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DL開始のお知らせ

2016.03.15.Tue.
※しばらく上に固定しておきます

お久しぶりです!またまた一ヶ月くらいあいてしまいました。

その間にこのブログが2周年目を迎えました。2月14日。バレンタインなので覚えやすい開設日。
ありがとうございます!ひとえにご訪問下さる皆様のおかげです!!いくら趣味、書く事が好き、ただのBL好きとは言え、誰に見せることもなくせっせと書き続けるのは寂しいです。
パソコン画面の向こうに誰かいると思うからこそ意欲もわいて来るというものです。
本当にありがとうございます!!

できれば14日にお知らせしたかったんですけども、遅筆なもので間に合わずに…しかしDiGiket.comさんのお仕事が驚異的に早いおかげで一日遅れでお知らせすることが出来ました。

DiGiket.comさんにて、DL開始しました。

不埒な短編集 第二集
税込み108円のところデジケ特価税込み103円だそうです!

…なんの捻りもない、いつも通りのタイトルです。

作品説明
『3つの話が入った短編集です。

「保健室の先生」
代理できた先生が実は淫乱

「ハートをあげる」
催眠術をかけたつもりが腹黒優等生に犯される

「白雪姫と7人の屈強な男」
見下していた7人の取り巻きに犯される

最初は嫌々、最後には甘エロのつもりで書きました。』


こんな感じになります。

1周年記念の「不埒な短編集」もこちらでDLをお願いしました。価格は↑と同じく税込み103円になります。
合わせてよろしくお願いします!

すでにどなたかお求めくださったようで、ありがたいです!!ここを見て下さっているかはわかりませんが、ありがとうございます!



というわけで、お知らせは以上になります。
これからも頑張りますのでお付き合いいただけたら嬉しいです!
(* ´ ▽ ` *)
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視線の先(2/2)

2016.03.02.Wed.
<前話はこちら>

 連れて行かれたのは野球部の部室前。木原は木で出来た扉を両手でガタガタと揺らし、「よっ」と掛け声をかけて扉を開けてしまった。

「ボロいし、建てつけが悪いから、コツさえ掴んだら鍵がなくても開くんだよ」

 木原が先に中に入った。部室は思っていた以上に狭くて散らかっていた。

「畳なんだ……」
「そこで靴脱げよ」

 玄関みたいな狭い三和土に靴を脱いで、擦り切れてボロボロの畳に足を乗せた。左手にロッカーが並び、右手は鞄や用具が乱雑に置かれた棚になっていた。

 ここで冴島が着替えたりチームメイトと話をしたりしているのか。記念に写真を撮りたいと指先がうずいて思い出した。まだスマホは木原に取られたままだ。

「あの、スマホ」
「終わったらな」
「なにが」
「セックスに決まってるだろ。ケツ貸せって言ったのもう忘れたか?」
「セッ……!」

 俺をからかってるんじゃないのか。本当に木原はホモで、俺のケツでやるつもりなのか。

「冗談じゃなくて?」
「冗談ならもっと見た目のいい男選ぶわ」

 悪かったな。じゃあ今から他の男に頭下げて来いよ。

「時間ないから早くしろよ」

 木原が棚を漁って何かを探しだした。

「え、早くってなにを……」
「ズボンとパンツ脱いでケツ出しとけ」
「木原くんはなにを」
「ワセリン探してんだよ。確かこのへんにあったはず……あ、あった」

 薬局で見かけるオーソドックスなワセリンが出て来た。何に使うつもりだ。

「おら、早く脱げ」

 蓋をあけながら木原が俺のケツに蹴りを入れて来る。むちゃくちゃ恥ずかしいし屈辱的だが、スマホを人質に取られているので俺は言われた通り、ズボンとパンツを脱いだ。

「そこに四つん這いになれ」
「ええっ」
「仰向けでもいいけど」
「四つん這いでいいです」

 畳に膝と両手をついた。自分の格好を客観視したら急激に顔が熱くなった。俺は一体なにをしているんだ。野球部の部室で。四つん這いになって。木原にケツを見せて。

 これからなにをされるか本当にわかっているのか? 予想が正しければ俺はいまから木原にレ/イプされるんだぞ?! 男が! 男に!

 どう処理したらいいんだ。いくら冴島のためとはいえ。いや冴島は関係ない。俺が一方的に冴島をストーキングしていただけだ。冴島のせいじゃない。俺のせいだ。本当に俺だけのせいか? 人の弱みにつけこむ木原のせいじゃないか?!

「のわっ」

 いきなり木原が尻を掴んで左右に割って来た。つまり俺の肛門が木原に丸見えなのだ。

「な、なにをっ」
「ワセリン塗るから。ローションなんてないからな」

 俺の尻の前に座り込んだ木原が、ワセリンをつけた指を尻の穴に入れて来た。普段出すばかりの場所に異物を捻じ込まれる不快感は耐え難いものがある。

「なにしてるん、ですか、それっ」
「童貞か。童貞だよな。女と違って男は濡れないから、こういうので潤いを足すんだよ」
「潤いっ、必要ですか?!」
「乾いてると女も痛がるし、こっちも引き攣れる感じがして痛いんだよ」

 木原はやっぱり女と付き合ったことがあるんだ。

「本当にホモ、なんですか?!」
「ホモだよ」

 俺の尻の穴に指を出し入れしながら木原はまたあっさり言った。

「なんで俺にこんなことすんの?!」
「普通に生活してる高校生がホモに出会う確立なんて低いだろ。更に相手と相思相愛なんて奇跡だ。でも欲望だけは溜まってく。だったらこの際、相手はどうでもいいから仲間に出会えたらとりあえず経験したいって思うのが年頃の男子高校生」
「好きな人いないの、ですか?!」
「話聞いてた? たとえ誰か好きになっても、そいつがホモな確立ってすごく低いんだよ。お前もホモならわかるだろ」
「だから俺、ホモじゃないんですけど!」
「冴島のストーカーしといてよくもまぁ。じゃあお前、冴島のこと考えてオナッたことないの?」
「……あるわけないじゃないですか」
「間があったけど」

 クツクツと木原が笑っている。俺は腕の中に顔を突っ伏した。嘘をついてしまった。しかも見抜かれている。本当は何度も冴島を思ってオナニーした。だって冴島のことを考えていたら自然と勃ってしまうのだから仕方ないじゃないか!

「考えようだよ」

 木原は俺の尻から指を抜いた。入念に弄くり倒されたせいで、俺の尻はジンジンと熱っぽい。

「冴島が好きでも報われることは絶対ない。お前も俺で手を打って、ここらへんで性欲発散させといたほうがいいぜ」
「レ/イプでか!」
「優しくするって」

 俺の尻に弾力のあるものが押し当てられた。ああ、まさか。

 ヂュプ、と粘ついた音を立てながらそれが中に入ってくる。むりむりむり! 痛い痛い痛い!ピリピリする! これ裂けてる!!

「きっつ……」
「抜けばいいんじゃないかなぁあ?!」
「痛い?」

 当たり前の質問に腹が立ってヘッドバンギング並みに頷いた。

「ゆっくり動くから」

 俺の腰を持って木原が前後に尻を振る。木原のペニスが俺の中を出たり入ったりしている。内壁擦られる感触が気持ち悪い。

「まだ痛い?」

 痛みより気持ち悪さが勝る。どっちも一緒だと頷いた。

「俺は気持ちいい」

 知るか! っていうかそんなこと言うな!

「ちょっと早く動かすよ」
「無理無理無理!」

 言葉通り、木原の腰の動きが早くなった。ズッチュグチュグチュといやらしい音を立てながらリズムよく腰を振る。俺の尻穴が、木原の男根によって掘削され、何度もピストンされているという事実! 俺のこと忘れていたような相手に! 脅されてレ/イプされている!

「まだ気持ちよくない?」
「き、ンッ! もちよく、なるわけ! なっ! あっ!」
「それって喘ぎ声?」
「断じて、違う! 木原くんが突くからっ! 声、がっ!」
「突くって、やらしい言い方」
「なに言ってンッ! んあっ」
「今のは喘ぎ声だろ」
「違うって!」

 否定したあと手で口を塞いだ。今の声は本当に喘いでしまったかもしれない。ゴリッと擦られた場所がちんこの根本をジンと刺激した。木原は「さっきのは喘いでたって」とジンとした場所を探り当てようとペニスを擦ってくる。

 木原がせっせと塗りたくったワセリンのおかげで俺の中でペニスがズブズブと動いてジンとした場所を何度も擦っていく。

「うっ、あっ」
「ほら、ここだ」
「違っ」
「違わねえだろ」

 心得たりといった感じで木原は的確にそこを責めてきた。俺のペニスの根本、その裏側をゴリゴリと。空気を入れられた風船みたいに俺のペニスが立ち上がる。レ/イプされているのに勃起させてしまうなんて。

「はぁぅ、んっ、あっ」
「良さげ」
「良く、なっ、あんっ! あっ!」
「お前、そういう声出せるんだ」
「嫌だ、やめろっ」
「途中でやめれるわけないだろ」

 ガンガンに掘りまくってくる。すでにずいぶん奥まで発掘されていたのに、さらに奥へと突き進んでくる。まじで吐きそうだ。

「うぅっ、あ、奥っ、深いっ」
「言うこといちいちやらし過ぎ」
「早いっ、ゆっくり!」
「もう俺出そうかも」

 しばらくパンパンと俺の尻を打つようにピストンしていたが、射精の時が近いのか小刻みに腰を振りだした。終わる。やっと終わる。だが待て。まさかこのまま、中に……?!

「待っ……!!」

 止める前に木原は達してしまった。ドクドクと俺の中に木原の精液が注ぎ込まれる。外に出すという選択も出来たはずなのに!

「やばい。超気持ちいい」

 満足げに呟いて、木原がズルリと俺の中から出て行った。出て行ったあともそこがジンジンして熱い。四つん這いのまま首をひねって振り返れば気だるげな表情の木原がティッシュでちんこを拭いていた。あれが俺の中に……

 視線に気付いた木原がティッシュを蹴って寄越す。射精してない俺はナニを拭けばいいんだ。そうか。ケツか。木原の出した精液を拭けばいいのか。俺は本当に汚されてしまったのだ。

 数枚ティッシュを取って尻を拭った。そんなにティッシュは濡れない。ほとんど全部、中出しされてしまった。妊娠しない男で良かった。いや、今回は男だからレ/イプされてしまったんだった。

「トイレ行って出したほうがいいぜ。ジワジワ漏れて来るらしいから」
「もう黙ってて欲しいんですけど」

 レ/イプ魔の親切心なんてクソの役にも立たない。ただ神経を逆撫でするだけだ。

「こんなことして、悪かったな」
「謝るなら最初からするなよ」
「ごもっとも」

 膝に手をついて木原が立ち上がる。いつの間にか身なりを整えている。俺はまだ半裸だというのに。

「俺のスマホ返してくれ」
「あぁ、そうだった。忘れてた」

 木原は棚にあるカゴの一つからスマホを出して俺に渡した。無事だったか俺のスマートフォン! 画面を見て一瞬思考が止まった。カメラが起動している……? タイマーが進んでいる……ということは、これはムービー! しかもまだ録画中!

「ちょっ、なにっ、なんでムービー?!」
「ついでに録画しといた」
「はっ?!」

 急いで停止ボタンを押した。自分のレ/イプ現場を録画されてしまった。二重三重の辱めだ。唯一の救いは木原がこれを強請りのネタに使う気はないということくらいだ。

「頭おかしいの?!」
「それ持って警察行くなりなんなり好きにして」

 じゃあな、と手を振って木原は部室から出て行った。

「警察、行くなり……?」

 言われてみればこれは木原が犯した性犯罪の決定的証拠だ。それをわざわざ奴は残して行った。なぜ? 捕まりたいのか? いや違う。こんなもの持って男が警察に行けるわけがないと高を括っているのだ。誰にも見せられるはずがない、と。

 俺はパンツとズボンを穿いて畳の上に正座した。深呼吸して気持ちを落ち着かせる。

 木原は本当に録画したのだろうか。俺を動揺させるための嘘かもしれない。確かめるために再生ボタンを押した。

 画面いっぱいに木原の顔のドアップが映し出された。角度を調整しているのか画面が大きく揺れる。

『木原くんはなにを』

 俺の声だ。

『ワセリン探してんだよ。確かこのへんにあったはず……あ、あった』

 あの時にカメラをセットしていたのか。ワセリンを持った木原が画面から離れて行く。俺に蹴りを入れるところもバッチリ映っていた。

 パンツとズボンを脱いで俺が四つん這いになる。顔はこちらを向いているのは幸か不幸か。

 カメラは俺と木原の全体を映していた。木原がワセリンを指ですくって俺の尻穴を弄るところもばっちり映っている。生々しい、俺のレ/イプの記録。

 見るのが辛くなって止めようとしたときだ。木原の視線が何度も同じ場所を見ていることに気付いた。画面から向かって右側、ロッカーのある場所。

 カメラから目をあげて、視線の先を探る。

 何の変哲もないロッカーが並んでいる。その中の一つに、冴島の名前が書かれたロッカーを見つけた。ここが冴島のロッカー! 立ち上がってロッカーに手をかけた。鍵がかかっていて開かない。さすが几帳面な冴島だ。

『冴島が好きでも報われることは絶対ない』

 スマホから聞こえて来た木原の声にギクリと身がすくんだ。

『お前も俺で手を打って、ここらへんで性欲発散させといたほうがいいぜ』

 そのあと俺の呻き声。木原のちんこを捻じ込まれているところだ。聞いてられずに再生を止めた。

 深いため息が出た。木原は本当に録画していたし、俺は本当にレ/イプされていた。

 どうしてこんな目に遭わなくちゃいけなかったんだ。俺が冴島のストーカーだから? 木原がホモ仲間を探していたから? だとしても何もかも突飛すぎる気がした。

 ぼんやりと冴島のロッカーを見る。

 もしかして、木原が見ていたのはこれだったのかもしれない。




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視線の先(1/2)

2016.03.01.Tue.
※無理矢理。

 そろそろ来る時間だと下駄箱でグズグズしていたら冴島がやってきた。
 今日も冴島は朝から爽やかでかっこいい。

 夏の甲子園で大活躍してワイドショーでも取り上げられるようになってから冴島のファンは5倍くらいに増えた。

 高身長でイケメン。卒業後はプロ入り確実。今後の人気と活躍が約束された大スターだ。俺は世間に注目される前から冴島のファンだから、にわかファンの浮かれっぷりには腹が立つ。

 俺は冴島と同じ中学の出身で、クラスも一度だけ一緒になったことがある。その頃から野球はうまいと言われていたし、清潔感溢れていたし、なにより優しかった。

 人づきあいが苦手で、休み時間は一人でいることが多かった俺に声をかけてくれたのは冴島だけだった。

 俺は冴島が野球で有名になったからファンになったんじゃない。冴島の性格がいいからファンになったんだ。外見と将来性と話題性に釣られた奴らとは違う。

 冴島の周りにはいつも人がいる。テレビで紹介されるようになってその数も増えた。スマホで時間を見るふりをしながらカメラを冴島に向けると、必ず冴島以外の人間が写り込む。

 拡大して冴島だけで画面を埋め尽くしてからシャッターボタンを押した。引退したからもう坊主頭じゃない。髪が伸びている冴島も良い。爽やか度が増している。

 教室までの道のりで冴島はいろんな奴に声をかけられた。その一人一人に笑顔で受け答えをしている。ムービーで録画しながらついて歩きたいが、そんなことをしたら親衛隊の連中にバレてしまう。

 最近冴島の親衛隊が出来た。マナーのなってないにわかファンを取り締まっているらしいのだが、その本当の目的は自分たち以外の女を冴島に近づかせたくないだけだと思う。

 冴島に話しかけて来るファンがいれば睨みつけ、写真を無断で撮れば「消せ!」と怒鳴り、冴島の承諾を取った写真でも「ネットにあげるな!」と冴島本人が何も言わないのに言う。

 マナーとしては真っ当なものばかりだが、でしゃばりが過ぎて冴島も扱いに困っているようだ。

 とかくこの親衛隊が常に目を光らせているので、俺のような隠れファンは写真一枚撮るのも苦労するようになってしまった。

 俺は写真は撮ってもネットにあげたりなんかしない。自宅のパソコンに移して、大きな画面で眺めるだけだ。コレクションは他にもある。

 中学卒業前に体育の授業中こっそりもらった第二ボタン。冴島がゴミ箱に捨てたティッシュ。冴島に一度貸したことのある消しゴム。落書きして捨てられたプリント。あとを付けて知った自宅の外観写真。冴島の部屋と思われる窓の写真。などなど。

 俺はそこらのにわかとは違う。正真正銘のファンだから、冴島の邪魔にならずに、冴島のすべてを知っている。

 高校では残念ながら一度も同じクラスになることはなかった。だが、校舎のなかですれ違うことは何度もあるし、窓際の席だと体育の授業を受ける冴島を見ることが出来る。近くなくても冴島の行動を知る手段はあるのだ



 冴島はいつも昼は弁当だ。俺はトイレに行くふりをして冴島のいる教室の前を通り、さりげなく冴島をチェックする。今日も食欲旺盛で健康そうだ。

 俺も食事を済ませたあと、またトイレに行くふりをして廊下を歩いていたら、教室から冴島が出て来るのが見えた。トイレに行くのを中止してあとをつけた。

 冴島は購買に行ったあと職員室へ行った。用事のない俺は横の掲示板を眺めた。すぐ冴島が出て来て、隣の校長室をノックする。校長が出て来て冴島を中に招き入れた。

 冴島が悪さをして呼び出されるはずはないから、きっと野球関連の呼び出しだろう。少し時間がかかるかもしれない。少し離れたところで隠れて待つか。

 珍しく友達も親衛隊の奴らもいないし、ムービーを撮るチャンスだ。いつでも撮れるようにスタンバイしておかなくては。

 教職員用の下駄箱に隠れてポケットからスマホを出した。暇だから今朝撮った写真をチェックする。よく撮れている。

 冴島を見ていると癒される。嫌なことも忘れられる。冴島がいるから学校にも行ける。俺は他のファンのように多くを望まない。話が出来なくてもいい。俺のことを見てくれなくてもいい。心の距離が近いから、物理的な距離は遠くてもいい。

 俺が冴島の一番の理解者になれれば、それでいい。

「それって冴島の写真?」

 突然背後から声がした。慌ててスマホを隠して振り返ると、下駄箱の横から人の顔が生えていた。

「ききっ、木原、くん!」

 木原は冴島と同じ野球部で学校でのカースト上位、さらに冴島の親友ポジションの男だ。180越えと体格には恵まれたが、野球の才能のほうには恵まれず、ポジション争いで二年生に負けて高校野球最後の年に甲子園に行けなかった可哀そうな男。

「なんで俺の名前知ってんの」

 下駄箱から全身を現して木原は俺の前に立ちはだかった。退路を断たれた。

「い、一年の時、同じクラス」
「そうだっけ。覚えてねえわ」

 こういう奴は人を傷つける言葉を平気で口にするのだ。

「お前、冴島のストーカーだよな」

 木原はさらに失礼なことを言い出した。

「ストーカー?! 違いますけど!」
「じゃ、携帯見せろ」
「なんで? 見せる意味わかんないんだけど! プライバシーの侵害じゃないですか?!」
「隠し撮りもプライバシーの侵害だろうが。おら、見せろ」

 むりやり木原にスマホを奪われた。取り返そうと手を伸ばすも、頭上高く掲げられて手が届かない。

「返せ! なんの権利があってそんなことするんだ!」
「お前やっぱり隠し撮りしてたんだな」

 木原は俺のコレクションフォルダの写真を指でスイスイやりながら言った。

 俺のほうも「やっぱり」気付かれていたのかと足元がズンと重くなった。

 冴島の写真コレクションは、いらない部分をトリミングしたり、見たくないものはぼかしたりと画像処理している。親友でチームメイトの木原もよく写り込んでいたからカットしたりボカしたりしていたのだが、その作業中、木原がカメラ目線なことに気付いた。完全に画面の中で木原と目が合っていた。

 たまたまかもしれないと最初は思ったが、その後も木原がこちらを見ている写真が何枚か出て来た。もしかしたら木原に気付かれているのかもしれない。そう思って、最近は木原がいる時は写真を撮らないようにしていたのに。

「お前、冴島のこと好きなの?」
「……言ってる意味が」
「嫌いな奴なんかいないよな。甲子園のスターで、プロ確実で、誰にでも平等に優しくて、ほんといい奴だからな」

 冴島の笑顔の写真を見ながら、木原は独白のように呟いた。そして俺のスマホを自分の胸ポケットに入れた。

「好きなんだろ、あいつのこと」
「俺のスマホ返せ」
「お前ホモなんだろ」
「スマホ」
「返して欲しかったらケツ貸せ」
「……え??」

 ツラ貸せじゃなく、ケツ?

「ホモなんだろ。ケツでやらせろ」
「はっ?! はあ?! なに言ってんの?!」
「これ、返して欲しくねえの?」

 胸ポケットのスマホをコツコツ叩く。

「意味が! 意味が!! 木原くん、ホモなの?!」
「お前のストーカー行為、冴島にバラすぞ」
「だから俺はストーカーじゃないって何度!」
「じゃあこれ、冴島に見せてもいいよな」

 チラリとスマホをポケットから覗かせる。取り返そうとしたら手で隠された。

「どうする? 冴島にバラす? 俺にケツ貸す?」
「木原くん、ホモ、なんですか?」
「そうだよ」

 嘘じゃないかと思うほど木原は簡単に認めた。

「あっ、あっ、嘘、だって、彼女いたことあるし! 二年のとき、冴島くんとダブルデートしてた!」
「なんでお前が知ってんだよ。あ、冴島のストーカーだからか。いつからストーカーしてんの。俺が気付いたのって三年の始めなんだけど」
「だからストーカーじゃないって」
「認めないねぇ。じゃあこれ、冴島に見てもらって本人に判断してもらうわ」

 回れ右する木原の腕を咄嗟に掴んだ。したり顔の木原が振り返る。

「ストーカーじゃないんだろ?」
「見せるのだけは」
「悪いことしてるって自覚はあるんだ?」

 俺はゆっくり頷いた。もちろん自覚はあるさ。ボタンを盗むことも、尾行して自宅を突き止めることも、隠し撮りも、全部本人が知ったら嫌がるってわかってるさ。でもファン心理が暴走するんだ。

 冴島の物が欲しくなるし、冴島のことを知りたくなる。だから盗んでしまう。尾行してしまう。見張ってしまう。盗み撮りしてしまう。
バレたら終わり。嫌われるって、ほんとはわかってる。

「冴島に黙ってて欲しかったら俺の言う通りにするしかないんじゃない?」
「わかり、ました……」

 冴島に嫌われるのだけは嫌だ。軽蔑されたら俺は死にたくなる。

 それを阻止できるなら木原にケツを貸す。それくらい俺の冴島への愛は深い。だいたい、木原がホモだというのも嘘かほんとか怪しい。詳しくはないが、木原だってそこそこモテて彼女もいたはずだ。俺をからかっているだけかもしれない。

「じゃ、ついて来い」

 木原は俺の腕を掴むと、職員用の出入り口から校舎を出た。




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