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秘め事(1-1)

2014.03.03.Mon.
 祖父が亡くなり、俺の実家に親戚一同が集まった。知らない顔がほとんどだが、中には親しくしていた人もいる。小さい頃、長期休暇の度にお互いの家を行き来していた一彦もその一人だ。

 一彦は俺より三つ年下、今年26歳。小・中の頃はよく遊んだが、一彦の家族が静岡に引っ越してからは疎遠になっていた。久し振りに会った一彦は、飯をちゃんと食っているのかと心配するほど細く、病気じゃないかと疑うほど肌の色が白い。さらさらで少し長めの髪の毛は栗色。

 一見すると女と間違えられそうな風貌だ。昔は夏の太陽の下、二人で遊びまわっていたものだが、座布団の上に正座してテーブルの一点をじっと見ている今の一彦は、太陽とは無縁のように見える。

「久し振りだな」

 声をかけたら、一彦は少し驚いた様子で俺を見上げ、その顔にゆっくり笑顔を広げていった。

「たっくん……、久し振り。元気だった?」

 少年のような細い声で一彦が言った。頷いて隣に座った。優しい匂いが隣から漂ってくる。一彦はなにか香水をつけているのだろうか。

「たっくん、身長、いくつあるの」

 と俺の顔を覗きこんでくる。細い首、襟のまわりに充分すぎる隙間がある。

「193。おまえ、体重は?」

 一彦は苦笑を浮かべた。自分が痩せすぎであることを自覚しているらしい。

「体質なんだ。もともと食も細いほうだったし。僕もたっくんみたいになりたいな」

 と、一彦が俺の腕を掴んで撫でた。細い指。艶かしいものに感じて、急に照れた。封印していた過去の記憶が呼び戻される。

「ねぇ、たっくんの部屋、まだ上にあるの?」
「あぁ、そのまま残ってる。……行くか?」

 一彦は黙って頷いた。胸がざわざわと騒ぎ出す。一彦は俺を誘っているのだろうか。それとも俺の誘いに乗ったのだろうか。俺たちは昔、性愛を分かち合った。



 子供の好奇心だった。キスの真似事をして、お互いの性器を触りあった。射精後、罪悪感よりも一彦と秘密を共有しあえたことが嬉しかった。遊びに来た一彦と、毎回、部屋に篭って淫靡な遊戯を繰り返した。一彦よりも俺のほうが積極的だった。それは一彦が引っ越すまで続いた。

 大人になった一彦は俺の部屋の真ん中に立ち「懐かしいなぁ……、何もかわってない」と呟いた。後ろから一彦の細い腰周りを眺め、思わず唾を飲みこんだ。

「おまえがあの一彦かぁ。大きくなったよなぁ。彼女とかいんの?」

 探りを入れた。振り返った一彦は「いないよ」と首を振った。

「たっくんは?」
「俺もいない」
「へぇ、意外だなぁ。たっくんならもう結婚してるんじゃないかと覚悟してたのに」
「覚悟ってなんの」
「あれ、なんだろ?」

 一彦は咽喉を震わせ、コロコロと笑った。俺は手を伸ばし、一彦の薄い頬を手の平に包みこんだ。笑いやんだ一彦が身を預けてくる。衝動に任せ、細い体を抱き寄せた。

「昔のこと、覚えてるか?」
「たっくんとのことは全部覚えてるよ」
「なぜ?」
「ずっと好きだったから」

 顔をあげた一彦にキスした。一彦もそれに応えてくれた。興奮して荒々しいキスをしながら一彦の服の中に手を入れ、小さい乳首を指で摘み、転がした。

「アッ…、たっくんっ」
「うん? 気持ちいい?」
「やっ…あぁ……だめ…声、出ちゃうよ……」
「静かにな。下にいっぱい人いるから、我慢しろよ」
「たっくんの意地悪」

 一彦をベッドに押し倒し、まくしあげた服の下、あらわれた乳首に吸いついた。

「あ…やだっ…そこ…っ」

 一彦が俺の頭をぎゅっと抱きしめてくる。乱れた呼吸、漏れそうになる声を必死に我慢している。

「昔もこうやって、下の親にバレないように、やってたよな」

 ベルトを緩め、ファスナーをおろした。熱い屹立を取り出し、ゆるゆる扱いた。

 あの当時、最初に射精したのは俺だった。一彦に扱かれていると思うと、興奮がいや増して、あっという間にイッてしまったのだ。それがなんだか悔しくて、俺はその後執拗に一彦を責めたっけ。

 子供だった一彦は俺の拙い愛撫を受けて体を真っ赤に染め、最後には泣きながら射精した。その時、思いのほか大きな声が出て、親に気付かれたのではないかとヒヤヒヤしたものだ。

 大人になった一彦は、中性的な見た目をしているとは言え、股間のものはしっかり男だと主張していた。先からはもう透明なものが滲んでいる。親指で先端をグニュグニュかきまわした。

「アァァ…、やっん、だめっ、たっくん…だめだよ……」
「昔のおまえはすぐ泣く奴だったけど、今もかわらず泣き虫だな、なんだよこれ、どんどん出てくるぞ」

 先から溢れてくるものを指にすくい、一彦の性器になすりつけ、ヌチャヌチャと音を立てながら扱いた。一彦は両手で自分の口を塞ぎ、嫌々と首を振った。

 乳首を軽く噛むと、くぐもった声をあげる。乱れた着衣のはだけ目から覗く乳首は薄いピンク色で小さく尖り、股間のペニスは自らの精液で濡れ光っている。エロい光景だ。

「昔より感じやすくなってるんじゃないか?」
「あっ…やっ、言わない、で…」
「俺と別れてからも、他の男と、こんなことしてたのか?」

 扱く手を早めながら聞いた。一彦はまた首を横に振った。

「して…ない…っ……僕、たっくんしか……あっ……あんっ……たっくんじゃなきゃ、やだ……」
「ずっと俺を好きだった?」
「好き…! 大好き…! 僕を……たっくんのものにして……! もう、離れたくないよ…っ」

 一彦が俺に抱きついて来た。深く口付けしながら一彦の性器を扱き、射精に導いた。ドロリと吐き出されたものを一彦の尻穴になすりつけ、指を入れた。指の腹と曲げた関節の山で内部を擦り上げる。一彦は身もだえ、俺の首にしがみついた。

「やっ…んっ…そこ……いやぁ…ぁあ…んんっ」
「しっ、静かにしろって。下に聞こえんだろが」
「あっん、だって……、僕、おかしくなっちゃいそうなんだもん……」
「そんなに気持ちいいんだ?」
「うん、気持ちいい……あっ、いやっ、そこ、やだ……」

 一彦が反応を見せた場所を指の腹で擦ったり押したりした。懸命に声を堪えながら、一彦の体が飛び跳ねる。股間のものがまた勃起していた。

 指で一彦を翻弄させながら、俺は自分のものを取り出し、扱きあげた。大きく立ち上がったそれを一彦の肛門に押しこむ。

「ああ…ぅ…、んっ…たっくん…すごい、あぁ…」

 仰け反る一彦の中心めがけて腰を突きあげた。一彦が鋭く息を吸いこむ。俺に突かれるたび、華奢な一彦の体がベッドの上でずり上がって行く。腰を持って引き寄せ、また深く奥を突いた。

「はぁぁんっ! あ…あぁ…ん……そんなに、したら……はぁ…あっ、声、出ちゃう…だめっ、出ちゃうよぉ…たっくんっ、あぁんっ、やっ、やだぁっ」」

 俺に感じて身をよじる一彦が可愛くて、つい興奮して箍が外れてしまった。膝を持って左右に広げ、グラインドさせながら奥を突きまくった。

 一彦の中は熱くてとろけそうだった。子供のころはさすがにここまで出来なくて、一彦が引っ越してからやっておけばよかったと何度も後悔した。夢にまで見たこともある。思春期の俺のオナネタはいつも一彦だった。

「俺の名前呼んで。好きだって言って」
「好きっ…たっくんっ、ふぅ…んっ、んんッ、好き、アッ、たっくん! 好きっ!」
「俺もお前が好きだった。お前のなかに出していいか?」
「出してっ、僕の中に、たっくんの出してッ、ふぁっ…あっ…僕、たっくんが好きだからっ…全部、いっぱい、中に欲しい…!」

 一彦が搾り取るように俺をしめつけてくる。たまらず俺は射精していた。ドクドクと俺の分身たちが一彦の内部へ注ぎ込まれる。一彦は泣き笑いのような顔で「嬉しい」と言った。


 身繕いし、二人で下におりた。声や物音が聞こえていたかもしれない、と心配したが、入れ替わり立ちかわりやってくる弔問客の相手に忙しく、家族も親戚も俺たちに見向きもしなかった。

騒がしい部屋を離れ、庭に面した廊下で二人手を繋いで立った。一彦が甘えるように肩に頭を乗せてくる。

「また休みの日に会いに来るね」
「あぁ。待ってる。今度はホテルで可愛がってやるから、遠慮なく声を出せるぞ」
「もう、ばか」

拗ねたように口を尖らせながら、一彦が顔を寄せてくる。柔らかな唇にキスした。こうして俺たちの秘め事がまた再開された。




望むべくもない

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