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やりなおし(3/3)

2019.09.09.Mon.


 店を出て近くのホテルへ直行した。一緒にシャワーを浴びてる間、俺はずっと勃ちっぱなし。わざとそれから目を逸らしている高山は、インポの言葉通り元気がない。

 ベッドに移って高山を押し倒した。馬乗りになり、まぐろ状態の高山に数年分の想いを込めてせっせとキスする。舌を入れると遠慮がちに応えてくる。脱童貞した高校生の頃のがっつきはなんだったんだ。

 インポになると気持ちまで落ち込むものだ。それは経験した俺もよくわかる。だからそっちは一切触らない。俺が高山を好きだって伝わればいい。

 会えなかった時間、ずっと頭の片隅にあって、ずっと恋しかった。別れたことを何度も後悔した。見ず知らずの誰かにずっと嫉妬してやきもきしてた。だからこうして肌を合わせられるだけで俺は幸せだった。

 セックスしなくたってキスだけで充分気持ちがいい。高山にもそう思って欲しい。勃起不全はいつか必ず治る。それは俺が保証する。

 唇を離し、高山を見下ろす。さっきまで捨てられた犬みたいだったくせに、ちょっと雄の顔に戻りつつあった。俺の好きな、格好いい高山の顔だ。

「見てろよ」

 高山に見つめられながら自分でペニスを扱いた。高山の目が動揺したように揺れる。

「はあっ……ぁ……はあっ……はっ……ん」
「宝生……っ」
「俺に、触ってくれよ」

 高山の手を取り、自分のペニスに押し当てた。おずおずと大きな手が熱いそれを握る。高山は驚いたような顔をした。

「俺もう、イクかも……ッ」

 高山の手に手を重ね、扱いた。なすがまま、力の入っていなかった手が、次第に意思を持ったように動き始める。ペニスを握る手も強くなる。先端を小刻みに擦るのは完全に高山の仕業だ。

「あっあっ、高山っ、高山ぁっ」

 手淫に喘ぐ俺を高山が食い入るように見つめる。

「いっ、ああっ、あっ、いくっ、でる!」

 高山にガン見されながら俺は無事射精した。思えば高山とは初めての射精だ。高山が信じられないって顔をしている。こいつなりに、相当な罪悪感とプレッシャーに苦しめられていたんだろう。

「見たかよ、ちゃんとイケたろ」

 無言で頷きながら高山は体を起こした。俺が倒れないよう背中を支えながら顔を覗きこんできたかと思うとキスしてくる。何度も何度も、角度を変え、強さをかえて唇の表面を触れ合わせる。

 ぺろりと舐められたので薄く開いた。遠慮がちに高山の舌が入ってくる。それを食むように中に招き入れた。

 キスしながら高山の手は俺の乳首を触った。変な感じ。でも少し気持ちいい。

 乳首だけじゃなく、背中や肩、脇腹に首筋と、高山は俺の全部を撫でた。大きくて温かい手に撫でられるのは心地がよくてうっとりする。

 ずいぶん長いキスだった。まだ終わる気配がない。こんなにキスが好きだったっけ?

 高山の胸を押して小休止。俺はちょっと酸欠気味で呼吸を整える。待つあいだ高山にじっと見つめられる。は、と一息ついた隙にまた唇を合わせてきた。貪るようなキスをする。

 ずっとタイミングを見ていたように、高山の手が俺のペニスを握った。半立ちのものをゆるゆると扱く。

「んっ……はぁっ……ぁ……ッ」

 俺の声も息遣いも、高山の口に飲みこまれていく。今度こそ呼吸が苦しくなって強く胸を押した。名残惜しそうな目が唇を追う。

 高山の首に腕をまわし、俺の方から高山の頬にキスした。頬だけじゃなく、額や瞼や耳、余すところなく唇を押しつけた。

「高山…………すきっ……」

 胸いっぱいに溜まっていた思いが溢れ出た。

 高山がまた俺の口を塞いだ。キスしながら「俺も好きだ」と掠れた声で伝えてくる。

「ん、ふぅ……あっ、た、かやまっ……ぁあ……でる……また……でるっ」

 二人の腹の間で高山の手の動きが早くなる。粘ついた水音も大きくなる。高山はさっきみたいに俺を凝視している。変な性癖に目覚めそう。

「はあぁ、あ、あっ……でる……う、あっ、あ、イクッ、高山、イクッ」

 高山の手に二度目の精液を吐きだした。高山は手を広げ、それをじっと見ていたかと思ったらペロリと舐めた。

「ちょ、やめろよっ」
「なんで? おまえはしてくれたことあっただろ」
「手からはねえよ」
「じゃあ口で」
「いいって! 俺がもう出ねえわ」
「宝生のイキ顔、めっちゃエロくてかわいかった」
「嘘つけ」
「ほんとだよ。すごく、かわいい。どうしよう、いまお前のこと、すごく愛しい。もうずっと離したくない」

 言うと俺をぎゅっと抱きしめた。ふざけてんのかと思ったけど、俺の肩に顔を埋める高山の体がちょっと震えてて、鼻を啜りあげる音が聞こえたもんだから、いい子いい子って頭を撫でてやった。

「なあ、高山、足痺れてねえか? 俺重いだろ、一緒に横になろうよ」

 うん、と涙声が頷いた。

 抱き合ったままベッドに寝転がった。間近で見る高山の目は充血して真っ赤だった。目が合うと照れたように笑う。俺はさんざん泣かされたけど、高山を泣かしてやったのはこれが初めてだ。この顔見たら、今までのこと全部許してやろうと思えた。

「インポ、治ってんじゃん」

 さっきからずっと腹に当たっている。その前は尻に。

 高山は悪いことが見つかったような顔で目を逸らした。

「おまえがイッたの見たら勃った」
「今度は高山が気持ちよくなる番だろ」
「俺はいいよ」
「また同じこと言わせるのかよ。俺はおまえに手、出してほしいんだって」
「今は勃ってても、いざ入れようとしたらどうなるか」
「そんなのやってみなきゃわかんないだろ」

 高山のペニスに手を伸ばした。まだ完全とは言えないゆる勃ち。優しく扱くとそれは体積を増した。

 昔はこれで泣かされたが、いまはもう恐怖心も不安もない。手の中で大きく熱くなっていくのが嬉しいし、なんなら早く入れてほしいと思ってる。

「ぜんぜん、大丈夫じゃん」

 すっかり大きくなったペニスの先端を扱く。先走りを指に絡めて裏筋を撫でた。またカサが開いた気がする。

「宝生……、それやばい」
「出そう?」

 うん、と子供みたいに頷く。

「どうする? このまま出す? 俺のなかに入れる?」

 縋りつくような目で俺を見て、高山は「入れたい」と許しを請うように言った。

 備え付けのローションを取ると、俺の尻に馴染ませた。不安そうな顔で恐る恐る指を入れてくる。高校生のときは何が駄目だったのかわからないが、気持ち良さより違和感のほうが強かった。でもいまは違った。そりゃ本来出す場所を指で弄られてんだから、最初から気持ち良くはない。でも俺の興奮は冷めない。もっと強くして欲しいとさえ思ってる。

「ん、はあぁ……ぁ……あ……っ」
「痛くないか?」
「ないっ……あっ、そこ……、もっと、して……っ」

 さっきから執拗に弄られる場所。そこを擦られるとペニスの根本、その奥がジンと熱くなってくる。それが快感となってペニスに伝わり、触っていないのに立ちあがってくる。

「高山……ぁ……あっ、ん、きもち、いいっ……もう、入れてっ……」
「まだ無理だよ」
「むりじゃ、ないっ……はやく……じゃないと俺……また、イキそ……だから……ッ」

 完立ちしてないのに、もうなにか出そうな気配があった。おし/っこが漏れそうな感じに似ている。これ以上指で直接触られたら、本当に漏らしそうだ。

「辛かったらすぐ言えよ、我慢するなよ」

 指が抜け、ほっとしたのも束の間、今度はもっと太いものが入ってきた。指で解されたとは言え、その体積と圧迫感は比じゃない。俺のなかに確かに高山がいるんだと実感する存在感だ。

「平気か? 無理するな」

 俺の顔を覗きこんで前髪を撫で上げる。その手すら気持ちいい。

「大丈夫だから、動いて」

 ゆっくり出し入れされると、繋がった場所がじわじわと熱くなる。前は感じなかった多幸感に胸が震える。もっと奥まできて欲しい。もっと深い場所で高山と繋がりたい。俺を慮った動きがもどかしい。

「高山……もっと、して……俺、もうイキたい」

 俺の腰を抱え直し、高山が速度をあげる。腹の底がじんじんして気持ちいい。勝手に甘えた声が出てくる。止められない。

「んっはっはあぁっ、あっ、あっ」
「宝生、気持ちいいか?」
「きもち、いっ、あっ、ああっ、あっああっ」

 ガクガクと揺さぶられながら何度も頷いた。俺の中の高山は固くて男らしくてすごく熱い。前は凶器にしか思えなかったけど、いまは長く中にいて欲しいと思う。

「高山はっ……? きもちい、い?」
「すごく気持ちいい。お前が気持ち良さそうなとこ見てるだけでいけそう」
「うんっ、おれ……きもちいいっ……どうしよっ、ああっあっ、また出ちゃうよぉっ」
「おまえがイクとこ見るの、すげえ好き」

 クチュクチュと手で扱かれてあっけなく果てた。例によって高山はそれを嬉しそうにガン見だ。高校時代一回も俺をイカせられなかったのだからしょうがないのかもしれない。

 あの頃はまだ体も心も、お互い未熟だったんだ。高山は相手を気遣う余裕がなくて、俺は受け入れる余裕がなかった。

 高山に会えるかもって下心だけで参加した同窓会だったけど、ほんとに行って良かった。

「俺もお前がイクとこ見たい」

 高山は俺の膝を押し上げると高速ピストンを開始した。俺が出した精液まみれの手でペニスも弄ってくる。

「あっあっだめっ、やっああっ、それやだ……っ、イッたばっかりだからっ……!」
「でも勃ってきた」
「いやっあっああっ、たかや……んッ、ああぁっ、はっあ、あっ」
「おまえが善いときの声は、俺にもわかるよ。ちんこに直接響いてくるから」
「んっ、ばかっ……あ、やっ……あんっあっあぁんっ強いの、だめ──ッ、あ、ああ──ッ!!」

 頭の中が真っ白になった瞬間、体の奥に熱いものが噴きあがるのを感じた。

 ~ ~ ~

 明日、仕事なんだよなあ。

 もう動くのもだるいし、家帰る電車も動いてないし、高山と離れたくないし、泊まる以外の選択肢ないわけだけど、明日仕事なんだよなあ。

 スーツとか着替え、どうしよう。

 冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきた高山が、うつ伏せの俺の隣に座った。

「疲れた?」

「そりゃ……だっておまえ、何回やったよ」
「宝生がもっとって言うから」
「インポ、治ってよかったね」

 そうだよ、こいつ昔から性欲強くて時と場所選ばず勃起するような奴だったんだ。そんな奴が一回で済むわけがなかった。まあ俺も止まらなかったから責められないけど。

「次、いつ会える?」

 俺のうなじに顔を埋めて高山が言う。そのまま背中、肩甲骨、腰へと唇を移動させていく。

「………っ……週末、は?」
「泊まりに来てくれる?」
「たりめーだろ」

 尻たぶを割ってその奥へ舌が入り込んできた。慌てて仰向けになった。

「もう今日はやんねえぞ」
「宝生の全部が愛しい」
「そういうこと素面で言うなよ」
「今度こそ絶対大事にする」
「わかってるよ」
「好きだ」
「知ってる」
「ほんとに好きだ」
「わかったって」

 俺にしがみついてくる高山の頭を撫でた。俺はいま間違いなく幸せだ。



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