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更新履歴・お知らせ

2017/11/20
雨の日の再会1、更新

2017/11/19
ピンクの唇、完結

2017/11/2
赤い爪、完結

2017/10/28
スカートめくり、完結

2017/10/23
続続続・ひとでなし2、完結

2017/10/22
続続続・ひとでなし1、更新

2017/10/21
続続・ひとでなし2、完結

2017/10/20
続続・ひとでなし1、更新

2017/10/19
続・ひとでなし2、完結

2017/10/18
続・ひとでなし1、更新

2017/09/08
ひとでなし2、完結

2017/09/07
ひとでなし1、更新

2017/09/02
ほんとにあったら怖い話2完結

2017/09/01
ほんとにあったら怖い話1更新

2017/07/28
コンビ愛更新、完結

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

2014/02/20
先生 その1(1-2)更新。
先生 その1(2-2)更新。完結

2014/02/19
娘さんを僕にください更新。完結

2014/02/18
ノビ更新。完結

2014/02/17
ノビ更新。

2014/02/16
1万3千円更新。完結

2014/02/15
1万3千円更新。

2014/02/14
ファンレター更新。完結

2014/02/14
ブログ始動。
「ファンレター」公開。

よろしくお願いします。

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DiGiket.comさん

薔薇色の日々
  (「裏の顔」改訂版)

不埒な短編集
 短編3つ

不埒な短編集第二
 短編3つ

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ちょろい(2/2)

<前話はこちら>

 押さえこまれた俺はまず猿ぐつわをかまされた。押し出そうとしてもビクともしない。口の端から涎がダラダラ零れる。

 男たちは俺をベッドルームに連れ込むと、両手を縛り上げた。一人の男が頭のほうで俺の腕を押さえ、もう一人は足を。もう一人はカメラを回していた。

「……っ!」
「あっ、びっくりしちゃった?これね、警察に垂れ込まれたら困るから保険ね。それと販売用」

 最初のスーツが言う。
 販売?!

「大丈夫、目線入れて顔隠すから。じゃ、始めよか」

 スーツが俺にのしかかってくる。俺の口周りをベロベロと舐めながら、首筋にもキスしてくる。気持ち悪い。全身に鳥肌が立った。
 男の手が俺の太ももを這う。スルスルと上に上がって、男は体を起こした。

「おい、お前」

 低く押し殺した声で言いながらスカートをめくった。ボクサートランクスを見たまわりの男たちが落胆するのが空気でわかった。

「お前、男かよ。なに紛らわしいことしてくれてんだよ」
「どうすっよ。女子高生レ/イプもの撮るんだろ」
「男じゃできねえっしょ」
「…いや、あー…くそっ…仕方ねえからこのままやるぞ。ホモに売りつけりゃいい」

 袋叩きにあって解放されると思っていたのに、思わぬ方向に話が進む。俺は目を見開きながら必死に首を左右に振った。

「んんんっ!! んっ! んんんっ!!」
「そんな真似して大人を騙そうとした自分を恨め、この馬鹿が」

 スーツは上着を脱いで腕まくりをした。投げやりに俺の股間を揉みしだく。

「オラ、とっとと立たせろよ」
「ふぐぅっ、んっ、んんっ」

 無理無理!こんな状況で立たせられるか!

「これ使え」

 腕を押さえる男がスーツに電マを渡した。ブーンと音をたてたそいつを俺の股間に押し当てる。

「ふぐあぁぁっ、あっ、あッ、あぁぁっ」

 痛い。ただ痛いだけでちっとも気持ちよくなんかない。俺は涙を零しながら頭を振り乱した。

 スーツの手が俺のパンツを脱がす。縮こまったものを見て舌打ちした。諦めて終わってくれ。土下座でもなんでもして詫び入れるから。殴られても文句言わないし警察にもいかないから!

 股間にトロリと冷たい感触。スーツが俺のちんぽにローションを垂らしていた。険しい顔付きでベトベトになったちんぽを扱く。ヌルヌルする。

 頭の男が制服の中に手を入れてきた。冷たい手で胸を触り、乳首を探り当てるとコリコリと摘まんでくる。痛い。

「お、やっと立たせてきたな」

 スーツの手で扱かれたちんぽがムクムク大きくなっていた。男同士でどこがいいのかツボは心得ている。俺の意思に関係なく立ち上がる。

 ヌチュッヌチュッと卑猥な音を立てながらちんぽを扱かれる。痛いだけだった乳首も、執拗に弄られ続けているとなんだか気持ちいいような気がしてきた。

「ふっ、んっ、んん…ンッ…」
「スケベな声、出てきたじゃねえか」

 猿ぐつわを外された。

「すいませんでした! 許してください! 絶対警察には行きませんから!」
「はいはい、メシ奢ってやっただろ。その分働いてくれたら帰してやるよ」

 足元の男が手にバイブを持っていた。

「なに、するんすか…」
「レ/イプ」

 男はバイブにローションを垂らした。もしかして。まさか、と恐怖に顔が引きつる。声が出せない。悲鳴も出ない。
 男はローションが滴るバイブを俺のケツの穴に突き立てた。

「ぐううううっ…! うっ、あっ、痛い、いっ、いやだ…あぁ…痛い、抜いて…」

 身を捩って暴れていると腹のうえにスーツが跨った。俺の膝を持ち上げるて左右に広げる。しっかり掴まれて足を閉じることができない。恥ずかしい場所が男たちの目にさらされる。カメラが近づいてくる。

「へへっ、ヒクヒクしてるぜ、お前のここ。案外悦んでんじゃねえか」
「ちがうっ…いやだ、抜いて下さい…お願いします…すいませんでしたっ、お願い、抜いて、ください…!」

 俺の願いは聞き入れられず、バイブのスイッチが入れられた。

「ヒッ、いあっ、ああぁぁっ」

 いきなり目の前が真っ白になった。神経が焼けつく。スーツの笑い声と言葉で自分がイッたことがわかった。

「すげえな、入れた瞬間イキやがったぜ」
「前立腺だっけ? そこ弄ったら女以上によがるらしい」
「まじかよ。そこ責めないわけにはいかねえな」

 俺の反応を見ながら男がバイブを押し付けて来る。

「いっ、ああぁっ、やっ、そこやだぁ…!」
「お、ここか」

 刺激が脳天まで走り抜ける。

「こっちも触ってやんなきゃな」

 スーツがちんぽを扱いてくる。頭の男も乳首を弄ってくる。三点同時責めで全身性感帯になったように、スーツのネクタイが触れるだけでも感じてしまう。勝手に体が痙攣して、目の焦点も合わない。

「ひやっ、あぁっ、あ、んんっ…るして、許してくらさい…もうやらあぁぁっ」
「おーすげえ、またイッた」
「男でもエロいもんだな。俺、起ってきたからしゃぶらせてみるわ」

 口元にブニュ、と何かが押し当てられた。

「口開けてしゃぶれ。噛むなよ、ベロベロ舐めろ」

 射精してもなお続く快楽で頭が真っ白だった。何も考えられずに言われた通り口を開いた。大きい肉が突っ込まれる。えづきそうになったが、噛むなという言葉を思い出した大きく口を開いて舌を這わせた。

「うわぁ、エッロい、気持ちいい。女装した男ってのがまた興奮するな」

 男は俺の顔の上に跨りながら、電マを乳首にあてた。小刻みで強い振動が痛気持ちいい。

「ふっ…んんっ、んっ、あ、はぁっ…」

 股間のバイブが抜かれたと思ったら、熱くて硬いものがかわりにはいってきた。スーツのちんぽだった。
 男に犯されている。俺は男に輪姦されている。

「くっそ…いきなりキュンキュンに締め付けてくんな、食いちぎる気かよ…女より締り具合がいいな」
「今度は俺にかわってくれよ」
「そう焦んなって。この部屋一晩レンタルしてんだから時間はたっぷりある」

 スーツが腰を振る。パンパンと音を立てながら俺のケツを犯す。

「イクぞ、飲めよ」

 頭の男が言うと同時に口の中に生温いものが吐き出された。溢れたものの臭いが鼻腔を抜けていく。覚えのある臭い。こんなにクソまずいのか。

 寝ている体勢というのもあって、半分以上は吐き出した。口から男の精液が垂れ落ちる。男はそれを俺の顔に擦り付けてた。顔中、男の精液臭い。

 カメラを回している男の指示で俺は四つん這いにさせられた。スーツが後ろから俺を犯す。さっきより深い挿入に顔が歪む。
 俺の下に男が潜り込んで乳首を舐めながらちんぽに電マを当てて来る。もう痛みより快感が強い。

「あっ、ああぁ、んっ、やっ、ちんぽ、やだっ、もうやめて、あっ、あぁぁ…っ!」
「やじゃねえだろ。こんなにちんこおっ立たせて、涎垂らしまくってよ」
「お前のケツマンは正直だぜ。チンポ大好きって食いついてくるぞ」
「やだっ、違うっ! …んっ、んんっ、あんっ、あっ、深い…奥まで当たってる…っ!」
「何が当たってるのかなあ?」
「あんっ、あっ、ちんぽっ…ちんぽが俺のケツマンの奥…当たってるっ!」
「そんなに男のちんこが好きか? じゃあこれ舐め舐めしてくれるかな? うまそうにしゃぶれよ」

 顔の前にちんぽが差し出された。その横でカメラが俺を映している。
 俺は舌を突き出しながら口を開けた。カメラに見せつけるように下から上へと舐めあげて亀頭を口に含む。

「これけっこう売れんじゃね」
「これっきりにすんのは惜しいな」

 男たちの悪い囁き声を聞きながら俺はまた射精した。






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2014-09-12(Fri) 19:51| ちょろい| トラックバック(-)| コメント 0

ちょろい(1/2)

 クラスのユカが中年チョロい、という話をしていたので聞いてみた。
 ユカは家出少女を装って掲示板に書き込みし、ご飯を食べさせてくれた上にお小遣いまでもらったと自慢げに話す。

「犯されんぞ」
「警察にすぐ電話できるようにしてるからって言えば、相手も迂闊に手出しできないから」
「まじでメシくって金もらったのか?」
「うん、まじでそれだけ。デートしてる気分になんじゃね?はっきり言ってキモイから食欲わかなかったけど」
「いくらもらった?」
「一万」
「ボロいな」
「女に生まれてよかったわぁ」

 こんな舐め腐った女、キモメンに犯されちまえ。と思いつつ、はっきり言ってこんな楽に金が手に入るこいつが羨ましくて妬ましくて仕方なかった。

「俺もやってみようかな」
「男のくせにどうやってやんのよ」
「女装して」

 絶対無理だとひとしきり俺を笑いものにしたあと、ユカは急に乗り気になって化粧道具を取り出した。

「あたしの制服貸してあげる。今日はジャージで帰っから。汚したらまじ承知しねえから」

 ファンデーションを塗られ、チーク、アイシャドウ、付け睫毛までつけられた俺は鏡の中ではなかなかいい女に見えた。

「ぶっさいわぁ。これかなり無理あるわ」
「お前の化粧が下手なんだろ」
「これカツラいるな。演劇部からパクッてくる」

 驚く行動力を見せたユカは本当にかつらを持って戻って来た。それを俺にかぶせて「どうよ」と鏡を突き出す。
 けっこうありなんじゃね。けっこう可愛いんじゃね?

「お前より可愛くね?」
「まじぶっ殺すぞ」

 そのあとユカはトイレでジャージに着替えると、制服を俺に貸してくれた。脱ぎたて。JK脱ぎたての制服。売ったらいくらになるんだろう。

「売るなよ」
「エスパーやめて怖い」

 教室で生着替え。少しきついがなんとか着られる。ニットのカーディガンを羽織ればペタンコの胸も隠せる。

「こっち向け。写真撮るぞ」

 片目をつぶって舌を出した。

「キモッ。ほれ、これですね毛剃ってこい」

 借りたカミソリですね毛を剃って足もツルツル。やばい。俺、まじで女の子。超JK。

「あたしがかわりに掲示板に書き込みしといてやったから。ミワちゃんにさっそくメール来てるよ」

 ミワってのは俺の名前が美和だから。ミワじゃなくてヨシカズと読むのだが。

「ごはんだけで一万だって。どーする?」
「行く」
「ノリノリやな。犯されんなよ」

 俺は待ち合わせ場所へ向かった。底辺校なので、授業なんか関係ありません。



 待ち合わせ場所で携帯を弄っていたら男が話しかけてきた。こいつか。と思ったらただのナンパだった。俺ってちゃんと女に見えてんじゃん。自撮りした写真をラインで友達に送る。「ナンパされた(ハート)」送信っと。

「ミワちゃん?」

 顔をあげると二十代半ばの男が立っていた。スーツ姿でお堅い感じ。

「掲示板の…」

 声でバレるといけないので俺はコクリと頷いた。男は安心したように笑った。

「可愛くてびっくりしちゃった」

 可愛いと褒められたのが嬉しくて俺まで笑顔になってしまった。

「お腹すいてる? もう食べに行く?」
「うん」

 出来るだけ可愛い声を心がけて返事した。



 繁華街の中にある、学生の懐にも優しい価格設定のファミレスに入った。

「遠慮しないでね」

 じゃあお言葉に甘えて。
 ドリンクバーとハンバーグセット。食後のデザートを頼んでメニューを閉じた。
 男はニコニコ俺を見てるだけ。

「食べないの?」

 裏声のか細い声で尋ねると、男は「ミワちゃんが食べてるの見てたいから」とキモいことを言う。

 料理を待つ間がつらかった。あまり声を出せないから話ができない。男からの質問に頷いたり首を振るだけ。何かを質問されたときは首をかしげて「わかんない」

 やっと料理が運ばれてきた。ナイフとフォークを持ってがっつく。そんな俺を男は黙ってみている。食べにくいんだけど。

「いい食べっぷりで見てて気持ちいいよ」
「ほんとに食べないの?」
「俺は食事の時間を決めているから、それ以外は間食もしないようにしてるんだ」

 ふーん、と残りを頬張り、デザートも平らげた。お勘定は男がした。ちらりと見えた財布には札がたくさん入っていた。金持ち…!

「このあとどうする?」

 店を出たあと男が言った。え。メシ食ったら終わりじゃないの?これで一万もらえるんじゃないの?
 そういえばクラスの女は「デートしてる気分なんじゃね」と言っていた。これ以外にもなにかデートっぽいことをしたのかもしれない。

「カラオケとかどう? 若い子は好きでしょ」

 いいね、と思ったが声を出せないと思い出して首を振った。

「どうしようか。困ったな。俺の部屋にくる?」
「えっ」

 思いっきり地声が出てしまったが、男は俺が難色を示したことのほうに焦って気付いていないみたいだった。

「別になにもしないよ、変な意味じゃなくて、もし今日行くところがないならうちに泊まったらどうかなって。部屋は余ってるから、好きなところ使ってくれていいから」

 財布にあ金がたくさん入っていた。家も広いようだ。ちょっと良い気にさせてやれば、一万と言わずもっと出してくれるかも。というか、この上質なカモ、逃がす手はないだろ

「ほんとになにもしない?」

 上目使いで男を見上げる。男はコクコク頷いた。

「じゃあ、行く」



 男に連れられて入ったマンションはモデルルームのようで生活感がなかった。ソファにはクッション、テーブルにはテーブルクロス、窓辺には観葉植物。こんな部屋、テレビでしか見たことねえよ。

「奥さんいるの?」
「いないよ。俺一人。なにか飲む?」
「あ、うん」

 冷蔵庫をあけ、男が飲み物をグラスに注ぐ。俺はソファに座って待つ。どうぞ、と渡されたそれはピンク色の炭酸水。飲む前からアルコールだとわかっていた。

「これ、お酒」
「いまどきの若い子はみんな飲むんでしょ?」
「…やっぱ帰ろうかな」
「怒っちゃった? ごめんごめん。飲んだほうがリラックスできるんじゃないかと思って」
「何する気?」
「なにしたい?」
「やっぱ帰る」
「ごめんってば。じゃあ、キスだけ、いい?」

 ブンブン首を振る。なんで男相手にキスなんか!

「追加一万でどう?」

 諭吉一名様追加! キスだけで! 一万も! これはおっさんちょろいと言われても仕方ないんじゃないか。こんなに楽に稼げるのか日本の女子高生は!

 どうしよう。キスするだけで一万円。おっさんとしたくないけど一万円。

「一回、だけ、なら」
「うんうん」

 男は俺の横に座ると肩を抱いてきた。うわきもい。顔を寄せてブチュ、と唇を押し付けて来る。レロ、と唇をこじ開けて中に舌を入れてきた。軟体動物みたいなものが俺の口のなかを這いまわる。気持ち悪くて吐きそう。

 男の手が俺の太ももを撫でた。

「おい!」

 反射的に男を突き飛ばした。もう女の振りとかやってらんない。

「ごめんごめん、びっくりしちゃった?」
「さっ、触んなよ…! キスだけだろ」
「いくら払ったらヤラせてくれる?」

 クラリと眩暈がした。

「無理。帰る」
「お金欲しくないの? じゃあちょっとだけ胸触っていい? 触られるのが嫌だったらパンツだけ見せて? お金は払うから」

 しつこく食い下がる男に吐き気がした。もう金なんかいらない。一刻も早くここを出て男から離れたい。

 立ち上がったら腕を掴んで引き戻された。振りほどこうとしても男はがっちり俺の手を掴んだまま、ニタリと笑った。

「ここまで来ておいてそれはないんじゃねえの? そんなに世間は甘くないよ?」

 お堅そうな雰囲気は消え、口調も粘つくガラの悪い感じにかわった。

「世の中には悪いおじさんもたくさんいるんだぜ」

 隣の部屋の戸が開いた。三人の男があらわれた。






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2014-09-11(Thu) 21:27| ちょろい| トラックバック(-)| コメント 0

新雪の君

 仕事終わり、電車に揺られながら少し眠ってしまった。目を覚まし、ヒヤッとしながら窓からの景色を見て乗り過ごしていないことがわかるとホッとした。

 前には五十代くらいのサラリーマンが座っていたはずだが、いつの間にか高校生にかわっていた。

 読んでいた本に栞を挟んでそいつが顔をあげた。どきっとした。

 そいつは『あいつ』に似ていた。高校で同じクラスだった須賀公作。姿勢が良くて清潔感があって、一点の曇りもない感じが。

※ ※ ※

 昔から綺麗なものや整っているものを見ると壊したくなる性格だった。真新しいものを汚したい。整頓されているものを散らかしたい。綺麗だと言われるものを踏みにじりたい。

 品行方正な須賀を見ていると、同じ衝動に駆られた。

 勉強を教えてほしいと頼むと須賀は「いいよ」と快諾した。

 何も疑わない須賀を自宅へ呼んだ。茶の間に座らせると須賀は鞄からノートと教科書を出した。綺麗な字で見やすいノートは須賀らしかった。ビリビリに破ってやりたい。

「俺もノートを取ってくる」

 と須賀の背後へまわって後ろから羽交い絞めにした。俺がふざけているだけだと疑わない須賀は「遊ぶなら俺は帰るよ」と抵抗もわずか。

 その隙に須賀を押し倒した。まだ遊びの範疇だと思っていた須賀だったが、俺がベルトに手をかけるとさすがに抵抗した。

 体全部を使って須賀の抵抗を封じ込めた。もがき暴れる須賀は背丈はあっても肉付きは薄く、体格差のある俺をはねのける力もない。

 ずらしたズボンの中に手を突っ込んで股間を揉んだ。

「い、や…っ! なんで…やめろ、やめろ!」

 手を動かしながら須賀の口を自分の口で塞いだ。首を振り、口を堅く結んで須賀が逃げる。諦めて首筋に吸い付いた。ビクンと須賀が震える。

「やめ…こんなこと…おかしいよ、やめろ! やめてくれ! 嫌だ!」
「少し黙っていような」

 ポケットから小瓶を取り出し、テーブルに置いていた布巾に中身をぶちまけた。それで須賀の口を塞ぐ。息を吸い込んだ須賀が目を白黒させた。

「これっ…なに…?! なんだ? 変…頭がクラクラする…!」
「大丈夫、少し頭が痛くなる程度だから」

 須賀の白い顔が赤く染まっていった。呼吸も荒い。

 ラッシュの効果に怯えているすきにシャツをたくしあげて胸に噛みついた。乳首を噛むと痛いと悲鳴をあげた。胸や腹や脇腹に、あちこち赤いマークをつけていく。須賀は歯を食いしばって身を捩った。

 またラッシュを嗅がせた。一瞬、須賀の瞳孔が開く。力が抜ける。

 手の中で須賀の性器が大きくなった。指を絡めて扱くと、須賀は呻いた。

「こんなこと、許されないぞ…! 絶対に…! 俺はお前を許さないからな…!」
「須賀のそういう顔が見たかった」

 綺麗な顔を歪めて須賀は俺を睨み付けた。

 静かな水面に石を投じる。咲き誇る花を手折る。俺の欲求が満たされる。

 自分のズボンとパンツをずりおろした。弾かれたちんぽが腹を叩く。それを須賀のちんぽと一緒に握ってしこった。

「はっ、あ…やめろ…やめっ…いやだ…いや!」
「お前も勃起してる」
「言うな! 俺は、違うっ…んっ…うぅ…」
「ビクビク震えながら涎垂らしてる」
「ちがっ…あっ…あ、もう、手を放せ、放してくれ…!」
「イキそう?」
「あっ…はぁ…っ…やめっ、やっ……あぁっ…! も…いや…っ!!」

 手の中で須賀のちんぽが脈打ち、先から体液が吐き出された。

 また須賀にラッシュを嗅がせた。眉を顰めながら顔を背ける。鼻に押し付けながら指を奥へと潜り込ませた。

「あっ! そんなところ……触るなっ!」
「これ嗅いで。痛みもぶっ飛ぶはずだから」

 きゅっとすぼまる場所へ指を突き立てた。

「嫌だぁぁっ!! やめろ! やめて! はっ、あ…っ…あ、いやっ、いやだ、抜いて!」

 指を根本まで入れた。中で動かすと須賀は気が狂ったように暴れ出した。

 畳の上をずりあがって逃れようとする。肩を抱きこんで密着した。悲鳴をあげる口をラッシュが染みこんだ布で塞いだ。くぐもる悲鳴が次第に小さくなり、すすり泣きにかわった。

「泣くには早いぞ」

 指を抜き、須賀の足を左右に割った。その中心へ男根を突き立てる。

「ひっ!」

 須賀は自分の口を手で覆った。俺がつきあげるたび、のどを晒して苦痛のうめき声を漏らした。

 陰茎に血がついていた。

 俺は須賀を汚した。清潔で正しくてまっすぐで染み一つない真っ新な須賀を俺が穢してやった。

 俺もラッシュを吸い込んだ。頭がクラッとする。動悸が激しくなって顔が熱くなる。

 腰を打ち付けた。須賀の奥まで犯してやる。

「ひっ、いいっ…もう、やめて……痛い、痛いんだ…っ」
「須賀のここ、すごくきつい。すごく気持ちいい」
「いやっ…やだっ…ああぁっ…やっ…もう、いやだっ…抜いて…!」
「中に出したらな。俺の精子を体の一番奥に注ぎ込んでやる。体の中からお前を汚してやる」
「なっ…どうして…こんなこと…? 俺が君になにをしたっていうんだよ……!」
「何も」

 須賀は何もしていない。ただクラスの女子に告白されていただけ。俺がそれを見てしまっただけ。須賀を汚すのは俺だ。他人に先を越されてたまるものか。踏み荒らされた新雪に価値はない。

「いや…っ! あっ…あぁぁ…んっ…もう、いやだ…!」

 ポロポロと涙を零しながら俺に揺さぶられている。須賀のちんぽもそれに合わせて揺れている。

「また起ってきてる」
「あっ、や…はなせ…はなして!」

 まだ半立ちのちんぽを扱くとすくすく育っていく。

「はぁぁっ…あっ…や…ああぁっ…んっ!」
「須賀も気持ちよさそう」
「ちがっ…もう、や…んっ、早く、おわって……早くっ!」

 泣きそうな顔で必死に俺に懇願する。壮絶な色気。逆効果だと気付かないのだろうか。 

 須賀にラッシュを嗅がせながら腰を振った。痛みを和らげると気付いたのか、須賀は自分からラッシュを吸い込む。

「ふぁっ…あっ、んっ…ああぁぁんっ…早く…お願い・・・・っ、早くイッて…終わって!!」

 一回出せば終わると思い込んでいる須賀が哀れで可愛かった。まだ終わらないと知ったときの須賀の顔が早く見たくてピストンを激しくする。

「はぁ、あんっ、あっ、ああぁっ…やっ、やだっ…おれ…あっ…あぁぁ…っ!!」

 二回目の射精をしながら須賀は子供のように泣いた。

※ ※ ※

 須賀に似ている高校生は本を仕舞うと腕時計を見た。もうすぐ降りる駅なのかもしれない。

 本当に須賀に似ていた。顔も背丈も肉付きの薄さも。背筋を伸ばし、膝に置いた鞄に手を乗せて行儀よく電車に揺られている様も。黒くてサラサラな髪の毛も。肌の白さも。

 あのあと須賀は、疲れ切った表情で静かに俺を罵りながら、金輪際俺に近づくなと言って家を出て行った。

 翌日、なんともない顔で登校してきた須賀はさすがだった。俺にさんざん蹂躙されたのに、須賀のまわりの空気は澄んでいた。水分が結晶化したようにキラキラ輝くものが見えた。須賀は何があっても高潔だった。

 俺とは一切目を合わさなくなった。俺を避けた。もともと親しくなかったから誰にも気付かれなかった。

 移動教室の間に須賀のノートをビリビリに破ってやった。俺の仕業だと気付いているくせに、須賀は何も言わずに購買に新しいノートを買いに行った。

 須賀は告白してきた女とは付き合わなかった。高校を卒業するまで、誰とも付き合わなかった。

 電車が駅につくと高校生は立ち上がり、電車をおりた。俺もあとをついておりた。

 改札へ向かって歩いていく。あの頃の須賀にそっくりな高校生に俺は声をかけた。






2014-09-08(Mon) 20:15| 新雪の君| トラックバック(-)| コメント 0

すばらしい日々(3/3)

<前話はこちら>

 3年2ヶ月の単身赴任がやっと終わった。上司の計らいで予定より二日早く帰れることになった。荷物は手配済みの引っ越し業者に任せることにして、鍵を管理人に返した俺は鞄一つで新幹線に乗り込んだ。
 あと数時間で我が家に帰れる。
 携帯を取り出し、生まれてきた子供の顔を眺めた。

 予定日には休暇を取って嫁のもとへかけつけた。休みの間なかなか生まれて来る気配がなく、結局俺が赴任先に戻ってから生まれた。
 元気な女の子だった。雅美と名付けた。考えたのは嫁だ。連休に帰省し、初めて我が子を腕に抱いた。小さく軽く脆くて壊してしまいそうだった。怖くてすぐ嫁に返したら、「お風呂はあなたの役目なんだから早く慣れてくれなきゃ駄目よ」と叱られた。
 今まで送られてくる写真でしか見たことがなかった。だから実際触れて抱きあげると、言いようのない気持ちが湧き上がって来た。父親になる幸福を噛みしめ、嫁に感謝した。
 一生懸命働いた。寂しくても酒はたしなむ程度に我慢した。英一のアドレスは消去した。たまに挫けそうになると子供の写真を見て踏ん張った。
 これからはずっと一緒にいられる。そばで成長を見ていられる。

 電車を乗り継いで家の最寄り駅までたどり着いた。驚かせるつもりで嫁に連絡はしていなかった。駅前のケーキ屋でケーキを買って家に向かった。
 駐車場に見知らぬ車が停まっていた。お義母さんの車かもしれない。久しぶりに親子水入らずで過ごしたかったが仕方がない。こういう場合も想定してケーキも多めに買ってある。
 インターフォンを鳴らそうか迷ってやめた。驚く嫁を想像しながら鍵を差し込みそっと回す。玄関に見慣れぬ男ものの靴があった。お義父さんの靴だろうか。
 その横に靴を脱いで中にあがる。リビングには誰もいなかった。子の姿もない。
 あの車と靴は誰のものだろう。

 ソファに鞄を、テーブルにケーキの箱を置いて、俺は二階へ向かった。吹き抜けの明るい階段をのぼりきると、かすかに声が聞こえてきた。

「あの人が帰ってきたら、もうこんな風に会えなくなるね」
「明美が仕事に復帰したらまた職場で毎日会えるようになるだろ」

 若くてはりのある男の声。お義父さんの声じゃないのは明らか。

「でも家に帰ったら好きでもない男と夫婦のふりしなきゃいけないのよ。あの人の異動が決まったって聞いたときはほんと嬉しかったもん」
「仕方ないよ。俺たちは出会うのが遅かったんだ。もっと早く出会えていたら結婚できたのに」
「まあ君の奥さんに嫉妬しちゃう」
「俺だって明美の旦那にいつも嫉妬してる」
「あの人ね、自分の子供じゃないのに、だんだん俺に似てきたんじゃないかって言うのよ。おかしくて笑っちゃった」

 と嫁は本当に笑った。

「俺と明美の子なのにね。二人で育てられなくてごめんな」
「ううん、いいの。まあ君の子供を産めただけで幸せ」
「でもほんとに俺の子だろうね?旦那のとこに行ったとき、怪しまれないようにいっぱいセックスしてたんだろ?」
「あの時はちゃんとピル飲んでたから。そのあとにエッチしたのはまあ君だけ。だから100パーまあ君の子だよ。その証拠に、あの人がいるときにお腹から出てこなかったでしょ。まあ君がこっそりお見舞いに来てくれた日に生まれたんだから、やっぱり血の繋がりがわかるのよ」
「雅美に会いたくなってきたな」
「お母さんが夕方に連れて戻ってくるから、それまで待ってる?」
「鉢合わせたらさすがにマズイでしょ」
「あーん、まあ君とずっと一緒にいたいよぉ」
「今日はいっぱい可愛がってやるから」

 布ずれの音。嫁の嬌声。男の言葉攻め。肌のぶつかり合う音。ベッドの軋み。
 嘔気がこみあげてきて、俺は急いで階段をおりた。洗面所で吐いた。涙と鼻水が垂れた。もう一度吐いたものを排水溝に流し、タオルで顔を拭った。
 リビングに戻って荷物とケーキの箱を持つと家を出た。鍵をかけ、駅へ引き返した。


 ビジネスホテルに部屋を取った。弁護士の知り合いがいるという友人へ電話した。留守電に繋がり、連絡が欲しいと伝言を残した。
 ベッドに腰掛けながら、二人の言葉を反芻していた。嫁は浮気していた。それも俺の異動の前から。そして子供は俺の子じゃなかった。雅美は「まあ君」と呼ばれていた男の子供だった。
 背筋がぞくりとした。もしかして。「雅美」という名前はまあ君と明美から一文字ずつ取った名前なのでは…。

 また胃が痙攣して、トイレに駆け込んだ。腹の中のものを全て吐き出す。胃液に胃が焼けつく。滲む涙を袖で拭った。
 誰のために今まで頑張ってきたのだろう。嫁のため子供のために寂しいのを我慢して耐えてきたのに。
 伴侶を裏切っていた俺が嫁を責める立場にないのは重々承知だが、浮気相手の子を育てるのだけは真っ平御免だ。代償があまりに大きすぎる。自分の子だと思うからこそ、育児書を読んだり、子持ちの同僚に話を聞いたりしてきたのに。
 嫁が俺に会いに来たのは計画的に妊娠するためだった。それは俺との子が欲しかったからじゃない。俺の浮気に勘付いて繋ぎとめるためでもない。ただ浮気相手の子を堂々と妊娠したいがために、好きでもない俺のところへ抱かれにやって来たのだ。

 水道で口をゆすいでいたら携帯が鳴った。さっき電話した友人からだ。
 挨拶もそこそこに、弁護士を紹介して欲しいと頼んだ。


 すべての片がつくまでに半年近くかかってしまったが、なんとか嫁とは離婚し、子供の籍を抜いてもらうことが出来た。
 嫁からは人でなしと罵られた。浮気相手からは家庭を壊されたから慰謝料を請求すると言われた。こんな馬鹿に嫁を寝取られ、気付かなかった自分が情けなかった。

 嫁の両親が喚くので、双方の弁護士立ち合いのもと、2度目のDNA鑑定を行った。その結果、嫁と雅美の親子関係は証明されたものの、俺とは赤の他人であるとの結果が出た。真実を突き付けられたのはこれで二度目。心に大きな穴が開く
 嫁は何かの間違いだと泣き叫んで話にならず、両親は顔を真っ青にして呆然自失だった。
 慰謝料の請求はしないかわりに、家は嫁が買い取ること、子供の籍を抜くことを条件に出した。
 あとのことはこちらと話し合ってくれ、と浮気相手の情報をまとめた書類を嫁の弁護士に渡した。
 浮気相手の家族と嫁家族とが大揉めし、なかなか進展しなかったが、やっと俺と嫁の婚姻は解消され、雅美は籍を抜けた。

 幼い子のことを思うと胸が痛んだ。子供に罪はないと自分が極悪人に思えてしかたなかった。嫁を責める資格が俺にはない。だから慰謝料の請求はしなかった。
 人でなし!私と雅美を飢え死にさせるつもりなの!
 目を吊り上げて俺を詰る明美の顔が忘れられない。夢に出て来る。赤ん坊の泣き声が聞こえる。また眠れなくなった。


 俺が嫁と離婚したとき、折しも世間は俺と同じ境遇のタレントのニュースでもちきりだった。父性関係ゼロ。事情を察した同僚たちの視線が痛かった。
 またどこかへ異動させてくれないだろうか。海外支社でもいい。むしろ言葉がわからないほうが助かる。
 スーパーで食材を買わずに酒ばかりを買って帰宅する。学生時代に戻ったかのようなワンルームのマンション。家財も何もかも家に置いてきた。必要最低限の家具を買いそろえると貯金は底をついた。

 つまみも食べずに酒を飲んでいたらメールの受信音。明美からのメール。画像が添付されている。見なくてもわかる。雅美の写真だ。こんなに大きくなったのよとメールに書いてある。親子3人でやり直したいと。
 親子はお前たちだけじゃないか。
 新しい缶を開けた。


 最近、何か食べると吐くようになってしまった。物忘れが酷くなり、注意力が散漫になり、運動をしていないのに動悸が激しくなるときがあった。
 明らかに酒の飲み過ぎだった。しかし飲むのを止められない。仕事をしている最中に酒が恋しくて飲みたくなる。
 スーパーに行くと大量の酒を買い込んだ。半額で買った惣菜の味がしない。わからない。酒で流し込む。
 携帯電話は鞄に仕舞ったまま、出すこともしなくなった。電話をかけてくる相手は決まっている。心配する俺の親か、復縁を迫る元嫁、たまにある無言電話はおそらく嫁の浮気相手だろう。
 どれも俺を憂鬱にさせる。だから鞄から出さない。
 どうせ英一からはかかってこない。

 今更俺が英一を恋しがるのは筋違いだし、調子が良過ぎる。英一にはもう新しい男がいる。独身で優しい男が。
 アドレスを消しておいてよかった。もし残していたら俺はまた英一を頼ってしまう。もう英一に甘えちゃいけない。あいつの幸せを邪魔しちゃいけない。

 夜は眠れないから酔っぱらうために飲む。酔えずに追加で何本も空ける。浅い眠りを繰り返し、赤ん坊の声で目を覚ます。暗い部屋の中に一人。涙が零れる。嗚咽を漏らしながら布団にくるまり朝を渇望する。


 仕事に行くと俺の顔を見た上司は渋面になって「そんな状態で仕事が出来るか。今日は休んで病院に行け」と俺を追い返した。
 言われた通り会社を出た。病院には行きたくない。その必要を感じない。自宅に帰る気にもならない。でもどこにも行くところがない。
 赤信号で立ち止まる。目の前を車が通り過ぎる。飛び込んだら楽になれるだろうか。車にぶつかる瞬間を想像する。骨が砕かれる音を想像する。
 信号がかわっても俺はそこに立ち尽くしたままぼうっと往来を見ていた。

「大丈夫ですか?」

 通行人が心配して不審がって声をかけてくる。

「はい、大丈夫です」

 返事をしたのにそいつは眉を顰めて行ってしまった。信号が点滅する。横断歩道を渡った。
 近くのコンビニに入って缶ビールを買った。少し歩いた先の公園のベンチで朝っぱらから酒を飲む。

 ポケットで携帯電話が鳴った。見ると登録されていない番号だった。また嫁の浮気相手か。こいつのせいで俺の人生めちゃくちゃだ。
 文句の一つでも言ってやろうと通話ボタンを押した。

「お前も暇だな。既婚者と浮気してた自分は棚あげか?人の家庭ぶっ壊しといて俺を恨むなんて筋違いなんだよ。今からでも慰謝料請求してやってもいいんだぞ」

 電話の向こうで浮気相手がハッと息を飲む音が聞こえた。慰謝料請求という言葉にびびったのか。その現金さにカッと頭に血が上った。

「おい、なんとか言えよ。今日もだんまりかよこの野郎。人の嫁孕ませた上に知らん顔して俺に育てさせようなんて頭どうかしてんじゃないか?子供が可哀そうだとは思わなかったのか?人でなしはお前らのほうじゃないか。どういう神経してたらそんなことできんだよ。子供をなんだと思ってるんだよ。お前が責任もって子供と明美の面倒を見ろ。俺にはもう関係ない。二人とも赤の他人になったんだ。だからもう電話してくるな。これ以上俺を苦しめるな」

 捲し立てる間に感情が昂ぶって俺の目からは勝手に涙が溢れてきた。憎い浮気相手に泣いていると知られるのが癪で、言うだけ言うと通話を切った。手で顔を覆ってしゃくりあげる。

「英一」

 嗚咽の合間に名前が口をついて出た。忘れるようにしていた名前。思い出さないようにしていた存在。足元がガラガラ崩れ落ちる。俺はもうだめだ。

「寂しいよ…英一、会いたい、お前に会いたい…」

 ポロポロと涙が零れ落ちた。

 ふわりと背中に温もりが降りてきた。

「こんなに飲んじゃ駄目じゃないですか」

 聞き覚えのある声に呼吸が止まる。

「こんなになっても僕に電話してこないなんて」
「……っ」
「ほんとに意地っ張りな人ですね、田中さんて」

 顔をあげると俺の横に英一が座っていた。

「ど…う、して」
「配属先がこっちだったんです。たまたま交差点で田中さんを見つけて、様子がおかしかったんであとをつけてきました」

 悪戯っぽく笑ったあと、英一は優しく目を細めて俺の手を握った。

「会うつもりはなかったんですけど、見てられなくて電話しました。さっきの電話、俺だったんですよ。おかげでだいたいの事情はわかりました。大変でしたね」

 労わる声にまた涙が出てきた。優しい手が俺の背中を撫でさする。張りつめていた心の糸が切れた。子供のように泣きじゃくった。

「いま、だけでいいからっ…今だけ、俺のそばにいてくれ」
「ずっといますよ」

 と俺の涙を英一が食む。
 英一の手を強く握り返しながら俺は何度も頷いた。




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2014-09-05(Fri) 19:52| すばらしい日々| トラックバック(-)| コメント 2

すばらしい日々(2/3)

<前話はこちら>

 俺が別れを告げた直後に聞いた英一の声はかすかに震えていた。そりゃそうだ。嫁と別れてお前と一緒になると愛を囁いていた男から、急に別れようと言われたのだから。
 よりにもよって、どうしてこのタイミングなのだろう。
 携帯の受信フォルダに新しいメールがないか何度も確かめた。今朝、嫁から届いたメールを最後に一通もきていない。センターに問い合わせても結果は同じ。

 誰もいない社の屋上で声に出してため息をついた。ため息というより唸り声に近かった。
 夢じゃないか。何かの間違いじゃないか。
 もう一度嫁からのメールを読んでみる。

『嬉しいお知らせがあります。さて、なんでしょう?ドキドキ?!実は…私たちに新しい家族が出来ました!ジャーン!!さっき病院に行ってちゃんと赤ちゃんがいますって確認してもらったよ!この前、あなたに会いに行った時の子だね。私が寂しがってるから神様が授けてくれたのかな?仕事は続けられるだけ続けて、あとはお母さんに来てもらうからあなたは心配しないでね。また報告しまーす』

 何回読んでも「嘘」だとも「冗談」だとも書いていない。嫁が妊娠したのは間違いないようだ。
 確かに嫁が会いに来たあの五日間、毎日セックスした。子供が出来たら、と俺が外に出そうとすると、大丈夫だから、と嫁は中に出すことを促した。最初から子供欲しさに来たのかもしれない。

 女の勘は鋭いという。もしかしたら俺の浮気を疑って来たのかもしれない。遠く離れた暮らしに不安になって、俺を繋ぐために計画的に妊娠した可能性だって考えられる。
 自分の子供が出来たというのに、その知らせを聞いて喜べなかった。動揺してパニックになって、嫁になんとメールを返していいかわからずほったらかしのままだ。

 最初に考えたのは英一のことだった。そんな自分に嫌気がさした。最低な父親だと思った。最低な男だと思った。
 足元がぐらついた。心の底から英一を求めていたが、男としての責任がそれを引き留めた。生まれてくる子供のためを思うと、選択肢は一つしかなかった。だから英一と別れることにした。

 どうしてこのタイミングなのだろう。英一のことが好きだと自覚した途端、嫁との離婚を決めた途端の妊娠。
 嫁を裏切り、男にうつつをぬかしていた俺への天罰に思えた。


 お義母さんが来るからといって放っておくわけにもいかず、次の休みに久しぶりの我が家へ帰った。赴任前と少しインテリアがかわっていて他人の家のように感じる。
 嫁が嬉しそうに母子手帳を見せて来る。体は大丈夫なのかと聞けば平気と笑う。
 お義母さんに電話して、単身赴任中の妊娠で世話をかけることを詫び、嫁の面倒を頼んでおいた。
 まだ大きくなっていない嫁の腹に手を当てる。この中に俺の子がいる。俺の子がこの中で生きている。

「悪いな、一人で不安なときにそばにいてやれなくて」
「いいのよ、それに一人じゃないし」

 嫁は慈愛に満ちた表情で自分のお腹をさすった。
 この嫁と子を裏切ってはならないと決意を新たに、単身赴任先へ戻った。

 最初の頃は嫁と子のためにと頑張ってこれたが、数か月経つとやはり寂しさが募り英一が恋しくなった。
 携帯のメモリーから英一を呼び出し、それを見ながら酒を飲んだ。あまり飲み過ぎると勢いでボタンを押してしまいそうだ。
 日を追うごとに大きくなる嫁の腹。その写真を送ってくる。それを見るたび、飲む酒の量が増えていく。
 もしかしたら俺は英一に電話したいがために、酒を飲んでいるのかもしれない。酔ったせいだという言い訳のために。

 英一はあれから一切連絡してこなかった。俺の一方的な別れ話を簡単に飲み込んだ英一を恨んだりもした。所詮俺はその程度だったのかと。
 外したままの結婚指輪。嫁のため子供のためと言いながら、俺はまだ迷って指輪をはめられないでいる。お腹が大きくなる嫁の写真をみながら、英一を恋しがっている。
 こんな最低な男、英一にはつりあわない。あいつにはもっといい男と付き合って幸せになってもらいたい。
 今日も英一のアドレスを見ながら缶ビールを開けた。

※ ※ ※

 帰宅する途中、胸ポケットで携帯が振動していた。電車の中なので出るわけにもいかず放置する。それに仕事終わりでヘトヘトだ。
 就職した物流会社の方針で、新入社員はまず各地の倉庫へ行かされる。注文の入った商品を広い倉庫から探し出し、注文先へ送りだす。
 在庫管理も厳しく数字が合わないと倉庫中を走り回って時に棚を全部ひっくり返してまで確認しないといけない。当然それは新人の仕事なので一日でかなりの体力を消耗する。
 手を動かして着信の相手が誰かを確認するのも億劫だというのが本音かもしれない。仕事でかなり汗をかいたので、それさえシャワーで流せば食事もそこそこに泥のように眠る毎日だ。
 今の俺にはこのくらい忙しいくらいがいい。時間があると突然自分を捨てた男のことを考えてしまう。

 理由も何も教えてくれなかったから推測するしかない。田中さんは自分が全部悪いと言っていた。おそらく田中さんは最終的に奥さを選んだのだ。もともとノンケだったのを俺が誘って引きずり込んだようなもの。責める資格も、泣く資格もない。
 電車をおり、駅前のコンビニで新商品のシールが貼られた冷麺を買った。帰る途中、着信を思い出して履歴を見た。
 表示された名前を見て心臓が止まるかと思った。

 なぜ今頃になって電話してきたのだろう。電話で別れようと言われてから4カ月以上が経っている。
 淡い期待を抱いてしまう。また落胆するだけだと自分に言い聞かる。しかし震える指が呼び出しボタンを押していた。
 恐怖に似た感情を抱きながら携帯を耳に当てた。呼び出し音が続く。寝ているのかもしれないと思ったとき、ふいに途切れた。ガサガサと擦れる雑音が聞こえたあと、

『英一』

 少し弾んだような田中さんの声が聞こえた。数か月ぶりの田中さんの声に胸がぎゅっと締め付けられた。まだ好きだと実感した。

「すみません、寝てました?」
『あっ、いや、携帯落として』
「あの、電話、あったみたいなんですけど」
『ごめん、俺、酔ってて、間違ってかけたみたいで』
「そうだったんですか…」
『悪い』
「いえ…」
『…元気だったか?』
「はい、田中さんは?」
『俺もなんとか』
「そうですか」

 二人とも押し黙った。のどに何かが詰まったみたいに言葉が出てこなかった。

「あの、じゃあ、切りますね」
『英一っ』

 呼びとめる声に耳をそばだてた。

「なんですか」
『……寂しいんだ』

 掠れた田中さんの声を聞いて、俺の目は出てきたばかりの駅へ向けられた。


 自分がこんなに馬鹿で愚かだとは思っていなかった。寂しいと言われて、すぐさま「行きます」と返事をし、自分を捨てた男のもとへのこのこやってきてしまった。
 インターフォンを押すとすぐ扉が開いた。以前より髪の伸びた田中さんが俺を出迎える。

「スーツ」

 俺の格好に驚いたように呟いた。

「もう社会人ですから」
「そっか、そうだったな」

 田中さんからも部屋の中からも強い酒の匂いがする。

「相当飲んでますね」
「寝酒だよ」
「体によくないですよ。控えないと」
「寝つきが悪いんだ」
「困りましたね」
「うん」

 叱られた子供のように俯いた。電話では素直に寂しいと言えたくせに、俺を目の前にすると本音を言えないんだこの人は。

「田中さんは寂しがり屋ですもんね」

 上目使いに俺を睨む。酒で赤い顔。落ち着きなく指遊びをする手。年上なのに、可愛いと思う。

「一緒にいてあげましょうか?」
「いいのか?」
「今日だけですよ」
「すまん」

 俺の名前を呼びながら田中さんは抱き付いてきた。


 仕事でいっぱい汗をかいたからから、と言ってもシャワーを貸してくれなかった。ワイシャツのボタンを一つずつ外しながら、俺の唇や首筋にキスして舐めて吸い付いた。
 自分の汗のにおいが気になったが、田中さんはそれを舐めとるように舌を這わせていった。

 奥さんはいいんですか。
 のどまで出かかった言葉を飲み込む。裏切り者。誰が。誰を。俺が。俺を。
 指が抜かれ、かわりに田中さんの勃起が押し当てられた。久しぶりの挿入。顔を顰めた。

「俺と別れてから、誰かとしたか?」

 腰を振りながら田中さんがきいてくる。なんて答えるのが正解なんだろう。正直に答えたら田中さんが気にしそうで、いつまでも俺が田中さんを引きずっていることがバレそうで、俺は「した」と嘘の答えを言った。
 田中さんはムッと眉を寄せた。嫉妬してくれたのだろうか。本当はその顔が見たくて嘘をついた。

「結局お前は、咥えこめるなら誰でもいいんだ」

 酷い言葉を投げつけながら乱暴に突きあげてくる。苦痛に声が漏れそうになる。
 田中さんの言葉を訂正する気はなかった。
 酷くされれば未練を断ち切れるかもしれない。少しでも幻滅して嫌いになれるかもしれない。

「そんなことありませんよ。今度の人は独身で優しくて、いきなり俺を振るような人じゃありませんから」
「俺を恨んでるんだろ」
「まさか。……少しだけ」
「本当にお前と一緒になるつもりだったんだ」
「もういいですよ」
「お前と一緒になりたかったんだ」
「その言葉だけでいいです」

 田中さんの首に腕をかけ、引き寄せてキスする。舌を絡め合う。田中さんが俺のペニスを握って扱く。俺のなかで田中さんの体積が増す。

「早く、動いて」

 締め付けながら腰を揺らした。田中さんが動き出す。出し入れの速度が増していく。

「はぁっ…んっ、あっ、あんっ…あぁっ…」

 仕事で疲れていたはずなのに、体の芯が燃えさかって熱い。一度で済まずに何度も、朝になるまで俺たちはお互いを求め合った。


 昨日と同じシャツに袖を通し、昨日と同じネクタイを締めた。どうせ倉庫に行ったらジャンパーを着るから誰も気づかない。
 歯磨きをしながら鏡に映る自分の首筋に、キスマークを発見した。そこへ指をあてる。ずっと消えなければいいのに、と思う。
 寝不足と二日酔いで田中さんは酷い顔だった。
 ボサボサの頭に手櫛を入れて整えてやった。されるがままおとなしくしていた田中さんが、ふいにポツリと呟いた。

「嫁が妊娠した」

 手を止めた。

「俺の子だ。放ってはおけない」

 これが別れの本当の理由。ほんのわずかに残っていた期待が粉々に打ち砕かれた。子供が相手じゃ仕方ない。勝てっこない。

「当たりまえですよ。妊娠した奥さん捨てる男なんて最低すぎます」
「すまん、俺は最低だ」
「わかってるなら、もう電話してこなで下さいよ。俺には新しい彼氏がいる。田中さんもパパになるんだから、寂しくても頑張って下さい」
「うん」

 頼りなく俯く。寂しいからと捨てた男に縋り付いてくるどうしようもない男。愛しい。放っておけない。利用されるだけでもいい。寂しいときにそばにいてあげたい。

「もうお前には電話しない。会うのも最後にする。今まで悪かった。ありがとう」
「いえ、こちらこそ」

 さようなら、と今度こそ本当に俺たちは別れた。




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2014-09-04(Thu) 20:17| すばらしい日々| トラックバック(-)| コメント 0

すばらしい日々(1/3)

<前話「大迷惑@一角獣」はこちら>

 連休に有休を合わせた長期休暇を取ってこちらへやってくるという嫁の計画を聞かされたとき、俺は英一のケツにちんこを突っ込んだままだった。

「えっ、こっちくんの?!」

 驚いて言うと、電話の向こうで嫁は「嫌なの」と不機嫌そうに言い、英一は気まずそうな顔で腰をずらして体を起こした。ズルリと俺のちんこが抜け出る。萎みかけたそれがゆっくり頭を垂らしていく。

「嫌じゃないって、ちょっとびっくりしただけ。だって明美、こっち来るのすごく嫌がってたから」
『嫌がってたわけじゃないよ。買ったばかりの家を空けるのが嫌だったの。人に貸すなんてもってのほかだし、私も仕事あったから残っただけだもん』

 その話はもういい。異動が決まったときに散々話し合った。

「で、いつくんの?」
『明日だよぉ!』

 驚いたでしょ、うふふっ。と嫁の笑い声を聞きながら俺は頭が真っ白になった。顔面蒼白になりながら英一を見ていたら、なにか察したらしく、英一はそそくさと服を身に着け始めた。
 我に返り、腕を掴んでとめた。声に出さず「でも」と英一が口を動かす。

「明日の何時?新幹線?飛行機?…わかった、じゃあ明日、空港に迎えに行くから。うん…気を付けて来いよ。…そんなことないって。楽しみにしてるって。うん…わかってるって。じゃあ、明日」
「奥さん、明日来るみたいですね」

 服を着た英一が三角座りで俺に言う。俺は力なく頷いた。

「はぁ…あんなに来るの嫌がってたくせに、明日は観光に連れてけってさ」
「仲いいんですね」
「そりゃ夫婦だからな…って俺、無神経?」
「別に。最初から田中さんが既婚者なのは知ってたし」

 と床に「の」の字を書いている。
 一年半前、ゲイのハッテンバと知らずに公園で飲んでいた俺はそこで英一に出会った。出会ったその日のうちに勢いだけで肉体関係を持った。それ以来、セフレのような友人のような状態を続けていた。
 俺は女が好きだし、今だって性欲がたまったときはエロDVDの女の体を見ながら抜いている。それとは別に英一のことも抱きたくなる。無性に一人が嫌で会いたくなる。 
 英一に連絡を取り、都合が合えば部屋に呼んだ。英一のほうから連絡を寄こすことは滅多にないが、たまにふらりとやってくることがあった。そんな時は二人の気分次第でセックスしたり、テレビを見て過ごしたりした。

 好きだの嫌いだの言ったことはないが、肌を合わせている以上、憎からず思っているはずだ。明日からしばらく嫁がいるから連絡は遠慮してくれ、と言うのはさすがにちょっと躊躇してしまう。

「続き…どうする?」
「明日奥さん来るんでしょ。においが残ってたらやばいじゃないですか。今日はもう帰ります」
「なんか悪いな」
「何も悪くないですよ。田中さんの夫婦仲壊したくないし。俺も責任持てないし」

 鞄を背負って英一は部屋を出て行った。あまりにあっさり引き下がったので、身勝手にも俺の方が少し腹を立てたくらいだった。


 翌日、嫁の明美が本当にやってきた。久しぶりに見た嫁はなんだか別人のように見えた。それを口にすると「あなたのためにおしゃれしてきたのに」と口を尖らせる。確かに付き合い始めの頃のように若々しく見えた。
 観光するあいだ嫁が腕を組んできた。妙に気恥ずかしい。逃げようとすると、今度は手を繋いできた。何年振りかの恋人繋ぎだ。

 外食し、部屋に戻ると嫁が抱き付いてきた。「ずっと会いたかった」と俺に口づけしてくる。久しぶりの嫁の体。やはり見ず知らずの他人に思えて緊張した。嫁は興奮しているようで、早く、と俺を急かしてくる。風呂も入らずセックスした。
 あらゆる場面で頭に英一がちらついた。英一のツボを心得たフェラに比べて嫁は下手糞だった。嫁を貫きながら、英一を思い出していた。一回で充分だと思ったのに、再度求められて義務的に立たせた。

 嫁も家に残り、一人寂しい思いをしていたのだ。だが俺には英一がいる。その後ろめたさから嫁の要求にすべて応えた。
 帰るまでの五日間、毎日セックスした。仕事終わりで疲れているときは正直寝かせてくれと思ったが、温かい食事を用意して待っててくれた妻を思うと断れなかった。

 だから嫁が土産を手に帰ったときはほっとした。その安堵を申し訳なく思いつつ、空港帰りに俺は英一に連絡を取っていた。


「奥さんがいなくなった途端僕を呼び出すなんて悪い人ですね」
「自分でもそう思う。でもお前に会いたくて仕方なかった」

 英一に抱き付き、懐かしいにおいを吸い込む。雄の匂い。柔らかくない体。なのにたまらなく欲情する。
 英一の服を剥ぎ取り、半立ちのちんぽをしゃぶる。一年前は自分が男のちんぽを進んでしゃぶる日がくるなんて想像したこともなかった。
 オイルで穴を解し、ゴムをはめて英一の中に入った。

「あ、あぁ…今日はなんだか…いつもより、大きい…?」
「そうか?久しぶりだからお前の穴がきつくなったんだろ」

 英一にキスした。音を立てて舌を絡めながら英一のちんぽを扱いた。英一の内部が痙攣するように俺を締め付ける。

「…っ…先に一回出していいか」
「今日は早いですね」
「お前が良過ぎるんだよ」

 腰を振った。英一は顎を持ち上げて咽喉を晒した。
 射精後、すぐまたエレクトした。新しいゴムをつけようとしたら止められた。

「そのままで」
「いいのか」
「田中さんの、中に欲しい」

 今度はバックから英一と繋がった。俺が突きあげるたび英一の背中がしなる。引き締まった体が俺の動きに合わせてビクビク反応する。

「はぁっ…んっ、あぁっ、あっ…、いいっ、気持ちいいっ…!」

 シーツに顔を押し付けて英一が自分のちんぽを扱いていた。ピストン運動を激しくする。

「あっ、あぁっ、あっ、あんっ、イク、イキそう、田中さん、イク…っ!」
「イケよ。俺はあと最低二回はイケる。お前もいまのうちに一回イッとけ」
「あぁっ!あんっ、そんなっ…激し、く…されたら…っ、あっ、やだっ、田中さ…っ、んっ、あっ、あぁっ、ああぁぁっ…!!」

 英一が果てたのを見下ろしながら俺は腰を振り続けた。
 嫁とさんざんセックスしてきた。昨夜もした。なのに英一に会ったとたん性欲のスイッチが入ってしまった。しかもぶっ壊れたかのように無尽蔵に湧き上がってくる。まるで英一と会っていなかった分を取り戻そうとしているみたいだった。

「もしかして俺、お前のこと好きなのかも」
「え…嘘…」

 驚いて英一が振り返る。

「迷惑か?」
「迷惑じゃ、ない…嬉しいです…」
「嫁よりお前の体のほうに興奮する。お前の顔見た途端、めちゃくちゃセックスしたくなった。嫁としてても、なんか…風俗行ってるみたいな感じだったんだ」
「俺は、違う…?」
「あぁ、お前とはちゃんとセックスしてるって感じがする。一回出してもまだイケる。お前にとって俺はただのセフレかもしれないけど」
「そんなこと、ないです…っ、俺は田中さんだけ、田中さんしか、嫌…」

 全身、ぞわりと総毛立った。目の前の引き締まった英一の体がたまらなくエロく見える。細い腰回り、適度な筋肉、汗で湿った肌、齧り付きたくなる項。こいつを独占したい、誰にもやりたくない。
 英一の腰をつかんで突き上げる。パンパンと音が鳴る。粘り気のある水音も弾ける。

「あっ、アァンッ、あぁっ、アッ、もっと、して、もっと…!」
「はぁ…ぁ…あ、イクぞ、英一」
「中に…っ、田中さん、俺の中に…っ!」
「わかってる、中出ししてほしいんだろ。お前の腹ん中、俺の精子でいっぱいにしてやる」
「いっぱいにして…っ、田中さんっ、俺を田中さんで…あっ、あぁっ、んっ」
「英一、好きだぞ、英一…!」
「あぁっ、あんっ、俺も…っ、田中さん、好き…好きっ…!」

 激しく腰を打ち付けながら、英一の中へ吐き出した。

※ ※ ※

「なんだか締りのない顔」

 呆れたように言ったのは、数少ないゲイ友、タカ君。タカ君には同い年の恋人がいる。ラブラブなブログを読んでいたらつい「羨ましいです」と書き込んだのをきっかけに付き合いが始まった。
 今日は俺の大学の卒業記念にプレゼントを渡したいと喫茶店に呼び出された。

「好きになったセフレに振られそうってすっごい落ち込んで電話してきたの、つい2、3ヶ月月前じゃなかったっけ?」
「それがあのあと、好きだって言ってもらえたんだ」

 田中さんの奥さんが来るとわかったとき、嫌な予感がした。きっと罪の意識から俺との付き合はやめようと言いだすだろうと思っていた。田中さんはもともとノンケで、ただ寂しさと気持ちよさからズルズル続いているだけだと思っていたから。
 久し振りに会いに行ったときは怖くて仕方なかった。部屋に入るなり田中さんが抱き付いてきてセックスになだれ込んでも、終わったらこれで最後と言われるのだと覚悟していた。なのに「好きだぞ、英一…!」なんて言われるなんて…。

 それからというもの俺たちはハイペースで逢瀬を重ねて恋人同士のようにイチャイチャした。目を合わせればキスしたし、気分が乗ればセックスした。田中さんは離婚を口にした。もう少し考えてみて、と俺は言ったが、本心では早く別れて欲しいと願っていた。
 この前会ったとき、田中さんは結婚指輪を外していた。もう必要ない、と。

「思い出し笑いやめてー、キモイー、ニヤけすぎー」
「ごめん。だって、田中さんは俺のことただのセフレとしか思ってないと思ってたから」
「だから言ったじゃん。さっさと好きだって告白しちゃえばいいって」
「奥さんいるのに無理だよ。迷惑がられると思ってたし、それで気まずくなって会えなくなったら嫌だし」
「一目会ったその日から恋の花咲くこともある、ってねー」
「なにそれ」
「ごめんねー、おじさんでー」

 タカ君は田中さんと同じ、30歳だ。おじさんなんて思ったことない。
 携帯電話の着信音が聞こえてきた。

「あ、田中さんだ」
「噂をすればってやつ?」

 通話ボタンを押して耳に当てる。外からかけているのか、背後に雑音。

『あ、英一、あの、俺』
「どうしました?」

 受話口からは雑音ばかりが聞こえてくる。田中さんはずっと黙ったまま。もしかして電波が悪いのかな。もう一度声をかけようと息を吸い込んだとき、

『悪い。もうお前とは会えない。別れてくれ』
「えっ…どうしたんですか…?僕、何か気に障ることしました?」
『お前は悪くない。俺が全部悪いんだ。だからもう来ないでくれ』

 最後は投げつけるように言うと、田中さんは通話を切ってしまった。
 突然切り出された別れ。好きだと、妻と離婚すると言っていたのはつい先日のことなのに。指輪の外れたあとを罪悪感と幸福感を味わいながら眺めていたのはほんの数日前なのに。

「ちょっと、どうした?」

 携帯を耳に当てたまま呆然としている俺の顔の前でタカ君が手を振る。ぼんやりとタカ君に焦点を合わせた。

「別れようって。もう俺とは会えないって、田中さんが……」
「えっ」

 タカ君も絶句する。俺は泣き出しそうになるのを堪えることで精一杯だった。


スイッチON!



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2014-09-03(Wed) 20:11| すばらしい日々| トラックバック(-)| コメント 0

好きと言って(4/4)

<前話はこちら>

 薬が切れてから、さりげなく沖田を避けてきたが、いまは土屋が沖田を追い掛け回していた。
 話しかけようと近づくと沖田はすっと離れ、友人たちの輪に加わった。話しかける隙を与えなかった。
 移動教室も別々になった。お昼も誘われなくなった。沖田がいないと教室に居場所がない。それどころか、沖田の庇護から土屋が外れたと見るや否や、すぐまた便所飯くんと呼ばれ、悪意のあるからかいの的になった。
 前は鋭い目つきで監視していた沖田は何も言わない。見てもいない。顔を背けて土屋と目も合わせてくれない。
 勇気を出してお昼を一緒に食べようと声をかけてみた。

「便所飯、調子乗んなよ。俺らとお前は身分が違うの。お前は身をわきまえて便所でメシ食ってろよ」

 以前、土屋の弁当から卵焼きを取ろうとして沖田に手を叩かれた男だ。その時のことを根に持っているのか、ことさらねちっこく土屋に絡んでくる。

「お前は黙ってろ」

 沖田の一言でそいつはピタリと口を閉じた。不満そうに土屋を睨む。

「おい、土屋、顔貸せ」
「あ、うん」

 沖田のあとについて教室を出た。
 何も言わない沖田の背中を不思議な思いで見つめながら歩いた。前はあんなに怖くて苦手で目も合わせたくない相手だったのに、いまはこの至近距離でも平気だ。振り向いて話しかけてくれないかとさえ思う。

 沖田は渡り廊下の手前にある自販機の前で立ち止まった。そこで缶ジュースを一本買う。ピーチソーダだった。沖田に飲むかと勧められて一口もらった。思えばこれがすべての始まりだった。沖田にハラハラしっぱなしで、いつしか新田が好きだったことなど忘れていた。

「もう俺に関わるな」

 ポツリと沖田が言った。

「俺のこと好きなんじゃないの?嫌いになった?」

 目を伏せたまま沖田はフッと笑った。

「すげえよ、お前。精神的にボコボコだよ俺」
「なんで?」

 視線をあげた沖田が静かに睨んでくる。怒っている。

「お互い嫌な思いすんのヤだろ。だからもう話しかけてくんな」
「俺は別に嫌な思いなんかしてないけど」

 クワッと一瞬、沖田の目が吊り上がった。また怒らせたようだが、土屋にはなにがいけないのかかまるでわからなかった。

「…いい加減、人の気持ち弄ぶのはやめろよ。俺がやなんだよ。もうお前のツラ見たくねえんだよ。お前を振り回したのは謝る。だからもう俺の視界から消えろ、消えてくれ、頼むから」

 沖田は疲れた顔で億劫そうに言葉を吐き出した。
 どうして終わらせようとするのだろう。こっちの気持ちはお構いなしで理不尽だ、と土屋は思った。

「俺のこと好きになってくれたんじゃないの?」
「だから…!そういう思わせぶりなのやめろって言ってんだよ!」
「そんなつもりじゃ…俺はただ、沖田くんが俺のこと好きなのか確かめたくて…」
「もう好きじゃねえよ、嫌いだよ、自惚れんなクソ野郎が」

 そんなことを言いながら沖田は泣きそうな顔だった。なぜ怒っているのかはわからないが、自分が沖田を悲しませていることはわかった。

「ごめん、沖田くん」

 沖田の腕を掴んだ。びくっと大きく震える。ピーチソーダが零れて沖田の手を濡らした。土屋はその手を舐めた。

「…っ!な、に、すんだよ…!!」
「俺も好きだって言ったら、また俺のこと、好きになってくれる?」
「なっ…なに言って…お前、やっぱおかしいよ、異常だ、病院行けよ」

 言葉は辛辣でも沖田の動揺が掴んだ手から伝わってくる。
 鼓動が大きくなる。二人の息遣いが交わる。

「俺も、沖田くんのこと、好きになったんだけど…」

 沖田の顔が歪む。

「沖田くんは?俺のこと、好き?」
「……っかじゃねえの…お前…」
「ほんとの気持ち、教えてよ。好き?嫌い?」

 土屋にとって大事な質問だった。勘違いや嘘であっては困るのだ。だから真剣に問いかけた。
 好きと言って。好きだと言って。願う気持ちで沖田を見つめた。
 真摯な眼差しに、沖田は居心地悪そうに眼を泳がせた。そして長く長く躊躇ったあと、コクリと頷いた。

「すき……」


 二人きりになれる場所を探したらまた体育倉庫に来ていた。薄暗く黴臭い場所で抱き合う。自分が薬など使わなくても沖田相手に興奮し勃たせることができるのは今までの行為で証明済みだが、いわば素面状態の沖田が本当に自分と同じ反応を示すか不安だった。
 キスしながら股間をまさぐった。硬く熱いものが手に当たる。

「すごい…本当に勃起してる…」
「ばっ…か、てめぇだってそうだろ」

 顔を真っ赤にさせながら沖田も股間に手を伸ばしてくる。性急な動作でズボンをずりおろすと、飛び出したペニスを握った。
 お互いのものを扱きあった。沖田に頭髪を掴まれて乱暴なキスを受ける。吐息が熱い。唾液が零れる。土屋も夢中で吸いながら沖田の胸に手を這わした。
 小さな乳首を指で弾いたり、強弱をつけて摘まむと、沖田の体がピクンと跳ねる。

「俺に触られて嫌じゃない?」
「や、なわけ、ねえだろ…!」

 掠れた声で沖田が答える。体もピンクに色づいて色っぽい。
 沖田の服を脱がせて胸に吸い付いた。

「はぁっ…あっ…んっ…んん…」
「気持ちいい?」
「…そんなの、いちいち聞くな…」

 土屋の舌と手の動きに、沖田が反応を見せる。喘ぎ声を漏らす。惚れ薬を使わずに。

「ほんとに俺のこと、好きなんだね」

 ただ確かめたいだけなのに、これを言うと沖田は一瞬怯えた表情を見せた。そして困惑気味に目を逸らす。

「お前ってなに考えてっかわかんねえ」
「沖田くんのことだよ」
「……もういいから、早く入れろよ」

 顔を真っ赤にしながら土屋のペニスを引っ張る。
 ひくつくアナルに自分の勃起をあてがった。欲情しきった目が土屋を見上げている。沖田がこんな顔を見せるなんて。手で支えるペニスがグンと膨らんだ。
 媚薬でおかしくなっている沖田とは何度もセックスしたが今日は違う。本心から土屋のペニスを欲しがり股を開いている。
その中へズブズブと身を埋めていった。きついが中は熟んで熱い。沖田の勃起も衰えない。フルフルと震えながら先走りを溢れさせている。

「沖田くんて、意外といやらしいんだね」

 沖田の体が強張り、ギュッと締め付けられた。見ると沖田が鬼の形相で睨んでいた。

「ごめん!だって、すごく気持ちよさそうだし…」
「うるせえ!黙って腰振ってろ!」

 言われた通り腰を動かした。「いやらしい」と言われたことがよほど恥ずかしかったのか沖田は唇を噛みしめて声を殺していた。しかし土屋が少し角度をかえて突きあげると、堪え切れずに声をあげた。

「あぁっ!…ん!あっ…はぁ…あっ、ああっ…!」

 薬なんかなくてもこんなに淫らな声をあげ、表情を見せてくれる。土屋にはそのすべてが驚きと感動の対象だった。
 ペニスを握った。2、3擦ると沖田が泣きそうな顔を持ち上げた。

「やっ、やめ…出る…」
「先にいっていいよ」

 口許に腕を当ててぎゅっと固く目を瞑る。ハァハァと荒い息遣い。胸が大きく上下している。

「ふっ…んっ…あ、あぁ…あっ、出る、イク、土屋…あ、イク…っ!!」

 びゅるっと大量の精液が飛び出して沖田の腹に着地した。

「いっぱい出たね」
「や、もう…擦んな…」
「沖田くんはいつも1回じゃ終わらないでしょ」

 腰を打ち付ける。摩擦でさらにペニスが硬く研がれる。夢中になって出し入れした。

「はぁっ、あっ、あんっ…あ、土屋、あっ、あ…」
「大好きだよ、沖田くん」

 熱い塊を沖田の中へ吐き出した。


 チャイムの音が聞こえた。5限目が終わったようだ。

「そろそろ教室に戻ろっか」
「真面目か。もう6限もふけちまえよ」
「駄目だよ」

 制服を手繰り寄せる。沖田のズボンに硬い手触りがあった。持ち上げた拍子にポケットからそれが滑り落ちる。床に転がった小瓶を見て、土屋はサァッと血の気が引いた。
 見覚えのある小さな瓶。占い師の婆。

「これ…」

 拾い上げる。家に置いてあるから自分のじゃない。それに中身が入っている。

「あぁ、それ。占い師みたいな胡散臭い婆にもらった」

 もしかして使ったのか?いま自分が抱いている沖田への感情もさっきまで欲情にかられるまま執拗に沖田の体を愛撫したのも、もしかしてこの薬のせいだったのか?
 そういえばここへ来るまえ、自販機の前でジュースを一口もらった。まさかあの中に…!

「沖田くん、これ…!!」
「惚れ薬なんだとよ、ふざけてんよな。誰がそんなもん信じるかっての。馬鹿は信じて買っちゃうんだろうけどな。あ、飲むなよ、なに入ってるかわかんねえから」

 改めて瓶を見る。よく見るとシールの封が切られていなかった。沖田は使っていない。自分の感情も、衝動も、全部本物。まがい物なんかじゃない…!

「沖田くんて、かっこいいね」
「はあ?なんだよ急に」
「すごく、すごく、かっこいいね!」
「うるせえわ、男に突っ込まれてアンアン言ってる俺のどこが」
「そこはすごくやらしくて可愛いと思う!」
「殺すぞ」

 照れ隠しの制服が顔に投げつけられた。痛くない。少し面映い。
 6限もふけろと言った沖田が制服を身に着けている。その腰に、土屋は抱き付いた。




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2014-09-01(Mon) 19:43| 好きと言って| トラックバック(-)| コメント 0

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