FC2ブログ

君が笑った、明日は晴れ(14/89)

2020.04.16.Thu.
1話前話

 汚れた先輩の服を脱がせ、僕も真っ裸になった。

 先輩は気だるげにベッドに寝そべり、無表情に僕を見ている。本当に逃げもしないし、抵抗もしない、僕を殴り倒す素振りもない。

 このあと僕をどう痛めつけてやろうかと考えているのだろうか。嵐の前の静けさってやつなのかな。そうだとしたら僕、本当に病院送りになるかもしれない。

 内心冷や汗を流しながら先輩の裸の上に乗って口を寄せた。キスしたら先輩が鼻で笑った。

「とっとと入れちまえよ。やりたいだけなんだろ、てめえは」
「そんなことありません」

 少しむっとなって言い返す。

「こんなことしたけど、本当に先輩が好きなんです。ずっと好きだったんです」
「わかったわかった」

 片頬をつりあげ、ニヤっと笑う。僕が本気だと思ってない笑い方。カッと頭に血がのぼった。

「もういいです、信じてくれなくても!」

 乱暴に先輩の膝を立て、押し広げる。その一瞬、どこからわいてくるのか疑問だった先輩の余裕の顔つきに陰りが見えた。

 二度目の侵入は、一度目より容易かった。それでも中に入ると粘膜がしっとり僕を包みこんで歓迎するように締め付けてきた。

 あ、ゴムつけるの忘れた。思い出したが僕を下に見る先輩に腹を立てていたのでそのままにした。

 先輩の膝に手をあて、ピストン運動を繰り返す。一度出したのに先輩の内壁と括約筋の締め付けに、信じられないほどあっけなく終わりが見えてきたのには焦った。

 ふぅ、と一息ついて休憩する。

 くったりする先輩のものを握ってこすってみたら、すごい形相で睨んで来た。

「もう出るか、ばか」
「わかんないじゃないですか」
「わかるよ、いいからはなせ」

 はなさずに腰を動かした。先輩がよがる場所はわかっている。そこを突くと先輩が顔を逸らし、咽喉をさらした。やっぱりここがいいんだ。先輩を気持ちよくさせようと腰をまわすように突き上げた。

「あっ、も、河中、タンマ!」
「タンマじゃないでしょ、淫乱なカラダですね」

 凶暴な気分で腰を打ちつけた。先輩の体がガクン、ガクンと上にずり上がるのを両手で引っ張り戻し、また強く打った。結合部分から濡れた音が猥褻に響く。それに先輩の喘ぎ声と僕の荒い息遣い。部屋には情事のにおいが充満している。

「先輩、出していいですか」

 夢中で腰を振りながら言った。先輩が頷く。

 最後は先輩に搾り取られるように中に噴き上げていた。ビクビクと震えながら、それでもまだ僕に絡み突いてくる蠕動運動に気が遠くなりかけた。

 僕の一瞬あとに先輩も達し、その飛沫が先輩の胸と腹を汚した。なんていやらしい姿だろう。前かがみになり、それを舐めた。

 口で息をしながら、潤んだ目で先輩が僕を見ている。愛おしくて、キスしたくて、体を伸ばして口付けた。舌を入れて絡めた途端、先輩が顔を背けて「ペッペッ」と唾を吐いたので傷ついた。それってあんまりだ……。

「うわっ、まっずいっ」

 舌を出して顔を歪めて言う。あ、さっき先輩のザーメン舐めたっけ。

 名残惜しく腰を引いた。先輩の中から抜き出した僕のものは自分が出した精液にまみれて光っていた。ゴムなしって気持ちいい。

「河中、ティッシュ。早くしろ、出てくる」

 さっきまで僕が入っていた場所からわずかな量の精液が零れてた。括約筋を締めてそれを食い止めている。

 ティッシュで僕が拭いてあげた。先輩が頭をもちあげてチラと見たが、また頭を戻した。はぁ、と大きく息を吐き出す。本当に疲れているみたいだ。先輩は三回出したものな。

 僕と先輩の体液を拭き取り、 僕は先輩の横に寝転がった。間近に先輩の顔を見ながら胸に手を置いた。

「眠かったら寝ていいですよ」
「いや、先に風呂借りていいか」
「どうぞ」

 のそりとベッドから立ち上がり、素っ裸のまま先輩は下におりていった。大胆というか、豪気というか。

 僕は下着を身につけ先輩のあとを追った。風呂場を見つけた先輩はすでにシャワーを浴びているところで、タオルを用意しその旨伝え、部屋に戻った。

 部屋に一人きりになると、自分がとんでもないことをしたのだと思い知らされる。乱れたシーツ、床に落ちたロープ、脱ぎ捨てられた衣類、汚れを拭きとったティッシュの残骸。それを片付け、ベッドに腰をおろした。

 先輩にどれだけ殴られるだろう。考えると、少し怖くなってきた。



関連記事
スポンサーサイト
[PR]

コメント

管理者にだけ表示を許可する