純粋に近付いた何か (1/2)
2014.08.23.Sat.
<前話「純粋とは程遠い何か」はこちら>
授業が終わり、俺は隣の青野のクラスへ向かった。こっちもちょうどHRが終わったところみたいで、帰り支度を終えた奴らがぞろぞろ教室から出て来るところだった。
その人混みの向こうに、クラスメートと話をする青野の姿を見つけた。
二年になってクラスが別れた。いつも「純ちゃん、純ちゃん」と俺のあとを追い掛け回していた青野も、新しいクラスで新しい友達が出来ると休み時間のたびに来ることはなくなった。
それは学校のなかだけで、放課後はつるむことが多かったのだが…
教室の外で待つ俺に気付いた青野がパン!と両手を合わせた。
「あっ、純ちゃん、ごめん!今日一緒に帰れなくなっちゃったんだ」
なんだと?せっかくこの俺がわざわざ迎えに来てやったのに?
「ちょっと今日は木梨くんの家に誘われちゃって…。明日なら一緒に帰れるから!」
その言い方。俺がどうしても青野と一緒に帰りたいみたいじゃないか。
「良かったらきみも一緒に来る? 純 ち ゃ ん 」
青野を真似た言い方にカチンと来て声の主を睨み付けた。爽やか系のイケメンが自信たっぷりに笑っていやがった。俺に喧嘩売ってんのかコイツ。
「そうだ、純ちゃんも一緒に行こうよ!木梨くんち、ゲームがたくさんあるんだって!」
青野も俺が目の前でおちょくられてるのに、ゲームにつられてこんないけ好かない野郎のとこにノコノコついていくんじゃねえよ。
「行くわけねーだろ馬鹿。勝手にしろ」
教室から離れる。横目に見た木梨が勝ち誇ったように笑っていたのが死ぬほどむかついた。
昼休みに青野が俺のクラスに顔を出した。昨日のことにまだむかついていた俺は気付いていながらそっぽを向いて無視した。
おずおずと青野が近づいてくる。
「純ちゃん、お昼ご飯食べに行こう」
「木梨ってやつと食えば」
「木梨くんは別の友達がいるから。…純ちゃん、なんか怒ってる?」
「怒ってねえよ」
あてつけるようにガタッと音を立てて立ち上がり、教室を出た。食堂へ向かって歩く道中、青野は俺の後ろで黙りこくっている。
「怒ってねえって言ってんだろ」
怒鳴りながら振り返ると、俯いた青野がびくっと体を震わせた。視線を泳がせ落ち着かない。ただ俺の機嫌を窺っているにしてはいつもと様子が違った。
「なんだ?どうしたんだよ?」
「う、うん…」
言いにくそうに口ごもる。
「純ちゃん、こっち来て」
青野に腕を掴まれて、近くのトイレに引っ張り込まれた。
トイレに誰もいないか確かめたあと、青野は俺を奥の個室に連れ込んだ。
「なんだよ」
「実はね、いま俺、パンツ穿いてないんだ」
「なんで?」
「体育で着替えてるときに、木梨くんにジュースかけられちゃって」
木梨の憎ったらしい顔が頭に浮かぶ。
「やな野郎だな」
「わざとじゃないんだよ。体育のあとで咽喉乾いてるだろうから俺にも飲むかって勧めてくれたんだ。その時に手がぶつかっちゃって」
「それでいまノーパンなわけ?」
「うん…スースーして落ち着かないね」
エヘヘッと顔を赤くして笑う。ズボン越しに触れば確かにダイレクトな感触があった。
「ちょっ…触んないでよ、純ちゃん」
クネクネと腰を揺らすさまはまるで俺を誘っているようだ。
「昨日はアナニーしたのか?」
ちんこを揉みながら耳元で囁く。青野は小さく「ウン」と頷いた。
俺がこいつにオナホの使い方を教えた。ディルドを与えてアナニーのやり方も教えた。最初は痛い痛いと泣くだけだった青野に前立腺の気持ちよさを教えた。それ以来こいつは前立腺をローターで刺激しながらオナホでしこるという自慰にはまっている。
自分でやるより俺にやってもらうほうが気持ちいいので、放課後、どちらかの家に寄ったときは物欲しそうな顔で体を密着させてくる。わざと気付かないふりをしていれば、「純ちゃん、触って」と真っ赤な顔でおねだりしてくる。一種のプレイのようになっていた。
ファスナーを下げて中に指を入れる。青野も同じようにして俺のちんぽを握った。
「ノーパンで興奮したのか?露出狂の気があるんじゃないのか」
「違うよ…純ちゃんが触るからじゃん…」
「いつもより感じやすいみたいだぞ」
手を動かすとクチュクチュと濡れた音が聞こえた。青野の息遣いも荒くなる。
「はぁ…んっ…あぁ、気持ちいい、純ちゃん…」
「授業中、ずっと興奮しっぱなしで立たせてたんじゃねえだろうな」
「そんな…でも、ちょっとだけ…」
「やっぱ立たせてんじゃん、この変態野郎」
「だって…、木梨くんが俺をからかって触ってくるから…っ」
「あぁ?!」
あの野郎、青野のちんこにまで触ってやがるのか。このボケナスも簡単に触らせてんじゃねえよ。
「お前は気持ちよくしてくれりゃ、誰でもいいのかよ。だったらこれからは木梨って野郎にやってもらえよ」
「俺はやだって言ってるんだよ!でも木梨くんが無理矢理…」
「昨日、あいつん家行ってなんもされてねえだろうな」
「なにも…っ、ゲーム、しただけ…純ちゃん、痛い…っ!」
気付くと青野のちんぽを握りしめていた。慌てて力を緩めて優しく扱いてやると、青野は安堵のため息を漏らした。
「俺…さわって欲しいって思うの、純ちゃんだけだよ…」
俺の胸にもたれかかって青野が見上げて来る。
最近こいつは二人きりになると妙に色っぽい目で俺を見るようになった。体を触るスキンシップも増えた。それこそ恋人同士がいちゃつくみたいなやつだ。一緒にテレビを見てれば肩にもたれかかってくるし、手を重ねてきたりする。たまに家に泊まったりすると一緒のふとんで寝たがって、朝起きると俺に抱き付いていたりする。
俺に惚れたのか?とからかうように聞くと「男同士でそんなわけないじゃん」と否定する。
俺と青野はいま尻のムズムズするような微妙な関係だった。
「俺は別にお前のちんこなんて触りたくねえんだけど」
「じゃあ触らなきゃいいじゃん」
ふくれっ面で唇を尖らせる。生意気な唇を噛みきってやりたい。
「お前の我慢汁で手がベトベトになる前に言えよな」
青野のちんぽを上下に扱いた。青野が俺の胸に顔を埋めながら喘ぐ。空いた手を俺の体に回して抱き付いてくる。
「んっ、んっ…あっ…出ちゃう、純ちゃん、出ちゃう…!」
青野がぶるっと大きく身震いした。
今日も木梨の目の前で青野に断られたりしたら俺はキレてしまうだろうから、迎えには行かず直接下駄箱へ向かった。靴を履きかえていると肩を叩かれた。青野を想像したが、背後に立っていたのは木梨だった。
「今日は青野と一緒に帰らないのか? 純 ち ゃ ん」
「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ」
「じゃあ純也くん」
「気色悪いんだよ、お前」
「そんなに敵視するなよ、純ちゃんのおもちゃを取り上げたりはしないから」
「はぁ?」
「青野ってからかい甲斐あるよねぇ。イジメられっ子の特質なんだろうけど、できるだけなんでも好意的に解釈しようとするから。知ってた?今日のあいつ、ほとんどノーパンで過ごしてたの」
俺を見てニヤリと笑いやがる。
「…わざとジュース零したのかよ」
「あっ、なんだもう知ってたんだ?ほんとに青野って純ちゃんのこと信頼しきって何でも話すんだなぁ。俺も早くそこまで手懐けたい」
「どういうつもりだ?」
「どうもこうも、俺もお零れにあずかりたいってだけの話だよ。純ちゃんがあいつとつるむ理由って金だろ。それにあいつってからかうとおもしれーし。いいもん見つけたね、純ちゃん」
腹が立つと同時に焦りを感じた。
こいつは俺と同種の人間だ。青野の金目的で近づいて。あいつを虐めることに楽しみを見出して。もし、もし俺と同じような目であいつを見始めたら。あの流されやすい馬鹿は気持ちよくしてくれりゃ誰でもいいからこいつ相手でも簡単に身を任すだろう。
「…あいつに近づくんじゃねえよ」
「独り占めはよくないよ。まさか本気で青野に友情感じちゃってんの?」
「そんなわけねえだろ。あいつはただの金蔓に決まって…」
言葉の途中で、下駄箱の影から俯いて走っていく青野の姿を見つけた。
「青野!」
俺の声を無視して門のほうへと駆けていく。
「あら~、聞かれちゃったんじゃない」
「これもわざとかよ」
「俺って案外、欲深くてさ」
一発殴ってやりたいがそんな時間がもったいない。俺は急いで青野のあとを追いかけた。
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授業が終わり、俺は隣の青野のクラスへ向かった。こっちもちょうどHRが終わったところみたいで、帰り支度を終えた奴らがぞろぞろ教室から出て来るところだった。
その人混みの向こうに、クラスメートと話をする青野の姿を見つけた。
二年になってクラスが別れた。いつも「純ちゃん、純ちゃん」と俺のあとを追い掛け回していた青野も、新しいクラスで新しい友達が出来ると休み時間のたびに来ることはなくなった。
それは学校のなかだけで、放課後はつるむことが多かったのだが…
教室の外で待つ俺に気付いた青野がパン!と両手を合わせた。
「あっ、純ちゃん、ごめん!今日一緒に帰れなくなっちゃったんだ」
なんだと?せっかくこの俺がわざわざ迎えに来てやったのに?
「ちょっと今日は木梨くんの家に誘われちゃって…。明日なら一緒に帰れるから!」
その言い方。俺がどうしても青野と一緒に帰りたいみたいじゃないか。
「良かったらきみも一緒に来る? 純 ち ゃ ん 」
青野を真似た言い方にカチンと来て声の主を睨み付けた。爽やか系のイケメンが自信たっぷりに笑っていやがった。俺に喧嘩売ってんのかコイツ。
「そうだ、純ちゃんも一緒に行こうよ!木梨くんち、ゲームがたくさんあるんだって!」
青野も俺が目の前でおちょくられてるのに、ゲームにつられてこんないけ好かない野郎のとこにノコノコついていくんじゃねえよ。
「行くわけねーだろ馬鹿。勝手にしろ」
教室から離れる。横目に見た木梨が勝ち誇ったように笑っていたのが死ぬほどむかついた。
昼休みに青野が俺のクラスに顔を出した。昨日のことにまだむかついていた俺は気付いていながらそっぽを向いて無視した。
おずおずと青野が近づいてくる。
「純ちゃん、お昼ご飯食べに行こう」
「木梨ってやつと食えば」
「木梨くんは別の友達がいるから。…純ちゃん、なんか怒ってる?」
「怒ってねえよ」
あてつけるようにガタッと音を立てて立ち上がり、教室を出た。食堂へ向かって歩く道中、青野は俺の後ろで黙りこくっている。
「怒ってねえって言ってんだろ」
怒鳴りながら振り返ると、俯いた青野がびくっと体を震わせた。視線を泳がせ落ち着かない。ただ俺の機嫌を窺っているにしてはいつもと様子が違った。
「なんだ?どうしたんだよ?」
「う、うん…」
言いにくそうに口ごもる。
「純ちゃん、こっち来て」
青野に腕を掴まれて、近くのトイレに引っ張り込まれた。
トイレに誰もいないか確かめたあと、青野は俺を奥の個室に連れ込んだ。
「なんだよ」
「実はね、いま俺、パンツ穿いてないんだ」
「なんで?」
「体育で着替えてるときに、木梨くんにジュースかけられちゃって」
木梨の憎ったらしい顔が頭に浮かぶ。
「やな野郎だな」
「わざとじゃないんだよ。体育のあとで咽喉乾いてるだろうから俺にも飲むかって勧めてくれたんだ。その時に手がぶつかっちゃって」
「それでいまノーパンなわけ?」
「うん…スースーして落ち着かないね」
エヘヘッと顔を赤くして笑う。ズボン越しに触れば確かにダイレクトな感触があった。
「ちょっ…触んないでよ、純ちゃん」
クネクネと腰を揺らすさまはまるで俺を誘っているようだ。
「昨日はアナニーしたのか?」
ちんこを揉みながら耳元で囁く。青野は小さく「ウン」と頷いた。
俺がこいつにオナホの使い方を教えた。ディルドを与えてアナニーのやり方も教えた。最初は痛い痛いと泣くだけだった青野に前立腺の気持ちよさを教えた。それ以来こいつは前立腺をローターで刺激しながらオナホでしこるという自慰にはまっている。
自分でやるより俺にやってもらうほうが気持ちいいので、放課後、どちらかの家に寄ったときは物欲しそうな顔で体を密着させてくる。わざと気付かないふりをしていれば、「純ちゃん、触って」と真っ赤な顔でおねだりしてくる。一種のプレイのようになっていた。
ファスナーを下げて中に指を入れる。青野も同じようにして俺のちんぽを握った。
「ノーパンで興奮したのか?露出狂の気があるんじゃないのか」
「違うよ…純ちゃんが触るからじゃん…」
「いつもより感じやすいみたいだぞ」
手を動かすとクチュクチュと濡れた音が聞こえた。青野の息遣いも荒くなる。
「はぁ…んっ…あぁ、気持ちいい、純ちゃん…」
「授業中、ずっと興奮しっぱなしで立たせてたんじゃねえだろうな」
「そんな…でも、ちょっとだけ…」
「やっぱ立たせてんじゃん、この変態野郎」
「だって…、木梨くんが俺をからかって触ってくるから…っ」
「あぁ?!」
あの野郎、青野のちんこにまで触ってやがるのか。このボケナスも簡単に触らせてんじゃねえよ。
「お前は気持ちよくしてくれりゃ、誰でもいいのかよ。だったらこれからは木梨って野郎にやってもらえよ」
「俺はやだって言ってるんだよ!でも木梨くんが無理矢理…」
「昨日、あいつん家行ってなんもされてねえだろうな」
「なにも…っ、ゲーム、しただけ…純ちゃん、痛い…っ!」
気付くと青野のちんぽを握りしめていた。慌てて力を緩めて優しく扱いてやると、青野は安堵のため息を漏らした。
「俺…さわって欲しいって思うの、純ちゃんだけだよ…」
俺の胸にもたれかかって青野が見上げて来る。
最近こいつは二人きりになると妙に色っぽい目で俺を見るようになった。体を触るスキンシップも増えた。それこそ恋人同士がいちゃつくみたいなやつだ。一緒にテレビを見てれば肩にもたれかかってくるし、手を重ねてきたりする。たまに家に泊まったりすると一緒のふとんで寝たがって、朝起きると俺に抱き付いていたりする。
俺に惚れたのか?とからかうように聞くと「男同士でそんなわけないじゃん」と否定する。
俺と青野はいま尻のムズムズするような微妙な関係だった。
「俺は別にお前のちんこなんて触りたくねえんだけど」
「じゃあ触らなきゃいいじゃん」
ふくれっ面で唇を尖らせる。生意気な唇を噛みきってやりたい。
「お前の我慢汁で手がベトベトになる前に言えよな」
青野のちんぽを上下に扱いた。青野が俺の胸に顔を埋めながら喘ぐ。空いた手を俺の体に回して抱き付いてくる。
「んっ、んっ…あっ…出ちゃう、純ちゃん、出ちゃう…!」
青野がぶるっと大きく身震いした。
今日も木梨の目の前で青野に断られたりしたら俺はキレてしまうだろうから、迎えには行かず直接下駄箱へ向かった。靴を履きかえていると肩を叩かれた。青野を想像したが、背後に立っていたのは木梨だった。
「今日は青野と一緒に帰らないのか? 純 ち ゃ ん」
「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ」
「じゃあ純也くん」
「気色悪いんだよ、お前」
「そんなに敵視するなよ、純ちゃんのおもちゃを取り上げたりはしないから」
「はぁ?」
「青野ってからかい甲斐あるよねぇ。イジメられっ子の特質なんだろうけど、できるだけなんでも好意的に解釈しようとするから。知ってた?今日のあいつ、ほとんどノーパンで過ごしてたの」
俺を見てニヤリと笑いやがる。
「…わざとジュース零したのかよ」
「あっ、なんだもう知ってたんだ?ほんとに青野って純ちゃんのこと信頼しきって何でも話すんだなぁ。俺も早くそこまで手懐けたい」
「どういうつもりだ?」
「どうもこうも、俺もお零れにあずかりたいってだけの話だよ。純ちゃんがあいつとつるむ理由って金だろ。それにあいつってからかうとおもしれーし。いいもん見つけたね、純ちゃん」
腹が立つと同時に焦りを感じた。
こいつは俺と同種の人間だ。青野の金目的で近づいて。あいつを虐めることに楽しみを見出して。もし、もし俺と同じような目であいつを見始めたら。あの流されやすい馬鹿は気持ちよくしてくれりゃ誰でもいいからこいつ相手でも簡単に身を任すだろう。
「…あいつに近づくんじゃねえよ」
「独り占めはよくないよ。まさか本気で青野に友情感じちゃってんの?」
「そんなわけねえだろ。あいつはただの金蔓に決まって…」
言葉の途中で、下駄箱の影から俯いて走っていく青野の姿を見つけた。
「青野!」
俺の声を無視して門のほうへと駆けていく。
「あら~、聞かれちゃったんじゃない」
「これもわざとかよ」
「俺って案外、欲深くてさ」
一発殴ってやりたいがそんな時間がもったいない。俺は急いで青野のあとを追いかけた。
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