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嫉妬せいでか(2/2)

2014.07.13.Sun.
<前話はこちら>

 昼休みに大野さんからメールが入っていた。

『昼一緒に食えるか?』
『すいません、先に三影さんと約束してるんです』

 送信っと。実は大野さんと三影さんは同じクラスだ。俺はダッシュで二人の教室へ向かった。
 三年棟の2組。戸口で俺を見つけた大野さんはてっきり自分に会いにきたと思ったのだろう、パッと顔を明るくしたが、俺が「三影さん!」と言った瞬間、その笑顔を固まらせていた。

「なんだ優介、おまえほんとに来たのか?」
「約束っすからね~。ジュース奢ってくださいよ。ついでにメシも奢らせてあげてもいいすよ」
「調子に乗るな」

 ゴツンと拳骨を頭に落とされる。でもぜんぜん痛くない。その拳骨をつかんで「さっ、行きましょ」と三影さんと教室を出た。チラッと見えた大野さんの顔は無表情だった。
 そのあとなんだかんだ三影さんを引き留めてから教室へ帰した。帰りの遅い三影さんに、少しでも大野さんがヤキモキすればいい。いろいろ想像してたまらない気持ちになればいい。



 部活の練習が始まっても、俺は大野さんではなく三影さんに絡みに行った。大野さんは明らかに俺たちを意識していた。俺が三影さんの名前を呼ぶだけでぴくりと反応して顔をこちらへ向けた。じゃれあっている俺たちを無表情に見つめていた。少しは俺の気持ちがわかったか!

 キャプテンと話をしているときも浮かない笑顔で、どこか上の空って感じ。「どうした?」ってキャプテンが大野さんのおでこにおでこを当てる。ムカッときた俺は三影さんのストレッチを手伝うふりをしながらその大きな体に乗っかったり、膝に座ったりして密着する姿を見せつけた。大野さんの端正な顔が歪む。

 練習中、俺はできるだけ三影さんにじゃれにいった。後輩に慕われるのが嫌いでない三影さんはそのつど俺の相手をしてくれた。「仲いいなぁ、お前ら」と人から言われるほどに。

 精彩を欠いた大野さんは普段しないようなミスを犯して監督に叱られていた。キャプテンが自分の役割といいたげにすかさずフォローに入る。大野さんの背中に手を当て、監督に向かってなにか言っている。大野さんは両腕をだらんと垂らしたまま、俯いていた。
 少し、かわいそうになってきた。

 練習のあと、大野さんは監督に呼びつけられた。呼ばれてもいないのにキャプテンが一緒についていこうとする。大野さんはキャプテンを両手で押しとめ、首を左右に振って断っていた。
 部員のほとんどが着替えて部室を出る頃になっても大野さんは戻ってこなかった。心配そうにぐずぐず着替えるキャプテンを「俺が戸締りしときますんで。おつかれしたー!」と追い出し、俺一人で大野さんの帰りを待った。
 帰って来た大野さんは、部室にぽつんといる俺を見て相好を崩し、はにかむように微笑んだ。

「待っててくれたのか、優介」

 今日一日意地悪だった俺はつい、

「戸締りは一年の役割なんで」

 大野さんの反応を見る。

「そうか」

 悲しそうに肩を落とす。

「嘘っすよ。大野さんを待ってたに決まってるじゃないすか」
「ほんとうに?」

 いつだって自信たっぷりな大野さんが自信なさげに呟く。

「恋人の帰りを待ってちゃいけませんか」
「…優介…ありがとう」

 近づいてきて俺をぎゅっと抱きしめた。俺の体を抱きながら安堵したような溜息をもらす。

「ごめんな、優介…」
「なにがすか」
「お前が京也に嫉妬する気持ち、痛いほどよくわかった」
「…………」
「好きな奴が他の男とイチャついてたら、そりゃ腹立つよな。昨日は怒ってごめん」
「俺の方こそごめんなさい。ちょっとやりすぎだったかも」
「いや、あれくらいやってくれなきゃ、俺はわからなかった」
「大野さんはモテるから、嫉妬したことなんてなさそうですもんね」
「京也にもそれ言われたな」
「キャプテンにも?」
「好きな子が出来たから、関係終わらせようって言われたときに。応援するぜって言ったら、おまえは嫉妬したことがないだろって」
「それ…キャプテンは本気で大野さんのこと好きだったんじゃないすか?」
「どうしてそうなるんだ?」

 きょとんと聞き返してくる。本気でわかっていないんだ。きっとキャプテンは大野さんに嫉妬してもらいたくて、もしかしたら嘘をついたのかもしれない。ところが逆に応援されてさぞ落胆したことだろう。少しだけキャプテンが気の毒になった。でも恋敵には違いないので同情は禁物だ。

「とにかく俺が嫉妬する気持ち、わかってくれてよかったっす」
「うん、ちょっと京也とベタベタしすぎてたかもしれない」
「かもじゃなくて、ベタベタしてたっすよ」
「それを言うなら今日の優介だって三影とイチャつきすぎだぞ。あいつが勘違いしたらどうするんだ」
「そんなにたくさんホモはいないっすよ~」
「おまえの可愛さに気付いて目覚めるかもしれないだろ」

 冗談じゃなく真顔で言うもんだから返す言葉が見つからなくてアタフタしてたら、大野さんのキスが降って来た。



 昨日と同じ体位で俺たちは繋がった。違うのはベンチにしがみつて腰を掲げているのが俺のほうだってこと。

「んあぁっ…アァ…っ!」

 大野さんのちんぽが動くたび、俺は喘ぎ声を漏らした。いつもよりでかいっすよ、大野さん。興奮してるんすか!

「あんまり大きな声を出すなよ、優介。近くに誰かいたらバレる」
「だって…大野さんのちんぽ、気持ちよすぎっす…!」
「優介のちんこも良かったぞ」
「また、俺にヤラせてくださいよ…」
「いつでもいいぜ。お前専用なんだから」

 体位をかえた。対面座位で大野さんがキスしながらゆっくり俺を突き上げる。俺もベンチに足を乗せて腰を回しながら上げ下げした。

「優介、本当に三影のこと、なんとも思ってないよな?」
「俺面食いっすから。三影さんはタイプじゃないっす、俺がカッコイイと思うのは大野さんだけ」
「顔だけか?」
「ちんこも好きっす」
「エロいもんな、優介は」

 大野さんは後ろでベンチに手を突くと、ガクガクと腰を振った。

「んっ…あっ、あぁっ…!!気持ちい……っ!!」
「可愛いぜ、優介、俺の優介…!」
「はぁっ、んっ、アッ、アアッ…好きっす、大野さん…好きっ!」

 ガンガンに突かれながら自分でちんぽを扱いた。
 大野さんに終わりの気配。俺も手つきを速めた。

「はぁんっ、ああぁ…中に下さい…っ、大野さんのザーメン、中に…」
「っとに優介は中出しされるの好きだな…!!」

 激しい腰使い。ベンチがガタガタと音を立てる。ギシギシ軋む。ぶっ壊れっるんじゃないかと心配するくらい。

「いくぞ、優介」
「はぁ、いっ、あっ、俺もいくっす…!」

 体の奥に大野さんの精液が吐き出される。自分以外の人間の体温。それを感じながら俺も手を動かして射精した。射精しながら、大野さんとキスした。



 嫉妬する苦しさ醜さに気付いてくれたのは良かったが。

「おーい、優介!俺のスポドリ頼む!」

 誰かがコートの中から俺に声をかけるだけで、大野さんから鋭い視線が飛んでくるようになった。誰かと話していると間に割って入ってきたり。

「近づきすぎじゃないか?あいつ、おまえに気があるのかも」

 なんてちょっと思い込みが激しすぎたり。

「お前は可愛いから襲われないように注意しろよ」

 とか本気でくだらない心配したり。いくらなんでも贔屓目過ぎる。
 ちょっとお灸が効きすぎたみたいで、俺としてはこれ以上大野さんの心配性が進まないことを祈るばかりだ。


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コメント
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お返事
オテクさん

具体的なイケメンエピソードが何一つない大野ですがイケメン嫉妬しろ!と思いながら書いていました笑
途中三影優介もありかも…なんて思いかけていかんいかんと。ホモばっかりじゃないぞと。男二人いればどっちが受ける側かなとかつい考えてしまいますね。私もあの台詞を書いたときに目が覚めた感じがしましたw
リクエストありがとうございました!

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お返事
みぃさん

ほんとですね、疲れてるw
キャプテンにキュンとする優介がビッチでいいですね。おまえ三影にも尻尾振ってただろ!とだんだん尻軽に見えてきました。優介が攻める側にまわったときの大野が不憫ですw

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