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利害の一致(2/2)

2016.09.22.Thu.
<前話はこちら>

 井口の腰を掴んで奥までちんこをハメた。解されてトロトロになったアナルは俺のちんこを喜んで迎え入れる。手招きするみたいに吸い付いて、お金絞りとる風俗嬢みたいに絡みついて、引く動作をすると行かないでとキュンキュンと締め付けてくる。たまらんな、これは。

 気持ちよくって夢中で腰を振っていた。押して引いて。引いては押して。抜き差しを繰り返した。

「はぁあっ、あっ、ああっ」

 井口も声をあげた。ちゃんと食ってんのかって心配になるくらい細っこい体。少し骨ばって筋張っているが、女と見えないこともない。しなる背中とか超えろいし。

 これでもまだおもちゃのほうが良いって言えるのか!

 パンパンと音を立てて高速ピストンで責め立てた。ちんこの根本のあたりがびっちゃり濡れた感触がする。泡立ったローションが抜き差しする度飛び散っていた。

「いあっ、あっ、あんっ! だめ……せんぱ、いっ! あっ、あぁんっ」
「オナニーばっかしてないで、生身の人間相手にしろよ」
「はあっ、あ、あいっ、はい! わかり、ま……ぃたあぁん!」
「ははっ、俺のちんこ、気持ちいいだろ?」
「はい! 気持ち、いっ! あっ、先輩のっ、ちんこっ、あっ、あんっ、気持ちいぃですっ」

 やっぱアナルセックスって気持ちいいんじゃないか。なのにどうして歴代彼女は誰もさせてくれなかったんだろう。こいつの善がり狂う姿を見せてやりたい。

「出すぞ、中に」
「ひあぁっ、あいっ、出して、くらさっ……なか……あ、はあぁんっ」

 喘ぎ声が止まらない井口の腰を抱え直し、グボグボと音がするほどちんこを尻穴に出し入れした。中はグチョグチョ。ちんこは熱々。陰嚢はカチカチだ。

 ビュルルッと精液が管を駆け抜けた。灼熱の快感に頭が真っ白になる。ぴったり肌を密着させて井口の一番奥にしっかり注ぎ込んでやった。生中出し最高。

「ああ……いっぱい、中に……っ」
「わかる?」

 小刻みに出し入れして、中に出した自分の精液を攪きまわした。たっぷり奥に溜まっている。グチョグチョと突いていたら、また勃起した。復活が早い。アナル効果だろうか。

「井口、お前、イッた?」
「まだ、ですけど」
「お前がイクまで、動いてやるから」

 井口の体を倒し、上向きにした。戸惑いの表情を見せる井口の片足を持ち上げて、その付け根へまたちんこを突っ込む。ローションと俺の精液とでぬるんと入った。

「せ、先輩……? 顔、見えないほうがいいんじゃ」
「俺はもう一回イッたし」
「俺の顔見て、萎えません?」

 言われてまじまじ後輩の顔を見る。男だ。どう見ても男だ。煙草休憩から戻った俺に「海外じゃ、煙草の匂いをさせてると出世できないそうですよ」って冷ややかな目を向けて来るムカつく後輩の顔だ。

 なのに不思議と萎えない。スカした井口が勃起させてるのが可笑しいし、今日飲みに行くのだって嫌そうな顔したこいつがアナニー中毒だってことも笑えるし、俺にちんこ入れてと言ってくるのも驚きだし、ガンガン突かれまくってアンアン喘いでいるのも、普段の姿からは想像もつかなくて──というか想像したくない──何もかもが、新鮮で、意外で、面白い。

「わりと大丈夫」
「なら、いいですけど」
「キスする?」
「えっ、なんで?」
「雰囲気?」
「嫌です」

 うん。やっぱムカつく。俺のちんこに屈服して女みたいに喘いでいる時のほうが可愛げがある。

 井口の膝を押さえるように広げて、中心に腰を打ち付ける。井口は眉を寄せて顎を持ち上げた。

「ああっ」

 晒されたのど元。噛みつきたい衝動にかられる。あばらの浮き出た平たい胸。色気もくそもねえのに、股間にくるものがあるのはなぜだ。

「はあぁん、ああっ、あ!」

 井口のちんこは俺の動きに合わせてビタンビタンと腹に頭を打ち付けながら、透明な汁を撒き散らしている。触ってないが、このままいけるんだろうか。

「ああっ、先輩……! そこ…っ……もっと、して……くださ……っ!」
「え、どこ、ここ?」
「あひっ、あ、そこっ、そこです……っ、あっ、きもちい……! そこ、あぁんっ、気持ちいいっ」

 枕をぎゅっと掴んで頭を振りながら、井口は気持ちいい気持ちいいと繰り返した。過呼吸を起こしたような息遣いで、その合間に女みたいに喘いで、俺のちんこが気持ちいいと口走りながらキュンキュンに締め付けて来る。  
 
 二度目は予定になかったのに、そんな井口を見てたらまた射精したくなってきた。熱々に蕩けたエロい穴に、何度も肉棒を突きたてた。

「あぁあっ、先輩のっ……おっきいちんこ、俺の……前立せ……んっ、ゴリゴリあたってます! 気持ちいいっ……あぁんっ、あっ、や、きた……! イク、先輩のちんこで俺、イッちゃいます……!!」
「おー、イッていいぞ」

 後輩井口からイクイク宣言を聞かされる日がくるとはな……、感慨深い。

 おもちゃなんかより生のちんこのほうが断然気持ちいいってわからせるために、ガンガンに突きまくった。カウパー出まくりのちんこで、井口の中を掻きまわしてやった。

「はあぁんっ、あ、あっ、あっ! 先輩っ……俺、もう、だめっ……っ……イク、イク……ッ……イッ──……あ、はあああぁっ……!!」

 食いちぎられんじゃねえかって程、きつく締め付けられた。体を硬直させた井口のちんこから白い液体が勢いよく飛び出す。大きく上下する胸にまで飛んだ井口の精液。俺もイキそうになってちんこを引き抜いた。井口を跨いで胸にぶっかけてやった。

 ハァハァと口で息しながら井口はそれを見ていた。文句でも言われるかと思ったが、呆れたように目を逸らしただけだった。

 射精後に襲って来た賢者タイム。なんか色々取り返しがつかない気がして、俺は井口に背を向けながらティッシュでちんこを拭いた。井口はため息つきながら、無言でシャワーを浴びに行った。

 中に出したし、胸にもかけたから、洗い流したほうがそりゃ手っ取り早いわな。

 スーツを着て、ベッドでシャワーの音を聞いていたら、猛烈に帰りたくなった。このあとどんな顔して井口に会えばいいんだ。井口となに喋ればいいんだ。

 ただアナルセックスしてみたかっただけの俺と、ただアナニーにハマッてちんこ突っ込まれてみたくなっただけの井口。オナニー行為の延長と言い張りたいところだが、これ立派なセックスじゃん。男同士の性交じゃん。ただのホモセックスじゃん。どう言い訳すんの。なんで俺、井口相手に一線越えちゃってんの。

 口から深くて長い溜息が出た。やっちゃったって後悔の念しかない。

 そうこうして井口がバスルームから出て来た。タオルで体を手早く拭きながら、俺に一瞥くれて、フフンって感じで鼻で笑った。

「なんだよ」
「やっちゃった、やべえ、どうしようって顔してるんですもん」

 お見通しかよ。

「お前はなんでそんなに平然としてんの」
「正直、期待値上がりすぎてました。こんなもんかって感じですかね」
「めちゃくちゃ喘いで善がってたじゃねーか」
「一人でしてる時の方がもっとすごいですよ」
「ほんとかよ……」

 あれ以上に乱れるわけ? 想像したら無意識に生唾飲みこんでいた。

「嘘ですよ」

 すぐ信じる俺を嘲笑うように、井口は唇を歪めた。こいつほんとに可愛くねえわ。ベッドの上でちんこ突っ込まれてる時のほうがよっぽどいい。

「このこと、誰にも言うなよ」
「言いませんよ。先輩こそ、あることないこと、言いふらさないでくださいよ。そんなことしたら法的処置取りますから」

 バスタオルを取って、井口も服を身につけた。さっきまで素肌で密着していたその体から、なんとなく目を離せないでいる。

 ワイシャツのボタンを留め、ネクタイを締め、ジャケットを羽織ると井口は俺に向き直った。

「出ましょうか」

 業務用の顔で言う井口に、いつものように財布を渡した。受け取りながら井口が微苦笑を浮かべる。

「いつも俺に財布渡しますけど、彼女にもそうなんですか」
「そうだな。小銭出すの面倒じゃん。ポイントカードなんかもややこしいし。人に任せちまう」
「盗られたりしません?」
「前に一度、金抜いた女いたな」
「学習しないんだか、お人よしなんだか」

 軽く肩をすくめながら、井口は自動精算機で精算を始めた。俺の財布から三千円出して、足りない分は自分の財布から出した。

「お前も、全部は俺に奢らせねえよな」
「奢ってやったって恩着せがましく言われるの嫌じゃないですか」
「頑固なんだか、律儀なんだか」

 理由はどうあれ先輩の財布に優しい後輩が可愛くて頭をくしゃくしゃっと撫でた。ものすごく嫌そうな顔で手を振り払われた。そうそう、最近の若い子は頭触られるの極端に嫌がるんだった。

 ホテルを出て、駅に向かって歩いた。ちょっとした疲労と、気まずさから無言になる。くたびれた靴を見て、そろそろ買い替えなきゃなーとか考える。

「先輩も悪くなかったですよ」
「え?」

 突然井口が話しかけて来た。

「先輩も、悪くなかったです。おもちゃ……より……、と、同じくらいには、良かったです」
「お前それ……、慎重に言葉選びすぎてだいぶ上から目線になってるけど」
「人のこと褒めるの苦手なんです」

 と、顔を顰めて唇を尖らせる。確かにこいつが誰かのこと褒めてるの、見た記憶がないかも。ということは、いま改めて褒めたってことは、実際はかなり良かったということだろうか?

「だったら最初から素直にそう言えよなー。まさか癖になっちゃったとか? もう疼く? また欲しいの?」

 つい浮かれて悪のりしたら、井口の軽蔑した眼差しが鋭く俺に突き刺さった。

「冗談だって、おっかねーな」
「冗談なら笑えるやつにしてください。今日はタクシーで帰るんで、それじゃあここで」

 駅前のタクシー乗り場で「お疲れさまでした」と軽く頭をさげると、井口はタクシーに乗り込んだ。実家暮らしは贅沢できていいなぁ。

 井口を乗せたタクシーがロータリーを抜けて、少し先の信号で止まった。小さく見える井口の後頭部。それを見つめながら「振り返れ」と念じる俺がいる。




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