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君が笑った、明日は晴れ(68/89)

2020.06.09.Tue.
1話前話

「反則だろ、おまえ。やらしすぎんだよ」

 僕の中にとどまったまま腹立たしそうに宮本さんが言う。これでも僕は自分がどう見えるか知っているつもりだ。どんな顔で、どんな声で、どんなことを言うと相手が喜ぶか、過去の経験で確認済みだ。

「でも、良かったんでしょ……あっ」

 宮本さんがズルッと僕の中から出ていった。咄嗟に腰に力を入れたけれど、少し零れてしまったかもしれない。宮本さんの精液。

「おまえ、まだイッてないよな」

 僕の股間に顔を寄せ、屹立を咥えながら指を僕の中に入れてきた。

「あっ、だめ、そんなことしないでっ」

 指を出し入れされ、宮本さんの精液が掻き出される。

「そんなに俺のを入れたままにしたいのか?」
「マット、汚しちゃいますよ」
「拭けば大丈夫だよ」

 そばに転がるティッシュを数枚引き出し、僕の尻の下に詰め込んだ。

 宮本さんの舌使いがさっきより上手くなっていてまた登りつめた。あと少しで終わりが見える。

「出ちゃうから、はなしてください」
「飲むからいいよ」

 先輩が飲まれるのを嫌がる気持ちが少しわかる。僕もあまり人に飲まれるのは気がすすまない。

「でも」
「好きなやつのは飲んでやりたいんだよ」

 その気持ちは僕にも理解できる。僕も先輩のは愛しくてたまらなくて全部飲み干したいくらいだ。

 宮本さんの口に吐き出した。それを飲み込んだ宮本さんが「実は飲んだの、初めてなんだよ」と恥ずかしそうに笑った。

「そうだったんですか……。無理しなくていいのに」
「言っただろ、おまえが好きなんだ。おまえのは飲んでやりたいんだ」
「……利用してごめんなさい」

 謝罪の言葉が口をついて出た。宮本さんは静かに笑いながら、僕の頭に乗せた手で髪の毛をくしゃくしゃにかきまわした。

「悪いと思うなら第3ラウンド、いこうぜ」

 驚いたことに、宮本さんの股間のものが硬度をとりもどし上を向いていた。

「ぼ、僕、もう」
「ふざけんなよ、これで最後なんだろ。だったら空になるまでやらせろよ」

 強い力でうつ伏せにされ、腰を抱え上げられた。バックからの挿入。引き寄せられて深く結合する。荒い息遣いの宮本さんに背中を舐め上げられた。

「あっ!」
「背中、感じるのか」

 首を振って否定したが、また背中を舐められると大袈裟な声が出て、態度で肯定していた。

 僕は背中が弱い。セックスでバックが一番感じる。後ろから入れられ、手で前を触られ、背中を舐められると我を忘れる。

 調子づいた宮本さんは何度も僕の背中を舐めた。僕は鳥肌を立てながら、頭が真っ白になるような快感の中、体を震わせ声をあげた。

 一定のリズムで宮本さんが腰を動かす。手が前にまわされ、僕の震える肉棒をしごく。

「あっ、だめっ、やめてっ」
「ああ? 感じまくってなに言ってんだ」
「だから、嫌だ、やめて、許して!」
「すごいな」

 あられもなく身悶えて喘ぐ僕を見て、感心したように宮本さんが呟く。恥ずかしい。

「この体位、好きなんだ? だったら最初からこれでやってやったのに」
「はぁっ、ああん、あっ、嫌、イク、嫌だっ……」
「何が嫌なんだよ、良いの間違いだろ」
「はぁ、あぁ、嫌、許して、もう、触らないで、お願いだから……んっ、あぁっ」
「そんな声出すなよ、俺はまだ楽しみたいんだぞ」

 言いながら、思い切り深く突き上げてきた。

「ああぁっ! いやっ、やめ、イク……、イカせて」
「一緒にいこうぜ、俺も、もう限界」

 腰を振る宮本さんに扱かれながら頭が真っ白になっていった。だらしなく開いた口からは唾液が零れ、うつ伏せになって顔を擦りつけるマットに染みを作った。

「あっ、あぁ、先輩、先輩っ、もう、イク……っ」

 宮本さんが舌打ちしたと同時に、僕の中に熱いものが噴き上げられ、僕もマットの上に精液を吐き出していた。

※ ※ ※

 煙草を吸って不機嫌に押し黙る宮本さんを横目に見た。

 最後の瞬間、僕が先輩を呼んだことが気に入らなくて怒っているのだ。僕もあれは失敗したと反省している。セックスの最中に他の誰かを呼ばれるなんて最悪だ。

「すみません」

 何度目かわからない謝罪をした。

「最低の気分だ」

 煙を吐き出し、宮本さんが言う。

「まぁ、おまえが山口しか頭にないのは知ってるからな」
「すみません」
「んで、浦野のことはどうする気なんだ。俺がいきなりあいつに声をかけても逃げられるだけだぜ」
「僕に考えがあります。明日の放課後、またここに来てくれますか」
「わかった」

 宮本さんは煙草をもみ消し、立ち上がった。

「おまえのあの乱れっぷりを山口にも見せてやれよ。インポでもない限り、あれを見ておっ立てない奴はいないぜ」

 赤面する僕の肩を叩いて宮本さんは体育倉庫から出ていった。

 それを見送り、僕は壁にもたれて溜息をついた。腰がだるい。下半身に鈍い痛みがつきまとっている。久し振りにウケになったから緊張して体が強張り、終わった今、体中のあちこちが痛い。

 でもまだ終わりじゃない。

 明日、浦野が宮本さんに好意を持つように仕向けなければならない。



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