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勝手にやってろ(1/2)

2018.02.22.Thu.
<前話「やってられない」>

 鏡に映る自分を見つめる。小さい頃はよく女の子に間違えられた。オカマだなんだとからかわれるこの顔が嫌いだった。「かわいい」「きれい」を褒め言葉だと思って言ってくる人たちも嫌いだった。

 でも今は違う。そう言われると嬉しくなる相手ができた。体が大きくて顔も性格も男らしい大谷君。少し乱暴だけど僕は彼が大好きだ。

 以前は僕の容姿と頼りない性格のせいで大谷君からいじめられていた。恥ずかしくて屈辱的で嫌悪感しかなかったのに、大谷君の男らしさを見せつけられていたらいつの間にか羨望を抱くようになり、憧れが好意にかわっていった。

 汗と体臭の混じる逞しい体から発せられる熱は僕の体まで熱くした。僕の細い首なんて簡単に折ってしまいそうな大きな手で触られると甘美な感覚に包まれた。体どころか、僕の尊厳や命まで、すべてを大谷君の手に委ねてしまいたい、そんな思いを抱くようになった。

 大谷君のペニスを舐めろと言われた時は嫌だった。その大きさは僕と比較にならなくて、色も大きさも正直グロテスクだった。

 嫌々舐めた。臭いがきつかった。しょっぱい味も吐き気がした。咥えるよう言われてその通りにした。亀頭だけで口の中に隙間がなくなるくらいの大きさだった。

 辞書みたいな分厚い手で頭を押さえられ、咽喉の奥まで押し込まれた。嘔吐きながら頭を上下に動かした。驚いたことに大谷君のペニスはさらに太さと硬さを増した。血液が集中しているのが口の粘膜で感じ取れた。とても熱かった。これぞ男の象徴という雄々しさだった。

 精液の量も驚きの量だった。最初は口の外へ出して射精していたからその量を目の当たりにすることができた。僕が一飛ばしで終わるところを、大谷君は二度、三度と飛ばした。10ml、もしくはそれ以上あったかもしれない。

 何もかもが、僕以上。いや平均の男子高校生以上だと思う。

 腕っぷしも強かった。大谷君にいじめられている僕を、他の奴もいじめようとしてきたことがあった。大谷君はそいつを打った。太い腕が軽くしなっただけで、そいつの体は吹っ飛んでいった。思えばあれが、大谷君が僕を守ってくれた最初の出来事だった。

 大谷君に倣って僕をからかったりいじめようとしてくる奴は他にもいた。そのたび大谷君は暴力という方法で僕を守ってくれていた。あの頃はその圧倒的な力の差と、躊躇ない暴力に怯えるだけでそれに気付かなかった。

 いじめられている僕を大谷君から助けようとしてくれた奴もいた。そいつのおかげで僕は自分の本当の気持ちに気付き、大谷君の気持ちも知ることができた。僕たちは恋人同士になった。

 大谷君は今までの罪滅ぼしだととても優しくしてくれる。毎日とろけたような顔で僕を見つめては「かわいい」「好きだ」と言ってくれる。僕も同じようにとろけた顔で頷く。

 今まで僕にさせてきたことを、今度は自分がしてやるんだと、僕の体を愛撫する。

 僕を気持ち良くさせるために長い時間僕の体をまさぐる。射精まではいかない快楽を与えられ続ける。ソファみたいな大谷君の膝の上で僕は体をくねらせ、息を乱れさせ、物欲しそうに大谷君を見上げて、甘えた口調でイキたいと訴える。その時見せる大谷君の嬉しそうな顔が好きだ。

 肉食獣みたいな大谷君の大きな口に僕の小さなペニスが咥えこまれる。アイスキャンデーでも食べてるみたいに口のなかで転がされて僕は果ててしまう。もちろん大谷君は僕の精液を飲む。おいしいぞ、おかわりが欲しい、なんて言う。

 僕を傷つける言葉も、無理強いもない。ひたすら僕に優しく甘い。あの乱暴者の大谷君が。

「これからはお前の嫌がることは一切しない。お前を大事にして大切にする。俺の宝物だ」

 そう言って僕を抱きしめてくれる。壊れやすい陶器でも扱うかのような優しい手つきで。

 僕が大谷君のものをしゃぶろうとしても「お前はもうそんなことしなくていい」と言う。僕がやりたいのだと言ってやっとやらせてくれる。前は口に出されていた精液も今は必ず外へ出す。

「僕は平気だよ。ううん、飲みたい」
「いいんだ、舐めてくれるだけで。お前は本当に綺麗な人間だ。綺麗なお前にこんなもの飲ませられない。あんな酷いことをしてた自分が許せねえんだ」
「大谷君は僕のを飲んでくれるじゃない」
「お前のは小便も綺麗だからな。俺、お前の小便だったらほんとに飲めるぞ」

 なんて僕を赤面させることを言って。

 大事にしてくれるのは嬉しいけど、扱いがだんだんお姫様かなにかと同じになってきてる気がする。僕はそこまで綺麗でもなければ純情でもない。大谷君とキスしただけで勃起するし、家では大谷君を思って自慰だってする。なんだったら頭のなかそればっかりで、一日中だって大谷君とイチャイチャしていたい。

 鏡に映る僕は欲求不満の顔。自分でもぞっとするほど女の顔だ。だから最近電車で痴/漢される回数が増えたんだろうか。

 息を吐いた。熱い息だ。

 ※※※

 最近、昼休みは校舎裏の非常階段で過ごしている。付き合う前はクラスの中で辱めを受ける地獄の時間だった。大谷君に触られることは気持ちよくても、それを他のみんなに見られることは嫌だった。

 今は僕たち以外誰もいない。好きな時に大谷君に触れることができる。

 お弁当を広げる前に大谷君の太い首に腕をまわし、口に吸い付いた。柔道部の練習があるから大谷君と二人きりになれるチャンスは学校の休み時間しかない。

 大谷君の手が僕の背中にまわされる。熱くて少し汗ばんでいるのが制服のシャツ越しにもわかる。

 僕が口を開けば舌が入ってくる。大きい蛭みたいな舌だ。ヌルヌルと僕の中を動きまわる。口蓋をなぞられると体から力が抜ける。誘うような甘ったるい息遣いを漏らしながら、大谷君の股間に手を伸ばした。そこはもう硬く膨らんでいた。

 ベルトを外し、チャックをおろす。パンツのゴムを引っ張ったらブルンと亀頭が飛び出した。先端を捏ねるように撫でた。すぐ先走りが出てきて手の平が濡れた。滑りのよくなった手で竿を握り上下に扱いた。

「気持ちいい?」
「ああ、気持ちいいぞ」

 ちょっと目を伏せて、頬を上気させて、口を半開きにする。大谷君のこの表情が好きだ。もっとこの顔を見たいから頭を下げた。

「井上っ」
「やりたいの。僕にもさせて」

 先端の汁をペロッと舐める。最初は嫌で仕方がなかったのに、いまはもっと舐めたい。独特の味と臭気とのどに絡む感じが吐きそうだったのに、好きだと言う言葉以上に気持ちを伝えたくて飲んであげたいと思う。それ以上のことも──。僕は顔だけじゃなく、心まで女に近づいているのかもしれない。

 ぱくりと咥えた。あいかわらず大きい。ドクドク脈打つ血管は、大谷君も興奮している証。何度も触ってきた僕だからわかるが、まだ余裕がある。これからもっと太く逞しく成長するはずだ。

 涎を垂らしながら顎が外れるほどの大口を開けて大谷君のペニスを口で扱いた。溢れる我慢汁を啜ったらいやらしい音になった。僕もズボンの前が窮屈になる。

「井上、もういい。口をはなせ」

 もうすぐ出そうなのだろう。僕は首を横に振った。

「充分だ。もういいから。早く」

 嫌だ、とまた首をふる。

「いい加減にしろ、怒るぞ」

 そう言いながら困った声色だ。少し悪い気がしたが、また首を振った。

「井上っ……頼む、はなしてくれ……!」

 僕を引きはがそうと肩を掴まれた。僕を傷つけまいと加減する手では思い通りにはできない。僕はさらに深く咥えこんだ。咽喉の奥まで入り込んだ大きな存在感に目に涙が滲んだ。苦しくても僕の口の中でイッて欲しかった。

「ああ、井上っ、頼む……ああ、あ……だめだ、イッちまう、井上……!」

 ドクンと大きく脈打った。口のなかでペニスがのたうち嘔気がこみあげてきたが耐えた。咽喉の奥に熱いものが注がれる感覚があった。二度、三度、四度も吐きだした。

 少し萎んだペニスがズルリと口の中を動いた。隙間が空いて口で大きく息を吸った。精液の匂いがした。咽喉が粘ついた。久し振りの大谷君の精液。僕は大谷君の腰にしがみつき、体をブルッと震わせた。

「悪い、井上。どうして無茶をするんだ」
「無茶、なんかじゃ……ッ」
「泣いてるのか?」

 僕の声が震えているのを泣いていると勘違いして、焦った大谷君が僕の体を抱き起こした。心配そうに顔を覗きこんでくる。

「大谷君……僕、イッちゃった……」
「……え? 舐めただけで、か?」
「大谷君が僕の口でイッてくれたのが嬉しくて、大谷君の精液でイッちゃった」
「嘘だろ」
「ほんとだよ。確かめて」

 膝で立ち、ズボンをおろした。パンツにできる染み。大谷君は恐る恐るといった感じで僕のパンツを脱がした。ペニスの先端から糸を引いて精液が垂れる。それを見た大谷君は感極まった顔を弾きあげた。

「お前はなんてかわいいんだっ」

 そう言って四つん這いになると僕のペニスについた精液をベロベロと舐め始めた。くたりとしていたものが、その刺激でまた立ちあがった。

「今度は俺がしゃぶってイカせてやる」
「う、うん……」
「嫌なのか?」

 煮え切らない僕の返事に不安そうな顔をあげる。

「そうじゃなくて、僕もまた大谷君をイカせてあげたいの。僕だけはやだ」
「じゃあ扱いてくれるか」

 決して口でやれとは言わない。僕の望みもそっちじゃない。

「出して欲しいんだ……」
「?」

 意味がわからず大谷君は首を傾げた。

「僕の中に……僕のお尻の中に入れてイッてほしい」
「なっ!!!!」

 目がこぼれ落ちそうなほど見開いて大谷君は大声をあげた。

「なっ、なに言ってんだ! 俺はお前にそんなことはしないぞ!」
「僕たち付き合ってるんだよ? セックスしたい、僕を抱いてよ!」
「セッ……そんなことをお前が言うな! 汚れる!」
「僕は綺麗じゃない! ただの男だよ! 大谷君とエッチなこといっぱいしたい!!」
「それ以上言うな!」
「嫌だ! このおっきなおちんちん入れてよ! 僕を抱いて! 僕が好きじゃないの?!」
「好きに決まってるだろ!! 好きだからお前を大事にしてるのに、どうしてわからないんだ!」
「大谷君こそどうしてわかってくれないんだよ! 僕は大谷君のだったらしゃぶりたいし、精液だって飲みたい! 大谷君が言うなら大谷君のおしっ/こだって飲めるよ!」

 大谷君はハッと僕を見つめた。ワナワナと唇を震わせたあと、ギュッと目を閉じた。

「すまん、井上……俺のせいだな、俺が酷いことをしてきたせいで、そんなこと……」
「違うよ! 大谷君が好きだからだよ! どうしてわかってくれないの?!」
「お前こそなんで俺の気持ちがわかんねえんだよ! 俺はもうお前を傷つけることはしないって誓ったんだ!」

 大声で怒鳴ると大谷君は僕を押しのけ立ちあがった。

「どこ行くの?!」
「冷静になれ。俺も頭冷やしてくる」

 大谷君は僕に背を向けると非常階段からいなくなってしまった。




以前リクエスト頂きました「やってられない」のその後になります。
勢いですぐ出来ました。やっぱり勢いは大事ですね。


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