FC2ブログ

利害の一致(1/2)

2016.09.21.Wed.
「入れさせてって頼んだら、ありえないって振られちゃってさー。そんなにありえないことかな?」

 居酒屋で先日彼女に振られたことを会社の後輩の井口に愚痴る。どんなに飲んでも見た目が変わらない井口は「人によるんじゃないですか」と投げやりな返事。

「お前は? ありなの、なしなの」
「俺は正直無しですね。ケツに入れたいと思ったことはないです」
「AVの見過ぎって言われた。ネットでもアナルセックスしたって書きこみ見るのに、なんで俺が付き合った女は誰も入れさせてくんねーんだ?」
「まあ普通は嫌なんじゃないですか。よっぽどの女でない限り。先輩は、なんでそんなにケツに入れたいんです?」
「気持ちいいらしいから。中出ししても妊娠しねーし」
「理由が最低ですね」
「あーあ、どっかにケツでやらせてくれる女、落ちてねえかな」
「そんなにケツでしたいなら男とヤッたらどうですか」
「この際、男でもいいかも。顔さえ見なけりゃ、かわんねえしな」
「飲み過ぎですよ。もう出ましょう」

 井口に腕を引っ張られて席を立った。財布を井口に渡す。井口は二千円抜いて、足りない分は自分の財布から出して勘定を済ました。

 店を出て、駅に向かう。隣の井口の足取りが、酔っぱらってる俺よりのろい。

「どうした?」
「ほんとに男とできます?」

 さっき店でした話題だと思い出して、ノリで「できるできる」と返した。井口が完全に立ち止まる。自分の足元を見つめながら、

「入社したときから世話になってる先輩だから話すんですけど、俺、アナニーしてんですよね」
「あなにー?」
「オナるとき、ケツを弄るんです」
「え、そんなことやってんの」
「前立腺オナニーっつって、興味本位で始めてみたら、それ以来癖になって」
「好奇心は猫をも殺すっていうからな」
「今じゃエネマグラとか、アナルバイブ使うくらいハマッちゃって」
「よくわからんが、もう引き返せないとこまでドハマりしてんだな?」
「そこで提案なんですけど、先輩さえよければ、俺のケツ、使ってくれませんか?」

 というわけで、俺たちはホテルに行くことになったのである。

 である。じゃねーよ。どうすんだよ。男となんかできるかよ。俺がしたいのは女とのアナルセックスであって、ちんこがついてる男とセックスしたいわけじゃない。俺は女の体を抱きたいのだ。穴だけでいいなら、それこそオナホで充分だわ。

 酒の席だけじゃなく普段の生活でも滅多に顔色を変えない井口が顔を真っ赤にしているもんだから、ノリで「できる」と言っただけとは今更言い出しにくい。

 しかも自分のケツを使えなんて勇気ある変態的な提案をしたのに、嫌だなんて断りにくい。

 ただでさえゆとりの新入社員の扱いは気を遣うのに、明日から俺が理由で出社拒否されて、その上井口の親が怒鳴り込んできたりなんかした日にはもう……。目も当てられねえ。

 変わらないように見えて井口も相当酔ってるんじゃないの? 少し歩いて、水でも飲ませて落ち着かせたら正気に返るかも。そんな期待をしつつ、ゆっくりホテルに向かい、水を飲ませ、覚悟の表情がかわらない井口にシャワーを勧めた。

 なのに。

「先輩も、シャワーどうぞ。その間に俺は準備しておきますから」

 って。シャワーの終わった井口は仕事中みたいな顔つきでローションを手に出して言った。やる気満々だよこの子。どうしよう。

 逃げるようにバスルームへ。井口が入ったあとだから湿気がこもって床も壁も濡れている。過去に経験のあるシチュエーション。しかしまさかベッドで待っているのが男とは。しかも会社の後輩。

 最近の若い子って男同士とか平気なのか? 明日からどんな顔すればいいとか、ふつう考えないか? 俺が古いの? たった5歳しか違わないのに? 

 グルグル考えながら、頭と体を洗って、ちんこも念入りに手入れした。これ、本当に井口に入れるのか? そもそもあいつのケツで勃つか? 怯えて縮こまってんぞ。

 酒のせいで無理だったー、が一番井口を傷つけない終わらせ方だ。この手でいこうと決めてバスルームを出る。いつの間にか照明が絞られて薄暗い。雰囲気だしてんじゃねえぞ。

 ベッドの上に盛り上がり。近づくと、井口が布団をかぶって頭だけ出してた。寝ててくれりゃ、と思ったが、瞬きしないで天井を凝視している。こえーよ。

「変なこと頼んですみません。話の流れで……俺も酔ってて……、先輩にしか、こんなこと頼めなくて」

 あいかわらず天井を見つめながら口だけを動かして言う。

「お前って、ホモなの?」
「ホモじゃないです。アナニーが好きなだけで。エスカレートして、ちんこ入れてみたいって思っただけで、ホモではないです」

 エスカレートしすぎじゃね。まあ俺も、エッチへの好奇心が強すぎてアナルセックスに辿りついたわけだから、人のことは言えないが。

「準備できてんの?」
「はい。やりすぎて、一回出しました」
「いいよ、そんな報告してくんなくて……そんなに気持ちいーの?」
「……期待だけで俺、かなりやばいです」

 興奮を抑え込んでいるのか声が熱っぽくて少し震え気味。怖い。

「かなり酒飲んだからなー。勃つかわかんねえけど、試す?」
「よろしくお願いします」

 と言いつつ、井口は布団のなかで動かない。俺が布団めくってこいつの上になんの? 躊躇とムカつきを感じながら布団をはぎ取った。横たわる全裸の井口。天を睨む股間の一物。一回出したんじゃねえのかよ。

「……とりあえず、後ろ向けよ。やりづれーわ」
「その前に……」

 体を起こした井口が俺のちんこに手を伸ばしてきた。握ってクニクニと揉み始める。

「俺じゃ勃たないでしょうから」

 少し申し訳なさそうに言ってシコシコ擦る。井口相手でも、他人の手でこすられると血液が集まってしまう。勃ったら困るんだけど。

 俺の股間に視線を注ぐ井口は、普段見ない顔つきだった。新入社員歓迎会を「僕、お酒あんまり好きじゃないんで」と断ろうとしたこいつが。部長の親父ギャグを鼻で笑って白けた顔をするこいつが。斜に構えて馬鹿騒ぎなんかしませんって顔してるこいつが。

 雄(雌?)の顔つきで、呼吸も乱れさせて、勃起させながら俺のちんこをしごいている。

 猥談に興味ないって態度だったくせに、俺のちんこに興味津々だったのかよ。

「舐めれる?」
「えっ」

 思い付きが声に出てしまった。井口は狼狽えた目を俺に向けた。

「無理ならいーけど」
「……やってみますけど……下手だと思いますよ」

 まじかよ。井口は口をあーんと開けると亀頭をぱくりと咥えた。舐めるんじゃなかったのか。口に入れてどうする気だ。しゃぶるつもりか。

 遠慮がちな舌が先端を舐める。唇で絞る。あったかくてぬるぬるした口腔内。女と何も違わない。いや、同性の男にやらせてる征服感、背徳感はなんとも言えない興奮を生む。

 どんどん血液が集まる。海綿体が充血する。咥えてる井口も少し大変そうだ。

 熱い息を俺に吹きかけながら、とうとう井口は口を離した。完全に勃起している。酒で無理だった作戦は使えなくなってしまった。これはもう諦めて井口に突っ込むしかなさそうだ。

「中出しするぞ、俺」
「生ってことですか? 先輩がそうしたいなら」

 どうせやるなら、やりたかったことやっておかなきゃやり損だ。

 四つん這いになった井口がのそのそと後ろを向いてこっちに尻を突きだした。毛のないつるんとした綺麗な尻だ。触ってみると井口は体を強張らせ腰を揺らした。

 肛門を覗きこむ。いつもアナニーしてバイブやら突っ込んでいる割にこちらも薄い色付きで綺麗なもんだ。ローションに濡れそぼるそこへ指を入れてみた。「んっ」と井口が小さく呻く。

 そこは充分解されていた。柔らかくて温かくて、そのくせキュウキュウと物欲しそうに俺を締め付けて来る。体温でローションも温められていて、濡れた女のようだ。

 顔さえ見なけりゃ、できそうだった。というかぶっちゃけ、早く入れたい。

「入れんぞ」
「はっ、はい!」

 井口のケツにちんこをあてがい──、腰を進めてずぶっと亀頭を押し込んだ。ぶりんっと井口に頭を食われる。玩具で弄り倒したいやらしいケツ穴のくせに、焦るほどきつい処女ケツマンコだ。

「どーよ、井口。初めての、本物の、男の勃起ちんこは」
「あ、熱くて……硬くて、おっきくて……やばいです」
「おもちゃとは違うだろ」
「はいっ……ぜんぜ……違います……っ」
「どっちが気持ちいい?」
「おもちゃ……っ!」
「はあ? そんなわけねえだろ。俺の聞き違いだよな?」
「おもちゃだったら……自分の好きなとこ、好きなように、動かせます、からっ……」
「よーし、オナニーとセックスの違いを教えてやる」




マリーゴールド

関連記事
スポンサーサイト
[PR]