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待田くんに春はこない(1/2)

2015.05.04.Mon.
※挿入なし。

 学校に行けばクラスの半数は女子だ。普通に会話するし、冗談言い合うし、遊びに行くときは女子が混じっていることだってある。

 なのに今まで彼女が出来なかった。

 見た目は普通だ。性格だって普通のはずだ。女子に避けられる要素は思い当たらない。
 告白はした。中3の夏。受験を理由に振られた。

『待田だったら高校入ってすぐ彼女出来るよ』

 って慰めの言葉をもらったが17になるまで一度も彼女が出来なかった。

 もう告白する勇気なんて残ってなくて、出来るだけ誰も好きにならないでいようとしてた。
 そんな俺にもついに春の気配が。

『じゃあ私と付き合って慰めてよ』

 仲のいいクラスの女子から、失恋の愚痴をラインで聞いていたら、こんな一文が送られてきたのだ。
 ただの冗談だよな。ノリだよ。こんなの。本気にしたら馬鹿みたいだぞ。俺も冗談っぽく返さなきゃな。

『俺なんかでいいのかー?』

 びっくりした顔の絵文字と(笑)をつけて送る。

『だって待田、優しいじゃん』

 そのあと『月曜、学校で会うの恥ずかしくなっちゃった』って送られてきて、手汗まじやばいんですけど。

 え。ほんとに俺と付き合う気あんの? それ確かめたいけど必死すぎwwwって思われそうで『じゃあ今日は俺のことだけ考えて寝ろよ(`・ω・´)』ってウケ狙いで送ったら、

『そうする』

 ってハート付きで返ってきた。

 まじどうすんのこれ。付き合うの? こんな流れで付き合うことになっちゃうの?! それが現代の正しい男女交際なの?!



「と、いうわけなんだけど、佐々木の奴、本気だと思う?」

 同じクラスの遠野を家に呼び出して、俺は昨夜のラインのやり取りを見せた。
 読み終わった遠野は「ふっ」って失笑した。

「佐々木かぁ、あいつ男切らしたことないのが自慢の女だぞ」
「お前みたい」
「シャラップ。童貞のお前の筆おろしにはいいかもよ」
「まだそういう関係じゃないし!」
「え、セックスのやり方教えて欲しくて俺を呼んだんじゃないの?」
「え、やっぱ練習しといたほうがいいの?」
「なんの練習だよ」
「そういう雰囲気の作り方とか、服の脱がせ方とか?」
「あー、ブラのホックの外し方とか? ってお前、やる気満々じゃねーか」
「ブラのホック……?!」

 自分で外すんじゃないのか? 男が外すのか? どうやって?! 構造なんか知らないぞ!?

「普通は中学の間に片手で外せるように練習しとくもんだぞ」
「そうなのか?!」

 おうよ、と遠野は答えて「ブラジャー持って来い。教えてやる」と顎をしゃくった。
 言われた通り、俺は母ちゃんのブラを一つ拝借して戻った。

「お前の母ちゃん、けっこう派手なのつけてんだな」

 遠野は母ちゃんのブラジャーを広げてニヤニヤ笑う。みんな赤とか黒とかつけてんじゃないの?! 恥ずかしい!

「いいから、教えろよ!」

 母ちゃんの赤いブラをひったくる。

「じゃ、お前、つけろ」
「なんで俺が?!」
「まず、俺が見本みせてやる」

 なるほどそういうことか。納得した俺は服を脱いでブラを胸にあてた。

「どうやって留めるんだ?」
「仕方ねえな。後ろ向け」

 遠野に促されて後ろを向く。ぐいっとブラを引っ張られて窮屈になったら、それが固定された。

「きつ」
「そうだろ。女ってこんなにしてまで乳を守ってるんだぜ。触るときはありがたく触らせてもらえよ」

 言いながら背中を触られたと思ったときにはもうブラが外されていて、圧迫感がなくなった。

「もう外したのか?」
「おう」
「すげえ。一瞬じゃん」
「コツがあんのよ。それさえわかりゃ簡単なもんだ」

 もう一度、と遠野はブラを留めると俺を前に向き直らせた。

「たいてい向かい合ってる時に外すからな」

 と顔を近づけてくる。うわ、キスか?! 身構える俺の頬をかすめて、遠野の顔が真横にくる。

「キスしながら一発で外せたら童貞のお前の面目一新」

 耳のそばで遠野が喋る。なんだかいい匂いがする。整髪料か。遠野なのに、この至近距離と匂いで胸がどきどきする。

 遠野の手がブラの上から俺の胸をまさぐる。同じ男の遠野にブラをつけた胸を揉まれてるなんて、なんだこの倒錯した状況は。

「ちょ、ちょい、遠野……っ!」
「とかって佐々木が止めようとしても無視して続けろな。乳触らせた時点でOKって思っていい」

 ほんとかよ。あとで無理矢理だったって交番行かれたら人生終わるんだけど!

 遠野はブラを上にずらすと、直に俺の胸を触って来た。指の関節のあたりで乳首を挟まれ、強弱つけて捏ねられる。

「う、わ……っ……遠野……?!」
「気持ちい?」

 って顔を覗きこんでくる遠野とすぐ近くで目があって心臓が飛び跳ねた。近い近い。近すぎる!

「は、はやく、ホック外せよ!」
「こうやって乳を弄りながら、女が気持ちよくなってる間に外すんだぞ」

 クニクニクニクニ……指で捏ねくりまわし、軽く引っ張る。なんだ。なんだこのむずむずとくすぐったい感じ。腰の奥が落ち着かない。あ。くそ。勃ってきた……!

 やばいと思って膝をこそっと引き寄せる。

「うにゃう?!」

 いきなり、乳首を舐められて変な声が出た。遠野はクックッと肩を震わせている。

「なにその声。うける」
「お前が変なことするから!」
「こうやんなって、童貞のお前に教えてやってんだよ」
「そこまで教えていらない!」
「童貞のお前が百戦錬磨の佐々木を満足させられるのか?」
「うっ」
「無理だろ?」
「確かに」
「だったら俺のやることに集中して、しっかり頭に叩きこめ」
「お前は俺の乳首なんか舐めて楽しいのか?」

 遠野は動きを止めると俺を見据えて低い声で言った。

「いじめるぞ」

 不思議なことに、俺の息子がぴくんと反応した。なぜだ。なぜ前より育った!?

 遠野は前髪をかきあげるとまた俺の乳首に舌を這わせた。先で潰すようにしたり、巻き付けて吸い上げたり。乳首を摘まむ指も動き続けている。

 いったいいつホックを外すつもりだ。ホックを外すまでにこんなに時間をかけるのか。童貞にはじれったい。

「…っ……とぉ、のっ……ホック……!」
「……わぁったって」

 遠野が苦笑する。そして片手を俺の背中にまわし、簡単な動作で見事ホックを外した。

「すご」
「だろ」

 どれだけ慣れてんだ。どれほど外してきたんだ。中学の頃に自主練してたのか。
 見もせず片手で外す手本を見せたのに、遠野はまだ俺の乳首を弄り続けている。

「あ、あの、遠野? いつまでやってるんだ?」
「やめる?」
「続ける気?!」
「次はパンツ脱がそうと思ってたんだけど」
「俺のパンツ脱がせてどうするんだよ!」
「お前の勃起したちんこ見てやろうかと」
「見るなよ!」

 勃ってるのバレてた!

「じゃあ次のステップに進むぞ」

 言うと遠野は俺に抱き付くようにして腕をまわして器用に背中のホックを留めた。もう自由自在じゃないか。

「今のは座った状態だったけど、今度は寝転がった状態で外すパターンな」

 寝てる状態?! なんて難易度が高そうなんだ!

「まずは相手を寝転がらせなきゃなんないわけだけど、どうするかわかる?」
「お、押し倒す?」
「強引なのが好きな女にはいいかもしれないけど、童貞のお前がやったらがっついてるみたいだからダメー」
「じゃあどうするんだ」
「キスしながら体重かけてくんだよ。口で言うより実践のが早いから」

 遠野は俺の肩を掴むとグッと顔を寄せて来た。今度はほんとにビタッと唇を合わせてきやがった。

「お、ちょ、待てっ」
「キスぐらいでガタガタ騒ぐな」
「俺のファーストキス」
「男同士はノーカンなの」

 そうなの? そうなのか? いや、違うだろ。カウントされるだろ。いま確実に0から1にカウンターが回っただろ。

 デタラメなことを言ったくせに、遠野は面倒くさそうに舌打ちするとまたキスしてきた。セカンドキスまで奪っておきながら舌打ちとはどういうわけだ!



インテリ君の恋病

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