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Tedious story(3/15)

2018.11.14.Wed.


 マンションの前まで来ると純は一人で立ってオートロックの呼び出しボタンを押した。すぐに女の声。

「俺、開けて」

 しばらくして自動ドアが開いた。純が入って振り返る。

「来ないの?」
「俺も?」
「ずっとあとつけてたでしょ。どうせ待ってるんだったら中で待ちなよ」
「知ってたのか」
「猛獣みたいな視線送ってくるんだもん、気付くよ」

 純と一緒にエレベーターに乗り、四階で降りた。402号室のインターフォンを鳴らすと中から女が出てきた。純の顔を見て女は小さく悲鳴をあげた。

「どうしたの、その顔! 喧嘩?!」
「うるさいよ、とりあえず中入れてくれる?」
「あ、うん、入って!」

 純の後ろにいた俺に気付くと女はまた驚いて声をあげた。

「その人も一緒にいいだろ? 俺を助けてくれた人だから」
「あっ、そうなの? あ、じゃあ、あの、どうぞ」

 すいません、と俺も中に入った。女は俺のことなんかもう忘れたようで、怪我人の純の体を支えている。

 年は20代半ば。童顔に見えるから二十代後半の可能性もある。髪は染めていない黒。化粧はしているがケバくはない。むしろほとんど素顔に見えるほど薄化粧だ。

 着ている服も流行とは無縁。部屋もあまり飾り気がなく質素。

 二人掛けのソファに純を座らせると、女は純の膝に額をつけて泣きだした。

「泣くなよ、彩加」
「だって……純くんがそんな怪我してるの見てびっくりしたんだもん……。もうすぐ着くって電話あってから来るの遅かったし、ずっと心配だったんだから」
「カツアゲされただけだって。俺ってほら、弱そうに見えるから」
「なんで純くんがこんな目に……っ」
「そんなことより、消毒薬とかガーゼある? ないなら買ってきて欲しいんだけど」
「あっ、ごめん、そっか、そうだね。うち、絆創膏くらいしかないから買ってくるね! すぐ戻って来るから!」

 女は財布を掴むと走って部屋を出て行った。鍵をかけることすら忘れている。

「お前の彼女か?」
「彼女っていうか、友達?」
「年が離れてるだろ」
「年なんか関係なくない? 俺と今井さんだって年が離れてる」
「俺はお前の友達なんかじゃねえよ」
「そうなの? 友達になりたいから俺のあとつけてるんだと思ってた」
「この前のお返しするために決まってるだろうが」
「それなのに俺を助けてくれたの?」
「だから、お前をボコんのは俺なんだって」
「じゃあ、今やんなよ。邪魔する奴は誰もいないし、俺も弱ってるから反撃できないし、絶好のチャンスだよ」

 ソファに四肢を投げだして、純が俺に微笑みかける。まったくの無防備。俺が殴っても抵抗しないだろうと思えた。

「弱ってるお前を殴ったらただの弱い者いじめだろ」
「それが今井さんの美学? くだんない」
「なんだ、俺を挑発して。そんなに殴られたいのか?」
「俺、この顔嫌いなんだよね。この顔のせいで今までどれだけ嫌な目に遭ったか。たぶん、今井さんの想像以上だよ。だから、人相変わるくらいグチャグチャにしてやるって言われて、ちょっと期待したんだよね」
「それを俺が邪魔したわけか」
「そういうこと。責任取ってよ」
「元通りきれいな顔になったら、今度は俺がちゃんと不細工になるまで殴ってやるよ」
「あ、今井さんもやっぱ俺の顔、きれいだって思う? だからあの日、俺に声かけてきたんだ?」
「お前に声をかけたのは昔の知り合いに似てると思ったから、近くで顔を見たかっただけだ」
「へえ、それって女?」
「男だ。でも、ぜんぜん似てなかった。あいつのほうがお前よりもっと綺麗な人間だった」
「その人のこと好きだったの?」
「好きじゃない。むしろ……いや、やっぱり好きだったのかもしれない」

 純相手になにを喋っているんだろう。こんなこと言う必要なんてないのに、ペラペラしゃべってしまう。

「今井さんってゲイなの?」
「今まで付き合ったのは女だけだ」
「でも男に興味あるの? 若い男だけ?」
「男に興味はない。そういうお前はどうなんだよ。若松とは付き合ってるのか?」
「若松は友達だよ」
「友達にキスしないだろ」
「ほっぺだよ、口じゃない」
「ただの友達とほっぺでもキスしないだろ」
「相手がして欲しそうだったら俺はするよ」
「その見返りがブレスレットか」

 純は笑みを濃くした。

「学校でぼっちの若松に優しくしてあげてたら好きだって告白されたんだ。ごめんって断ったよ。男同士なんてやっぱ気持ち悪いからさ。でも気持ちは嬉しいから友達としてならいいよって、たまに一緒に遊んでるだけ。プレゼントは若松が好きでやってることだよ。俺からあれが欲しいこれが欲しいなんてねだったことは一度もない」
「さっきの女は? 彩加?」
「彩加は痴/漢されてたのを助けてあげたのがきっかけ。お礼をさせて欲しいって食事奢ってもらって、連絡先交換して、友達になった。彩加は料理上手なんだよ、帰って来たら何か作ってもらおう。あ、俺はこの口じゃ無理か」
「彩加へのご褒美はなんなんだ? まさかほっぺにキスじゃないだろ?」
「彩加とはたまにデートみたいなことして、キスして、セックスしてる。よく服とか買ってもらうから、サービスしてるよ」
「自分の顔が嫌いだとか言って、しっかり利用してるじゃねえか」
「この顔が好きだって奴らに、この顔で愛想振りまいてるだけだよ。プレゼントもセックスもおまけでついてくるだけ」
「お前の天職はホストだな」
「それ、友達にも言われた」

 アハハ、と笑って純は顔を顰めた。傷が痛んだらしい。

 洗面所で適当に見つけたタオルを水で濡らして純の顔を拭いてやった。片目は瞼が腫れて潰れ、鼻血を垂らし、唇が腫れているのに、純は魅力的だった。

「あ、そうだ。連絡先交換しとこうよ」
「正気か、お前」
「ほら、携帯貸して」

 純にスマホを渡す。純は素早く操作すると返してきた。

「履歴の一番上が俺の番号ね」

 発信履歴を見ると登録されていない番号が一番上にあった。純の携帯の番号。本当か確かめるために一度かけてみる。純のポケットのスマホが鳴った。

「嘘の番号だと思った?」
「念のためな」

 まさか自分から連絡先を教えるとは思わなかった。リンチにかけられた恨みを持つ相手に教えるとは普通は思わない。さっきの男たちから助けたから気を許しているのだろうか。

「そういえば、お前を助けてやった俺にご褒美はないのか?」
「欲しいの?」
「体はって助けてやったんだぞ」
「頼んでないけどね。ま、いいや。あげる、ご褒美。なにが欲しい?」
「口開けろ」
「え、なに?」
「俺のをしゃぶってくれ」

 純は目を見開いて、そして吹きだした。

「やっぱ今井さんって面白い。ボコボコにされて口開けるのもつらい俺に、そんな要求する?」
「だめか?」
「だめじゃないよ。でも口の中痛いからさ、めちゃくちゃに動かすのはやめてよ。あと俺、フェラするのなんて初めてだからイカせらんないかも」
「かまわん」

 ズボンのファスナーをおろしてペニスを出した。ゆる勃ちしていたものを純の目の前で扱く。純は好奇心に目を輝かせながらそれを見守っていた。

「こんな間近で他人の勃起したやつ見るの初めてだ」
「よし、口開けろ」

 純が口を開く。純の頭を抱えながらその口へ先端を押し込んだ。

「噛んだら殴るからな」

 そんなことしないから安心しなよ、とでも言いたげに亀頭が純の粘膜に包まれた。純のなかは、殴られて腫れているせいかとても熱かった。

 ゆっくり奥へと進める。根本まで差し込んだら純は苦しそうに顔を歪めた。陰毛越しに純の顔がある。征服欲を刺激される。

 純が顔を離そうとする。それを手で押し戻す。純は眉を寄せた。上目遣いに俺を睨んでくる。

「ヘタクソ」

 純の目尻に涙が滲んでいた。奥へ行くと咽喉が痙攣した。純は何度もえずいた。

「出すぞ」

 思っていたよりもたなかった。ヘタクソすぎてフェラなんて呼べないものなのに、純の口は最高に気持ちよかった。両手で頭を抱え、股間に押しつけながら射精した。純はそれを飲みこんだ。

「なにこれ、まずい」

 ゲホゲホと咳き込みながら純は口を拭った。

「飲めなんて言ってないぞ」
「どんな味なのかなって。女ってよくこんなの飲めるね。俺は二度とむり」

 二度とむりなんて言われたらまたすぐしゃぶらせてやりたくなる。ムラムラしたが彩加がいつ帰ってくるかわからなかったから我慢した。





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