FC2ブログ

ドッペルゲンガーくん おかわり(1/5)

2020.03.06.Fri.
<前話「ドッペルゲンガーくん」>

※今田視点、元カノ登場

 尾崎くんは俺と違って勉強がよくできる。なのに最近、塾を休んでまで俺とのデートの時間を作ってくれるから、俺は尾崎くんの成績が下がるんじゃないかと気が気じゃない。

 それに週に一度はホテルに通ってる。全部尾崎くんが払ってくれる。お金のほうは大丈夫なのかと訊ねても、

「僕がいままで孤独で惨めな人生を歩んできたのは、君と出会うまで無駄使いさせないための神の計らいだったんだ。僕は無神論者だけれど、今回ばかりはその存在を信じてもいいという気になったね。友達がいなかったし、趣味もないから、お年玉もお小遣いもたくさん残ってるんだ。だから君はそんな心配しなくていい」

 俺に気を使ってこんな嘘をつく。ぱっと見は恐そうで近寄りがたい雰囲気なんだけど、尾崎くんは本当はとても優しい。俺みたいなのが尾崎くんの恋人でいいのかと心配になる。

 電車が到着したみたいで、駅からたくさん人が出てきた。その中に尾崎くんもいた。俺を見つけると笑顔で手を振る。だから俺も手を振り返す。

 何度もメールのやり取りをしたし、電話で声も聞いていたけれど、やっぱり直接会えるのが一番嬉しい。一週間ぶりの再会だから、その喜びはひとしおだ。この一週間、期末考査で会えなかったのだ。

「ごめん、待たせたね」

 白い息を吐きながら尾崎くんが笑みを浮かべる。近くでその笑顔を見られるだけで俺は幸せな気持ちになる。

「行こう、はやく二人きりになりたいんだ」

 尾崎くんが俺の手を取ってずんずん歩き出す。行き先はホテル。今日、たしか塾の日だったはずなのに、また休むつもりなのかな。俺のせいで成績が下がっちゃうのはいやだな。

 常連となったホテルの部屋に入るなり、尾崎くんがキスしてきた。俺のほうが背が高いから、尾崎くんは上を向いて背伸びしている。可愛くって愛しさが込み上げる。抱きしめたら強い力で抱きしめ返された。

 二人で浴室に移動した。そこでもシャワーを浴びながらイチャイチャする。尾崎くんはいままで誰とも付き合ったことがない。当然セックスもしたことないはずなのに、俺の感じる場所を探し当てるのがうまい。そこを刺激して俺を乱れさせる。

 俺はいままで女の子相手に焦らしたことなんかないけど、尾崎くんはたまに意地悪く俺を焦らしておねだりさせる。恥ずかしいけど俺もそれを口にしちゃう。だって好きだから。やらしい尾崎くんも大好きだから。

 浴室で一回抜いて、ベッドに移動。お互い逆向きに寝て、目の前にある股間のものをしゃぶりあう。付き合いだして一ヶ月くらいだけれど、いったい何回セックスしただろう。

 尾崎くんは性欲が強いみたいで、付き合い始めの頃は毎日セックスした。俺の尻の穴、もうガパガパになるんじゃないかと心配した。

 最近ようやく落ち着いてきたけれど、一週間ぶりの今日はどうなるかわかんない。尾崎くんの舌使い、すごく荒々しい。フェラしながら俺の尻をいじる指も、急いた感じで余裕がない。俺もうイッちゃいそう。

 先に俺が果てた。尾崎くんにもイッてもらおうと思ったけど、口はもういいって四つん這いにさせられて、後ろから挿入。

 一週間ぶりだからかな、少しきつい。だけど、身震いするほど尾崎くんの形に感じる。俺の中に入ってる、そう思うだけで、気持ちが昂ぶる。

 尾崎くんが腰を動かす。俺も気持ちよくなって声を出す。自分から腰を振る。締め付ける。また勃起する。

 尾崎くんに会うまでホモなんてありえねーって思ってたけど、自分が男に掘られるなんて死んでもありえねーって思ってたけど、もう俺いま尾崎くんにゾッコンだから、中に入れるより、入れられて幸せ感じる体になっちゃったから、もう女の子は愛せない。好きにはなれるかもしれないけど、前みたいに女の子見ただけでヤリたいとは思わない。

 逆に心まで女に近づいたのか、会えばすぐエッチしようと迫られたときの女の本音、みたいなもんまで理解できるようになってしまった。俺だって尾崎くんとセックスしたいけど、一週間ぶりに会ったときくらい、少しは会話も楽しみたいわけで。

「ふっ、んあぁ…ッ…あっ……やっ、そこ……尾崎く……そこ、いいっ……もっと、し…て…っ…」

 なんて喘いでたら真実味もないわけだけども。

 俺は早々に三度目の射精をする。断っておくけど、俺は早漏じゃない。尾崎くんが長いんだ。強すぎるんだ。本当にいままで誰とも経験ないのかな。

 そんなこと考えるいとまも与えず、尾崎くんがズンズン突きあげてくる。どこが感じるか尾崎くんは知り尽くしてる。敏感なとこを尾崎くんが擦ってく。頭のなかで火花が散る。精液は出てないのに俺はイッてしまう。人生初のドライオーガズム。これか。これがそうか。もう何も考えられない。頭真っ白。悲鳴みたいな俺の喘ぎ声。おかしくなる。俺、気持ち良すぎて狂っちゃうよ。

 ~ ~ ~

「っつーか、あたしにどうしろってのよ」

 前カノの優菜はストローでグラスの中の氷をかきまわした。興味のなさそうな顔で自慢の長い髪をかき上げる。俺が男と付き合ってるって聞いたのに、それについて驚きも質問もなにもないわけか? 別れた男には関心ゼロか?

「いや、だからさ……俺、付き合ってるとき、おまえにエッチばっかせがんで悪かったなーって反省して……」
「もうそれはいいよ、終わったことだもん、しつこくて鬱陶しかったけどさ。いま、自分がその立場だからってあたしに相談されても困るよ。それ聞いてあたしにどうしろってのよ、そんなの相手の男に言えっつーの」

 もっともなことを言って優菜はグラスのなかのジュースを飲み干した。

「おかわり入れてこようか?」
「じゃお願い」

 ドリンクバーだから何杯でも飲んでくれい。優菜のメロンソーダといしょに自分のコーラもおかわりして、テーブルに戻った。

「壮也は優しい子だもんね、好きになったらイヤって言えないんだよね」

 優菜は同情するように俺を見た。

「イヤじゃないよ、俺も尾崎くんのこと好きだもん、俺だってしたいもん。だけどさぁ、こないだのテスト終わってから三日とあけずヤッてんだよね。さすがに疲れるっつーか、お金も心配だし、成績さがったら俺のせいだし」
「てかなんでそんな頭いいのと付き合ってんの。話合うの? いっしょにいて楽しいの? 実はそいつ、ヤリたいだけで壮也と付き合ってんじゃないの」
「それはないよ」

 ムッと言い返す。それは……ないはずだ。そりゃ他の人から見たら俺たちつり合ってないのかもしれないけど、尾崎くんはすごく優しいし、愛されてるって実感してるし、心も通じ合ってるって思ってるし。あれがヤリたいための演技だなんてありえない。

 でももし優菜の言う通りだったら? いやいや、俺が尾崎くんを信じないでどうする。でも恋は盲目というし、俺、尾崎くんに夢中で冷静な状態じゃないし、傍目には俺って利用されてるだけに見えるのかもしれない。

 うわ、心臓痛ぇ、誰かに掴まれたみたいに、ぎゅうって苦しくなった。やだな俺。利用されてるうちはいいけど、飽きて捨てられちゃったらどうしていいかわかんないよ。

「ごめんごめん、泣くなよ、ちょっと言ってみただけじゃん」

 涙ぐんだ俺を見て優菜が苦笑する。手を伸ばして俺の頭をなでなでする。以前なら優菜の胸に顔を埋めて泣きたいって思ったんだろうけど、いまは尾崎くんに慰めてもらいたかった。なのに尾崎くんはいない。今日は俺が説得したから塾に行ってる。会えないと思うとよけい、悲しくなる。

「じゃあさ、今度そいつに会わせてよ、本気か遊びか、あたしが見抜いてあげる」

 少し考える。優菜は嘘を見抜くのがうまい。付き合ってるとき、俺がついた些細な嘘もあっというまに見破られてしまった。そういう才能の持ち主なのだ。だから今回、尾崎くんの相談をするときも、包み隠さず全て話した。

「尾崎くんに聞いてみないと。嫌だっていったら、連れてこれねーよ」
「友達に紹介されんの嫌がるなんて器ちっさいね」
「……連れてくる、連れてくるよ」

 尾崎くんの器が小さいと思われるのは嫌だ。なんとしても優菜に紹介せねば。



関連記事
スポンサーサイト
[PR]

コメント

管理者にだけ表示を許可する