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君が笑った、明日は晴れ(43/89)

2020.05.15.Fri.
1話前話

 以前先輩がここの体育倉庫の鍵をレンガの下に隠しているのを見た。探すと同じ場所に鍵はまだあった。それを使って浦野を中二連れこんだ。

「もうチャイム鳴ったけど」
「戻りたかったら戻ってもいいよ」

 浦野はその場から動かず、視線を下に落とした。

「どうして俺と? 河中は山口さんが好きなんだろ」
「好きだよ。でも浦野のことも気に入ったんだ」

 言いながら僕は優しく笑いかけた。顔はひきつらない。僕もなかなか役者だな。

 先輩に付きまとう位なら、僕のことを好きになって僕に付きまとっていてくれたほうがいい。これ以上先輩に馴れ馴れしくして欲しくない。

「河中の考えてることがよくわかんないよ俺」
「この前はひどいこと言ってごめんね」
「すっごい傷ついた」
「うん、ごめんね」

 浦野の肩に手をおいて頬にキスする。こちらを向いた浦野と唇を重ねる。音を立ててキスしながら、浦野の制服を脱がしていった。

「か、河中、お前、なんか慣れてない?」
「そんなこと聞くなよ」

 奥のマットに浦野を押し倒した。意外な顔で僕を見上げてくる。

「河中って、その、入れる、ほうなのか?」
「僕が欲しいんだろ、ここに」

 布の上から浦野の後穴に指を当てると体がビクンと跳ね上がった。

「河中がそんなことするなんて信じられない」
「すぐ実感するよ」

 ベルトを外し、ズボンを下着ごと脱がした。身じろぎする浦野を押さえつけ、小さいそれを手に握る。

「怖い?」
「怖くなんかっ!」

 ほんとに浦野ってガキだな。目一杯虚勢張ってるつもりなんだろうけど緊張して顔が強張ってる。先輩とした時もこんなふうにガチガチだったのかな。いったいどうやって先輩をたらしこんだんだ、こいつは。

「はぁあ……」

 溜息をもらす浦野のものがだんだん大きくなってきた。

「可愛いね、好きだよ」

 心にもないことを言う。浦野は薄目を開けて僕を見た。

「ほんとに?」
「うん、ほんと」
「キスしたい」

 浦野の舌を吸いながら、先走りを指に絡めて手を動かした。

「んあ、あ……っ」
「先輩にやられるのと僕にやられるの、どっちが気持ちいい?」
「わかん、ないっ」
「どっちが好き?」
「どっちも……好き」

 欲張りな奴。内心では呆れつつ、僕は笑みを浮かべたまま浦野の体にキスした。早く僕だけを好きになれ。僕に夢中になれ。先輩のことを忘れろ。

「はっ、あ、出して、いい?」
「いいよ」

 浦野の熱いほとばしりを手のひらに受けながら、先輩が同じことをこいつにしてやったのかと思うと腹がねじれるような嫉妬を感じずにはいられなかった。遊ぶならもっと他にいるだろう。こんな奴のどこがいいんだ。

 乱暴になりそうな気持ちをなんとかおさえつけ、浦野の出したものを潤滑油がわりに後ろへ指を入れた。

「あっ!!」

 驚いて浦野が叫ぶ。非難するような目が僕を見た。

「痛かった? ごめんね、でもここを使うってことは浦野も知ってるんだろ?」
「し、知ってるけど、でも、もっと」
「うん、優しくするね」

 うるさい口を自分の口で塞いだ。キスが好きらしい浦野が舌を絡めてきた。

「少し、動かすよ」

 浦野が頷くのを見て、指を動かした。

「ん……」

 ぎゅっと目を瞑って浦野が耐えている。こいつの経験はほとんど皆無と言っていいだろう。キスだってお粗末なものだ。その程度で先輩をたらしこむなんて100年早い。

 ズボンから自分のものを取り出し、僕はしごいた。体はそれなりに反応するが、気持ちはまったく興奮しない。面倒で早く終わらせたかった。

「入れるよ」

 本心を隠し、僕は浦野に優しい声で囁いた。

「俺、怖い」

 いまさら何言ってるんだ、こいつは。そんな生半可な決意で先輩を誘ったのか? 本当に子供みたいでイライラする。

「怖くないよ、ゆっくり、優しくするから。それに僕、浦野が欲しくてたまらないんだ。君と一つになりたい」

 相手が先輩ならともかく、浦野相手にこんなセリフを言うなんて自分で言ってて気持ち悪い。それでも浦野には効果があった。潤んだ目がゆっくり見開かれ光を宿す。

「ほんとに? 本気でそう思ってる?」
「うん、本気。浦野が好きだよ。だから、僕を受け入れてくれる?」

 浦野はしばらく考えたあと、決意したようにしっかり頷いた。



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