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君が笑った、明日は晴れ(67/89)

2020.06.08.Mon.
1話前話

 宮本さんの指が僕の中で動いている。目を瞑っている僕は、ありありと指の動きを感じていた。

「違う、もっと、奥……」
「奥? ここか?」
「あっ、そこ、そこです……、わかりますか」
「あぁ、盛り上がってるな、ここだろ」
「んっ」
「お前、そんなエロい声出すなよ」

  言いながらそこを指で擦られ、僕の体はビクンと跳ねた。久し振りの感覚だ。

「好きだって言って下さい」
「ええ?」
「浦野のこと好きだって何度も言ってやってください」
「なんだ、浦野の話。へんに期待させんな」

 舌打ちし、また指を動かす。その動きに合わせ、僕は声をあげ、体をくねらせた。

「もう入れていいか」
「……いいですよ」
「好きだ、河中」
「違う、僕じゃなくて浦野に言ってやってください」
「うるせえ。今はおまえを抱いてるんだ。おまえの名前を呼んでもいいだろう」

 グッと宮本さんが僕の中に入ってきた。思っていたよりきつくて顔をしかめた。

「大丈夫か。辛かったら言えよ」
「その調子で浦野にも優しくしてください」
「もうあいつのことは言うな」

 全部入ったところで宮本さんがキスしてきた。音を立てて舌を絡めたら口の端から唾液が零れた。

「好きだ、好きだ」

 僕の首、胸を舐めながら宮本さんが熱い息を吐き出す。宮本さんに好きだと言われてもちっとも嬉しくない。これが先輩だったらどんなに良かったか。

 宮本さんが腰をゆっくり動かし始めた。

「あいつ、ちょっと早漏気味なんです。だから先に一度出してから入れてやってください」
「わかったから黙れよ」

 ぐいと突き上げられ体がマットの上でずり上がった。宮本さんに腕を掴まれたまま、何度も突かれた。

「んっ、あっ、あっ」

 挿入される快感を少しずつ思い出してきた。自然と体が反応し、声が出た。

 体を起こした宮本さんに抱き起こされ、膝の上に座った体勢で向き合い、キスした。

「エロいよ、おまえ、エロ過ぎんだろ」
「あぁっ、んっ」
「おまえが上になって動けよ」

 宮本さんが後ろに倒れこんだ。下腹部は繋がったまま。騎上位でやれというのか? そんなこと浦野にはまだ教えていない。

「浦野は自分で動けるかわかりません」
「そんなこと知るか。今はおまえとやってんだ」

 言いながら宮本さんが僕の性器を握ってしごく。

「あっ、やめっ」

 敏感になったそこはわずかな刺激にももろくなって啼いた。

「我慢汁垂らして何言ってんだ。気持ちいいんだろ」
「はっ、あ、あぁ、やめて……」
「ほら、腰振れよ」

 下から突き上げられた衝撃が脳天まで走りぬける。その瞬間、僕はイッてしまった。

「ずいぶん吹き上げたな。天井に届きそうだったぜ」

 僕の吐き出したものを手に取ってまた擦り上げる。

「あぁ、やめて、もう、今は」
「嫌なら俺を気持ちよくさせろよ。そしたら手を止めてやるよ」

 仕方なく僕は下腹部に力を込めて腰を動かした。

 ウケの経験は親戚の人、一人だけ。それでも密で濃厚な時間を過ごした。騎上位だって経験済みだ。

 僕は乾いた自分の唇を舐めた。

「あぁ……キツイな。そんな色っぽい顔すんなよ。マジでその顔だけでイキそうになる」

 腰の動きを助けるように宮本さんが両手で腰を抱え、上げ下げする。強い力だ。

「あんま動くなよ、マジで出る」
「出すんでしょ。僕の中に。いっぱい出してよ、ねぇ、早く」

 わざと甘えた声を出した。僕が甘えた態度を取ると誰だって喜ぶ、そう親戚の人に言われた。僕は自分の女みたいな見た目がコンプレックスで嫌だったが、今はそれを利用してやる。

 案の定、僕の中の宮本さんがビクンと反応した。

「たまんねえな。これで最後なんて言わずに、これからも俺と付き合えよ」
「嫌ですよ。これが最後だって言ったでしょ。明日からは浦野を相手にしてください」
「惜しいな。その気のない山口なんかやめちまえよ」

 諦められるならとっくに諦めている。

 返事をせずに激しく腰を動かした。

「はっ、あっ、あっ」

 無意識に自分の快感のツボを擦っていたせいで、僕のものはまた勃起した。 宮本さんは自分への刺激に頭が一杯で、目を瞑って顎を逸らした。

 果てる瞬間、腰を強く引き寄せられた。体の奥に、宮本さんの精液が注がれるのを感じる。

「あいつとやる時はちゃんとゴム付けてくださいね。あいつ、中に入れたままでいるとすぐお腹壊すから」
「なんでも知ってるんだな。そんなにあいつとやってたのか?」
「あいつ、サルですから。僕じゃ体力持たなくて」

 ニヤついた顔の宮本さんが僕の大きくなったペニスを握った。

「おまえもサルじゃねえのか」
「違います。若いだけです」

 また下に組み敷かれた。

「抜かずにいくか」
「お好きにどうぞ」
「おまえをそこまで馴らしたのはどこのどいつだ? 嫉妬しちまうな」
「誰だっていいじゃないですか」

 宮本さんが腰を動かした。まだ硬さの損なわれないものが僕の中から出る寸前まで引かれ、また深く押し入ってくる。宮本さんはその動作をゆっくり何度も繰り返した。そうして自分のものを大きくしているみたいだ。結合部からはグチュ、グチュと濡れた音が聞こえてくる。耳を塞ぎたくなるような恥ずかしい音。

「好きだ、河中。本気でおまえが好きだ」
「次からは浦野に言ってやってください」
「浦野はおまえに好きだって言うのか?」
「言いますよ、何度も」
「じゃあ、おまえも俺に言えよ。今のおまえは浦野なんだろ」

 嫌だと言おうとした口をキスして塞がれた。浦野がよがる口蓋を舐められる。

「んっ」
「好きって言えよ」

 だんだん腰使いが荒くなっていく。少し落ち着きかけていた僕の体もまた反応していく。

「なぁ、俺のこと好きだって言えよ」

 乳首をつねられた。

「やっ、あ」
「言えって」
「す、好き」
「誰が?」
「宮本さんが、好き」

 宮本さんは満足げに笑った。感情のこもらない言葉でもいいなら、何度だって言ってやるさ。

「好き、宮本さん、もっとして」

 首に腕を絡めキスした。宮本さんの腰の動きに合わせて僕も腰を振った。

「そんなに締め付けてくんな。もう出る」

 苦しそうな表情で宮本さんが言った。早いな。

「僕の中に出して。欲しいよ、宮本さんのっ」

 クッと呻き、宮本さんは果てた。



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