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楽しいロッカールーム!(2/2)

2015.02.27.Fri.
<前話はこちら>

「い、嫌だ、ここでは、絶対に嫌だ……っ」

 すぐそばに矢神がいるんだぞ?!

「ここじゃなかったらいいの?」

 矢神のそばじゃなかったらどこだっていい。その一心で小さく何度も頷いた。なのに、

「でも俺は、ここがいい」

 って西山は俺のユニフォームをたくし上げた。アンダーシャツもいっしょにめくられて肌が露になる。性欲に火がついた西山は獣も同然だ。その恵まれた体と力で俺の抵抗なんかものともせずに、さっき自分が言った言葉を実行する。

「ちょっ……やめろっ、やめろってば!」

 腰に抱き付くように俺を拘束しながら西山は本当に胸に吸い付いた。潤すためなのか唾液をたっぷり絡めて卑猥な水音を必要以上に立てながらジュルジュルと乳首を舐めしゃぶる。

「ばか! やめろ! こんな……どこだと思ってんだよ!」
「中根くん、エロい。これからずっとアンダーシャツ着てやろうよ」

 言われて見下ろした自分の乳首にたまらない羞恥心をかきたてられた。アンダーシャツがめくられた胸に、西山の唾液で濡れ光っていて、吸われたことでちょっと赤くなってて、ぷっくりと立ち上がった俺の乳首。確かにちょっとエロい光景だったのだ。

「ば――か! クソッ! 西山死ね! まじで死ね! ぶっ殺す! ふざけんな糞野郎!」

 西山のせいでこんなエッチな乳首にされてしまったのかと思ったら情けなくて死にたくなった。

「中根くんの口の悪さも精液と同じで慣れると癖になるね」

 と言うや俺の股間を大きな手で掴んだ。ニッと笑って「中根くんもおっきくしてるじゃん」と手を動かす。

「してねぇ――ンッ!」

 また乳首を舐められて上擦った声が出た。慌てて自分の口を手で塞ぐ。舌の先で潰されたり、吸い上げられたりして感度を増していく。腰のあたりがゾワゾワと震えだした。

 股間では、一番敏感なカリ首のあたりを中心に西山の指が動いて、俺の意思とは無関係に充血してパンパンに膨らんでいく。

「ベルト外すよ」

 手で口を押えたまま首を左右に振った。その程度で西山が止めてくれるはずもなく、ベルトが外され、下着ごとズボンも脱がされてしまった。勢いよく飛び出たペニスを西山が握る。

「い、やめ……っ」
「いつ監督が戻ってくるかわからないから早くしないと」

 西山は自分の前をくつろげると、よくそんなもんが収まってたなと感心するほど成長した勃起ちんこを取り出した。待ちきれないといったふうにカサが広がり、浮き出た太い血管がドクドク脈打っている。

 西山は二本まとめて握り、その大きな手でギュッギュッと扱き始めた。

 比べるように並べられるとその差は歴然で大人と子供のそれほど違いがあった。やっぱこいつのでけえ。毎回こんなの突っ込まれてるのかと改めて恐ろしくなる。

 長さはもちろん、太さも一回り違う。へびが巻き付いたみたいに血管も太いし、傲慢なほどの反り返りだし、亀頭はばかでかいし、竿は鋼鉄かってくらいに硬い。

 こんな化け物みたいなちんこが俺のケツを出たり入ったりして犯してるのか――。
 扱かれながら思い出したらケツの奥が疼いた。

 嘘だろっ……!
 カッと火がついたように顔が熱くなった。その火は全身に広がって俺を包み込んだ。

「ふぅっ……んっ、んんっ……」
「我慢しないで声出せばいいのに」

 嫌だっ。首を振って拒否する。苦笑した西山に手を剥がされた。

「あっ、や……あっ」
「いつもみたいにいっぱい声、聞かせてよ」

 扱きながら乳首を指で弄ってくる。こうなったらもうどこを触られても感じてしまって声を抑えられなくなる。

「や、やだっ……や……ん、あぁっ……」
「気持ちいい?」
「ん、んっ、あ……あんっ、そこ、あっ、やだっ」
「キスしよう」

 西山の声が催眠術の声みたいに聞こえてきて、俺は言われるまま口を重ねて、舌を絡ませあっていた。

 西山の首に腕をまわした。立っているのが辛くてよりかかっただけなのに、そんな些細な行動に西山が喜んでいるのが全身から伝わってきて胸がこそばゆくなる。

「はぁっ、あっ、あぁ……っ」
「好きだよ」

 鼻をこすり合わせながら、愛の言葉を囁いて来る。それが興奮に拍車をかける気がする。

「滅茶苦茶にしたいくらい、好きだよ」
「んっ、るせ…っ…あ、んっ、あぁ…っ」

 西山の鼓動までもが俺を愛撫しているようだった。膝がガクガクと震えて力が入らない。西山にしがみついてなんとか体を支えた。

「やあぁ……っ、あ、あぁ……出る……出る、西山ぁ……!」
「俺もイキそう」

 グチュグチュと西山の手が動く。追い立てられて心拍数が上がっていく。

「んんっ、あっ、ああぁ……や、あ――っ!!」

 先に達したのは俺だった。そのすぐあとで西山も俺の名前を呼びながらイッた。腰骨を震わすような掠れた声で。

 射精後に襲ってくる脱力感のなか、西山と目が合い、近づいて来る顔に合わせて俺も首を傾けていた。音を立てて濃厚なキスをしながら、下腹部にドロリとした感触が伝うのを感じて眉が寄った。

 ――――あ、矢神……ッ!!

 夢から覚めたみたいに一気に現実に戻って西山を突き飛ばした。唇を濡らした西山が驚いた顔をする。

「先……、お前、先に戻ってろ。俺はちょっと後始末してから行くから」

 俺も、と言う西山を「いいから行け」と無理矢理部室から追い出した。いなくなってから大きなため息が出た。もう言い逃れできない状況だ。

 ベルトを締め直しながらロッカーに近づく。全部聞かれただろうし、あんな間近でヤッてたら何をしてたかほとんど全部想像がつくだろう。矢神は中で何を思いながら隠れていたんだろう。

 穴があったら入りたい。地球の裏側へ姿を消してしまいたい。宇宙人に攫われて記憶を消されてしまいたい。

「ごめん」

 静かなロッカーに話しかける。

「……いや、俺こそ」

 小さな声が返って来た。

「悪いんだけど、今はまだ、出て来ないでくんないかな。どんな顔で矢神と話したらいいかわかんねえ」
「俺もそのほうが助かる。あいつと付き合っているのか?」
「付き合ってねえよ!」

 咄嗟に否定してから、矛盾する行為の後ろめたさに言葉をなくした。好きだと言ってくれた奴の目の前で、付き合ってもいない男とあんなことするなんて俺最低だ。

「じゃあ、無理矢理なのか?」

 最初はそうだったけど、いまはそうとも言い切れない部分がある。

「話すと長いし、いろいろあったんだ」
「好きなのか?」
「好きじゃねえよ」
「だったら俺にもまだチャンスがあると思っていいか?」
「えっ?」

 思わずロッカーを凝視する。顔は見えないが、矢神の声は明るい。

「男同士だからきっと断られると思っていたんだ。最悪、軽蔑されて二度と口をきいてもらえないと覚悟して告白した。だが、祐太は男同士に抵抗はないようだし、諦める必要もないとわかった」
「え、いや、ちょっと」

 抵抗がないわけじゃない。むしろ抵抗ありありだったけど、西山にほとんど襲われる形で回を重ねた結果慣れてしまっただけだ。

「すぐそばで祐太のあんな声を聞かされたのは堪えたが、土産に持って帰って使わせてもらう」
「おいっ」

 使うって!
 ははっと矢神は笑った。誰かと同じで前向きだ。ずるいことに俺はそれにほっとしてる。

「練習試合でうちが勝ったら、俺とデートしてくれないか」
「なに言ってんだよっ」
「最後まで命がけで投げるから」

 本気だって伝わってくる口調だった。本当はきちんと断るべきなんだろうけど、そうしたらなんだか西山に操を立ててるみたいで、その勘違いだけは絶対して欲しくないから「わかった」って返事をした。中から「ヨシッ!」って声がする。

 そういえば矢神ってスカウトが見に来るくらい将来有望なピッチャーなんだっけ。大丈夫だよな。一応まだうちの学校が勝ち越してるし。

「じゃあ、俺、そろそろ戻るから」
「あぁ、俺も処理したら戻る」

 処理? なんの? 追及しないほうが賢明だと判断して、俺は部室を出た。

 すぐそばで、西山が壁にもたれて座り込んでいた。予想はしてたから別に驚きもない。
 無視してグラウンドに向かう。西山が追いかけてきて隣に並んだ。

「お前、矢神がいるって知っててやっただろ」

 西山には「好きだ」って言うことを禁止している。男に口説かれたくないし、そんな言葉を言われ続けたら西山と恋愛しているみたいな錯覚を抱いてしまうからだ。
 なのに西山はそれを破って好きだと言ってきた。しかも俺たちのあれやこれやが日常化してると第三者にわからせるような言い方をしていた。あれがわざとでなくてなんだ。

「怒ってる?」

 賢者タイムとともに冷静になって少しは反省したらしい。しおらしく体を小さくしている。

「俺、あいつとデートすることになったから」
「えっ」
「次の試合で負けたらデートって約束した」

 絶句して口をパクパクしてやがる。少し溜飲がさがる。

「俺も試合に出る」
「補欠が何言ってんだよ」
「監督に頼み込んで出させてもらう」

 身体能力には恵まれているのに、西山には野球のセンスというものが欠如していた。
 小中とキャッチャーだったから高校でもと期待されていたのにてんで使い物にならなかった。強肩なのにノーコンだし、声はでかくて明るいけど指示は斜め上だし、リードは裏目ってるし。

 他のスポーツをやったほうが向いてるんじゃないかとみんな密かに思っていた。本人は好きで続けたいらしいから誰も何も言わないけど、野球部でいる限り、卒業まで球拾い確実だった。

「みんなもY高校には絶対負けないって燃えてるし」

 それはY高のマネージャーが可愛い子だからだ。試合のたびに野太い男たちの声にまじって「頑張って!」って女子の声援を相手チームから聞かされて、試合の前後ではマネとじゃれあってる姿を見せつけられて、みんな妬み嫉みの塊になって闘志を燃やしているにすぎない。

「絶対、デートになんか行かせないから」

 前にまわりこんで俺の肩を掴む西山はいつも以上に真剣だった。

「じゃあさっさと練習戻れ」

 コクリと頷いて西山はグラウンドへ駆けて行った。遠ざかる後ろ姿を見ていたらため息が出た。
 勝っても負けても気が重い。




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