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teeth(1/2)

2015.02.10.Tue.
※異物挿入、石膏プレイ

 階段をあがってくる足音が聞こえた。
 足音は部屋の前で止まった。俺は扉を見つめた。
 コンコン、とノックされた。ひくっと咽喉が鳴る。

「洋一くん? 開けるよ」

 歌うように言って中に入ってきたのは姉の婚約者の瀬上だ。歯科衛生士の姉が勤務している歯科医院の跡取り息子で、技術も接客も一流だと評判の歯科医らしい。

「どうして下にこないの?」

 患者に安心を与えるはずの優しい笑顔が今の俺には恐ろしい。

「もしかして、僕が来るのを待ってたのかい?」
「ち、違うに決まってるだろ」

 俯く俺の顎に手を添えて自分のほうへ向かせると、瀬上は目を覗きこんできた。涼しげな目が瞬き一つしないで俺を見つめる。

「口を開けて」

 躊躇したあとおとなしく口を開いた。瀬上はポケットからペンライトを出して俺の口のなかを見る。この変態野郎。

「うん。綺麗だ。歯並びも、歯の形も、噛み合わせも、まるで模型みたいに完璧だ」

 感心したように言うとキスしてきた。
 ぬるっと舌を入れて歯列をなぞり、裏側にまわって口蓋を舌先が這う。

「ふぅ……んっ……」

 腰を引き寄せられて下腹部を密着された。瀬上の股間はすでに熱く硬くなっていた。

「や、やめろよ」
「嫌じゃないだろう?」
「嫌に決まってるだろ!」

 瀬上は意外そうに目を見張った。そしてクッと目を細め、口の端に笑みを滲ませた。

「そんなことを言うなら、お姉さんとの婚約を破棄しようかな」
「!!」
「お父さんとお母さんは僕のことを気に入ってくれているし、何よりお姉さんは僕に夢中だ。弟の君に反対されたから結婚を取りやめると言ったら、家族全員が悲しむんじゃないかな?」
「……卑怯者……!」
「卑怯者が命令しよう。お尻を出しなさい」

 瀬上は上着の内ポケットに手を入れるとある物を取り出した。

「今日はこれを使うために来たんだ」

 白くて長くて、特徴的な形のそれは、前回瀬上が来た時に型を取ったもの。俺の、勃起したちんこだ。
 わざわざ歯科治療に使う道具を持ちこんでこんなものを作った。石膏を流して次回持って来ると言っていたが、まさか本当に持ってきたとは。

 裏筋や血管まで見事に再現されてている。これが俺の勃起ちんこ。竿はまっすぐだしカリ高だし、意外に整って綺麗じゃんとか思ったりしてたら、

「そんなに物欲しそうに見つめなくても、いまから挿れてあげるよ」

 石膏の勃起ちんこに頬ずりして瀬上は言った。

 瀬上は石膏ちんこにゴムをはめると、それにローションを垂らして全体に馴染ませた。俺はと言えば、姉の婚約を盾に、命令通りジーンズと下着を脱いで下半身丸出しになった。

「おや。もう勃ってるじゃないか。やっぱり本当は期待してたんだろう」

 瀬上に言われて頬が熱くなる。俺の馬鹿息子は頭をあげて口に涎を滲ませていた。



 瀬上に脅されこういう関係になったのは、三ヶ月前に姉が瀬上を家に連れて来てすぐ。俺の口元に釘付けになった瀬上に、口のなかを見せて欲しいと二人きりの部屋で迫られたのが最初だ。

 いつも持ち歩いてるのかと呆れたペンライトを取り出して「美しい。綺麗だ。完璧だ」と興奮して口のなかを眺めまわした。一通り見終わった瀬上の頬は上気していた。

「こんなに完璧な歯列は見た事が無い。モンソンカーブも最高だ。歯頚部のラインも揃って綺麗だ。エナメル質の輝きも見事だ。洋一くん、君の歯は素晴らしいよ」

 歯医者だからかと納得しかけた瀬上の情熱も、股間の膨らみでただの変態だと考えがかわった。

 そして次に瀬上が要求してきたのは俺の体だった。当然拒否した。姉の婚約者。何より相手は同性の男。部屋を飛び出し、下のリビングにいる姉にあんな奴と別れろと言うと姉は泣き出した。

「あんないい人とこの先出会えるかわからない。頼りない私のことを一生守ると言ってくれた人を、洋ちゃんはどうして嫌うの?」

 姉には小さい頃からいろいろ世話になった。共働きで両親不在の間、姉が母親にかわって甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。宿題もみてくれたし、お昼のおやつも作ってくれた。

 昔からおっとりとしておしとやかで優しくて人を疑うことをしない姉だった。学校や職場ではいつも癒し系のポジションだった。それをよく思わない一部の女から嫌がらせをされたことは一度や二度じゃない。

 そんな姉を一生守ると誓った瀬上の本性がただの変態ホモ野郎だったとバラしたら、どれほど傷つき落ち込むか。
 葛藤する俺の耳元で瀬上が囁いた。

「言う通りにしないと、お姉さんとの婚約、破棄するよ」

 俺の選択肢は一つしか残されていなかった。

 それ以来、姉が瀬上を家に連れてきたときや、瀬上から呼び出されたときに二人きりで会った。毎回、まず俺の口のなかを褒めて、そのあと事に及ぶ。

 瀬上はバイなのだそうだ。姉のことは本当に愛していると言う。だけど俺にも惹かれていると厚かましくものたまう。瀬上が惹かれているのは俺の歯と、言いなりになる体だけじゃないか。

 一ヶ月に2、3度のペースで瀬上と関係を続けてきた。姉への後ろめたさが半端ない。自分の体への嫌悪感が募る。いつまで続くのだと先の見えない恐怖に包まれる。



片恋コネクト

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