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NO!サプライズ!(2/2)

2019.08.19.Mon.
<前話>

 男の足が俺の膝を掬い上げる。その奥へ、男は手を伸ばした。

「まだ終わってないですよ」

 男の足が俺の膝を掬い上げる。その奥へ、男は手を伸ばした。

「あっ! どこ触って……! おまえ、これ以上は……!」
「おまえじゃなくて、翔って呼んでくださいよ」
「呼ぶ、呼ぶから、止めてくれ! いやだ!!」
「数矢さんとしたい。数矢さんの中に入りたい」
「いやだ! 無理だ! だいたいおまえ、人の彼女寝取ったばっかだろ! 何考えてんだよ、頭おかしいのか!」
「じゃあ、指だけ。それで数矢さんが『入れて』って言わなかったら、数矢さんの勝ちでいいですよ。チンチンは入れません」

 俺が「入れて」なんて言うわけねえだろ、バッカじゃねーの!!

「言うわけねえだろ、バカジャネーノって思ったでしょ」

 こいつさっきから……!

「エスパーじゃないですよ」

 にこりと笑って翔はローションを手に出した。

「俺ってかわいそうな子だったんですよ。両親早くに亡くして、親戚の家に引きとられたんですけど、親の保険金全部使われて、親戚からは虐待されて育ったんで、人の顔色窺うの、得意になっちゃったんですよね。数矢さんはすぐ顔に出るから、わかりやすいですよ」

 ぬるぬるになった手で俺の尻と肛門を撫でる。人に触られたことがない場所を翔の指が何度も往復する。

「ちょっと同情したでしょ?」
「してねえよ」

 ンフフフ、と笑って翔は俺に顔を近づけてきた。顔を背けたら追いかけて来る。

「早く『入れて』って言って欲しいな」
「誰が言うかっ」

 クチュ、と指が入ってきた。気持ち悪い。異物感しかない。入れて、なんて間違っても言わない。

「なか、あったかいですよ。ローションのおかげでぬるぬるだし。ちょっと動かしますよ。前立腺って男の性感帯があるんですよ。聞いたことあるでしょ。そこを擦られたらちんこ触ってなくても勃起止まんなくなるんですよ。おし/っこしたい感覚、わかりませんか?」

 なかで翔の指が動く。言われてみたらおし/っこしたい感覚になってくる。翔の言葉に誘導されている気がしないでもない。

「なかがキュンキュンしませんか。ちんこの根本がじんじん熱くなって、切なくなってきませんか」

 翔の言う通りになっていく。これはもうある種の催眠術だ。

「ずるい、おまえ、もう黙れよ」
「黙って欲しかったらキスしてください。そしたら黙ってあげます」
「いやだよ、なんで俺がおまえなんかにっ」
「ほら、ちょっと強く擦りますよ。いまビクビクッて体震えましたよね。足に力も入ってるし、腰、揺れちゃってません? 良くなってきたんじゃないですか。ここが前立腺。わかります? ここがちんこ扱くより気持ち良くなったやうんですよ。ほら、目を閉じて、指をちんこだと思って。ここにね、俺のちんこハメるんですよ。もっと太くて熱いやつで、この中みっちり埋めてあげますよ。数矢さんの中がドロドロに蕩けるまで突きまくって、何回もイカせてあげま──」

 これ以上聞いてられなくて、仕方なく翔の口を口で塞いだ。待ってたと言わんばかりにすぐ舌が入ってきた。

 どうして俺は男同士でキスなんかしてるんだ。

 いやそもそも、真由を寝取った間男と、どうしてこんなことになってるんだ?!

 だいたい、俺がこいつと勝負をする理由がないじゃないか! なにおとなしく指入れられてんだ俺は!!

 フェラのせいだ。まともな思考力を奪われてしまったんだ。

「んっ……ふぅっ……ちゅ……くちゅ……ん、ん……」

 さくらんぼを蝶々結びできるだけあって、翔はキスもうまかった。体から力が抜けて頭がぼーっとしてくる。官能的でいやらしいキスだ。俺は真由とこんなキスをしたことがない。そりゃ真由もメロメロになるよなあ。

「指、増やしますよ。これでもまだ俺のちんこには足りないけど」

 翔の指が二本に増えた。しっかり教え込まれた前立腺により強い刺激が与えられる。そこを擦られれる度に勝手に腰がピクピクと跳ねあがり、触ってもないのにちんこが立つ。

「そろそろ入れてって言ってもいいんですよ」
「言うわけないだろ」
「なかなか手強いなあ。やりがいありますけど」

 翔は指を抜いた。ローションを俺のちんこにかけるとぎゅむぎゅむと握る。指で挟むように括れを扱かれ、亀頭は捏ね繰り回された。

「ああっ、ずるい、ぞ……そんなことされたら、また出ちゃう、だろ……っ」
「んー、大丈夫ですよ」
「あっ、つよ……い、あっあっ、手止めて、まじで、あっ、出そうっ」

 イクと思った寸前手を止められ、思わず翔の顔を見つめた。翔はあいかわらずへらへらと笑っている。

「え、なん、で……?」
「こっちじゃなくて、中でイケるようになって欲しいじゃないですか」

 とまた指を尻の中に入れた。ちんこへのダイレクトな刺激とは違う、焦れったいがじわじわ体中にゆっくりと熱が広がるような快感だ。

「はあぁっ、あ……ぁん……なに、これ……あ、あ、へん……」
「良くなってきたみたいですね。これからもっと気持ち良くなりますよ」

 ローションを注ぎ足しながら翔は指を出し入れした。それこそセックスのピストン運動のように。グチョグチョと掻きまわされたローションが、俺の尻や太ももにかかる。これもう布団もビチョビチョだ。

「んっ、あっあっ、や、だ、あぁぁ……指、もう……や、あっ、あっあっあっ」

 視界が白くなりかけた時、また指を抜かれた。そしてちんこを扱く。またイキかけて、止められる。また尻を弄られ、気持ち良くなったら抜かれる。それを何度か繰り返された。

「ああっ、や、もう、抜くな……イキたい、イカせて……ああっ、あっ、そこ、もっとして、強くしてっ」

 イケそうでイケないもどかしさ。尻をちょっと弄られただけでズクズクに腰が蕩ける。強い刺激でイキたくて、翔の指を逃がさないよう尻に力を込めた。

「だーめ、指ではイカせてあげませんよ」
「も、むり……我慢できない、イカせて……っ」

 こうなりゃ自分で扱く。ちんこを握ったら払われた。

「俺と勝負中ですよ。ズルは男らしくないですよ。イキたかったら、あの言葉いってください。そしたら指じゃなくて、もっと太くて硬いものでイカせてあげますから」
「いや、やっ、あっ、ああっ、やだっ」
「ずっとイケないの、つらいでしょ。かわいそうに、我慢汁でベトベトになっちゃってるよ」

 亀頭を撫でられた。それでイケる……! と集中したがすぐ手は離れていった。

「いまイこうとしたでしょ。悪い人だな」

 翔は俺の耳に口を寄せた。

「簡単でしょ。入れてって言うだけで終わるんですよ。目いっぱい気持ちいいとこ、擦って欲しくないんですか? たまった精子早く吐き出したいでしょ? ほら、言って。ちんこ入れてって。ねえ、言ってよ、ほら」
「や、あっ、あ、誰が……ああっ」

 焦らすというより嬲るような翔の指使いに、もうほとんど理性は残っていなかった。頭のなか、イキたい出したい、そればっかり。

 それでも言わなかったのは、最後まで残った俺のちっぽけなプライドだ。

「もう、しょうがない人だなあ。じゃあ引き分けにしませんか? 俺ももう限界なんですよ」
「ひき、わけ……?」
「そうです。かわりに俺が言います。数矢さんのなかに入れさせてください。お願いします。ね、これならいいでしょ? 引き分けです、だからもう、入れさせて」

 肛門に、指とは違うでっぷりした感触が当たる。ネチョネチョと音を立てて入り口を擦り俺の返事次第ではすぐ入り込もうと、フライング気味に亀頭を押しつけてくる。

 あんなのがなかに入ったら。敏感になっている場所を擦られたら。

 きっとひとたまりもない。

「翔の負けってことなら、入れてもいい」

 ふはっと翔は笑った。

「わかりました、俺の負けです」
「よし、じゃあ、入れてもい──っ」

 言い終わる前にずぶっと翔が入ってきた。長い時間焦らされたそこは抵抗なく翔を受け入れる。

 奥まで入ると、すぐ手前に引かれた。抜けるぎりぎりまで引いて、ズンと一気に突き上げる。それを繰り返す。だんだん間隔が短くなっていく。

「あっああっ、あんっ、いいっ……翔、俺、あっ、はあ……あぁ、あっ」
「気持ちいいでしょ?」
「きもち、いっ、あ……はぁッ…ン…きもちいぃっ……」
「どこが一番いい?」
「ぜん、りつ、せっ……んっ、あっ、あっ、翔、だめ、そんな動いちゃ、やっ、だ……!」

 翔のちんこが俺の前立腺をゴリゴリ擦る。動きに合わせて腰がビクビク跳ねる。そんな俺を翔が楽しそうに見下ろす。

 あれ、この状況おかしくないか? 俺なんでちんこ突っ込まれてんの? 入れてって言ったら俺の負けなんだよな? 言ってないのに、なんで突っ込まれてんの?

 翔にしてやられたって今頃気付いたけど、もう手遅れだ。

「出しちゃっていいですよ」

 ズボズボ出し入れされて、最後まで残っていた理性のかけらも消し飛んだ。

「あっあぁっ、あっあっ、ほんとに出るっ、出ッ……! あ、あ──ッ!」

 真由に負けない大きな声をあげながら精液を吐きだした。

 翔はそれを手で受け止め亀頭を捏ねた。

「いああぁっ、それ、や、だめっ、強すぎ、て……!! やっ、ああっ」

 イッた直後の亀頭責めは快感が強すぎる。

「奥すげえ締まった。俺もそろそろイキますね」

 翔が激しく腰を振る。摩擦で熱いくらいだ。

「あっはあぁんっ、あぁっ、あんっ、ああっ!」

 快楽なのか苦痛なのか、俺にはもうわからなかった。揺さぶられて声が止まらない。

「あー、イク……ッ、イクッ……数矢さん、中に出すよ……ッ!」

 ドクッと奥に吐きだされたのと、寝室の戸が開いたのは、ほとんど同時だった。

「数矢……? 翔くん……?」

 青い顔をした真由の手から箱が落ちた。飛び出た中身はケーキ。プレートにはハッピーバースデー翔くんの文字。真由もサプライズで祝おうとしたのかもしれない。だからサプライズはやめておけとあれほど。





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