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君が笑った、明日は晴れ(8/89)

2020.04.10.Fri.
1話前話

 河中の細い指が俺のものを引っ張り出したかと思うときゅっと握り締めて上下に扱き出した。もう片方の手は服の中に入り、脇腹をなぞる。

 そのくすぐったい感覚に反射的に体が反応したのを見て河中の口元に笑みが浮かんだ。恥ずかしくて死にたい。

 やめろと言いたいのにタオルで口をしばられて言葉にならない声しか出せず、舌で押そうが歯で噛もうがタオルがずれることも解けることもない。

 ベッドに縛り付けられ、俺より年下で華奢で女みたいな顔をした河中に扱かれるという屈辱的な状況なのに、男の性ってのは快楽に正直なもので、俺の意思に反してソレはどんどん大きくなっていきやがる。

 同じ男同士だからか、律子にやられるより気持ちいいのも事実で、皮を利用して上のあたりをこする手つきに抵抗するのも忘れてしまいそうになった。

「うっ、ううっん」

 呻き声とも、喘ぎ声ともつかない声がもれた。

「先輩、どうですか、気持ちいいですか」

 擦れた声で河中が訊いてくる。

 そんなこと訊くな、見りゃわかんだろうが! 怒鳴ってやりたいが怒鳴れない。仮にタオルで口を塞がれていなくても、そんなこと河中に言えるわけもない。俺にだって年上の男としての矜持がある。

「最後、どうして欲しいですか? 手がいいですか? 口がいいですか?」

 手の動きを止め、河中が顔を覗き込んできた。河中も興奮しているのか、白い頬が赤く染まっていた。余裕がないらしく、口で呼吸をしている。伏せられた睫毛が長い影を落とす目許が壮絶に色っぽくて、俺はこんな状況なのに一瞬見とれてしまった。

「ね、先輩、どっちがいいですか」
「うあええっ」
「あぁ、何言ってるかわかんないですね。タオル、取ってあげますね」

 河中が両手を俺の頭のほうへ持ってくる時、その手が濡れ光っているのが見えて恥ずかしさから両目をぎゅっと瞑った。あれはきっと先走りだ。

 次の瞬間、口を圧迫していたタオルがなくなり、大きく息を吸いこんだ。

「河中、いい加減にしろ、これ以上やったら本気でぶちのめすぞ!」
「縛られて何が出来るって言うんですか?」

 ふ っと笑って俺の上から退き、ベッドをおりた。机の上から携帯を手にとり、俺に向ける。

  まさか……!

「僕ね、もう一台携帯持ってるんです。それはこの家にはありません。ある場所に置いてあります」

 音がして俺の写真が撮られたのがわかった。両手両足を縛られ、股間のものは腹に届きそうに立ち上がった、俺のこの姿が。

「やめろ、河中!」
「それでね、その携帯、マナーモードにはしてないんですよ。だから先輩があんまり聞きわけがないようなら、もう一台の携帯を鳴らします。誰かが気付いて携帯に出たら、これから送信する写メと動画を見るように言います」
「河中、お前……!」

 今度は動画を撮っているらしく、俺に向けた携帯を顔から下半身へ移動させた。

 俺は言葉を失った。これが、いつも笑顔で俺のあとをついてきた河中か?

「今日ね、うちの学校でサッカー部の練習試合があるそうですよ」
「え……?」
「見られたくないですよね、学校の人たちに、こんな姿」
「お前、まさか」
「もう一台の携帯は学校のグラウンドの近くに隠してあります」
「てめえ、河中……ただですむと思うなよ」
「保険です。先輩がおとなしくしてくれたら、絶対誰にも見せません」

 パタンと携帯を閉じて、河中がまた俺の上に跨った。

「先輩、好きですよ」
「ふざけんなっ」

 俺のものが、河中の口に包まれた。少し萎えてきたものを、河中は愛おしそうに優しくしゃぶる。尿道を舌の先でつつかれ、思わず呻いた。

「先輩、かっこいい」

 上目遣いに河中が言う。顔だけを見ていると女と錯覚してしまうような河中の端整な顔。心の中で葛藤していたものが、もうどうでもいいか、というほうへ傾きかける。

 河中の口から濡れた音が漏れる。口をすぼめて上下に動かし、時々舌でカリ首を刺激してくる。

 まずい、いっちまいそうだ。




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