく激しくせわしない動作で腰を打ちつけてくる。俺の体がその度にずり上がり、また強い力で引き戻された。
「好きなら好きだと言えばいい。終わることを心配して何もしないと始まりもしないんだから。あのキスマーク、あれは本気の証だろ。君もそれにこたえればいい。それだけのことだよ」
「あっ! ん! ゆっくり! 森下さん……!」
「ゆっくりしてたら君を手放せなくなる。だから早く終わらせる。そのあと君を学校に送り届けてやる。そしてその1年の子に君は気持ちを伝えるんだよ、いいね!」
言葉に合わせて最も深い場所を突かれた。目に火花が散る。なんでそんなに乱暴なんだ。どうしてこれを最後にしようとするんだ。およそ森下さんらしくない。
「ん、あ、ああっ……!」
触られてもいないのに俺はイッてしまった。森下さんの腰の動きも小刻みになる。荒い息遣いが一瞬止まり、俺の中に勢い良く射精した。怒ったような表情で俺の中から出て行き、ティッシュで後始末をする。
「なに怒ってんだよ、あんた」
「ごめん」
森下さんは俯いた。大きな溜息。
「俺ね、自分でも意外なほど重夫のこと好きだったみたい。遊びじゃなくさ」
いや、だからそんな事言われても……。
「迷惑だって言いたいんだろ、わかってるよ。もう言わない。シャワー浴びといで。学校まで送ってあげる」
腕を持って引っ張り立たされ、浴室に押し込まれた。
学校行って、どうすんの、俺。
あいつに言うの? 好きだって? まさか!
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「馬鹿馬鹿しい」
森下さんは俺を振りほどいて立ち上がり、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
「付き合う前から終わる時のことを心配するなんてどこまで臆病なんだ? 君がそんなことを心配するなんて意外だな」
「誰とも本気で付き合えないあんたに言われたくねえよ」
「へぇ! その子は本気なんだ?」
しまった、と口を噤む。押し黙る俺の横に森下さんは座り、顔を寄せてきた。
「認めちゃうんだ? その子が……好きだって」
最後は俺の耳に唇を押し当て囁いた。だからその言葉を言うなって言っただろ。森下さんを睨んだらキスされた。口移しで水が入ってくる。
「もうこんなこと出来るのも最後かな」
言いながら俺を押したおし、服を脱がせていく。
「どうして最後になんの」
「行き詰るほどその子が好きなんだろ。終わるのが怖いから認めたくないほど好きなんだろ。その子にはそれだけ本気なんだろ」
「わかんねえ」
「いまさらとぼけるなよ」
「たぶん、そうなのかなって気はするけど、あいつが男だからはっきり確信持てねえんだよ。あいつが女みたいな顔してるから間違ってそう思ってんのかもしんねえし」
「どっちにしろ気になるんだろ。好きなんだろ。物にしろよ……あぁ、もう物にされてたんだっけ」
「うるせえ」
ふっと笑って森下さんは俺の股間に顔を埋めた。膝を立てられ、後ろを弄られる。
「シャワー……」
「いいよ、このまま」
口が離れ、手で俺の先をクチュクチュと揉む。快感が走りぬけ体がブルブル震えた。
「こんなおいしい体、これが最後だなんて」
「最後にしなくてもいいだろ」
「誰かに夢中の男なんていらないよ」
「もう会わねえの?」
「そんな目で見るなよ。未練残っちゃうじゃないか。君が会いに来るのは拒まない。でも俺からはもう連絡しない」
誰とでも浮気する森下さんらしくない台詞だと思った。
「入れるよ」
森下さんの膝で腰を少し持ち上げられる。その中心に熱い塊。ぐっと押し広げられ、下腹部が圧迫される。
「今日もすごい締め付けだな。食いちぎられそう。ココ、鍛えてるの?」
「馬鹿なこと言うな。そんなわけねえだろ」
「あぁ、ほんとに嫉妬する。君を渡したくないよ。どうしてこんな生意気な子……、あぁ、もう!」
何かを振り払うように首を振り、森下さんは俺の腰を引き寄せた。深く繋がり、痛みのような感覚が背骨を引っかいた。
「俺は年上だからね、ここは潔く引き下がるよ。君は俺じゃなくあの子を好きになったんだしね」
いつになく激しくせわしない動作で腰を打ちつけてくる。俺の体がその度にずり上がり、また強い力で引き戻された。
「好きなら好きだと言えばいい。終わることを心配して何もしないと始まりもしないんだから。あのキスマーク、あれは本気の証だろ。君もそれにこたえればいい。それだけのことだよ」
「あっ! ん! ゆっくり! 森下さん……!」
「ゆっくりしてたら君を手放せなくなる。だから早く終わらせる。そのあと君を学校に送り届けてやる。そしてその1年の子に君は気持ちを伝えるんだよ、いいね!」
言葉に合わせて最も深い場所を突かれた。目に火花が散る。なんでそんなに乱暴なんだ。どうしてこれを最後にしようとするんだ。およそ森下さんらしくない。
「ん、あ、ああっ……!」
触られてもいないのに俺はイッてしまった。森下さんの腰の動きも小刻みになる。荒い息遣いが一瞬止まり、俺の中に勢い良く射精した。怒ったような表情で俺の中から出て行き、ティッシュで後始末をする。
「なに怒ってんだよ、あんた」
「ごめん」
森下さんは俯いた。大きな溜息。
「俺ね、自分でも意外なほど重夫のこと好きだったみたい。遊びじゃなくさ」
いや、だからそんな事言われても……。
「迷惑だって言いたいんだろ、わかってるよ。もう言わない。シャワー浴びといで。学校まで送ってあげる」
腕を持って引っ張り立たされ、浴室に押し込まれた。
学校行って、どうすんの、俺。
あいつに言うの? 好きだって? まさか!
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