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インモラル 4

2019.07.30.Tue.
やってごらん。

 勉強の合間、股間に手を伸ばした。触るのは気持ちいい。ペニスも大きくなる。でもそれ以上がなかなかむつかしい。

 先日兄にしてもらったときはすごく気持ちよかった。僕がいままでしてきたことはなんだったんだろう。天と地ほどの差があった。

 僕にとって自慰はある種の苦行だ。最初は気持ちいいが、だんだんそれが薄れて萎れてくる。勃たせるために扱くけど、やりすぎて痛くなってくる。腰のだるさとペニスの痛み。射精できないもどかしさ。快感なんかなくて、ただ苦痛でしかない。

 溜めるのは体い悪いと保健体育で習ったから、月に一度程度はなんとか抜くようにしているけど、必要ないならやりたくない。

 そういう認識だったのに、兄にしてもらったあの時は違った。

 大きな手で包まれるだけで気持ち良くなった。上下に擦られたら体が敏感に反応した。心拍数は上昇し、息遣いは乱れ、口から変な声が出た。兄が僕に見せたエロ動画の女みたいな声だ。

 腰の奥がじんじんと熱くなってギュウッと力が入る。気を抜いたらもう出そうな感覚だ。兄の手がそれを導く。射精の瞬間、背骨を伝って頭のてっぺんまで快感が走り抜けた。フワフワとした浮遊感が心地よくて、その余韻すら快感だった。

 あんな射精は初めてだ。

 いつもは、ダラダラと精液が垂れ流れるだけ。出し切った感じがしないから達成感もない。

 僕と兄のやり方、いったい何が違うんだろう。

 勉強はやめて部屋を出た。兄はキッチンで夕飯の後片付けをしている。

「先に風呂入んな」

 僕を見て声をかけてきた。僕は兄の後ろへ回り込み、抱きついた。細身に見えてしっかり筋肉がついている。

「どうした。甘えん坊」
「お兄ちゃん、大好き」
「どうしたどうした、俺も好きだぞ」
「じゃあまたしてよ」
「なにを?」

 答えるかわりに兄のペニスを揉んだ。勃起してないのに僕より大きい。

「こらこら、どこ触ってんの」
「お兄ちゃんにしてもらった時はすごく気持ちよかったのに、さっき自分でやったらぜんぜん気持ちよくなかった」
「うーん、慣れもあるのかなあ。触ってて一番気持ちいいところを擦ればいいんだよ」
「わかんない。またやってよ。勉強に集中できない」
「仕方ないなあ」

 兄は濡れた手をタオルで拭くと僕をソファに座らせた。

「見ててあげるから、自分でやってみ」

 腕を組んで僕を見下ろす。言われたとおり、自慰を開始した。兄の視線を感じる。少しだけいつもより気持ちいい気がする。

「勃ってるじゃん」
「ん……でも、これ以上は……っ」

 兄は僕の前に屈むと、まじまじ手元を観察する。

「そんなに見られたら、緊張してよけい無理」
「ああ、すまん。やり方は合ってるのになあ。なんでだろうなあ」
「お兄ちゃん、もう、苦しい……お兄ちゃんがやってよっ……」
「ちゃんと見て覚えんだぞ」

 兄がペニスを掴む。ゆるゆる上下に擦ってるだけなのに血液がギュンと集まる。

「はあっ、はあっ、きもちい、もっと」
「すごく敏感なのになあ」
「おにいちゃ、キスして、はやく、もう出ちゃうからっ」

 やれやれ、と兄はソファに片膝を乗せると僕の口を塞いだ。ひとつの独立した生物みたいに僕の口のなかで兄の舌が動く。痺れたみたいに腰がぞくぞくする。心臓が苦しくて痛い。

「あ──も、でるっ」

 兄の手に追いたてられて達した。出し切ったあとは体に力が入らなくてぐったりしてしまう。自分でやる時にはない、心地よい、癖になる脱力感だ。

「ついでに風呂入っちまえ」
「むり。立てない」
「まったく手のかかる。特別サービスだぞ」

 兄が僕を抱っこする。兄の首にしがみついた。そのまま風呂場へ行き、兄は僕の体を洗ってくれた。






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