裏ドSくん(1/3)
2014.11.02.Sun.
※「ひみつのドSくん」の斉藤と中崎の話です。ちゃんとBLです。
「清潔感のない女って終わってるよな」
今日も告白してきた女の子をきつい一言で追い返して、斉藤忍は愉快そうに笑った。
性格が最悪なのになぜか斉藤はモテる。はじめは日本人離れした容姿故かと思っていたが、どうやらこの口の悪さがそれに拍車をかけているようなのだ。
思うに、女子の闘争本能に火をつけてしまったのではないだろうか。その証拠に、最近では他校の生徒まで斉藤に告白しにくる始末だ。そのどれもが可愛い子ときてる。斉藤忍を落としたとなれば、一躍有名になれること間違いなしで、そのネームバリューだけで挑んでくる子も多そうだ。
「なんつう顔で俺のこと見てんだよ」
俺の視線に気づいて斉藤がニッと笑った。
「いや。お前なんかのどこがいいのかと思って」
「自分の胸に手を当てて考えてみればすぐわかんだろ」
「わからないから不思議なんだよ」
「じゃあ、力づくでわからせてやろうか?」
「なっ、ちょ…!」
むりやり近くのトイレに連れ込まれた。
「お前と最初にヤッた時のこと、思い出すよなぁ?」
ベルトを外しながら斉藤は不敵に笑った。
※※※
その日は朝から頭が痛くて熱っぽかった。時間が経てばおさまるだろうと楽観していたが結果はその逆でどんどん酷くなっていく。
耐え切れず、昼休みに保健室へ向かった。
戸を開け、足を一歩踏み入れた瞬間、妙な感じがした。空気が重苦しかった。人のいた気配は残っている。すぐ戻ってくるだろうと思い、俺はベッドで休ませてもらうつもりで近くのカーテンを引いた。
「キャッ」
白衣を着たまま、スカートをまくりあげた池野先生がベッドの上にいた。
「す、すみません」
慌ててカーテンを閉めた。池野先生の下に紺色のズボンが見えた。相手は男子生徒。
ここを去らねば、と気付いたとき、シャッとカーテンが開き、池野先生が保健室を飛び出して行った。
茫然とそれを見送ったあと恐る恐る振り返ると、制服の乱れをそのままに俺を睨む、同じクラスの斉藤忍と目があった。
斉藤はそのずば抜けた容姿で入学当初から目立つ存在だった。見た目に反して性格は最悪で、好意を寄せてくれる女の子を泣かすことも度々だった。それなのに、斉藤に告白する女の子がいなくならないのは不思議な話だった。
こいつが池野先生の相手。白昼堂々と学校でヤルなんてこいつらしいと妙に納得してしまった。
「お前ってそんな顔もすんのな」
「えっ」
「人のこと虫けらみたいに見下した顔。いつもは僕ちゃん優等生ですってツラしてんのに」
「そんな顔してないだろ」
「どっちの顔のこと?」
女子が綺麗だと騒ぐ斉藤の琥珀色の目が光った。確かに宝石みたいに綺麗だ。
「あーあ、ったく、邪魔してくれてんじゃねえよ。おかげでイキそこねたじゃねえか」
「ごめん…」
俺が謝るべきなのか? というかこいつは今日、欠席していなかったか?
「こんなところでなにしてるんだよ」
「見りゃわかんだろ。童貞か、お前」
「うるさい、早くその汚いもの仕舞えよ」
「汚いってこれのことか?」
斉藤はニヤニヤ笑いながら自分のものを扱き始めた。ピンクのゴム越しに、斉藤のものがビギビキと脈打っているのがわかる。
「お前にもついてんだろうが」
「こんなところで扱くな!」
「お前のせいだろ、責任取れよ」
「ばっ――アッ!」
斉藤に腕を引っ張られ、俺はベッドに倒れ込んだ。咄嗟に手をついた先に、斉藤の勃起ペニスが待ち受けていた。
「んー? なに、しゃぶってくれんの?」
「馬鹿言うな! 誰が!」
「俺はそっちでもいいぜ、気持ちよくしてくれんなら」
「ふざけんな!」
体を起こしたら眩暈がしてよろめいた。最悪なことに斉藤が俺を抱き留める。
「顔真っ赤じゃねえか。体も熱いし」
「熱が、あるんだ」
「どれどれ」
額に額を当てて来る。なんでこいつ、男のくせにいい匂いするんだよ。
「まじで熱あんな。なにしてんだよ」
「お前が、俺を怒らせるから…っ」
「寝とけ、ばか」
自分が寝ていた場所に俺を横たえた。
「変なのついてないだろうな…」
「だからまだ一回もイッてねーって」
パチンと音を立ててゴムを外し、それをスチール製のゴミ箱に叩きこむと、斉藤はどこからか見つけだした体温計を持って戻って来た。
「池野の奴、恥ずかしがってしばらく戻ってこねーと思うぞ」
「お前…いつから先生と、あんな…」
「入学してすぐ? 向こうから誘ってきたんだよ」
「最低」
「お前、童貞だろ」
「うるさい、黙れ」
「あの程度であんなにうろたえちゃって」
「早く教室に戻れよ」
「俺が誰かに優しくしてやるなんて滅多にねえんだぞ」
「知るか、自惚れ屋」
「誰が自惚れてるって?」
ギシッとベッドに手をついて斉藤がのしかかってきた。
「口の利き方、間違えてんじゃねえか?」
「そうやって凄めばびびると思ってるんだろ、そこが自惚れ屋だっていうんだ」
「うるせえ口だな」
と言うや、斉藤は俺にキスしてきた。
「んっ!」
ぬるっと舌を入れてきて中をまさぐる。歯頚部をなぞられたとき、ゾクゾクと震えが走った。
「熱いな、お前の口んなか。ここに突っ込んでしゃぶらせたら、めちゃくちゃ気持ちいいだろうな」
「な、なに…言って…っ」
舌なめずりする斉藤が本気に見えてゾワリと血の気が引いた。
「そんな怯えた顔すんなよ。泣かしたくなんだろ」
「誰が…っ」
殴ろうとあげた手を簡単に掴まれた。
「…あんまりさ、俺のこと煽るのやめろよ。まじで犯したくなるから」
「なっ…!」
「病人はおとなしく寝てな」
意味深な含み笑いを残して、斉藤は保健室を出て行った。ピピッと電子音がして体温計を出すと、熱は三九度近くまであった。
「絶対あいつのせいであがった…」
額を押さえて熱い息を吐き出した。
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「清潔感のない女って終わってるよな」
今日も告白してきた女の子をきつい一言で追い返して、斉藤忍は愉快そうに笑った。
性格が最悪なのになぜか斉藤はモテる。はじめは日本人離れした容姿故かと思っていたが、どうやらこの口の悪さがそれに拍車をかけているようなのだ。
思うに、女子の闘争本能に火をつけてしまったのではないだろうか。その証拠に、最近では他校の生徒まで斉藤に告白しにくる始末だ。そのどれもが可愛い子ときてる。斉藤忍を落としたとなれば、一躍有名になれること間違いなしで、そのネームバリューだけで挑んでくる子も多そうだ。
「なんつう顔で俺のこと見てんだよ」
俺の視線に気づいて斉藤がニッと笑った。
「いや。お前なんかのどこがいいのかと思って」
「自分の胸に手を当てて考えてみればすぐわかんだろ」
「わからないから不思議なんだよ」
「じゃあ、力づくでわからせてやろうか?」
「なっ、ちょ…!」
むりやり近くのトイレに連れ込まれた。
「お前と最初にヤッた時のこと、思い出すよなぁ?」
ベルトを外しながら斉藤は不敵に笑った。
※※※
その日は朝から頭が痛くて熱っぽかった。時間が経てばおさまるだろうと楽観していたが結果はその逆でどんどん酷くなっていく。
耐え切れず、昼休みに保健室へ向かった。
戸を開け、足を一歩踏み入れた瞬間、妙な感じがした。空気が重苦しかった。人のいた気配は残っている。すぐ戻ってくるだろうと思い、俺はベッドで休ませてもらうつもりで近くのカーテンを引いた。
「キャッ」
白衣を着たまま、スカートをまくりあげた池野先生がベッドの上にいた。
「す、すみません」
慌ててカーテンを閉めた。池野先生の下に紺色のズボンが見えた。相手は男子生徒。
ここを去らねば、と気付いたとき、シャッとカーテンが開き、池野先生が保健室を飛び出して行った。
茫然とそれを見送ったあと恐る恐る振り返ると、制服の乱れをそのままに俺を睨む、同じクラスの斉藤忍と目があった。
斉藤はそのずば抜けた容姿で入学当初から目立つ存在だった。見た目に反して性格は最悪で、好意を寄せてくれる女の子を泣かすことも度々だった。それなのに、斉藤に告白する女の子がいなくならないのは不思議な話だった。
こいつが池野先生の相手。白昼堂々と学校でヤルなんてこいつらしいと妙に納得してしまった。
「お前ってそんな顔もすんのな」
「えっ」
「人のこと虫けらみたいに見下した顔。いつもは僕ちゃん優等生ですってツラしてんのに」
「そんな顔してないだろ」
「どっちの顔のこと?」
女子が綺麗だと騒ぐ斉藤の琥珀色の目が光った。確かに宝石みたいに綺麗だ。
「あーあ、ったく、邪魔してくれてんじゃねえよ。おかげでイキそこねたじゃねえか」
「ごめん…」
俺が謝るべきなのか? というかこいつは今日、欠席していなかったか?
「こんなところでなにしてるんだよ」
「見りゃわかんだろ。童貞か、お前」
「うるさい、早くその汚いもの仕舞えよ」
「汚いってこれのことか?」
斉藤はニヤニヤ笑いながら自分のものを扱き始めた。ピンクのゴム越しに、斉藤のものがビギビキと脈打っているのがわかる。
「お前にもついてんだろうが」
「こんなところで扱くな!」
「お前のせいだろ、責任取れよ」
「ばっ――アッ!」
斉藤に腕を引っ張られ、俺はベッドに倒れ込んだ。咄嗟に手をついた先に、斉藤の勃起ペニスが待ち受けていた。
「んー? なに、しゃぶってくれんの?」
「馬鹿言うな! 誰が!」
「俺はそっちでもいいぜ、気持ちよくしてくれんなら」
「ふざけんな!」
体を起こしたら眩暈がしてよろめいた。最悪なことに斉藤が俺を抱き留める。
「顔真っ赤じゃねえか。体も熱いし」
「熱が、あるんだ」
「どれどれ」
額に額を当てて来る。なんでこいつ、男のくせにいい匂いするんだよ。
「まじで熱あんな。なにしてんだよ」
「お前が、俺を怒らせるから…っ」
「寝とけ、ばか」
自分が寝ていた場所に俺を横たえた。
「変なのついてないだろうな…」
「だからまだ一回もイッてねーって」
パチンと音を立ててゴムを外し、それをスチール製のゴミ箱に叩きこむと、斉藤はどこからか見つけだした体温計を持って戻って来た。
「池野の奴、恥ずかしがってしばらく戻ってこねーと思うぞ」
「お前…いつから先生と、あんな…」
「入学してすぐ? 向こうから誘ってきたんだよ」
「最低」
「お前、童貞だろ」
「うるさい、黙れ」
「あの程度であんなにうろたえちゃって」
「早く教室に戻れよ」
「俺が誰かに優しくしてやるなんて滅多にねえんだぞ」
「知るか、自惚れ屋」
「誰が自惚れてるって?」
ギシッとベッドに手をついて斉藤がのしかかってきた。
「口の利き方、間違えてんじゃねえか?」
「そうやって凄めばびびると思ってるんだろ、そこが自惚れ屋だっていうんだ」
「うるせえ口だな」
と言うや、斉藤は俺にキスしてきた。
「んっ!」
ぬるっと舌を入れてきて中をまさぐる。歯頚部をなぞられたとき、ゾクゾクと震えが走った。
「熱いな、お前の口んなか。ここに突っ込んでしゃぶらせたら、めちゃくちゃ気持ちいいだろうな」
「な、なに…言って…っ」
舌なめずりする斉藤が本気に見えてゾワリと血の気が引いた。
「そんな怯えた顔すんなよ。泣かしたくなんだろ」
「誰が…っ」
殴ろうとあげた手を簡単に掴まれた。
「…あんまりさ、俺のこと煽るのやめろよ。まじで犯したくなるから」
「なっ…!」
「病人はおとなしく寝てな」
意味深な含み笑いを残して、斉藤は保健室を出て行った。ピピッと電子音がして体温計を出すと、熱は三九度近くまであった。
「絶対あいつのせいであがった…」
額を押さえて熱い息を吐き出した。
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やっぱりちゃんとBLにしとかないと!という使命感から書きました。