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カインとアベル(2/3)

2018.12.06.Thu.
<前話はこちら>

 あいかわらず翔太くんの衣装はきつかった。スカートから俺のちんぽははみでてるし、上の衣装も小さくて腹が見えている。

「兄ちゃん、ここ、伸びてきちゃってんじゃん。ちゃんと剃らなきゃ」

 自分のちんこを俺にぶっさしながら守が俺の陰毛を撫でる。中途半端な伸びかけで手に引っかかる感触が気持ち悪い。

「もう、剃んねえよ……!」
「こんなので、彼女とセックスしてたの?」
「するわけないだろ」
「セックスレスで、彼女に怪しまれない?」

 守の言う通り。彼女には浮気の探りを何度か入れられた。

 守に剃られたのは二度目。一度目は疲れているとかなんとかで誤魔化せた。立て続けの二度目はそれも通用しなくなって、守が会いにくるせいで休日も会えない日が続き、彼女が浮気を疑うのも当然だった。

 実際、これは浮気みたいなもん。いや、実の兄弟でセックスしてるなんて浮気以上か。人を異常な泥沼に引きずり込んでおいて、守のクソ野郎は……!

 ゆさゆさ揺さぶられて、もうすぐイキそうって時に守のスマホが鳴った。

「あっ」

 と声をあげた守は机のスマホに手を伸ばし、こともあろうか電話に出た。

「もしもし!」
「嘘だろ……」

 ショタアニメのコスプレさせた実の兄にちんこ突っ込んでる状況で電話に出るか?!

「いま思い出したとこ! ほんとだって!」

 家族以外と明るく話をする守なんて何年ぶりにみるだろう。小学/生以来じゃないか?

「それはあとで……うん、そう……何言ってんの、おかしいんじゃない。本気で言ってる?」

 キャッキャと守が笑う。電話の相手はそれなりに親しい相手。まさかと思うが彼女じゃないよな?

「もー、仕方ないなあ。ユキさんだから特別だよ。でもちょっとだけ!」

 ユキ?! いまこいつ、ユキっつったか?!

 まじで相手彼女かよ!!

「……ほんとそれな! いまのとこ就職してよかったわー。ユキさんいなかったらとっくに辞めてたかもしんない」

 はあ?

 こいついまなんつった?

「いやほんと。俺って出来損ないだからさ。生きてく楽しみできたのも、ユキさんのおかげだよ」

 ギュッて。心臓のあたりが苦しくなった。

 こいつをあの部屋から出すために俺が払った犠牲はなんだったんだ?

 どんな理由であれ、こいつがまっとうな大人として働きだして、兄として嬉しかったんだぞ。

 俺の処女も、近親相姦の罪の意識も、精液まみれのプライドも、俺が差し出したものは一切守の口からは語られない。

 ユキさんのおかげ? ユキさんがいなきゃ仕事辞めてた? ユキさんのおかげで生きていくのが楽しい?

 ふざけやがって。

 俺はなんだったんだよ。

 俺はお前のなんだったんだよ!!!

「あ、うん、それは明日……送らないよ、俺だけのもんだもん。見せるだけ。また明日……て、あ、ちょっ……」

 守を突き飛ばしてベッドから飛び降りた。ずるっとちんこが出る感触に危うく感じそうになったが、腹立つわ情けないやらでそれどころじゃない。

「なに、兄ちゃん、いきなり」

 守は通話を切ったスマホをまた机に戻すと、仁王立ちでブルブル震えている俺に手を伸ばしてきた。

「触んな、死ね!!!」

 俺の剣幕に驚いて守が手をひっこめる。

「あ、電話出たから怒ってる? ごめん、ちょっと約束あって、忘れてたから咄嗟に出ちゃったんだよ」
「だったらそっち……! 優先しろや……!!」
「えっ、なんで泣いてんの?」

 慌てて守が立ちあがる。守は全裸。俺はピチピチのコスプレ衣装。なにこの兄弟。いい年して、なんでこんな馬鹿げた格好で馬鹿げたやり取りしてんだろう。

「お前最悪! 俺にこんなことさせておいてさあ!!」
「えっと……、そんなに翔太くんやだった? 今更どうしたんだよ。いつもノリノリだったじゃん」
「いつも嫌々だったに決まってるだろ!! お前みたいな出来損ない! どうにかしなきゃと思って! 俺が犠牲になれば済む話だと思ったから! 我慢してお前の相手してやってたんだよ!」

 傷ついた顔で守が絶句する。なに被害者面してんだよ?! 俺にやったこと全部棚あげか!? 忘れたなんて言わせねえぞ!

「もう嫌だ! もうこんなことやめる! もう二度としないからな! 約束?! 知るか! お前がまた引きこもりに戻ろうが男の子に手を出して捕まろうが俺の知ったこっちゃねえ! お前のことなんかどうでもいい! 野垂れ死のうが、彼女とよろしくやってようが! 俺にはなんっっっっっっの! 関係もない!!!」

 怒鳴りながら涙が溢れて止まらなかった。情けねえ。弟にいいようにされて。挙句、ポイと捨てられて。

 裏切りだ。人を変態の道に引きずり込んでおいて、自分だけさっさとまともな道に戻るなんて。俺はもう、引き返せないっていうのに……!

「そんなに嫌々俺の相手してくれてたんだったら謝る。けどその前に、いっこ訊いていい? 彼女ってなんのこと?」
「はあ?! しらばっくれんな! 母さんも知ってんだぞ! お前がいま電話してた相手! ユキって女! 彼女なんだろ?!」

 ぽかんと顔をしたあと「ぶはっ」と守が吹きだした。

「ユキさん? 彼女? ありえねー!」

 腹抱えてエビぞりになって笑う。

「ユキさんて、俺の会社の人で男だよ、おとこ! 雪本って苗字でみんなからユキさんって呼ばれてるだけ。え、母さんも勘違いしてんの? まじかー」
「ごまかされねえぞ。さっきも電話で好きだとか会いたいとか話してたの聞いてたんだからな!」
「えー? あー、あれ! あれは……サプライズだからあんま言いたくないんだけど」
「言え!」

 考える時間を与えてはいけないと思って間髪入れず叫ぶ。

「仕方ないなあ。ユキさん、造形師でさ、兄ちゃんのフィギュア作ってもらってんの」

 どんな嘘も見破ってやるぞと待ち構えていたが、思いがけないワードに思考が一瞬止まった。

 ぞうけいしってなんだ。俺のフィギュア?

 フルチンのまま守はベッドに腰かけて話しだした。

「ユキさんが作ったフィギュア、俺もいっぱい持っててさ。覚えてる? 俺の部屋にあったやつ。あれ、三分の一はユキさんが作ったんだよ。いまのとこも、ユキさんがいるから面接受けたんだし。ユキさん、俺の性癖一発で見抜いてさ。ユキさんもショタ好きなんだよね。そんなわけで意気投合して、フィギュア作ってもらえることになったわけ」
「俺、俺の?」
「そう」
「兄ちゃんの小さい頃の写真いっぱい持ってって見せたんだけど、なんか違うなーって。どうせ作ってもらうならいまの兄ちゃんの姿がいいと思って。だから兄ちゃんの写真撮ってくるから待ってってお願いたタイミングで兄ちゃんが家に来るからさ。今日写真撮れそうってユキさんに電話してたの。好きだって言ったのはユキさんが作るフィギュアのこと。会いたいって言ったのは、兄ちゃんのフィギュア。これで誤解、解けた?」

 辻褄は合っている。無理なところも破綻しているところもない……気がする。それでもどこかおかしいところはないかと守の話を反芻する。どこも見つけられない。というか、守の話を信じたい俺がいる。

「兄ちゃん、おいで」

 とまた守が手を伸ばす。なんで年下のお前のほうが兄貴ぶってんだ。

「おいでって、ほら」

 強引に俺の腕を掴んで隣に座らせた。

「俺に彼女できたかもって思って怒ったの?」
「ちげーし」
「もう俺の相手すんの、やになった?」
「だっ……それ、は……」
「そりゃ怒るよね。こんな格好させられて」

 守は翔太くんのスカートをもちあげた。

「ここ、こんなにされて」

 と伸びかけの股間の毛を撫でる。

「兄ちゃんはもう、俺のちんぽなしじゃ生きられないのにね?」
「なっ、そんなわけ!」

 守は俺の首を舐めながらちんこを握ってきた。萎えてたのに、真相がわかって、守に触られただけでそこはまた立ちあがる。







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