FC2ブログ

兄弟愛(2/3)

2014.03.20.Thu.
<前話はこちら>

 コンコンとノックの音がして扉が開いた。航士が顔を出す。

「熱、どう?」
「だいぶ下がったっぽい。明日はガッコ行けそう」

 弟の航士とセックスした俺は、航士の熱をそのまま引き受けてしまったかのように、その夜から寝込んでいた。たぶん処女喪失のショックからくる発熱だ。
 航士はベッドに腰をおろし、俺のおでこに自分のおでこをくっつけてくる。顔近いって。鼻あたってるって。実の弟なのに妙に息苦しのは何故だ?

「まだ顔赤いね」

 と俺の頬に手を添える。誰のせいだ!お前のせいだろうが!と思ったが、冷たい手が心地よかったので俺は目を閉じた。すると航士は何を思ったのか…

「キスしてほしいの?」

 はあ?!カッと目を見開いたときにはすでに遅し。俺は航士にキスされていた。抵抗しようと持ち上げた手は一括りに掴まれ、ベッドにはりつけにされた。深く交わる舌と唾液。どうしてこいつ、こんなにキスがうまいんだ?!彼女いたとこ、みたことねえのに!
 キスしながら航士が上に跨って来た。

「おまっ…病人だぞ…!」
「さきに誘ってきたのは兄さんだよ?」

 なんて艶めかしく笑う。こいつ…イケメンすぎる。同じ遺伝子をわけた兄弟なのに、どうして体格も頭脳も容姿もこいつのほうがはるかに上回っているんだろう。弟にのしかかられた状況がよけいに情けない。

「今日は口だけで我慢しておくね」

 パジャマのズボンを下ろされた。
 今日はってどういうことだ?明日もあるってことか?明日はなにする気だよ一体!!

「航士、やめろって…こんなの、おかしいだろ」
「おかしいよね、兄弟でなんて」

 フッと航士は歪んだ笑みを浮かべた。

「わかってんなら…」
「でも止められないんだ。止められなかった。何年かかっても無理だった。僕は兄さんが好きだよ」
「…す…好きって…」
「愛してるって意味だよ」

 これが証拠だと言わんばかりに、航士はためらいもなく俺のペニスを口に含んだ。フニャフニャだったものに唾液を絡めてしゃぶりつく。あっという間に勃起した。

「駄目だ、航士…こんなこと…しちゃ、駄目だ…」
「これ以上のこと、もうしちゃったじゃない」

 確かにした。俺は航士とセックスした。でもあれは勢いっていうか…その場の雰囲気に流されただけっていうか…とにかく、あれはまだ航士の気持ちを知る前だった。恋愛感情とか抜きの、ただの「セックスごっこ」だった。だけど、航士の気持ちを知ってしまった今、同じことをしたらただの「ごっこ」じゃなくなってしまう。紛れもない「セックス」だ。兄弟でそんな禁忌を犯す勇気は俺にはない。

「だから駄目だって言ってるんだ。あの一回だけで終わらせるんだ」
「猶予が欲しい」
「猶予?」
「僕が兄さんをきっぱり諦めるまで。少しの間でいいから。それまでは兄さんに触れさせて欲しい。今までずっと我慢してきたんだから、それくらい許してくれてもいいでしょ?」

 上目づかいに俺を見つめる。真摯な眼差し。航士の真剣さとこれまでの苦悩が読み取れる。

「触るって…?」
「キスしたい。体にも触りたい。でも最後まではやらない。それだけは約束する。それならいい?」
「い…一週間だけ、なら」
「充分だよ」

 どえらい条件を飲んでしまったかなと後悔したのも一瞬、航士が寂しげに微笑むので俺の胸がツキンと痛んだ。

「キスするだけ、触るだけ、だから」

 と言いながら航士が俺のペニスにキスし、また口に咥えこんだ。

「えっ、これっ…?!」
「触ってるだけだよ、僕の舌で」

 ええっ?!これってもう前戯じゃねえか!

「ちょっ…航士…あっ…やめ…!」

 さっきまでのしおらしい態度が嘘みたいに、航士は激しい舌使いで容赦なく俺を追い立てた。哀れなペニスはその舌技に翻弄されて痛いくらいにギンギンに張りつめ、精を吐きだいたいと涙を零していた。

「はぁ、んっ…航士…もう…やめ…出る…イク…イクから…あぁっ…やっ…」

 上り詰めるその瞬間、航士は口をはなしてしまった。

「はぁ…はぁ…ぁ…え…航士…?」

 イカせてもらえず、戸惑いながら航士を見た。

「今日は指だけでイッてみようね」

 いつの間にか航士の手に小さいボトルが握られていた。キャップを外し、中身を手の平に出す。トロリとした透明な液体。

「それ…もしかして、オイル?」
「そうだよ。熱が加わると粘りがよくなるんだって」

 子供が泥遊びをするみたいに手の平でネチャネチャと音を立てながらこすり合わせ、それを俺の肛門に塗りたくった。

「ひゃっ!あっ!や…ばかっ…指…入れんなよ!約束が違うじゃねえか…!」
「触ってるだけだよ、兄さん。指を中に入れただけ、指を、ね」

 オイルでぬめる指が内部を摩擦する。一本だったものが二本、三本と増やされる。

「はぁっ…アッ、んっ…航士、おまえ…ずるいぞ…俺、そこ…弱いの知って…やっ、あっ!いまの…やだっ!」
「ん?ここだね?」
「やぁん!やだっ…アッ、アァンッ、だめってば…そこ、航士…ヤダッ、だめ…そこ…触るな…あぁあっ!」
「相変わらず敏感だね、兄さん。また熱あがっちゃうよ?」
「うるせ…んぅっ…んんっ…や、んっ…アァッ、ヤッ、アッ、あっ、やめっ…や、だ…ッ!」
「イキそう?兄さん?」
「ンッ…あっ…ウンッ…きそう…イキそう…っ、航士、イく…イッちゃう…俺、やんっ、やっ、やだっ、ぁあっ、やだっ、イっちゃう…!航士の指で…俺…あっ、んっ……やだやだっ…航士…俺、イッちゃう…あっ、アッ…ァアアァアアンッ!」

 ビュッビュッと俺の腹に俺の精子が吐き出された。ボタボタと生暖かいものが腹を汚す。

「はぁ…はぁ…はぁ…ばか航士…」
「すごい。ほんとに指だけでイケたね」

 なんて嬉しそうに笑いやがる。

「おまえはイッてないんだろ」
「まあね」

 航士は肩をすくめた。前髪をかきあげつつ、俺は深くため息をついた。もうなるようになれってんだ。

「入れていいぞ」
「えっ…?」
「おまえのチンコ、入れたいなら入れていいぞ」
「いいの?エッチはしないって」
「指入れて俺をイカせておいて、なに言ってんだよ」

 航士のために膝を立てて誘ってみた。
 航士は本当に予想外だったみたいで、どうしていいかわからないといった風に、途方にくれた表情をした。

「どうした?俺の気が変わるまえに入れたらどうだ?」
「うん…入れたいのはやまやまなんだけど…」

 苦笑しながら指先でこめかみを掻く。

「やっぱりやめておくよ。約束は約束だしね。それに兄さんの中に入ってしまったら、未練を断ち切るどころか諦められなくなりそうだし」
「えっ…いいのか、おまえ」
「ありがとう、兄さん。僕は大丈夫だから」

 ベッドから起き上がると、航士は部屋を出ていった。

「あいつ…せっかくいいって言ってんのに」

 航士の指で俺の体のなかは熱くなっていた。発熱のせいじゃない、航士から与えられたそれは、欲情と言うものだった。



 今夜は父さんと母さんが結婚記念日とかで外食するので家には俺と航士の二人きり。仕方なくカレーを作ることにした。

「兄さん、野菜の大きさは揃えなくちゃいけないんだよ」
「いいんだよ食えりゃ」

 乱雑ににんじんを切っていたら「違うってば」航士が俺の後ろに立ち、背後から包丁を持つ手に手を添えてくる。

「あっ、危ないだろ」
「兄さんの手つきのほうが危なっかしいよ。それとも僕が近くにいるとドキドキしちゃう?」
「ばっ…」

 図星で顔が熱くなる。文句を言うために振り返ったら航士にキスされた。すぐさま舌が入ってきて濃厚なベロチュー。

「んっ…ぅ…くふ…う…んっ」

 体から力が抜けていく。好きだと告白されて今日でちょうど一週間。航士は親の目を盗んで何度も俺にキスしてきた。夜中ベッドにもぐりこんできてフェラしたり、指だけで俺をイカせたり。だが航士は最初の約束を守って最後まではしなかった。ビンビンに勃起させているのはわかっているのに、一度もそれを俺の中に入れることなく今日まできた。

「今日が最後の日だね」

 航士の手が俺の服の中にそろそろと侵入してくる。乳首を摘まんで指先で弾く。

「ハッ…アンッ…やっ…ぁっ…」
「兄さんって全身性感帯だね」

 耳元で笑われる吐息にすら感じてしまう。

「航士…俺…立ってられない…」
「ソファいこうか?」

 航士の問いかけに頷いた。初めて俺と航士が繋がった場所。そして終わる場所になるんだ。


 足を大きく広げた格好でソファに座らされた。その中心で航士が俺のちんぽをしゃぶっている。今日が最後だからか、玉袋から裏筋、カリ首、丁寧に舌を這わせて味わっている。蛍光灯のもと、それをまざまざ見せつけられて…俺の心臓は苦しいくらいドキドキしていた。

「指入れるね」

 言うと同時に指が尻穴に入ってくる。長い指がこの一週間ですっかり覚えたいいところを押して擦ってくる。それだけで俺の体は全身火がついたように熱くなる。

「ハァアッ!あっ!あぁ!…やっ…ん…航士ぃ…!」

 航士の指が出たり入ったり。俺のちんぽが航士の口を出たり入ったり。ジュブッ…ジュルッ…ジュッ…音を立てて航士が俺のものをしゃぶる。

「はぁ…ぁあんっ…やだぁ…あっ、アンッ…航士、もうやだぁ…あっ、いやっ…指、そんな…動かすなっ…出ちゃうからっ…あっ、あっ…イク…出る…っ!」

 出せと言わんばかりに航士は動きを早くした。そんな航士を見ながら俺は思った。違う…指じゃない…指だけじゃ物足りない…もっと太くて熱い、航士のちんぽが欲しい…と。
 そんな思いを込めて顔を見つめたが、航士に願いは届かなかった。ジュルジュルッと吸われながら、指でアソコを強く擦られて俺はイッてしまった。

「ハァ…ハァ…航士、おまえイッてないじゃん…」
「僕は平気だよ。兄さん、今日まで僕に付き合ってくれてありがとう。これで兄さんを諦められるよ」

 立ち上がった航士はリビングを出ていった。しばらくして戻って来た航士は何事もなかった顔をしてキッチンに立ち、料理を再開した。

玩具の箱

関連記事
スポンサーサイト
[PR]

コメント

管理者にだけ表示を許可する