楽しいロッカールーム!(1/2)
2015.02.26.Thu.
<楽しい合宿!→楽しいお泊り!→楽しい勉強会!→楽しい初カノ!→楽しいOB会!>
※未挿入
練習前のランニングをしていたら「祐太!」って名前呼ばれて声のしたほうに顔を向けた。
他校の制服を着た生徒が、グラウンドのそばから手を振っている。
「あれってY高校の矢神じゃないか?」
「中根、お前のこと呼んでるぞ」
というわけで、ランニングから抜け出し矢神のもとへ向かった。
「久し振り、祐太」
夏の日焼けがまだ残った顔で、矢神は白い歯を見せた。
「こんなとこで何してんの?」
「監督がいま練習試合の話し合いをしてるんだ。俺は暇だからブラブラしてた」
「一緒に走ってく?」
「制服だから遠慮する」
矢神とは中学で同じ野球部だった。進んだ高校は違ったが、たまにこうして練習試合なんかで顔を合わせる。
一度同じクラスになったこともあって、矢神とは仲が良かった。部活終わりに寄り道したり、休みの日は一緒にゲームをしたり、出かけたりもしていたのに、卒業したら疎遠になって野球という接点でしか口を利くこともなくなった。
「少し、時間いいか?」
頷くと「ここじゃちょっと」と言うので、今の時間誰もいない部室に連れて行った。
「きたねえとこだけど」
床に置きっぱなしの誰かの鞄を蹴って端に寄せる。
「うちも似たようなんもんだ」
矢神は苦笑した。
「んで? 話でもあるのか?」
「うん、いや……まぁ」
と顎を掻いたりして歯切れが悪い。なんだよ。まさか次の練習試合で手を抜けとか? 八百長の申し込み?! まさか! 真面目な矢神に限ってそんな馬鹿なこと。いや、真面目だからこそ、キャプテンになった責任感から妙な考えを起こしてしまったとか?
「すごく言いにくいんだが……」
お前の口から不正をしてくれなんて聞きたくない! だから俺は矢神の言葉を遮るように「正々堂々とやろうぜ!」と叫ぶように言っていた。
「えっ?」
「試合!」
「ああ、そりゃあもちろん……?」
「?」
「?」
首を傾げたあと矢神は吹きだした。
「もしかして、わざと負けてくれって頼みに来たと思ったのか? そんなわけないだろう」
拳を口に当てて、おかしくてしょうがないって感じでクツクツと笑う。なんだ。違うのか。そりゃそうか。人一倍正義感が強い矢神がそんなこと言うわけない。
「悪い……いやに深刻だったから」
「そういうところ、変わらないな」
懐かしむように矢神は目を細めてふっと微笑んだ。矢神のそういう、大人っぽい笑い方も昔とかわってない。
「今年の夏で俺たちも引退だ」
「なんだよ、いきなり」
「引退したらこうして祐太と会うこともなくなるだろう」
「そんなことは……」
ないとは言い切れないと気付いて口を噤んだ。中学を卒業してからの状況を考えると、野球という接点がなくなったら俺たちの接点もなくなってしまうのは確かだ。
「そうなる前に……いや、そうなるからこそ言えるんだが、お前に伝えておきたいことがある」
「なに」
やけに勿体ぶりやがる。こんなに長く前置きされるとなにを言われるのかと不安になってしまうじゃないか。しかも笑みを消して真剣な目で俺を見てくるもんだから、俺までだんだん緊張してきた。
「祐太」
矢神が一歩踏み出し、俺の目の前にやってきた。
「忘れようとしても無理だった」
右手をあげて俺の頬に触れる。
「俺は、祐太のことがずっと好きだった」
「えっ」
目が点になって、心臓が止まりかけた。
なんだって。なんて言った。好きって言った? なんで矢神が? なんで俺、男にばっか告白されてんの? こんなモテ期いらねええええっ!!
「驚かせてすまない。今日、監督についてきたのも、祐太に会えると思ったからなんだ。祐太の学校と練習試合が決まったと聞いて、告白しようと決めて来た。祐太は俺のことをどう思ってる?」
身を屈めて矢神が目を覗きこんでくる。お互いの呼吸が触れ合う距離。超ドアップ。
「もし、悪いように思っていないなら、前向きに考えてくれないか?」
「えっ、いや、でも俺、お前のことそんな風に見たことないし」
「これから見てくれ」
「だ、だって、お前は友達で……っ」
「こうしたら俺のことを意識してくれるか?」
矢神がさらに顔を近づけてくる。
近いっ!近すぎて……矢神の唇が俺の口に当たった。ふにっと柔らかい感触に驚く。
「目を閉じろ、祐太」
ふっと矢神に苦笑されて、俺は反射的に目を閉じていた。キスをOKしたみたいになり、矢神は二度目の口づけをしてきた。
「っ!」
頬に添えられた手で上を向かされる。さらに深く口が合わさる。唇をペロリと舐められて体がビクンと飛び跳ねた。
う、わ――ッ! な、舐め……!
矢神の胸を掴んだ。こいつが冗談やなんかでこんなこと言ったりやったりする奴じゃないってことはわかってる。本気中の本気だ。だからこの胸を突き飛ばしたらとても傷つくんじゃないかと思って出来なかった。
体を引き寄せられて隙間がなくなる。
「…っ……!」
唇をこじ開けて舌が中に入ってきた。さすがにそれはやり過ぎだろうと思ったとき、誰かが部室のドアをノックした。
「中根くん、いる?」
西山の声!
俺たちは慌てて離れて顔を見合った。目が合った瞬間、とんでもなく恥ずかしくなった。と同時にめちゃくちゃ焦った。こんなとこ西山に見つかったら――!
思わず目の前のロッカーに矢神を押し込んだ。
「えっ? ちょ、祐太?!」
「しっ、黙ってろ、物音ひとつ立てんなよ」
バンと扉を閉めたのと西山が部室の戸を開けたのはほぼ同時だった。
「こんなところで何してんの?」
「いや、あのー、ちょっとコールドスプレー取りに」
「どっか怪我した?」
心配して西山が中に入ってきた。まずい。早くここから出ないと。
「ちょっと筋肉痛な感じがして……でもたいしたことねえから。練習戻ろうぜ」
歩き出すと、俺を通せんぼするように、西山がロッカーをバンッと叩いた。奇しくも矢神が隠れているロッカーだ。まさかバレて……。
「ずっと思ってたことがあるんだ」
頭上から声が降ってくる。俺は顔をあげられなかった。
「ユニフォーム姿の中根くんと、部室でヤリたいなって」
「はぁっ?!」
突拍子もない願望を聞かされて思わず睨め上げた。そしたらもうゼロ距離だった。抱き寄せる動作とともにキスされていた。身を引く間もなかった。
遠慮も躊躇いもなく当然のように舌を入れてきて中を掻きまわしながら、俺のケツをグイグイ揉みしだく。くっついた西山の股間が熱を持って膨らみ始めるのが伝わってくる。
「んんっ……こ、のっ、馬鹿か、お前! こんなとこで……なにやってんだよ! ふざけるのもいい加減にしろよ!」
ロッカーで息を潜めている矢神を意識したら言葉選びも慎重になった。下手なこと言えねえぇっ!!
「中根くんのアンダーシャツをまくり上げて、思いっきり乳首を舐め回したいって、着替えのたびにいつも思ってたんだ」
お前なんてこと思ってたんだよっ!! もうこれから西山のそばで着替えるのはやめよう。それより今はこの場を誤魔化さねば。
「お、お前ってほんと変態で引くわー。いくら男子校だからってそれはねえだろ。ちゃんと抜いてんのか?」
「毎日中根くんで抜いてる」
なんか着実に墓穴を掘り進めてる気がする。ハハ、と笑ってごまかそうとしたけど、乾いた笑い声しか出なかった。
視界に影がさしたと思ったら、西山の腕の中に閉じ込められた。胸を押し返してもびくともしない。そうだ。こいつが本気出したら、俺の力なんかじゃ敵いっこないんだ。
「中根くん、しよう」
耳元で西山に囁かれた。いつものお伺いをたてるような情けない声とは違って、決定事項を伝える強い声だった。あ、やばい。こいつほんとにやる気だ。
「ばか、冗談――」
「冗談ではもう収まらないよ」
ぐっと押し付けられた股間は固く大きくなっていた。
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練習前のランニングをしていたら「祐太!」って名前呼ばれて声のしたほうに顔を向けた。
他校の制服を着た生徒が、グラウンドのそばから手を振っている。
「あれってY高校の矢神じゃないか?」
「中根、お前のこと呼んでるぞ」
というわけで、ランニングから抜け出し矢神のもとへ向かった。
「久し振り、祐太」
夏の日焼けがまだ残った顔で、矢神は白い歯を見せた。
「こんなとこで何してんの?」
「監督がいま練習試合の話し合いをしてるんだ。俺は暇だからブラブラしてた」
「一緒に走ってく?」
「制服だから遠慮する」
矢神とは中学で同じ野球部だった。進んだ高校は違ったが、たまにこうして練習試合なんかで顔を合わせる。
一度同じクラスになったこともあって、矢神とは仲が良かった。部活終わりに寄り道したり、休みの日は一緒にゲームをしたり、出かけたりもしていたのに、卒業したら疎遠になって野球という接点でしか口を利くこともなくなった。
「少し、時間いいか?」
頷くと「ここじゃちょっと」と言うので、今の時間誰もいない部室に連れて行った。
「きたねえとこだけど」
床に置きっぱなしの誰かの鞄を蹴って端に寄せる。
「うちも似たようなんもんだ」
矢神は苦笑した。
「んで? 話でもあるのか?」
「うん、いや……まぁ」
と顎を掻いたりして歯切れが悪い。なんだよ。まさか次の練習試合で手を抜けとか? 八百長の申し込み?! まさか! 真面目な矢神に限ってそんな馬鹿なこと。いや、真面目だからこそ、キャプテンになった責任感から妙な考えを起こしてしまったとか?
「すごく言いにくいんだが……」
お前の口から不正をしてくれなんて聞きたくない! だから俺は矢神の言葉を遮るように「正々堂々とやろうぜ!」と叫ぶように言っていた。
「えっ?」
「試合!」
「ああ、そりゃあもちろん……?」
「?」
「?」
首を傾げたあと矢神は吹きだした。
「もしかして、わざと負けてくれって頼みに来たと思ったのか? そんなわけないだろう」
拳を口に当てて、おかしくてしょうがないって感じでクツクツと笑う。なんだ。違うのか。そりゃそうか。人一倍正義感が強い矢神がそんなこと言うわけない。
「悪い……いやに深刻だったから」
「そういうところ、変わらないな」
懐かしむように矢神は目を細めてふっと微笑んだ。矢神のそういう、大人っぽい笑い方も昔とかわってない。
「今年の夏で俺たちも引退だ」
「なんだよ、いきなり」
「引退したらこうして祐太と会うこともなくなるだろう」
「そんなことは……」
ないとは言い切れないと気付いて口を噤んだ。中学を卒業してからの状況を考えると、野球という接点がなくなったら俺たちの接点もなくなってしまうのは確かだ。
「そうなる前に……いや、そうなるからこそ言えるんだが、お前に伝えておきたいことがある」
「なに」
やけに勿体ぶりやがる。こんなに長く前置きされるとなにを言われるのかと不安になってしまうじゃないか。しかも笑みを消して真剣な目で俺を見てくるもんだから、俺までだんだん緊張してきた。
「祐太」
矢神が一歩踏み出し、俺の目の前にやってきた。
「忘れようとしても無理だった」
右手をあげて俺の頬に触れる。
「俺は、祐太のことがずっと好きだった」
「えっ」
目が点になって、心臓が止まりかけた。
なんだって。なんて言った。好きって言った? なんで矢神が? なんで俺、男にばっか告白されてんの? こんなモテ期いらねええええっ!!
「驚かせてすまない。今日、監督についてきたのも、祐太に会えると思ったからなんだ。祐太の学校と練習試合が決まったと聞いて、告白しようと決めて来た。祐太は俺のことをどう思ってる?」
身を屈めて矢神が目を覗きこんでくる。お互いの呼吸が触れ合う距離。超ドアップ。
「もし、悪いように思っていないなら、前向きに考えてくれないか?」
「えっ、いや、でも俺、お前のことそんな風に見たことないし」
「これから見てくれ」
「だ、だって、お前は友達で……っ」
「こうしたら俺のことを意識してくれるか?」
矢神がさらに顔を近づけてくる。
近いっ!近すぎて……矢神の唇が俺の口に当たった。ふにっと柔らかい感触に驚く。
「目を閉じろ、祐太」
ふっと矢神に苦笑されて、俺は反射的に目を閉じていた。キスをOKしたみたいになり、矢神は二度目の口づけをしてきた。
「っ!」
頬に添えられた手で上を向かされる。さらに深く口が合わさる。唇をペロリと舐められて体がビクンと飛び跳ねた。
う、わ――ッ! な、舐め……!
矢神の胸を掴んだ。こいつが冗談やなんかでこんなこと言ったりやったりする奴じゃないってことはわかってる。本気中の本気だ。だからこの胸を突き飛ばしたらとても傷つくんじゃないかと思って出来なかった。
体を引き寄せられて隙間がなくなる。
「…っ……!」
唇をこじ開けて舌が中に入ってきた。さすがにそれはやり過ぎだろうと思ったとき、誰かが部室のドアをノックした。
「中根くん、いる?」
西山の声!
俺たちは慌てて離れて顔を見合った。目が合った瞬間、とんでもなく恥ずかしくなった。と同時にめちゃくちゃ焦った。こんなとこ西山に見つかったら――!
思わず目の前のロッカーに矢神を押し込んだ。
「えっ? ちょ、祐太?!」
「しっ、黙ってろ、物音ひとつ立てんなよ」
バンと扉を閉めたのと西山が部室の戸を開けたのはほぼ同時だった。
「こんなところで何してんの?」
「いや、あのー、ちょっとコールドスプレー取りに」
「どっか怪我した?」
心配して西山が中に入ってきた。まずい。早くここから出ないと。
「ちょっと筋肉痛な感じがして……でもたいしたことねえから。練習戻ろうぜ」
歩き出すと、俺を通せんぼするように、西山がロッカーをバンッと叩いた。奇しくも矢神が隠れているロッカーだ。まさかバレて……。
「ずっと思ってたことがあるんだ」
頭上から声が降ってくる。俺は顔をあげられなかった。
「ユニフォーム姿の中根くんと、部室でヤリたいなって」
「はぁっ?!」
突拍子もない願望を聞かされて思わず睨め上げた。そしたらもうゼロ距離だった。抱き寄せる動作とともにキスされていた。身を引く間もなかった。
遠慮も躊躇いもなく当然のように舌を入れてきて中を掻きまわしながら、俺のケツをグイグイ揉みしだく。くっついた西山の股間が熱を持って膨らみ始めるのが伝わってくる。
「んんっ……こ、のっ、馬鹿か、お前! こんなとこで……なにやってんだよ! ふざけるのもいい加減にしろよ!」
ロッカーで息を潜めている矢神を意識したら言葉選びも慎重になった。下手なこと言えねえぇっ!!
「中根くんのアンダーシャツをまくり上げて、思いっきり乳首を舐め回したいって、着替えのたびにいつも思ってたんだ」
お前なんてこと思ってたんだよっ!! もうこれから西山のそばで着替えるのはやめよう。それより今はこの場を誤魔化さねば。
「お、お前ってほんと変態で引くわー。いくら男子校だからってそれはねえだろ。ちゃんと抜いてんのか?」
「毎日中根くんで抜いてる」
なんか着実に墓穴を掘り進めてる気がする。ハハ、と笑ってごまかそうとしたけど、乾いた笑い声しか出なかった。
視界に影がさしたと思ったら、西山の腕の中に閉じ込められた。胸を押し返してもびくともしない。そうだ。こいつが本気出したら、俺の力なんかじゃ敵いっこないんだ。
「中根くん、しよう」
耳元で西山に囁かれた。いつものお伺いをたてるような情けない声とは違って、決定事項を伝える強い声だった。あ、やばい。こいつほんとにやる気だ。
「ばか、冗談――」
「冗談ではもう収まらないよ」
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お返事不要とのことでしたが…
コメント、ありがとうございます!
書きたいところが伝わっていたんだと嬉しく思いました。良かった~