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楽しい同棲!(2/2)

2016.09.13.Tue.
<前話はこちら>


「こいつが祐太のなかに入りたいってさ」

 それを握ると、西山はぎゅっぎゅとしごいた。恐ろしいほど胴回りのある竿部分には、のたうつ蛇のような血管が浮き上がり、定規をあてたら1センチはあるんじゃないかと思うほどカリ高で、亀頭もでっぷりとして肉厚。どっかの奇祭に参加すればありがたがられて崇め奉られるんじゃないだろうか。それほどの迫力。畏怖の念すら感じる。

 あれが俺の体を貫くのだ。あんな凶悪なもので中を掻きまわされ、ベッドの上を引きずりまわされるのだ。それも、毎日! 最低2回は!!

 きっと俺はこのあと西山にヤラれる。間違いなく。そしてクタクタな状態で風呂に入り、寝てしまいたいのを我慢してなんとか夕飯を食べたあとにまたヤラれる。そうに決まっている。これがいつものパターンだ。ひどいと、一緒に風呂に入ったときにも突っ込まれる。

「い、いやだ……っ」

 俺は首を振った。

「今日はもう嫌だっ」
「一日一回はさせてくれる約束じゃなかったっけ?」

 西山は俺の足を掴んでひょいと自分の肩に載せた。そしてしっかり解した穴へ、先端を押し当てた。粘液を馴染ませるように動かして周辺をこねくりまわす。

 ぞわぞわっと毛が逆立った。毎回、ぶっ壊される恐怖に怯えながらも、それに与えられる快感は強烈で、正直、これ以上の快楽はこの先味わえないんじゃないかとさえ思えるほどだ。

 だから怖いのに、期待してしまう。指より太いものを。出入り口だけじゃ物足りない。もっと奥を擦って欲しい、と。

 西山とのセックスはある意味ギャンブルだ。限界近い負担を強いられるが、そのかわり得るものはでかい。一歩間違えば病院行き。なのにやめられない。完全に中毒だ。

 自分のもののでかさを理解している西山は慎重にゆっくりと入れて来る。まずは幼/児の拳ほどある亀頭が。そして慰め程度のくびれを経て、最難関の竿部分。メリメリと括約筋が悲鳴をあげる。

 そこを入れられる時、腕を伸ばし切って指の第一関節だけで辛うじて隣と繋がっている擬人化された括約筋の姿が数人頭に浮かぶ。みんな歯を食いしばり、汗水垂らして耐えている。この指が離れた時こそ、俺の肛門が決壊するときだ。頑張ってくれ、みんな!

 そんな現実逃避をしながら、西山を受け入れる。俺、細見の男とならフィストファックできる気がする。やりたくないけど。

「ああっ、あっあ……っ……はああああぁ……!!」
「全部……、入った」

 西山のほうもこの作業は気力と体力を使うらしく、頬を上気させて額に汗している。口元には満足げな笑み。乾いた唇を舐める動作が野獣じみててエロい。

「や……だ……、や……、動くな……まだ、や……」
「大丈夫、ゆっくりするから」

 手を伸ばして俺の頭を撫でる。

「ひぅっ」

 俺は目を白黒させる。体を動かしたせいで、中でごりりっと西山のちんこも動いたのだ。俺の悲鳴を喘ぎと勘違いしたのか、西山の目が喜色に輝く。

「ほんとに、俺と祐太の体の相性って抜群だよね」
「う、るせ……、おま……動くなよっ……!」
「すごく気持ちよさそう。梨香なんか痛がってばっかで、先っぽも入れられなかったのに」

 こんな時に元カノの名前持ちだしてんじゃねえぞ、この無神経野郎がっ!! 俺だって最初は先っぽどころか1ミリたりとも入れさせたくなんかなかったんだよ! 部活の合宿で俺をむりやり犯したくせしやがって!

 と咽喉元まで出かかった言葉を飲みこんだ。あの時の自分の痴態は忘れたくても忘れられない記憶となって脳に刻まれている。

 西山に突っ込まれた俺は喘ぎまくって射精した。アナルセックスはもちろん、男女のセックスもしたことなかったのに。いきなりの、西山の極太勃起ちんこで俺はイッた。そのあとトイレでもまた西山に犯されてイッた。しかもトコロテンだ。申し開きできない。

 西山の言う通り、相性は悪くはない。相性が良いことが問題なんだ。

「そろそろ動くよ」
「うっ、まだっ、あっ、ああっ」

 ずぶぶと西山は腰を引いた。ぴったりと密着している上にカリ高なので粘膜が裏返るんじゃないかと不安になる。脱肛して病院に行くなんて嫌だ。

 そしてまたゆっくりと押し戻される。馬鹿でかい亀頭が前立腺を擦る。通過すると文字通り腕ほどもある陰茎がそこを擦る。

 ローションを継ぎ足しながら、ゆっくりと、出したり入れたりを繰り返す。伸びきった括約筋の苦痛も和らぎ、西山の大きさに不本意ながらも慣れていく。

 グチュッグポッといやらしい音を立てながら、西山は腰の動きを速めていった。

 一番感じるところをゴリゴリやられてちんこの根本がジンジンと熱くなってくる。射精したばかりなのに俺のちんこは芯を持ってゆらりと立ちあがった。西山の動きに合わせて頭を揺らす。鈴口からは透明な汁がトロリと垂れ落ちた。

「はあぁんっ、ああっ、あ、待っ……! 西山……!!」
「ねえ、やっぱり一日二回にしない?」
「やっ……だめっ! 絶対……や、だっ……!! やっ……あっ、あああっ」
「こんなにやらしい体してるくせに」

 と、俺のちんこの裏筋をツンと指でなぞる。玉がきゅっと持ちあがる。

「俺の全部、祐太に注ぎ込みたいよ」

 うっとりした顔で恐ろしいことを口にしたあと、西山は片膝を立てた前傾姿勢になった。俺の足を押さえつけながら腰を叩きこんでくる。尻から内臓のほうまで響くような重い一撃一打。

「ううぅ……んあぁっ! それ……や……ああっ、あんっ! 奥……まで、キテるからぁああっ!!」

 脳内アドレナリンが出まくりだ。痛みは快感。苦しみは快楽。めちゃくちゃにしてくれ! そんな心境。

「俺も感じるよ、祐太の一番奥」

 力を込めたのか、ぐわっと中で西山が膨らんだ。

「はぁああっ、あっ、全部っ……気持ちい……!! ああ……! またイキたくなるっ……」
「イッちゃえ」
「あっ、あんっ! ほんとに……出るっ……!! また……ああっ……すご……気持ち、いいっ……ぃ……はっ、あ、ああああぁっ……!!」

 二回目の射精をした。中ではまだ西山が動き続ける。

「ひぃっ……ひっ……ま……あっ……んんっ……なに、これ……? また……なんかくる……! やだ、これ……!! 西山ぁ……っ」

 絶頂が続いている感じがずっとする。イク感じが大波なら、今は小さい波がひっきりなしに押し寄せて来る感じ。休む間もなく、軽くイカされ続けてる。

「ああっ、あっ、や、だ……! 止め……西山、動く、なっ……ああぁんっ……だめ……て、ば……! あっ、ひ……いやっ、あっ、また……あ……イク……嫌だ、イク、怖いっ……!」
「大丈夫だよ、祐太」

 俺の必死の訴えを一蹴し、西山はガンガン突きあげる。もうすぐそこだ。目の前には何もない。空虚だ。そこを越えたら強制的にまた達してしまう。落ちてしまう。

「あぁぁっ、あっ、いっ……ぁっ……ッ………………ッ!!」

 真っ白な世界で声にならない叫びを上げながら俺は頂からダイブした。



「可愛い寝顔をして」

 と笑いを含んだ声が聞こえた。男の声。西山だ。声のしたほうへ腕を伸ばす。手を握ってくれた。大きくて温かい手。

「目覚めのキスをご所望かな」

 キザったらしい言い方にふっと頬が緩む。口が塞がれた。唇の間から舌が入り込んでくる。歯列をなぞられ、口を開いた。すぐ奥まで入ってきて、寝ぼけてる俺の舌を絡めとる。

「ん……ん……にしやま……」
「にいさんと呼んでもいいんだよ」
「ッ?!」

 カッと目を開いた。ベッドに腰かけ、顔を覗きこんでいるのは西山じゃなく、西山の父親だった。

「ちょっ! えっ……?! あれっ?!」

 舌を絡めた感触超リアルだった。口元拭ったらなんか濡れてる。やっぱりキスした?!

 西山父は目が合うとにこりと笑いかけて来る。

 寝込みを襲ってキスしやがったなこのクソ親父!! 俺はあんたの豊川秋広じゃねえっての!!

「おいっ、にしや――――ッ!!」

 隣の西山を起こそうとして、自分が全裸だということに気付いた。そして当然隣の西山も。

 慌てて布団を引きあげる。西山父を窺えばすべてお見通しって顔で、驚くなんて無駄と言わんばかりだ。

 こういう時、どういう顔すればいいんだ?! 男の恋人の父親にゆうべの情事を全部悟られた朝のベッドの上で、しかも寝込み襲われてキスされたとか、なんかもう色々おかしくて処理できない。

 そういえば前にも一度、西山としてる時の声を聞かれたことがあった。思い出したくない過去まで思い出して顔が熱い。

 そういえば、どうしてこの人、ここにいるんだ? 鍵は?!

「うぅ……ん、もう起きたの……祐太……」

 隣の西山ものんびりとご起床。俺の肩にちゅっとキスする。やめろ馬鹿!!

 体をずらして、西山父の姿を見せる。俺の向こうに父親がいたのに、西山は特に驚きもせず、眠たそうな目で自分の父親を数秒見たあと、「おはよう、父さん」と朝の挨拶をした。そうそう、挨拶は大事……って今そんな悠長にしてる場合かよ!

「早いね」

 寝癖のついた頭を掻きながら、西山が言う。まるで最初から来るのがわかってたみたいな口調。

「仕事に行く前に欲しかったからね。朝食を作っておいたからあとで食べるといい」
「あ、ほんと。ありがとう」
「じゃあもう僕は行くよ。君たちも学校に遅れないように」
「はい。いってらっしゃい」

 手を振って西山父は寝室を出て行った。しばらくして玄関のほうから扉の開閉音と、施錠する音が聞こえて来た。ということは西山父は鍵を持ってるってことだ。確かにここはあの人の家だけども! 合鍵使って入りたい放題かよ! 俺たちのプライバシーは?! 俺の身の安全は?!

「どういうことだよ、おい、西山!」
「なにが?」

 問い詰めるも、西山はきょとん顔だ。

「あの人が来るって知ってたのかよ」
「知ってるよ。母さんが欲しがってる資料を取りに行くって昨日連絡があったから」
「俺にも教えておけよ! こんなの見られたら、昨日俺たちが何してたかバレバレだろ!」
「別に構わないだろ」
「構うよ! 俺は常識人だからな! しかもあの人が合鍵持ってることも教えなかっただろ!」
「あ、そうだっけ。忘れてた。でも来る前は必ず連絡してくれるって」
「それをお前が忘れてたら意味ねえだろうが!! この馬鹿山!!」
「朝から元気だなぁ」

 って西山が苦笑する。誰のせいで朝からこんなに怒り狂ってると思ってんだ!

 えっ……朝……?

 俺はここで重大な事実に気が付いた。もう朝? いつ寝た? 風呂に入った覚えも、晩飯食った覚えもないぞ。

 記憶を遡る。夕飯前、イヤホンを探しに来た。そして西山とセックスすることになって……。2回イッたあとの記憶がない。もしかして、

「俺、昨日、気絶した?!」
「覚えてないの? 空イキして、飛んじゃったんだよ、祐太」
「空ッ……」
「ドライでイケたね」

 おめでとう、みたいに言うんじゃねええええぇぇっ!!

 そうだ、思い出いたぞ。ずっと軽くイキ続ける感じが続いて、怖くなって俺、西山に止めてくれって頼んだんだ。なのにこいつときたら、止めるどころかガンガンに突きまくってきやがった。

 挙句のドライオーガズムだよ! 男なのにケツ掘られてメスイキしちゃったよ! しかも失神だよ! もう色々と泣きてえよ!

「赤飯炊く?」
「ってボケエェッ!! もうやだ! もう無理!!! もう二度とお前とはヤんねえ!!」
「なに怒ってるんだよ、祐太。一日一回……」
「させるか馬鹿野郎があぁぁああっ!! お前なんか豆腐の角にちんこぶつけて死ねばいいんだよ!!」
「斬新だなあ」

 西山はプッと吹きだした。俺、ブチ切れ。枕で西山をタコ殴りにしたあと、ベッドを出てシャワーを浴びた。さすがになんか不味いぞと気付いた西山が、俺の周りをうろちょろしながら「ごめん」「ご飯食べよ?」「父さんのご飯おいしいよ?」ってご機嫌とろうとしてたけど全部無視して、支度をするととっとと家を出た。

 テーブルに並んでた朝食。湯気の立つ味噌汁。うまそうだった。こんな喧嘩しなけりゃ食べられたのに。

 昨夜もご飯を食べ損ねてる。電車の中で、お腹が鳴った。




俺と上司のかくしごと

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