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お触り禁止(2/2)

2019.05.26.Sun.
<前話>

 翌日登校した藤園は一皮むけた良い感じになっていた。

 俺を見る目に殺意が帯びている。俺に殴られたところは痣になり、表情も仄暗くて、ただのチャラかったイケメンに陰が加わった。

 とり巻きCが「藤くん、昨日のデートどうだった?」と不用意な発言をして「うるせえ!」とキレられていた。リーダーのご機嫌が悪いとわかり、取り巻きたちは静かになった。

 休み時間になるといつものようにトイレに連れこまれた。来るやいなやBに飛び蹴りされて、トイレの壁までぶっ飛んだ。いいよ、いいよ。もっと来い。

 とりあえず今日の有り金を全部取られた。少ない、という理由で殴られた。ABCのサンドバック。殴るしか脳がないのか。江田島は「うん/こ」と個室へ。藤園は少し離れたところで見ている。

「おら、なんか言えよ!」

 跪いた俺の顔にBの蹴りが入った。脳が揺れる衝撃に頭がクラクラとした。

「おい馬鹿! やめろ!」

 揺れる視界に、Bたちを止める藤園が見えた。とり巻きたちは「どうしたんだよ、藤くん」と不思議そうだ。そりゃ先週まで率先していじめてた藤園が急に穏便派になったら面食らうよな。

「馬鹿……、顔蹴るとか……やりすぎだろ……」

 モゴモゴ言いながら素早く俺を見る藤園の目。怯えてやがる。ああ、こいつまだわかってないんだ。俺を怒らせたらまたレイ/プされるとでも思ってるんだろう。

「藤園くん、お願いだからもう酷いことしないでくれよ」

 藤園の足にしがみついた。足から伝わる藤園の怯え。汚物でも見るような目が俺を見下ろす。俺を恐れながらも咄嗟に人を見下すことができる、藤園はそういう人間だ。

 しがみつきながら、藤園にしかわからないよう小さく笑いかけた。

 ──昨日言ったこと、もう忘れたのか?

「なんでもするから、動画拡散だけは許して」

 脈略があるようなないような俺の発言。頭のいい藤園には、ちゃんと通じたようだ。

「……なんでもするんだな」

 暗い声で俺に問う。とり巻きは藤園の言動に注視してる。

「お前の望み通り、楽しませてやるよ」

 ぎこちなく笑う。いまはそれでいい。誰だって最初は怖いし、足がすくむものだ。

「A、この変態野郎にちんこしゃぶらせてやれよ」

 いきなり指名されたAはびっくりして変な声をあげた。本人はすごく嫌そう。でも今日は藤園の機嫌が悪いことはわかっているから、躊躇いながらも俺の前にちんこを出した。

 舐めるために便所の床を這って近寄った。口を開き、顔をひきつらせているAのちんこを迎えに行く。BCが、俺と藤園の顔をチラチラ見比べている。未知の領域に足を踏み入れたばかりの三人はドン引きだ。

 Aのちんこは蒸れていて汗と精液の匂いがした。味は想像通り、少し苦くてしょっぱい。鈴口をチュッチュと吸って亀頭全体に舌を這わせ、潤ってから全部を口に入れた。根本まで咥えこんだとき、Aは気持ち良さそうに吐息を漏らした。

「うわ、こいつちんこ勃ってる」

 Bが面白いものを見つけたという口調で俺の股間を指さす。Cが覗きこんでそれを確かめると、ゲラゲラと笑った。

「きめえ。ちんこしゃぶって普通勃つか?」
「おまえホモなのかよ」

 気の弱いいじめられっこの俺は泣きそうな顔で目を伏せる。もっと罵れ。もっと酷い目に遭わせてくれ。

「これで少しは満足したかよ」

 BCを押しのけ、藤園が言った。藤園にだけわかるアイコンタクト。

 ──満足だ。だがもっとしてくれ。

 本当に通じたのかどうか、藤園は顔を顰め、舌打ちした。

「気持ち悪いんだよ、ド変態。今日は俺ら全員のちんこしゃぶれ」

 いいね。まだまだ王道の初歩だけど、確実に成長してる。その努力はかってやる。

「俺は嫌だよ」

 水を流す音とともに個室から出てきた江田島が言った。

「だったらお前は見とけ。気が向いたら咥えさせてやれよ。こいつは酷くされるのが好きなクソ変態野郎だから、どんなことも涎垂らしてやるぜ」

 藤園の靴のつま先が俺の股間を踏みにじる。痛くて気持ちよくて射精しそうだ。

「ああ、やめて、そんな…、踏まないで、藤園くん…っ」
「名前呼ぶんじゃねえよ」

 さらに力を入れてくる。そのつま先を触りながらパンツのなかに射精した。その気配を察した藤園の顔が嫌悪に歪む。その顔もたまらない。

「あ、イク、出る」

 Aが俺の頭を押さえ込み腰を振った。咽喉の奥までぶちこんでくる。童貞の腰使い。おそらく昨夜も抜いただろうに、俺の口に濃い精液をたっぷりと吐きだした。

「飲めよ」

 藤園に命令され、ごくんと飲みこむ。のどに絡みつく精液。鼻から抜ける空気がカルキ臭い。最初は嫌々だったAは放心状態だ。

「B、次はお前の番だ」

 藤園に言われたら逆らえない。それにBは少し興味が湧いたようだ。ズボンを下げたBのちんこは半立ちだった。またそれを咥えてしゃぶった。

 隣でCもちんこを出した。俺の口元を見ながら一心不乱に扱く。早く俺にフェラされたくて待ちきれないようだ。

 顔にぶっかけて欲しくて、BをしゃぶりながらCのちんこにも手を伸ばした。ガチガチに硬い。Bより少し太くて、先走りがすごい。

 Cのちんこの先を啜った。次から次に溢れてくる。亀頭を咥え舌全体で舐めとった。

「こいつ、ちんこ大好きって感じだな」

 Bが同意を求めて藤園を見る。藤園は嫌そうに目を細めるだけで何も言わない。

 二本のちんこを交互にしゃぶった。江田島が「オエーッ」と吐く真似をする。まったく興味がないどころか、嫌悪すらある感じ。江田島は密かに藤園に特別な感情を抱いていると思っていたから意外だ。藤園の手前、ホモフォビアの振りをしているだけかもしれないけど。

 俺が藤園をむりやり犯したと知ったら、きっと我を忘れるくらい怒り狂うだろう。五人のなかで一番体格がいい江田島が俺を叩きのめしてくれたら。想像するだけで震える。

 フェラの途中でチャイムが鳴った。BとCをイカせられなかった。続きは次の休み時間に。

 うがいをしようと水道の前に立ったら藤園に腰を蹴られた。

「なにしてんのお前。そのまま教室に戻れよ」

 正解。そう言ってくれなきゃ、わざわざ教育しにいった甲斐がない。

 そんなことを知らないCが「藤くん、鬼畜~」とはやしたてて、藤園にふくらはぎを蹴られていた。

 江田島を先頭に俺たちはトイレを出た。Cが「次の休み時間が楽しみ」だと言い、Aは「俺もまたやらせよう」とノリノリだ。

 最後尾の藤園を振り返った。暗い表情で廊下を歩いている。まるで死刑囚みたいじゃないか。

「藤園くん、顔色悪いけど、大丈夫?」

 ハッと顔をあげ、慌てて俺を睨みつける。虚勢の仮面。また犯されたくないから必死だ。健気だね。

「うるせえ、話しかけんな」 
「さっきの、良かったよ」

 前の4人に聞こえないよう囁く。

「狂ってんな、お前。ぜんぜん理解できねえよ。理解したくもないけど」
「そういえば、お尻は大丈夫? 昨日はひどことしてごめんね」

 パッと藤園の顔つきがかわる。頬をひきつらせ、羞恥に目元を赤くした。

「なんのことだよ」

 なかったことにするつもりなんだ?

「あの時の藤園くん、すごく可愛かったよ。怯えて、泣いて、許してって。Sに目覚めそうだったもん。動画見る?」

 ポケットを探ったら藤園に胸倉を掴まれ、壁に押しつけられた。

「何のことだっつってんだよ! 黙んねえとぶっ殺すぞ!」

 藤園の剣幕に前を歩いていた4人が立ち止まりこちらを見ていた。

「ご、ごめん。許して、もう二度と言わないから」

 いじめられっ子らしく、背中を丸めて許しを請う。藤園に突き飛ばされた。

「こんなんまだ序の口だ。絶対後悔させてやる。泣いて謝っても許さねえからな」

 そう吐き捨てるとズンズン先へと進んでいった。その背中に心のなかで声をかける。

 ──期待してるよ。

 後悔するほど楽しませてくれるのなら、それが叶うなら俺はすべてを失ってもいい。

 俺みたいな変態に目をつけられた藤園には同情する。でも最初に関わって来たのは藤園たちだ。奴らが迂闊にも蜘蛛の巣に飛び込んできた。あるいは蟻地獄に。

 偶然とは言え、やっと見つけた性癖の伴侶。心中相手。せいぜい大事にしてあげなくちゃ。





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お触り禁止(1/2)

2019.05.25.Sat.
※いじめ、暴力、強/姦

「こいつドМじゃん」

 とある地方の新興住宅街。そこの端にある廃工場で俺は自分の恥ずかしい性癖を暴露されていた。

「この状況で勃つとかマジもんじゃん」

 全裸で勃起させている俺を見て楽しそうに笑う。

 同じ高校、同じクラスの5人組。リーダー藤園、副リーダー江田島、藤園の取り巻きABC。

 俺がこいつらにいじめられるようになったきっかけは、たぶん、階段ですれ違うとき、藤園にぶつかってしまったから。

 俺ははしっこを歩いていたのに、仲間とおしゃべりに夢中だった藤園のほうからぶつかってきた。あとはもうテンプレ通り「あぶないだろ」「階段から落ちてたらどうなってたと思ってんだ」って俺を責めて、「あいつ気に入らない」って目をつけられて、いじめられるようになった。

 時と場所を選ばず俺をからかったり、罵声浴びせたり。脈略なく突然殴ってきたり、飛び蹴りされたり。物がなくなるのはしょっちゅうだし、金を巻き上げられるのも毎度。

 こいつらは俺が気が弱いからやられるままになっていると思っていたようだ。密かにあいつらの暴力暴言に興奮していたなんて、思いもしなかっただろう。

 それが今日、バレてしまった。学校の帰り道、いきなりここへ連れこまれ、身ぐるみはがされた。そしてサンドバック。その様子を撮影するクズっぷり。そりゃちんこもギンギンにいきり立つというものだ。

「汚いもの見せんな」

 藤園の容赦ない蹴り。ちんこの先をかすめた。激痛に悶え苦しむ俺の頭を誰かが踏みつける。将来楽しみな奴らだよ、ほんと。

「オナれ、ドМ」

 藤園に命じられ、俺はオナった。五人が全員俺の手淫を見ている。痛いくらい勃起した。我慢汁が止まらない。すぐ手はベトついた。粘ついた音を立てながらちんぽを扱く。それもきっちり撮影された。

 明日にはあの動画はクラス中に広まっているんだろうか。こいつら馬鹿だから、動画サイトにあげるかもしれない。

「さっさとイケよ」

 藤園にビンタされた。

 親が医者で大きな家に住んでるらしい。顔もいい、成績もいい。モテるから女を切らしたことがない。悪いのは性格だけ。

「んふぅ、ああ、あっ、イク、」

 俺の喘ぎ声を、奴らは気持ち悪いと笑った。もっと笑ってくれ。罵ってくれ。俺は正真正銘の変態だ。バレた以上隠す気なんかない。お前らの好きに扱ってくれ。

「ああっ、もうイク、イク──ッ!!」

 5人は瞬きひとつしないで俺の射精を見守った。射精すると爆笑して腹を抱える。

「まじ無理。ホンモンの変態じゃん」
「あぁん、イクイク~!!」
「ギャハハハハッ!!」

 取り巻きAは俺の制服を拾うと「手、拭いてやるよ」と精液を拭い取った。簡単に洗えない、明日も着なきゃいけない制服。救いようがないほどにカルキ臭くなっているだろう。

「お前、俺らの奴隷な。明日有り金全部持って来いよ。来なかったら動画拡散な」

 1人ずつ俺に蹴りを入れて5人は工場から去った。

 動画を拡散されたって俺は興奮するだけだ。社会的に困ることになるのはあいつらのほう。バレたら一発で終わり。それじゃ面白くない。まだこの遊びを続けてもらわないと困る。

 誰もいなくなった工場で、俺は一人でまたマスをかいた。

 ~ ~ ~

 翌日、言われた通り金を持って行った。休み時間、連れて行かれたトイレで藤園に金を渡し、またオナニーを命じられた。

 何も知らずにトイレに用を足しに来たやつらが、ちんこを握りしめる俺を見てぎょっとなる。ニヤついた藤園たちを見て事情を察し、見てみぬふりをして出て行くか、笑って出て行くか、どちらかだ。誰も止めたりしない。

「チャイム鳴るまでにイケなかったら動画拡散~」
「待って、イクから、もう、イクからっ」

 必死に扱く。それを見て藤園たちはゲラゲラと笑う。この時間が永遠に続くと思っているんだろうか。いつか高校を卒業し、就職して、社会人になる。その時いじめられっこが復讐を考えないと本気で思ってる?

 会社とか、新しい人間関係、あるいは結婚相手、産まれてきた子供に自分の過去の悪事がバラされないとでも?

 俺の弱みだと思ってるその動画、実はお前たちの弱みでもあるんだって、本気でわかってないんだろうな。なにが「動画拡散~」だよ。うける。

 俺の性癖に付き合わされてることすら、わかっちゃないんだから。

「はあ、はっ、あ、イク、もう出るっ」

 チャイムが鳴る前に無事射精できた。今日は自分の精液を自分で舐めてきれいにさせられた。一応嫌がってはみせたが、そんなのこっちはもう経験済みだ。筋金入りの変態なめんな。

 今までのいじめに性的いじめも加わって、俺の生活はある意味充実していた。学校や学校外で暴力と強制射精の毎日。なのに家でも抜いてしまう。もっと酷いことをしてくれていいのに、ケチな理性のせいで一線を越えることはない。

 マンネリの空気が流れ出したころ、藤園に新しい彼女ができた。他校の生徒でモデルもやってる美少女らしい。

 誰もがうらやむ自慢の彼女。藤園は携帯を手放さなくなった。俺が殴られ蹴られ射精しても、スマホの画面から目を離さない。放課後は彼女に会うためにさっさと帰る。リーダーがそんなだから、他の奴らもだんだんやる気がなくなって、最近は放置プレイが多い。

 いや見ろよ。殴れよ。フェラさせたり、犯したりしろよ。こっちはお前らに性癖バレたときからずっと期待してたっていうのに。

 自慢の彼女ができて、藤園は使い物にならなくなった。俺から金を巻き上げるとその金を持って彼女のもとへ直行する。もう俺の顔さえ見ない。

「藤がいないとやっぱつまんねえな」

 江田島の言葉に取り巻きABCも「そうだな」と同調する。藤園がいなくなったら残りの4人もポンコツになりやがった。

 これはもう、最終手段に出るしかなさそうだ。

 ~ ~ ~

 日曜日の朝、藤園の自宅を訪ねた。チャイムを鳴らして出て来たのは藤園の母親らしき綺麗だが派手な女性。「優希のお友達?」と何も疑わずなかに入れてくれた。

「ごめんなさいね、約束してるなんて聞いてなくて。あの子まだ上で寝てるんじゃないかしら。私たちちょっと出かける用事があるから、叩き起こしてやって」

 ありがたいことに母親は父親と一緒に出掛けてくれた。二人を見送り、教えてもらった二階の藤園の部屋へ向かう。ノックせず扉を開けると着替え途中の藤園がいた。寝ていてくれたほうが楽だったのに。

「はあ?! なんでお前がここにいんだよ? てゆーか不法侵入だろ」

 上半身裸のまますごんでくる。

「家の人が入れてくれた」
「入ってくんなよ。てか家まで来るとかきめえな。なんで俺の家知ってんだよ」
「藤園くんたちの話聞いてたらだいたいの見当がついた。あとはネットで地図調べて」
「きんも。勝手なことすんなよ」

 腹に蹴りを入れられた。丸く鋭いかかとが突き刺さって胃がせりあがる。

「出てけ」
「いやだ、藤園くんに話がある」
「ねえよ。出てけ。お前と違って暇じゃないんだよ」
「彼女とデート?」

 イラついたような舌打ち。同時に左頬を殴られた。脳が揺さぶられるような一撃。最高。

「俺も必死なんだ。話聞いてもらうまで帰れない」
「まさかお前、俺を買収しにきたのか? 動画持ってんのはAだぞ。アホだろお前」
「リーダーは藤園くんだ」
「は?」
「君が彼女に入れあげてるせいで、江田島くんたちも手抜きするようになった」
「話が見えねえ」
「もっと俺をいじめろよ。酷くしろ。足りない馬鹿な頭でもっと想像力働かせろよ。暴力振るうしか能がないのか? もっとほかに屈辱的で効果的なのがあるだろ。そんなこともわかんないのか。そんなんじゃ医学部に入って医者になるなんて到底無理だぞ。落ちこぼれ。家のなかで肩身狭いんじゃない?」

 まさか俺からそんなこと言われるなんて、考えもしなかったんだろう。藤園は鳩豆な顔でぽかんと俺を見ていた。そして我に返って怒りのままに俺を殴った。わざと床に倒れ込んだ。誘いこまれた藤園が俺に馬乗りになる。殴りつける腕を掴まえ、逆に押し倒してやった。

 予想だにしなかった力に、藤園がまた驚いた顔を見せる。俺なんかに簡単に反撃されてプライドが傷ついたようだ。かっこいい顔を歪ませて俺を睨みつけた。

「退け、この変態クソ野郎!! 調子に乗ってんじゃねえよ!!」

 体をよじって喚く。日焼けしていない白い肌が興奮で赤く染まる。小さいころから塾通い。中学受験は体調不良で失敗。公立の中学で成績トップは維持しつつも、医者になれという親の期待に応えられるほどの学力はなく、弱い者いじめをしてそのうさばらし。

 高校一年の夏ごろから親に勉強しろと言われなくなり、諦められたと悟った。親への反抗、自分への期待、プライドから勉強は続けて密かに見返す機会を狙っている。

 藤園はそういう、わかりやすい男だ。わかりやすすぎて、つまらない。だから俺がこいつを面白くしてやる。そのために今日はわざわざ来たんだ。

 藤園の体を裏返し、ズボンごとパンツをずらした。藤園が体をびくつかせる。逃げようとする体を押さえつけた。

 声の限りに俺を罵り、退けと怒鳴る。大きな家はこういう時いいな。

「オナニーばっかさせて、俺にこういうこと、しようと思わなかった?」

 膝で藤園の足を開かせ、その中心に勃起したものをあてがった。藤園の背中がひきつる。

「やめ、やめろ、お前、何する気だよ!! このクソホモ野郎!!」
「俺は隠してたのに、お前らが俺の性癖暴くからいけないんだろ」

 硬くなったちんこをぐっと押し込んだ。

「ああ、く、そ……、嘘だろ!! やめろぉッ!!」
「うわ、きっつい。痛い? 藤園くん」

 藤園は顔を突っ伏し、言葉にならない獣みたいな唸り声をあげている。

「なんで俺にこうしなかったの? 俺は待ってたのに」
「冗談じゃねえ…!! 俺らはお前みたいな変態じゃねえんだよ!」
「人を痛めつけて喜んでたのに自分はノーマルだって言いたいの? 笑わせんなよ。種類は違っても藤園くんも同類だよ」
「ざけんな、同類じゃねえよ!! お前頭おかしいんか! こんなことしてタダで済むと思うなよ! お前の人生終わらせてやるからな!!」
「終わらせてくれよ」

 暴れる藤園の頭を床に叩きつけたらおとなしくなった。かわりにすすり泣きが聞こえる。群れなきゃいきがれない。だったら最初からおとなしくしていればいいのに。

「殺したいほど俺が憎いだろ。だったら明日からまた俺をいじめてくれよ。今度は手加減なんかしないで、本気で痛めつけてくれよ」

 腰を掴んでちんこを出し入れする。クソに混じって血がついてる。俺の体はこいつらの暴力で痣と傷だらけ。このくらいの怪我、かわいいもんだ。

「いじめてた俺に犯されるってどんな気分? 恥ずかしいだろ。悔しいだろ。男が男に犯されるって、これ以上ない屈辱だろ。どうしてもっと早く俺を犯さなかったんだよ。さっさと犯してりゃこんな目に遭わずに済んだのに。ほんと馬鹿だなあ」

 しゃくりあげる声。震える細い体。俺と藤園の覚悟の差だ。

「ごめん、許して、もういじめないから……許して、動画も消す、江田島たちにも謝らせるからぁ……!」
「俺の話聞いてた? 理解できないほどバカなの? 謝罪なんかいらない。動画も消しちゃだめ。あ、俺もいま、撮影してるから」

 バッと藤園が振り返った。鼻血と涙で男前が台無し。スマホを掲げる俺を見て絶望的な顔をする。嫉妬するくらいいい表情。俺もそんな顔をさせてくれよ。

「金払うから…、許して、ください……お願いします」

 嘔吐くくらい泣きながら床に額をこすりつける。藤園には力不足だったかな。でも仲間が4人もいるんだ。1人じゃ無理でも5人ならまたいきがれるだろ? 俺をいたぶってくれなきゃ、こんなことした意味がない。

「許して欲しかったら、俺が藤園くんにしたこと以上のこと、俺にしてよ」
「意味わかんねえよおっ!!」

 混乱した藤園が絶叫する。いやいや、絶叫させてほしいのは俺のほうだ。

「中出しするよ。あとで舐めてね。動画のコピーあとで送るから、これ以上の酷いこと考えて俺にしてくれよ。でなきゃまた、犯しに来るよ」

 藤園のなかに射精した。藤園はもう何も言わない。目の前に出された汚れたちんこも、泣きながら舐めた。

「藤園くんたちには感謝してるんだ。退屈で死にそうだった学校生活を楽しくしてくれたから。だからこれからもっと楽しくしてくれるって期待してるよ」

 藤園くんは床につっぷし、子供みたいに大声で泣いた。許してくださいとか、怖いとか聞こえたけど、知らない。

「このあと彼女とデートでしょ。そろそろ支度したほうがいいんじゃない?」
「行け、な…っ、行けない、行けるわけ、ない、だろ…っ」

 ヒックヒックとしゃくりあげながら首を振る。藤園の髪を掴んで頭を上向かせた。

「行かなきゃ駄目だよ。行って彼女とヤリまくっておいでよ。ヤリ終わったら彼女と別れて。だって彼女とイチャついてたら、俺をいじめる時間がなくなるだろ。これからもっと本格的にやってもらわなきゃいけないんだから」

 嫌だ嫌だと、うわごとみたいに繰り返す。

「俺の言うこときいてくれなきゃ、動画拡散~」

 さっき録画した動画を再生して見せたら藤園が飛びかかってきた。それを殴ってかわし、床に倒れた藤園の腹を踏みつけた。

 ひっくり返った虫みたいに手足をばたつかせながら藤園がもがく。

「そうそう、そのくらい必死になって俺をいじめてくれよ」

 最後ににこりと笑いかけてから藤園の部屋を出た。





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お金じゃない(2/2)

2019.05.18.Sat.
<前話>

 レイくんみたいに、宮野が俺の穴を解してくれている。けどぜんぜん嫌悪感はない。ちょっとの恥ずかしさと、これから起こる行為についての期待に、今度こそ胸が張り裂けそうだ。

 心臓もバクバク鳴って顔もじわじわと熱い。

「宮野、あんまりやられると、出ちゃうから」
「もうすっかりここでイケるようになったもんな、お前」
「そんだけ宮野に金借りてたってことだよな」
「まったく」

 指が抜け、かわりに宮野のちんこが入ってきた。微妙に形とか違うだけでレイくんのちんこも同じ肉の棒だったのに、どうして宮野のちんこだと、キタキタ!って嬉しくなっちまうんだろう。気を抜いたらもう射精しそうなくらいだ。

「お前、もうイキそうだろ」
「わかる?」
「中、すごくきつい」

 全部入れたあと、宮野はしばらく動かなかった。その間、俺は宮野の形とか熱さをじっくり感じていた。最初に突っ込まれたときはめちゃくちゃ痛くて泣きそうだった。でも宮野が動くたびにだんだん痛みが和らいで、なんとなく気持ちよくなってきた。いまじゃ中毒になるくらい。

「宮野、チューしていい?」

 返事のかわりに宮野は俺にキスした。俺も頭をあげて必死に吸い付く。なぜか急に日置さんのことを思い出した。俺が高校時代、ほんの短い期間付き合った女の子。一緒に帰ろうって誘われて、向こうからキスしてきた。その時舌を入れられて、「この子無理」って思って別れた。

 日置さんは宮野の元カノだ。俺が横取りした。宮野はいまだにこのことを怒っているようだけど、彼氏がいるのに簡単に別の男に乗り換えるような子、正直どこがいいのかわからない。

 口をはなすと宮野は腰を動かした。出し入れされるだけで気持ちがいい。なんか前立腺?とかってのに、当たってるんだと思う。ケツの穴のなかに性感帯があるって不思議な話だ。人間を作りたもうた神様は男同士でセックスすることを見越してたんだろう。

「俺、もうイクかも」
「一回出しとけ」

 宮野が俺のちんこを扱いてくれる。穴責められながらちんこ扱かれたらもうもたない。歯を食い縛りながら射精した。どろっと自分の腹に生温い精液がかかる。宮野はそれを手で腹に広げた。

「やめろよ、体中イカ臭くなんじゃん」
「どうせあとで風呂入るだろ」

 ぬるぬるの手で乳首をつまむ。宮野は気まぐれで俺の乳首を触ったり触らなかったりする。最近はよく触ってくる。母乳が出るわけでもないのに乳首があるのは、これもひとつの性感帯になるからだろう。神様ありがとう。

「あんま乳首すんなよ」
「なんで」
「最近、たまにだけど、シャツで擦れて感じるときあるから」

 宮野が吹きだす。俺も釣られて笑う。笑ってる宮野を見るのが好きだ。俺はよく、怒られてるから。

「宮野、キス」
「また?」

 眉を寄せながら宮野は俺にキスしてくれる。たっぷり舌を絡ませた濃厚なやつで腰にくる。そうするとまた、中に入ってる宮野のちんこがじんわり気持ち良くなってくる。宮野は俺がそうなる瞬間を見極めるのがうまい。

「動いて欲しい?」

 いたずらっこの目で笑いながら俺に訊く。俺は素直に頷いて、宮野の脇の下から背中に腕をまわし、しがみついた。しっとり汗で湿った肌。よく見ると額に汗の玉。こんなになるまで宮野が頑張る姿はかっこいいし、かわいいとも思うし、愛しくもなる。それを自覚したらまた口寂しくなった。

 宮野の胸を押しながら体を起こす。

「座る?」
「うん」

 俺の体を支えながら宮野が布団に胡坐をかく。宮野の首に抱きついてキスしながら、今度は俺が腰を上下に揺すった。自分の体重分、深く宮野が入ってくる。これやると翌日決まって筋肉痛になるんだけど構やしない。

 激しくしすぎて口が離れそうになる。キスに空気が混じる感じは悪くない。

「ちょ、また…ッ」
「シャツで感じるなら、絆創膏貼ればいい」

 宮野が俺の乳首を弄る。しかも両方。腰が変に跳ねあがる。

「んっ、あ、イキそ」
「待て。僕も……一緒に」

 根元をぎゅっと掴まれた。布団に片手をついて、宮野が下から突き上げてくる。振り落とされないよう、首にしがみつく。

「宮野、もうむり、イク、イクっ」

 パッと根本の手が離れた。直後に射精した。宮野も射精しているらしい。この時の切なげで苦しげな宮野の顔が好きだ。普段なら絶対見せない顔。なんか胸が苦しくなっちまう。

 宮野の前髪をかきあげて額にキスした。瞼や頬やこめかみにも、たくさんキスした。

「お前はほんとにキスが好きだな」

 呆れたように宮野が笑う。

 その顔を見て、あー、そういうことか、とわかってしまった。

 ~~~

 風呂から出ても、宮野はまだ俺の家にいてくれた。買ってきてくれた弁当を二人で食べる。明日はGW最終日。このまま泊まっていけばいいのに。

「宮野」

 呼びかけると「ん?」と箸を止め俺を見た。

「今更なんだけど、日置さんを盗ってごめん」
「藪から棒になんだ」
「俺が日置さんを盗ったのは、日置さんが俺から宮野を盗ったからだよ」
「は?」
「あの頃、ちゃんと友達って言えるの宮野だけだったじゃん。でも日置さんと付き合い出してから、休み時間も放課後も俺とは一緒にいてくれなくなっただろ。俺、日置さんに嫉妬したんだ。俺の宮野を盗られたって」

 二人が一緒にいる姿を見るのは面白くなかった。それどころか、腸煮えくり返るくらい、むかついた。

「俺、宮野が好きなんだ。もしかしたら、高校生んときから」

 俺の告白を宮野は言葉を失くして聞いていた。驚いた眼、困惑の眉、戸惑いの唇。ハッピーエンドにふさわしくない表情。答えは明白。それでも言いだしたからには最後まで伝えようと心に決めた。

「俺がいま、本当にはまってんのは、宮野、お前だよ」
「……だけど、でも、どうせ今だけなんだろ? お前のことだ、どうせすぐ飽きて他のものに夢中になるんだろ?」

 宮野の言葉は、俺を振るための前口上に聞こえる。飽きっぽいから、振られたってすぐ別のことに夢中になれるだろって、そう言いたいわけ? 身から出た錆とは言え、そりゃあんまりだ。

「じゃあそれまで金出すから俺と寝てくれる?」
「どうしてそんなこと言うんだ」

 イラついたように宮野は頭を掻きむしった。キッと俺を睨みつけたかと思うと、頼りなさげに眉をさげた。

「本当に僕が好きなのか?」
「うん、お前のことかっこいいし、かわいいし、愛しくってしょうがない」
「そんなに好きか」
「もう二度と会わないって言われたら泣ける」

 宮野の大きな溜息。

「大の男に泣かれたら面倒臭い」
「ほんとに泣きはしないけど」
「どっちだ」
「嘘、泣く。めっちゃ泣く。だってこんなこと言ったらもう友達としてもいられないだろ。泣くしかないじゃん」
「勝手に決めるな」

 宮野の手が伸びてきた。俺の頬にぺたっと当てる。

「お前、僕をどうしたい。どうなりたいんだ?」
「ど、どうって、キスして抱き合ってエッチなことしたい」
「じゃなくて、それをするっていうのは、つまり」
「あ、付き合いたい! 宮野と付き合いたい!」
「よし。承知した」

 今度は宮野の顔が近づいてきて俺にキスをした。柔らかい唇を味わいながら、顔を真っ赤にして宮野が言った言葉がおかしくて、思わず吹き出してしまった。

「なんで笑うんだ」

 まだ赤い顔で宮野が口を尖らせる。

「だってさ、承知したって、言葉のチョイスが」
「僕も好きだって言ったほうが良かったか?」
「え、ほんとに?」
「お前をかわいいと思う奴なんて、僕くらいだぞ」

 宮野に飛びついた。その勢いのまま畳に倒れ込んでキスする。いつから俺のこと好きなの? どこが好き? いろいろ訊きたいことはあるけどあとにしよう。宮野の手が俺の服のなかに。俺の手は宮野の股間に。

 さっき出たばっかだけど、また風呂に入ることになりそうだ。





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お金じゃない(1/2)

2019.05.17.Fri.
<前作「おいくら?」>

 最近俺、変なんだよ。

 今日も仕事が終わって飯食って、まっすぐアパートに帰ってきてしまった。誘惑のネオンは途中たくさんあったのに、それ全部無視して。

 最近、パチンコをやっても楽しくなくなってきた。競馬や競輪競艇も試してみたが同じ。どうやらそろそろギャンブルの熱が冷めてきたらしい。

 いつもそうだ。

 小さいはカードゲームにはまった。お小遣いはもちろん、もらったばかりのお年玉も全額つぎ込んだ。ゲーム自体、楽しかったけど、どっちかというと集めることに熱心だった気がする。

 カードゲームに飽きたら今度はギターにはまった。近所の男子高校生がギター背負ってる姿がかっこよかったから。チューニングもなんとかやったし、Fコードもおさえられるようになって、簡単な曲も弾けるようになった。これからって時に別クラスの奴から「バンド組もうぜ!」と誘われた途端、飽きた。

 次は服とか小物にはまった。バイトで稼いだ金のほとんどはこれに消えた。新作を誰より早く手にいれて、それを着て街を歩くのが好きだった。といっても、毎日バイト三昧だったけど。

 それからも俺は夢中になるものをころころ変えた。実家の親から部屋のガラクタをどうにかしろと、帰省のたびに怒られる。あんなにはまったのに、いま見ると俺がみてもガラクタだなと思う。なんの愛着もない。売ればいくらかになりそうな物もあるが、リサイクルショップに持っていくことがすでに面倒臭い。

 こんな性格のせいで金なんか一円もたまらなかった。それどころか一時は借金すらあった。ツレの宮野には総額いくら借りたっけ。あいつには頭があがらない。

 宮野は高校の時からのツレだ。飽きっぽくて、言動が薄っぺらくて、万年金欠で、バイトばっかしてた俺を見捨てなかった唯一のダチだ。

 おとなしめで、堅実で、ギャンブルはもちろん信号無視だってしないような男。俺とは正反対。どうして仲良くなったのか不思議なくらい。

 きっかけは確かあいつが俺のことを褒めてくれたからだ。「かっこいいね」って。お洒落に命をかけてた頃だったから、その褒め言葉が一番嬉しかった。もう誰も、俺の話を聞いてくれなくなった時期でもあったから、雑誌や行きつけの店の店員から見聞きした知識を、一方的に宮野にまくしたてた。

 今思うと相当迷惑だったと思うのに、宮野は最後まで付き合ってくれた。俺は密かに「親友」だと思うくらい感謝してた。あいつに、彼女が出来るまでは。

 冷蔵庫をあけて缶チューハイを一本出した。酒は嗜む程度。いまのとこ、これにはまる気配はない。煙草も吸うけど、止めようと思えばやめられる気がする。

 ぼーっとテレビを見てたら携帯が鳴った。最近、ギャンブルに金を使わないから、毎月携帯料金も公共料金もきちんと払えている。前はよく宮野に「連絡がつくように携帯料金だけはちゃんと払え」と怒られたもんだ。

 電話の相手はその宮野からだった。

「どったの?」
『いま電話大丈夫か?』
「大丈夫、もう家で飲んでるし」
『GWは実家に戻るから。一応、知らせておく。お前はいつも急に来るから』

 世間で話題の大型連休。俺にはなんの予定もない。宮野んちでダラダラしようと思っていたのに当てが外れた。

「そっか。オッケーオッケー。わざわざあんがと」
『無駄遣いするなよ』
「しないって。俺最近、真面目だし」
『この前、金貸してって来たこと忘れたのか』

 呆れたような声。ぶっちゃけ忘れてた。だってあれ、嘘だし。

『まあいい。お前がだらしないのは今に始まったことじゃないしな。GWだからって浮かれるなよ。じゃあな』

 声が聞こえなくなった携帯をいつまでも耳に当てている。実家に帰るからって、わざわざ知らせてくれるなんて、宮野は優しい。っていうか、お人よしだと思う。だから俺みたいなだらしない奴に付け込まれるんだ。

 宮野と俺の関係は、俺のこのだらしなさのせいで、特殊なものになってしまった。

 そんなに金がないならウリでもやったらどうだって宮野に言われて、それを本気にしたら馬鹿かって怒られた。それなら僕が最初の客になってやる、と宮野は俺を抱いた。

 それ以来、金に困ったら、俺は宮野に買われに行った。一回五千円。フェラも下手糞なテク無しのド素人に五千円は高いって宮野は言う。俺もそう思う。だって俺のほうが気持ちよくなってる気がするから。

 だから最近は金に困ってなくても、宮野に抱かれたくなってしまう。この前なんか、また携帯止められそうだって嘘をついて宮野とセックスした。回を重ねるごとに気持ちよさが増してる。宮野も俺の体を熟知して、どこをどうすればいいのかわかってる。

 この前は、立て続けに2回、イカされた。頭馬鹿になりそうだった。

 思い出したらムラムラしてきた。GWに遊ぶ金貸してって、宮野んちに行ってやろうかな。でも今月は同期の奴が結婚するから金欠だって言ってたし。金のやりとりなしで宮野とセックスするのは、さすがにおかしいよなあ。

 チューハイの缶を置いてちんこを握った。宮野とのエッチを思い出しながら必死に擦る。イケそうだけど、なんか物足りない。ケツの穴に刺激がほしい。

 1人でする時は弄ったことがない。宮野んちに行く前にエチケットとして綺麗にするだけ。宮野にそうしとけと言われたから。

 ちんこ扱きながらケツの穴に指を突っ込んでみた。宮野のちんこを思いながら指を動かしてみる。興奮はするけど気持ち良くはない。

 そんなに経験あるほうじゃないけど、やっぱりエッチなことをするときは相手が欲しい。自分以外の肌の感触と温もりが欲しい。声が聞きたい。触られたい。見つめ合って、キスしたい。

「ふ、あ、あ、宮野…っ」

 射精の瞬間、ここ最近のモヤモヤが晴れた気がした。

 俺が次にはまったもの。

 それは、セックスだ。

 ~~~

 宮野に会えないGW初日、ソープに行った。女の子とセックスするのは何年ぶりだったか。ベッドに女の子が寝転がった姿を見たとき、自分が突っ込むほうだったと思い出したくらいだ。

 結果としては良かった。かわいかったし、会話も楽しかったし、サービスも良かった。少し緩い気がしたけど、女の子が一生懸命尽くしてくれたから気持ち良く射精できた。

 満足感は翌日まで続いた。今度は別の店を利用してみようかなとか、同じ子を指名して仲良くなろうかなとか、ソープ攻略の手順を色々考えていたんだけれど、三日目の朝にはもういいやって飽きてしまった。

 セックスにはまってるのは間違いないのに。

 今度はゲイ向けのデリヘルを頼んでみた。ホテルに現れたのは俺より若い今風の男の子。レイくん。緊張する俺を見て「初めてですか?」って親しげに話しかけて来るのはソープ嬢と同じ。

 世間話しながら一緒にシャワー浴びて、ベッドに移るとレイくんは俺にフェラしようとした。

「ちょちょ、ちょっと待って」
「はい? あ、なにか希望のプレイあります?」
「いや、じゃなくて。なんか、笑っちゃうっていうか」

 俺なにしてんの?って。頭のどっかがすごく冷静だった。見ず知らずの男が、俺のちんこ吸おうとしてんだよ? 股間に顔、近づけてくんだよ?

「えー、どういう意味ですか?」
「恥ずかしいって言う意味で! も、いいんで、あの、挿れてもらえる、かな?」
「了解」

 すけべな解釈をしたのか、レイくんはにやっと笑ってローションボトルを手にとった。コンドームを指にかぶせて、優しく丁寧に、一本二本と指を増やしながら、安全にセックスできるようになるまでそこを解してくれた。

 オナッててもいまいち物足りなかったところへ、あっついぶっといちんこがいよいよ挿入されるって期待に胸が張り裂けそう…になるかと思ってたんだ。でも実際は違った。肛門解されてる間、レイくんの肌の感触も温もりも、声すら気持ち悪く感じてしまった。

 レイくん個人への嫌悪というより、宮野以外の男とする行為そのものへの嫌悪だ。

「たんま! やっぱやめ!! 今日はむり!!」

 レイくんをおしのけ、ベッドの端へ逃げだす。レイくんは驚いた顔だ。

「俺、ほんと経験ないの。なんか怖くなっちゃった。ごめんね」
「あ、いや僕はいいですけど。お金は返せませんけど…」
「いい、いい! 俺が悪いから。今日はほんとごめんね、ありがと」

 とレイくんには帰ってもらった。シャワー浴びて、俺もホテルを出た。

 ソープ嬢とはできた。それは女の子とのセックスが経験済みだから。俺のなかの常識から外れることのない行為だから。

 レイくんとはできなかった。男としたのは宮野だけ。宮野は友達だ。見ず知らずの男じゃない。常識から外れる行為でも、金のためだからできた。

 金の絡まない状況で、俺は宮野とセックスできるだろうか。やりたいと思っていてもレイくんとしたときみたいに土壇場で怖気づいてしまうんだろうか。

 確かめたい。

 俺が本当はなににはまっているのか。

 ~~~

 GWもあと二日。そろそろ宮野も帰ってくる頃だなと思いながら家でテレビを見ていたら玄関のチャイムが鳴った。

 もしかしたらって予感がした。案の定、立っていたのは宮野。うちに来るなんて珍しい。

「おかえり」
「無駄遣いしてないか?」
「してないしてない。GW中ほとんど外に出なかった」
「ほんとか? とりあえずほら、みやげ」

 袋を手渡された。中には酒とつまみと、弁当がふたつ。あ、ここで食ってく気なんだって思ったら嬉しくなった。

「電話くれたら迎えに行ったのに」
「電話して繋がらなかったら嫌だろ」
「もう料金滞納しないって」

 財布から一万出して宮野に渡した。

「この前借りた一万」
「あれは…お前を買った金だろ」
「じゃあ、俺が払うから、エッチしない?」

 宮野の目が大きく見開かれる。

「なんで」
「俺、最近ギャンブルに飽きたっぽいんだよね。宮野は知ってると思うんだけど、俺が飽きる時って別の物にはまる時じゃん。俺、宮野とするエッチにはまってるっぽい」
「ばかな、ことを」

 俺の言葉を笑い飛ばそうとした。だんだん表情が真剣になって「本気か」と俺に訊いてくる。

「うん。ためしにホモのデリヘル頼んでみたんだけど」

 宮野はぎょっと目を吊り上げた。

「駄目だった。入れられるのも、触られんのも、宮野じゃないってだけで、ぜんぜんだめだった」
「僕とは平気なのか。ぜんぜん、嫌な気持ちにはならないのか?」
「ならない。逆にすげー気持ちいいからはまってんだし」
「……意外だな。気持ちいいなら、誰とでもできそうなお前が」
「俺もそう思ったんだけど、宮野じゃないとだめみたい」

 しばらく俺をじっと見つめたあと、宮野は横を向いてため息をついた。

「金はいらない。僕にもメリットはあるし」
「じゃあセックスしてくれる?」
「ああ。先にシャワー浴びてこい」

 宮野の気が変わらないうちに、と風呂場へ走った。





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