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更新履歴・お知らせ

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

2014/02/20
先生 その1(1-2)更新。
先生 その1(2-2)更新。完結

2014/02/19
娘さんを僕にください更新。完結

2014/02/18
ノビ更新。完結

2014/02/17
ノビ更新。

2014/02/16
1万3千円更新。完結

2014/02/15
1万3千円更新。

2014/02/14
ファンレター更新。完結

2014/02/14
ブログ始動。
「ファンレター」公開。

よろしくお願いします。

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DiGiket.comさん

薔薇色の日々
  (「裏の顔」改訂版)

不埒な短編集
 短編3つ

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長男としての責務(1/2)

※アンケート1位小説「兄弟(弟×兄)」

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!ほら見て!僕逆上がりできたよ!」

 夢の中、素直で可愛らしかった小学生のころの守が出てきた。日が落ちて暗くなるまで逆上がりの練習に付き合ってやった。逆上がりが出来ると守は頬を上気させて嬉しそうに笑った。あんなに可愛かったのに…
 中学二年で反抗期が始まった。そして厨二病をこじらせた中学三年、第一志望の高校に落ちた。滑り止めで受かった高校一年目で不登校になり、二年目で留年、あと少し学校へ行けば三年にあがれるという二度目の二年生終わりごろに退学。母さんを泣かせた。
 二十歳になった今じゃ立派なヒキニート。俺は大学進学とともに家を出て、そのまま就職したからもう六年はまともに守の顔を見ていない。
 たまに帰ってきても守は自室に引きこもっているし、お兄ちゃんなんとか説得してと親に頼まれて声をかけてみても、顔を出すどころか返事さえしやがらない。
 鬱陶しいけど、俺には直接関係ないしと放置してきたが、そうも言っていられなくなった。付き合っている彼女が、俺の親に会いたいと言いだしたのだ。結婚するならこいつかな、と思っていたから親に会わせるのは全然問題ないが、身内に成人したヒキニートがいることを知られたら彼女に引かれる。高校中退ヒキニートが弟なんて知られたら振られるかもしれない。こいつは生きながらにして我が家の不良債権に他ならないのだから!
 だから俺はこの正月、じっくり弟と向き合う決意をして帰省した。俺の決意を話すと感謝した母さんがアルバムを持ち出してあの頃はよかったと思い出話を始めた。だから、昔の可愛いころの守の夢を見たのだろう。あいつは一体どこで何を間違ってしまったんだ…。

 寝ぐせのついた頭をボリボリ掻きながら下へおりると誰もいない。テーブルに「父さんと初詣行ってきまーす。おせちは冷蔵庫にあり〼」と書置きがあった。おせちはいらねえ。引き出しからカップラーメンを探し出し、湯を入れた。
 あいつも食うかな。一応声をかけてみよう。
 守の部屋の前へ行き、ノックしてみる。予想通り反応なし。

「守、カップラーメン作るけど、お前も食うか?」

 返事なし。かすかに物音がするから起きてはいるらしい。といってももう昼前なのだが。

「母さんたち初詣行ってていねえから、誰もメシ運んできてくれねえぞ。腹減ってんなら、下までおりてこいよ」

 どうせ返事はしないから、それだけ言うと下へおりて、一人カップラーメンを啜った。食べ終わり、正月番組をザッピングしていたらギシ、ギシと階段を下りてくる音。ガン見したい欲求を押さえ込み、俺はなんとかテレビ画面を見たまま言った。

「カップラーメンかおせちしかねえぞ」
「……おせち」

 ボソッと守が返事をした。クララが立った!クララが立った!口元がにやけそうになる。それを必死に押しとどめ、守のために冷蔵庫からおせちを持ってきてやった。
 三段のおせちを広げ、小皿と箸をテーブルに並べてやる。上に行かせてなるものか。
 守はリビングの出入り口付近でボーっと突っ立っている。グレイのスウェット上下。ところどころ食べこぼしの染みが出来て、毛玉だらけで薄汚い。髪の毛はボサボサ伸ばし放題で目が見えない。後ろも肩についていて実に不潔。小学生のころは真っ赤なほっぺの美少年だったのに…。この変わりように兄として複雑な気分になった。彼女のこととは関係なく、こいつをどうにかしなければ、と本気で思った。

「一緒に食おうぜ」

 自分の分の小皿と箸も用意して椅子に座った。しばらく俯いたまま微動だにしなかった守が観念したようにテーブルについた。
 パクパクと栗きんとんばかりを食べる。

「おい、ほかのも食えよ」

 俺が注意すると今度はかまぼこばかりを食べる。

「おい、ばっかり食べすんな」

 長い前髪の隙間から俺をジロと睨む。部屋にこもっているから顔色が青白い。不健康そのもの。

「たまには外に行ったらどうだ?」
「……行きたくない」
「散髪するとか、服買いに行くとか」
「……店員と話したくない」
「俺とは話せてるだろ」
「……一応兄弟だし」

 一応ってなんだよ。れっきとした兄弟だよ。

「彼女とか欲しいと思わないの?」
「女なんかいらない」

 それまでボソボソとしたしゃべり方だったのに、この時だけははっきり拒絶した。強い意思表示には何か意味があるのだろうか。もしかしたら引きこもりになった原因があるのかもしれない。例えばこっぴどく振られてしまったとか。

「なんで?女の子好きじゃないのか?」
「好きじゃない。あいつら、うるせえ。キモい」

 お前の方がキモがられてると思うけど。

「学校ン時、女の子になんかされたか?」
「別に」

 とまた栗きんとんばかりを口にする。

「今度さ、俺の彼女をうちに連れてこようかと思ってんだ」
「……結婚するの?」
「んー、まだどうかわかんねえけど、そうかも」
「プッ……結婚するとか人生終わってる」

 ニタニタと笑いやがる。人生終わってるのはお前のほうじゃボケェと罵倒したいのをぐっと我慢する。
栗きんとんとかまぼこを全部平らげると守はまた部屋にこもった。


 夕方に母さんたちが帰って来た。初詣のあと買い物に行ったらしく、買い物袋を両手に抱えて戻ってきた。初売りで安かったから、と俺にも買ってきてくれるのはありがたいことなのだが如何せん趣味が合わない。部屋着にしよう。

「守もここで食べたの?」

 テーブルに出しっぱなしだった皿と箸を見て母さんが驚く。

「食った。かまぼこと栗ばっかだけど」
「あの子、それしか食べないから」

 甘やかしすぎ。

「これ、渡してきてあげて」

 大きな紙袋を1つ渡される。守の服らしい。

「自分で行けよ」
「あの子、私が何回言っても下に来て食べたことなかったのよ。やっぱり兄弟よね。お兄ちゃんが帰って来たのが嬉しいのよ。もしかしたら部屋にも入れてくれるかもしれないし。ほら、早く」

 過度な期待を背負わされてリビングを追い出された。仕方なく守の部屋へ行き、扉をノックする。

「おい、母さんから土産」

 返答なし。その態度に軽くイラッとくる。ドアノブをつかんでまわした。

「開けんなよ!!」

 少し開いたところで中から怒号。大きい声出せるんじゃねえか。先に生まれたお兄ちゃんの強権発動!扉を開けて中に身を滑り込ませた。

「っけんなよ!出てけ!!」

 鬼の形相で迫って来る守の背後…というか部屋一面の景色に俺は絶句した。ピンク。肌色。いかがわしいポスター。なんじゃこりゃあぁぁあああっ!!!

「守、お前、これ…」

 口をパクパク。壁一面、ほとんど裸の幼い子供のポスターがびっしり。唯一の救いと言っていいのかわからないが、実写じゃなくて絵だってことだ。しかもそれだけじゃない、棚やタンス、机の上に、これまたやっぱり裸同然の子供のフィギュアがずらりと並んでいた。

「おま、これ、おま…おま…これ…」

 彼女の顔が頭に浮かぶ。思いっきり軽蔑し、見下し、別れを切り出す彼女の顔が。

「ざっけんな!なに勝手に人の部屋入ってんだよ!!出てけよ!!」

 ガッと俺の肩を掴んで扉に打ち付ける。目の前の光景に、俺は痛みを感じるどころじゃなかった。犯罪者、そんな言葉が目の前の守と重なりゾワッと寒気が走った。

「守、お前、これは駄目だろ…こんな…ロリコンは、駄目だろ…」
「ロリコンじゃねえ!!」

 いやどう見ても子供じゃねえか!胸ぺったんこじゃねえか!

「この子たちを汚ねえ女と一緒にすんな!みんな男の子なんだぞ?!」

 はっ?!はぁ?!なんで鬼気迫る顔でそんな訂正できるわけ?!ロリコンじゃなくてショタコンだってほうが二重苦三重苦だろうがよぉ!

「おまえっ…守、おまえ、ホモでショタなのか…?!」
「誰にも迷惑かけてねえだろ!!」

 顔を真っ赤にして口から唾を飛ばす守を見てたら、全身から力が抜けた。
 誰にも迷惑かけてない。こいつはそれを唯一の免罪符にして、長年こんな生活を続けていたんだろう。誰にも迷惑かけていない。そう思い込むことで自分の性癖を正当化して、ヒキニートの言い訳に使ってきたんだ。学生でもない成人した健康男児が親の脛かじってる時点で迷惑なんだってことから目を背けて。

「小さな…男の子じゃないと駄目なのか…?」
「女は汚らわしい。あいつら月一で血を垂れ流すんだぜ。存在が汚物」

 なに知ったかぶってんだ。俺の目にはお前の方が汚物だよ。

「女はまったく、駄目なのか…?」
「視界にも入れたくないね」

 と壁のポスターに目をやる。つられて俺も見てみると、確かに少女だと思った子供はみな髪の毛が短くて、ショートパンツを履いていたり、男物の下着を身に着けていた。その股間に、男を示す膨らみ。なかには中身が出ちゃってるものもある。こいつはこんなものに囲まれて毎晩こんなものを見ながらシコッているのか…。
 これが実の弟だとは信じたくなかった。不登校になったあたりで気付いていれば。いや、厨二病を発症したあたりで気付いていればここまでの進行は防げていたかもしれないのに…!
 今更過去を悔やんでも仕方ないのはわかっていても、悔やまずにいられなかった。俺には関係ないと放置してきた罪悪感もあった。
 なんとかしないといけない。彼女とはまったく別問題で、こいつをなんとかしないといけない。これは長男の責任だ。

「お前、まさか実際に男の子に変なことしてないだろうな…?」
「やったら犯罪だし。それに俺、外でないし」

 確かにそうだ。とりあえず未成年に手を出したら犯罪だと認識してくれているのは助かる。

「男の子見たらムラムラッとくるのか?」
「…まぁ…」
「いつから…?」
「…中学の頃から」

 やっぱあの頃からこいつの人生狂いだしたんだな。こいつがこうなってしまった根元を知らねばならない。こいつの暗部を俺も知らねば解決しない。

「俺に教えてくれ。ショタのなにがいい」
「えっ…兄ちゃんもショタ…」
「俺は違う。断じて違う。だが兄貴として、弟のことを理解してやりたいと思う」

 前髪の隙間から守が俺をジーッと見つめる。何か言いたげに口をモゴモゴさせたあと、ふいと背を向けてテレビの前に座り込んだ。ビデオデッキになにかDVDを入れる。テレビ画面が切り替わり、アニメ絵の少年が出てきた。

「これ。俺が最初にハマッたショタアニメ」
「どんな内容?」
「魔法使いの少年が悪を倒す話」

 なんだ割と普通の内容なんじゃないか。ホッと緊張を解いて守の隣に座った。アニメが始まった。ランドセルを背負った少年が元気よく家から出てくる。悪役らしい男が少年に襲い掛かる。少年はステッキを取り出すと、呪文を唱えて変身した。なぜかセーラー服っぽいデザイン。超ミニのスカートの下に、敵の触手が潜り込み、幼いペニスを絡め取る。
目を背けたくなる。だが隣の守は凝視している。前かがみでソワソワ落ち着きがないのは、もしかして勃起しそうだからか。
 テレビの中で少年が触手に犯されている。少女のような悲鳴をあげながら精液を吐き出し、敵に向かってもっとぉとねだっている。これが本当に少女ならギリギリ1ミクロンのところで男の性だと理解できそうだが、股間のチンコがそれを台無しにする。おぞましい。隣の守がハァハァ荒い息遣いなのが実におぞましい。

「こういうのじゃないと、興奮しないのか?」
「未発達な体がいいんだ」
「女の体もいいもんだぞ。想像したことないのか?」
「女の体なんかキモくて触りたくもない」

 向こうもキモオタショタヒキニートなんかに触られたくないと思うぞ。
 テレビを直視できなくて視線を彷徨わせる。ベッドの下に雑誌が隠してあるのを見つけ、引っ張り出して後悔した。それは部屋のなかのアニメポスターをフェイクに使う、こいつの姑息さを凝縮したものだった。幼い男の子のグラビア。太陽の光の下、木にもたれかかる半裸の少年の実写写真。またしても犯罪の二文字が頭のなかを占拠する。

「お前…これ…」

 俺が出した雑誌を見て、守はサッと顔色をかえた。

「やっぱアニメだけで満足できてねえじゃん…」
「仕方ねえだろ、俺だって男なんだから!!兄ちゃんだって汚ねえ女のアソコに突っ込んでんだろ!同罪だろうが!」

 同罪か。同罪なのか。違うだろ。俺の相手はちゃんと成人しているぞ。

「頼むからその辺の子に手を出すなよ。これ以上親泣かせんな。この通りだから」

 膝に手をついて頭をさげた。情けないッたらない。小児性愛は一生治らない。こいつもきっと一生治らない。身内から犯罪者が出るかもしれないのだ。しかもショタでホモだなんて…。ホモはともかくショタだなんて…。俺一生結婚できないかもしれない。いやまともな人生すら送れないかもしれない。

「なに頭下げてんだよ。いままで俺に興味なかったくせに、自分が結婚しそうな相手が出来たからって、いまさら兄貴面すんなよ」

 守の言葉が突き刺さる。こいつの言う通りだ。俺は今まで守にまったく興味がなかった。ヒキニートの身内を恥じるだけで、何もしてこなかった。存在さえ、自分の人生から抹消しようとしていた。

「俺がこんなだから兄ちゃんは恥ずかしいだけなんだろ。俺が不登校になった時も、こんな弟が恥ずかしいから無視してたんだろ。結婚するかもってなったから、慌てて俺のこと、どうにかしようと思って来たんだろ。今までほったらかしにしてたくせに、自分の都合だけで帰って来て俺に説教すんなよ!俺だって好きでホモになったわけじゃない!小さい子にしか目がいかないのも、俺の意思じゃどうしようもないんだよ!」

 叫ぶと、守は雑誌を掴んで壁に投げつけた。叩きつけられた雑誌が床に落ちる。パラリと開いたページには、小さい下着を横にズラして、大股を開く少年の写真があった。こんなものでしか守は興奮できない。それは確かに悲劇だろう。手を出せば犯罪。普通の恋愛など望めないのだから。頭がクラクラする。

「兄ちゃんにしてやれることはないか…?」
「あるわけないじゃん」

 守はグズッと鼻をすすりあげ、スェットの裾で涙を拭った。アニメポスターとフィギュアに囲まれた八帖の部屋が守の世界、守の人生。それじゃあまりに惨めじゃないか。

「なにも…ないか?」
「俺の相手してくれんの?」

 挑発するような歪んだ笑みを浮かべて守が吐き捨てる。守の相手なんかしてやれるわけがない。無理難題を押し付けることで、守は俺を部屋から追い出し、自分の世界からも締め出したいのだ。
 無力な自分に失望した。俺がしてやれることは何もない。膝に手をついてゆっくり立ち上がった。守に背を向け、ドアノブに手をかける。刺さるように冷たい感触が俺を糾弾しているようだ。
 振り返って口を開く。

「男同士は…どうすればいいんだ?」

 充血した守の目が大きく見開かれた。




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2014-04-30(Wed) 19:59| 長男としての責務| トラックバック(-)| コメント 1

セフレ(1/1)

 深夜。着信で起こされる。
 発信者は見るまでもない。

「なに?寝てたんだぞ」
「もうすぐ家つくから、鍵開けて」
「は?」

 直後、チャイムが鳴った。コンコンとノックの音とともに、「開けろ」と博成の声が耳に吹き込まれる。
 本当に来やがった。何時だと思ってる。見ると深夜の三時過ぎ。常識外れな行動も、毎度だと怒りしかわいてこない。

「何時だと思ってるんだ」
「金ないから歩いてきてもうクタクタなのよ。文句は明日聞くからもう寝かせて」

 俺を押しのけてズカズカ中に入ってくる。
 寝室へ直行する後ろ姿に昔を思い出した。
 俺は博成と付き合っていた。わがままに付き合いきれなくて半年ももたなかった。別れて二年が経つ。俺が博成と別れた直接の原因は博成の浮気だった。浮気相手は俺と博成共通のゲイ友で、そいつとハッテンしている現場を目撃してしまったのだ。ショックなんてもんじゃなかった。だから俺から別れを切り出した。
 その後二年の間も博成は何人もの男と付き合い、問題を起こし、捨てたり捨てられたりして、あいかわらず落ち着きがない。きっと二年前のときも博成から誘ったに違いない。

「また男に捨てられたな」
「ちげーわ。俺が捨ててやったんだわ」

 それだけ言うと、博成は俺のベッドに横になる。仕方なく隣に入ると博成からキスされた。

「やだよ。明日も仕事だ」
「いいじゃん。途中で追い出されたから消化不良なのよ」
「やっぱお前が捨てられてんじゃねえか」

 ぐっと股間をわし掴まれる。クニクニ揉まれているうちに勃起した。
 博成はふとんの中に潜り込んで、俺のちんぽを舐め始めた。博成と別れてから誰とも付き合っていない。この二年、たまにやってくる博成以外、誰ともセックスしていない。こいつにとって俺は都合のいいセフレなんだろう。

 ふとんを剥いで起き上がった。博成を四つん這いにさせ、後ろから挿入してやる。体の相性だけは抜群に良かった。

「あぁん、んっ、あっ、あぁっ…いいっ…気持ちいいよ…もっと、突いて!」

 博成がよがる場所を攻める。俺はそれがどこかを熟知している。

「はっ!あっ!あぁっ!…そこっ、好きっ…いいっ…もっと、して…!あっ、あんっ!もっと…きて…!あぁ、んん!」

 髪を振り乱しながら、博成が射精する。俺も間もなく、中へ射精した。



 まだ寝ている博成を残して仕事へ向かった。テーブルにスペアの鍵と、鍵を閉めたら新聞受けから鍵を入れといてくれというメモを残しておいた。それでもなんとなく二人分の弁当を買って帰宅した。戸を開けた瞬間、博成がいなくなっているとわかった。真っ暗な室内に、人のいた気配も温もりも残っていない。ずいぶん早くにここを出たようだ。
 なにか踏んづけたと足をあげると、スペアの鍵だった。持って帰るかな、と思っていただけに、暗い家のなかで見つけると俺自身を置いて行かれたような寂しさが際立った。
 やっぱり俺はあいつにとって、ただの都合のいいセフレ、いざというときの緊急避難場所、その程度なんだろう。



 馴染みの店で飲んでいると博成の噂話を聞いた。いまはなかなかのイケメンとラブラブらしい。妬ける?と聞かれて俺の知ったこっちゃないと素直に返すと、素直じゃないねと言われて面白くない。仏頂面で飲んでいたら、いつの間にか知らない男が隣に座って俺の太ももに手を乗せていた。

「いくつ?」
「25」

 まだ二十歳を超えたばかりに見える青年と店を出て、博成と何度か入ったことのあるラブホに入った。あいつだってとっかえひっかえ誰彼かまわずヤッてるんだから、俺だって楽しまなくちゃ損だ。あいつ有責で別れたのに、あいつのほうが人生謳歌しちゃってるのが現状。捨てた俺が恋人も作らず一人で2年も過ごしてたなんて惨めじゃないか。しかも博成の都合のいいように扱われて。

 二人でシャワーを浴びている途中から、俺は彼に欲情して突っ込んだ。浴室に彼の声が響き渡る。貪るようにキスをし、AVさながらの体位で彼を貫き、責め抜き、果てさせたあと、最後は彼の顔にぶっかけた。シャワーで洗い流しながら詫びると、妬いてるの?と問われて意味がわからなかったが、浴室を出た後、さっきの店の会話のことを言っているのだと気付いた。彼は話を聞いていたらしい。違うと訂正するには遅すぎて黙って彼をベッドに押し倒し、前から貫いた。
 博成ほどでないにしろ、相性は悪くなかった。だから連絡先を交換して別れた。



 彼の名前は慶太という。年下というのもあると思うが、彼は素直でほどよく甘えん坊で可愛い恋人だった。実の年齢が22歳だと白状したあと、慶太は「ごめんなさい」と申し訳なさそうに謝って来た。嘘をついた理由も、あまり若すぎると相手にしてもらえないかもしれないと思ったからで、かわいらしくてすぐ許した。
 博成ならこうはならない。
 何歳かと聞けば何歳がいい?と返されるし、自分に都合のいい嘘はよくつくが馬鹿だからすぐバレる。バレても悪びれず笑い飛ばし、こちらが怒るとへそを曲げ、最終的にこっちが折れて機嫌を窺うはめになる。あっけらかんとした性格だが、ころころ気分がかわるので振り回されるほうはたまったもんじゃない。
 慶太にはそんなところがない。俺に気を遣ってくれるし、簡単にヘソを曲げたりしないし、ちょっとしたことでもすぐ「ごめん」と言ってくれる。だから俺たちが衝突することなんかない。一ヶ月経っても、喧嘩はまだ一度もない。
 お互い気を遣いあって、居心地のいい空間を一緒に作り上げる。恋人ってそういうもんなんだとしみじみ実感していたある日の夜、日付がかわりそうな時刻に博成から電話があった。

「悪いんだけど、迎えに来てくれない」

 酔ってるとわかる口調で場所を指定する。当然断った。イケメン彼氏に迎えに来てもらえばいい。

「金ないの。タクシー乗れないの。だから迎えに来てよ」
「なんで俺が行かなきゃなんないんだよ。新しい彼氏に来てもらえよ」
「あんなチンコも器も小さい男、振ってやったわ」

 また捨てられたのか。

「とにかく俺には関係ねえから。それにいま俺、付き合ってる奴がいるから、勘違いさせることしたくないし」
「誰と付き合ってんのよ?俺よりいい男?」
「若くて素直で可愛くて、誰かさんとは大違い」

 通話が切られた。
 あいつが怒っているのを想像すると、今までの溜飲が少し下がる思いだ。
 また電話をかけてくるかと思ってたが、予想に反して一度も鳴らない。拍子抜けしていたら、誰かがチャイムを連打する。開ける前から、それが誰だか想像できた。金ないのにどうやってきたんだか。

「うっせー」

 鍵を開ける音で連打が止み、扉を開けると博成が抱き付いてきた。というかそのまま押し倒されてしまった。廊下に尻もちをつく俺の上に跨って、乱暴にキスをしてくる。

「おいこら、土足!」

 押し返してなんとか引きはがす。博成はフーフーと毛を逆立てる猫のように怒っていた。

「俺のほうが好きだろ!」
「はっ?なに言ってんだよ」
「新しい男より、俺の方が好きだろ!俺に振られて寂しいから、俺のかわりに付き合ってるだけだろ!」

 慶太のことを言ってるらしいが、言ってることがもう滅茶苦茶だ。

「お前のかわりなわけねえだろ。なに自惚れてんだ」
「絶対嘘だ!お前はまだ俺に惚れてる!なに勝手に新しい男作ってんだよ!」
「なんでお前の許可が必要なんだよ!お前は何人と付き合った?!俺に一度だって許可を求めたことあったか?!」
「俺は誰とも付き合ってねえわ!」
「は?!お前のほうこそ嘘つくなよ!散々俺に男の話聞かせてきてたじゃねえかよ!」
「誰とも本気じゃねえわ!」
「…っ…は、…はぁっ?!」

 博成の言ってることが理解できない。今まで付き合ってきた男全部、本気じゃなかったっていうのか?なぜそんなことを言うんだ?なぜこんなに怒ってるんだ?なぜこんなに俺に固執するんだ?

「ぜってー許さねえから!」

 鼻息荒くしながら俺のベルトを外して抜き取る。その間、ロデオみたいに腰を揺すって俺の股間をグリグリ押してくる。玉と棒とがこすれてだんだんそこが立ってくる。

「俺以外の誰かと付き合うとか、ぜってー許さねえから!お前には俺だけでいいんだよ!」
「なに言ってっかぜんぜんわかんねえよ!もう俺とお前はとっくの昔に別れただろ!お前も俺以外の男と付き合ってんだろ!」
「だから!誰とも本気じゃねえって言ってんだろが!」
「じゃあ俺とはどうだったんだよ?!」
「本気に決まってんだろ!今も昔も!一番に好きなのはお前なんだよずっと!馬鹿野郎!」

 絶叫に近い博成の言葉。
 二年前、博成に別れを切り出した時のことが頭に蘇った。別れよう、もう無理だから。そう言うと、博成は顔面蒼白になって言葉をなくした。どんな喧嘩をしたって博成が黙ることなんてなかったのに。

「俺が本気で好きだったくせに、なんで浮気なんかしたんだよ」
「酔ってた。しかもラッシュ嗅がされてラリってお前と間違えた」
「だったらそう説明しろよ。言わなきゃわかんねえよ」
「でもお前以外の男とヤッたのは事実だし」

 途端にトーンダウンして下を向く。あの一件を本当に悔いて罪を感じていたのだとわかる、博成の消沈ぶり。

「そんなに反省してるわりに、そのあととっかえひっかえだったな」
「お前に嫉妬させたくて」
 
 人差し指と人差し指を突き合わせてツンツンといじける。

「ごめんなさいは?」
「え?」
「ごめんなさい、は?」
「ご…ごめんな、さい…」
「最初からそう言え」

 確かに共通のゲイ友は博成に気がある素振りだった。でもまさか友達の彼氏を寝取るなんて思ってもなかったから、一線超える真似はしないと油断してた俺にも落ち度があると言えばある。

 体を起こし、博成にキスする。珍しく博成が遠慮がち。服のなかに手を入れて乳首を摘まむ。ビクンと膝の上で体が跳ねる。ワイシャツのボタンを外し、アンダーシャツをたくしあげ、乳首に吸い付いた。

「アッ…!」

 舌で転がすように高速で動かすと博成の体がビクビク反応する。これ、博成が好きなやつ。面白いほど反応する。

「あぁっ、んっ!アッ…やっ、や…あぁっ…!」

 博成の股間が持ち上がってきたのが見えた。ズボンの上から亀頭を揉むと布が染みてきたので、押し倒して脱がしてやった。玄関すぐの廊下の上だが、今更ベッドへ移動するのも面倒で、そのまま続ける。
 博成の足を持ち上げて、肛門に舌を差し込む。括約筋に絞られながら、中と周囲をベトベトになるまで舐めて充分解した。

「やぁっ!あっ!もう、やっ…そこ…そんな、やっ…舐めちゃ…や…」

 物欲しそうにヒクヒクと蠢いているそこへ、俺はちんぽをぶっ刺した。

「あっ!あっ―――、ああぁぁっ……!!!」

 ドピュッと博成のちんぽから精子が飛び出した。触らずに、だ。トコロテンでイッた博成の顔にまで精液が飛んでいた。

「あ…あぁ…や…こんな…初めて……」
「まだ終わりじゃねえだろ」

 始めたばかりだ。
 博成の膝の裏を押さえながらパンパンと叩きつける。玉と玉がぶつかる。キュンキュンに博成が俺を締め付けてくる。

「あぁっ…やっ!だ…めっ!ゆっくり…!俺、イッたばっか…!んっ!あっ!アンッ!」

 ギュッと目を瞑って顔を歪める。そんな博成に激しく欲情する。腰使いを早くしながら、博成の前立腺を擦り上げた。先ほどの残滓を垂らしながら、博成のちんぽがまた立ち上がる。

「んっ!アンッ!あぁっ!やっ…気持ち、イイッ…気持ちいい!」

 ギイと扉が開いたことに気付いたのは俺だけだった。博成はセックスに没頭していて、開いた隙間から慶太が見下ろしているなんて知りもしないで、アンアン喘いでいる。
 俺は腰を振りながら慶太と目を合わせた。止められなかった。俺も博成と同じ最低な行為で慶太を裏切ってしまった。酔ってもおらず、ラリってもいない分、俺のほうが最低だ。軽蔑した目が俺を見下ろす。フイと隙間から消え、ガチャンと扉が閉まった。

「んっ、あ…え…なに…?…なんの、音…?」
「なんでもない。今まで通り、俺たちがセフレの関係に戻った音だよ」
「へ…?…えっ、アッ!やっ…激し…いっ…んんっ…アッ、アァン…!や、触っちゃ…や、まだ…だめっ」

 ちんぽを扱くと博成は嫌々と首を振る。扱き続けると固く勃起した。

「出すぞ」
「なかっ…中に欲しいっ…中出しして…!」

 性格はともかく体の相性だけは抜群にいい。
 だからこれからもセフレという関係で付き合っていけばいい。お互い本気のセフレなら、なんだかうまくやってけそうな気がするのだ。


幾千の夜 第一夜




2014-04-27(Sun) 21:08| セフレ| トラックバック(-)| コメント 0

嘘が真になる(2/2)

<前話はこちら>

 翌朝、学校に行くと下田は先に教室にいた。俺を見つけると昨日までの比じゃないくらい憎しみのこもった目で睨まれる。そりゃそうだ。

「あの…昨日の…」
「話しかけんな、カス」
「じょ、冗談だろ、お前の、あれも…」
「冗談だと思いたいだけだろ、クズ」
「すまん……」
「…………」

 下田はそっぽを向いた。限界まで首をねじって俺から顔を背けてるんだけど、立ってる俺からは泣く寸前みたいな、泣きそうなのを必死にこらえてる顔が見えちゃって胸が痛んだ。

「ごめん」
「だから話しかけんな、ど腐れ」

 これ以上なに言っても火に油注ぐだけだと思い、俺は黙った。チャイムが鳴った。


 授業中、やっぱり気になるのは下田のことで、俺は頬杖をつきながら、黒板、下田、教科書、下田、ノート、下田の順番で何度もチラチラ盗み見していた。下田もこうやって俺のことを見てたのか。俺は全然気づかなかったが、下田は気づいてるんだと思う。俺に背を向けるように半身に構えて授業を受けている。絶対こっちは見ない。
 俺が好きで、ずっと俺のこと見てたって言ってたのに。
 消しゴムを小さくちぎって下田にぶつけた。消しゴムが半分の大きさになったところで下田がやっとこっちを見た。

「うぜえことすんな」

 睨みながらドスの利いた声で言ってくる。それでもこいつは俺のこと、好きなんだよなぁと思ったらただの強がりにしか見えなくなった。
 休み時間になると俺に話しかけられるのを避けてか下田は教室の外へ逃げた。俺はそれを追いかけて、わざと下田にぶつかった。

「おまえ、いい加減にしろよ」
「おまえこそ、俺から逃げんじゃねえよ」
「にっ、逃げてねえよ、お前のツラ、視界に入れたくねえだけだろ」

 昨日までの口の悪い下田が戻って来る。俺への嫌味も全部、好きの裏返しだったのだ。なんだかいじらしい奴に見えてきた。

「にやついてんじゃねえよ、気持ち悪い」

 舌打ちして下田はその場から立ち去った。


 体育の授業で俺と下田は準備体操でペアになった。下田が露骨に嫌そうな顔をする。昨日なんて言っていたっけ。触るとバレるから嫌だって言ってたっけ?

「ほらやるぞ」

 ペアをかえろと騒ぐ前に、下田の背中を押して無理矢理座らせた。下田がしぶしぶ両足を開く。開脚前屈。俺が後ろから背中を押した。体操服越しに体温を感じる。下田の体を感じる。下田も俺の体温や体つきを感じてるだろうか。下腹部に血液が集まっているのを感じて慌てて下田の体から手をはなした。

「今度は俺な」

 自分から座り込んで足を広げて前屈する。なんとか気を紛らわせないと。遠慮がちな下田の手が俺の背中を押してくる。ぜんぜん力がこもってない。控えめな手つきに、下田が俺のことをほんとに好きなんだと実感した。
 一通り準備体操が終わってから下田に聞いてみた。

「お前も勃起した?」

 一瞬で下田の顔が真っ赤になった。おお、と驚いていると、腹に下田の拳がめり込んでいた。


 放課後、急いで帰ろうとする下田を再度、話があると呼び止めた。当然断ってくるだろうと思っていたが下田は意外にもあっさり承諾して、俺と一緒に誰もいなくなるのを待っていた。今日も秒針の音が聞こえる。

「もうこれっきりにしろよ。話って」

 喧嘩腰というより、投げやりな聞き方。横を向いて俺と目を合わせない。

「怒ってると思うんだけどさ」
「当たり前だろ」
「俺と…付き合ってみる?」
「……は?なに言ってんの?」

 ゆっくり振り返った下田は、心底、理解しがたいと言ったふうに、唇を歪めて笑い飛ばした。

「また騙されると思ってんのかよ。俺もそこまで馬鹿じゃねえよ」
「騙しじゃなくてさ。わりとまじで」
「二日連続とか、お前らも頭使えよ、騙されるわけねえだろ。いつ来るんだよ、お前の彼女。またわざとらしい演技が見られるのか?」
「美亜はこないし、あいつ、俺の彼女じゃないし」
「一緒に帰ってるだろ」
「家が近所だからたまにな」
「クラス違うのに、仲いいだろ」
「だから家が近所だからだって」
「……別に俺に関係ねえけど」

 唇を尖らせて意地を張る。そっかー…、そうきたかー…。まさか男のこんな仕草を可愛いなんて思う日が来るなんてなー…。キュンとしている自分にびっくりだよ!
 昨日みたいに机に腰をおろして、下田の顔に手を当てる。振り払われた。また手を添える。また振り払われる。何度やっても俺がやめないとわかると、下田は舌打ちして、抵抗をやめた。添えた手から熱が伝わってくる。だんだん下田の顔が赤く染まってく。熱い。

「下田のこと、好きになった」
「はいはい、芝居乙」
「キスしていい?」
「そんなに俺をからかうのがおもしr…!」

 言葉の途中で唇を合わせた。舌を入れると、下田が目を見開いた。

「これで信じた?」

 隠すように手で口元を押さえながら、下田が俺の顔をまじまじと見つめる。その目が不安そうに揺れている。俺の言葉を信じていいのか、また騙されているのか、そう怯えていた。

「体育の授業で、お前も勃起した?って聞いただろ、俺」

 恥ずかしい話題なのか、下田は目を伏せた。

「俺は勃起した。勃起しかけた。やばいって思ったからお前とかわった。あのまま触り続けてたら、完全に勃起してた。俺、お前とセックスしたい」
「は……」

 笑い声ともため息ともつかない声を漏らしながら、下田は笑った。ほとんど泣き笑いの顔で。


 今の状態を誰かに見られるとかなりまずいことになるだろう。下田が跪いて、椅子に座ってる俺のちんぽをしゃぶっている。男にフェラされてるのに、俺の海綿体はどんどん血液を集めて大きくなる。頭には、下田に入れたい、それしかない。
 下田も同じかもしれないと思うと、俺が入れたいとは言いにくい。凸凸同士なのだから、どちらかが女役にならなきゃセックスできない。俺は無理。とりあえず今日はちんこ触ってイカせあうだけにしよう。下田、お前のちんこ寄こせ。しゃぶんのはまだ無理だけど触ってやるから。肩を叩く。上目づかいに俺を見る。おお。エロDVDでよく見るやつだ。
下田が床から立ち上がり、パンツごとズボンをおろした。右の上靴を脱いで右足を抜く。
 なんのために?その疑問はすぐ解消された。下田は向き合うように俺の腰に跨った。自分で俺の勃起したちんこに手を添えて、ケツの穴に導く。

「下田、いいのかお前」
「もう、騙されててもいい」

 下田のケツがゆっくり落ちていった。俺のちんこが下田のきついケツの穴に飲み込まれる。

「ううっ…あぁ…」

 やべえ。気持ちいい。体重が乗ってるせいか、しっかり根本まで入っている。
下田も相当キテるみたいで、フルフル震えながら俺の首にしがみついて、はぁはぁ荒い息遣い。

「大丈夫か?」
「すげぇ…奥…あたった…」
「誰がデカチンか」
「言ってねぇ」

 ククッと下田が笑うと、その振動がちんこから伝わってくる。動きたい。動いて欲しい。もっと気持ちよくなりたい。下田の尻をわし掴んで持ち上げた。椅子の隙間に足を乗っけて下田も腰を浮かせてくれる。ゆっくり上げ下げをする。

「ハァ…ん…あぁ…あ…」

 女みたいな喘ぎ声。下田の声に興奮する。男でもそんな声、出せるのか。両手が塞がっているから、ついばむように下田の唇を求めれば、気付いた下田が顔をあげ、俺と口を合わせた。音を立てて舌を絡ませ合いながら腰を動かす。二人の腹の間にある下田のちんこははちきれそうなほど勃起していた。
 下田の尻を俺の股間へ押し付けながら下から突き上げる。

「あっ、あぁっ…あんっ…アッ、アッ…あぁっ…!」

 突き上げるたび、下田は感じた声をあげた。そして俺をキュウキュウと締め付けた。蠢く内部に引きずり込まれる。熱く蕩けた下田の中。苦しそうな下田の顔。…色っぽい。

「俺が本気だってわかっただろ?」
「わかっ…たっ…アンッ…ンッ…あぁ…」
「俺と付き合ってくれるんだろ?」
「う、ンッ…きあうっ…つ、きあう…ッ」

 下田の腰つきが早くなる。手をそえてそれを手伝いながら、俺も腰も突き上げる。

「下田…下田…気持ち、いい…」
「はぁっ…ンッ、アァッ、お、俺、もっ…ハァンッ…あぁっ…お前の、好き…お前の全部、すきっ…アッ…んんっ…出る、出るっ!」

 右手で自分のちんこを扱く。

「あっ…ハァ、ンッ…はっ、あぁ…ァア…イク…イク…ッ」

 腹に生暖かいものが飛んできた。下田の出した精液だった。ギュウッと締め付けられながら、俺も下田のなかに射精した。
 その後俺たちは当然付き合いだした。相思相愛。ラブラブだ。家でも学校でも、見境なく盛ってしまい学業が疎かになっていることを除いては、すべて順調、これホントね。


同級生



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2014-04-21(Mon) 20:58| 嘘が真になる| トラックバック(-)| コメント 0

アンケート終了について

急なんですがアンケート終了しました。

実は昨日、人気ブログランキングの順位を見てみたら、うちのブログが重複して登録されていたのを発見したからなんです。二重で登録した覚えはないんですが…謎です。しかし調べてみると確かに二つIDが存在しており、いつからなのか、なぜなのかわかりませんが、一晩経っても同じだったので、そのうちの一つを消すことにしました。消したのが、アンケートを作成していたほうのIDだったんですね。なので急なことになり申し訳ないのですが、アンケート終了となりました。

終了時に1位だった「兄弟」「親子」「教師と生徒」で近々小説を書きたいと思います。コメントで頂いた「教師受け」「弟×兄」にしたいと思います。コメントありがとうございます。

投票して下さった皆様、コメントくださった方、ありがとうございました!



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2014-04-20(Sun) 20:04| お知らせ・コメントお返事| トラックバック(-)| コメント 0

嘘が真になる(1/2)

 授業中、使っていた消しゴムが落っこちて、隣の下田の足元まで転がった。

「下田、下田」

 囁き声で呼びかけると下田がこっちを見た。俺は指で下田の足元を指さしながら、

「消しゴム。悪いけど、取ってくんない?」

 と頼んだ。下田が机の下を覗きこみ、消しゴムを見つけると…なんと反対側へ蹴りだした。

「えっ、ちょ、おま」

 冗談。ふざけてるだけ。そう思ったのに、下田はつんと前を向いて、それきり俺のほうを見もしなかった。授業終わりに下田に食ってかかると「取ってもらえて当たり前みたいな態度が嫌だった」と、なぜか奴のほうが怒ってるみたいな口調で言われた。
 それまでも気になることがあった。下田は俺が話しかけるとそれまでの笑顔を消して無表情でそっぽを向いたり、つまんなそうなため息をついたりしていた。そして今回の消しゴム。

 もしかして、嫌われているのかも。

 嫌われるようなことをした覚えはなかったが、下田の態度は俺も気に食わなかったので、それから積極的に関わることはせず、距離を保っていた。
 話しかけもせず、下田を視界に入れないようにして数日、なにがむかつくのかしらないが、下田は物理的な攻撃に出てきた。
 廊下ですれ違いざまわざとぶつかってきたり、俺が友達と話をしていたら、机の脚を蹴って「声でかいからうるせえんだよ」と文句を言ってきたり。体育の準備体操で俺と組むことになると「なんでこんな奴と。誰かかわってくんねえかな」と本当にペアを交換させたり。
 いい加減頭にきて下田にわけを問い詰めても、奴は「は?お前が鬱陶しいからに決まってんだろ。意味わかんねえし」とか言いやがる。意味がわかんねえのは俺のほうだ。なぜそこまで俺が鬱陶しいのか、なぜそこまで俺が嫌いなのか、その理由をはっきり言いやがらない。嫌いなら関わってこなけりゃいいのに、毎日毎日嫌味と地味な攻撃を続けてくる。

 俺ってもしかしていじめられてる?

 ってことを近所に住む幼馴染みの美亜に話したら、

「下田くんって確かになに考えてるかわかんない人だよね」

 と訳知り顔で頷く。

「なに。下田のこと知ってんの」
「一年で同じクラスだったもん。この前廊下で話しかけてきたんだけど、なんか言ってることが意味不明でちょっと不気味だった」

 と笑う。

「なに言われたんだ?」
「なんかぁ、お前のこと、嫌いじゃないけど好きでもないとか。そんなのお互い様だよ!他にも女だってことに胡坐かくなよとか。もっと女らしくしろだとか。私はお前の彼女かよ!それいちいち言ってくんなよ!ってことばっか言われた」
もしかして…
「下田っておまえに気があるんじゃ…」
「えーっ!うっそぉ、やだぁ、どうしよう!」

 そう考えれば下田が俺に攻撃的なのも納得できる。俺と美亜は家が近所で帰り道が一緒になることがたまにある。今もそうだ。仲も悪くないから付き合ってると誤解されることがよくある。下田もその勘違いをしてるんじゃ…。

「絶対そうだ。お前に気があるんだよ」

 だったら明日下田に俺と美亜は付き合ってないって言えば、下田の鬱陶しい嫉妬攻撃も止まるはず。いや、待てよ、その前にこれまでの憂さを晴らさせてもらうか。あとにはきっと笑い話だ。

「なぁ、美亜、ちょっと協力してほしいんだけど」
「なになに」
「ごにょごにょ」


 今日も下田は俺を目の敵にして攻撃してきた。これも今日で終わる。晴れ晴れとした気持ちで、帰り支度の終わった下田に声をかけた。

「なぁ、ちょっと話あるんだけど」
「俺はない」

 鞄を持って席を立つ。その腕を掴んだら、下田は体を震わせて驚いた。そんなにびっくりせんでも。

「触られるのも嫌なくらい、俺が嫌いなんだ?」

 美亜の彼氏だと思ってるからだろ?

「べ、別に、そういうわけじゃ…」
「すぐすむから」
「じゃあ早くしろよ」
「今はあれだから」

 と教室のなかを見渡す。まだ数人残ってる。

「誰もいなくなったら話すよ」
「…………」

 下田はまた席についた。俺も腕をはなした。


 時計に目をやる。誰もいなくなった放課後はとても静かだ。秒針の動く音さえ聞こえてくる。

「で、話って。もういいだろ」

 確かに教室の中にも外にも誰もいなくなった。

「実はさ…」

 ガタッと立ち上がり、俺は下田の机に腰をおろした。下田が俺を睨むように見上げる。その頬に手を添えた。

「実は俺、下田のこと、好きなんだ。友達としてじゃなく、それ以上の意味で…」
「なっ……!!」

 大きく見開かれる両目。それを見て噴き出しそうになる俺。教室の扉がバァン!と音を立てて開いた。タイミングばっちり!

「ちょっと!どういうことよ!ホモだったなんて!詐欺よー!」

 美亜は昨日打ち合わせした通り、そう叫んだあと駆け出した。

「あぁっ!美亜!」

 追いかける演技をする俺の腕を下田が掴んだ。

「いま、言ったこと、ほんと…?」
「え?」
「俺が好きって」
「えっ」
「ほんと?」
「え…」
「ほんとに俺のこと、好きなのかよ?」
「え……」

 なにこいつ顔真っ赤になってんの。なに泣きそうな顔してんの。なんで手が震えてんの。

「お…俺も、好きだ…お前のこと、ずっと、好きだった…」
「え。嘘」
「ずっとお前のこと見てた…なのにお前は俺のこと、ちっとも見てくれないから…少しでも気をひきたくて消しゴム取らなかったり、わざとぶつかったりしてた。お前が彼女のこと話してるの聞きたくなくて、机蹴って邪魔したり。近くにいるだけでも恥ずかしいのに、体に触ったららバレると思って体育のペア組むの嫌がったり。だからぜったい、お前に嫌われてると思ってた」

 走馬灯のように下田の嫌がらせが蘇った。あれにこんな意味があったなんて。まさか下田がマジで俺のこと、好きだったなんて。
 どうしよう。これ芝居でしたって言いにくい雰囲気。っていうか絶対言えねえ。「なんつって。俺は美亜と付き合ってねえよ。おまえ、美亜に惚れてんだろ。告ってこいよ」なんてどの口が言えようか。どうしよう。どうしよう!神様助けて!
 にっちもさっちも行かなくて白目剥いていると、下田が立ち上がった。ゆっくり顔を近づけてくる。キスか?!キスするつもりか?!
 反射的に体が動いて下田を突き飛ばしていた。

「なっ、な、なんちって」

 顔をひきつらせながらなんとか誤魔化そうと笑ってみる。下田はサッと顔色をかえた。

「美亜、あいつ、どこ…ちょ、探してくるわ…」

 しどろもどろに教室を出た。
 美亜が駆けて行ったほうへ向かって早足で歩く。心臓がやばいくらいどきどきしていた。明日からどんな顔して下田に会えばいいんだろう。なんであんな余計なことしたんだろう俺。藪蛇ってこのことか。俺は自ら地雷を踏んだのか。トラップ巧妙すぎ!
 少し行くと壁にもたれて美亜が立っていた。

「どうだった?」

 何があったか知らない美亜は当然wktkで全裸待機だ。

「いや、あの…ダメでした、ぜんぜん、引っかからんかった」
「そう?すごいびっくりした顔してたように見えたけど」
「あのあと俺笑っちゃって。すぐバレ」
「で?」
「で?」
「私のこと、好きだって?」
「いや、聞いてねえ」
「聞いといてよ!」

 あいつは俺のことが好きなんだよ!

「ほんとに私に告ってくるの?」
「いや、あの…たぶんそれ俺の勘違い…」
「っけんな!」

 太もも蹴られた。どんな罰も甘んじて受ける覚悟がある次第です。


東京心中 第一部



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2014-04-20(Sun) 19:49| 嘘が真になる| トラックバック(-)| コメント 0

親切が仇になる(2/2)

<前話はこちら>

 裸に剥かれた麦田はテーブルに突っ伏し、男に向かって尻を突き出していた。男は尻を割り、ピチャピチャと動物が水を飲むときのような音を立てながら尻穴を舐めた。

「はぁっ…あぁ…あぁ…んっ…気持ちいい…」

 麦田が俺の声で喘ぐ。いくら屋根付きの夜の公園といったって、横からは丸見えだ。誰かがここを歩いたら一発で何をしているかバレて通報される。

(おい、麦田!こんなの聞いてないぞ!やめろ馬鹿!)
「あっ、ごめっ…なさ…も…止められません…っ」
「謝らなくていいんだよ。気持ちいいならもっと声を出して」

 俺に向かって言った麦田の言葉に、男は鳥肌の立つようなことをねっとりした口調で言った。男は立ち上がると俺を仰向けにひっくり返した。唾液たっぷりのベロチューをしながら俺のちんぽを扱く。

「んんっ…はぁんっ…んっ…」

 おぞましいことに麦田は勃起させて積極的に男と舌を絡ませ合う。

(俺の体でやめてくれ!)

 俺が悲鳴をあげても麦田はそれを無視して、誘うように男に股間を擦りつけた。

「もう…入れて…っ…あなたの勃起ちんぽ、僕のケツマンコに入れてください…っ!」
「それじゃあ君の処女マンコ、俺のデカマラで突きまくってあげるよ」
「あぁっ…嬉しいです…っ!」
(嬉しくなんかない!やめろ!それは俺の体なんだぞ!俺は男のモンなんか入れられたくねえんだよ!その趣味は1ミリだってねえんだよ!)

 麦田は自分で膝を抱えると左右に大きく開いた。その中心へ男の怒張が押し込まれる。

「はぁぁぁっ……あっ…あぁん…おっきい…男の勃起デカマラ…僕のケツマンコ…入ってきた…っ…」
「さすが処女だけあって、キツキツだね。動くと食いちぎられそうだよ」
「あぁん…動いて…ズコズコって…いっぱい…僕…激しく犯されたいんです…」
「こんなにいやらしいのに、本当に今まで経験ないの?」
「な、いっ…ん…いつもネット見て、オナニーだけ…」
「じゃあ今日はめいっぱい、やらしいことしようね。お仲間も到着したみたいだ」

 男の目線をたどれば30代前半くらいのパーカーの男がいた。

「ムギちゃん?」
「あっ…はいっ…やぁんっ!」

 最初の男がぐぼっと奥まで突っ込み、麦田が声をあげた。

「ネットで見た写真より可愛い顔してるね。いま始まったばかりですか?」
「そうだよ。処女マンコ、先にいただいちゃったよ」
「残念。未経験だって聞いたけど、ほんとですか?」
「本当みたい。とにかくきつい」
「楽しみだな」

 信じられない内容の会話。俺の頭が真っ白になっていく。麦田は俺が寝ている間に、出会い系のネット掲示板のようなところで、今夜の相手を画像つきで募集したのだろう。俺の画像…いやらしい写真だと言っていた…そんなものがネットに出回っているなんて!

「アッ…あぁん…勃起おちんぽっ…奥まであたってっ…やぁっ…すごいっ!あぁっ!セックス気持ちいい…っ!」
「初めてなのに、すごい感じてるな」

 パーカー男が俺の乳首に吸い付いた。レロレロと舌の先で転がすように舐めながらちんぽを握ってゆるゆると扱く。先からは滔々と蜜が溢れ出る。

「やぁっ…あっ…だめっ…いやっ…あぁっ…ケツマンコ…ズボズボッって…っ!乳首っ…そんなしちゃっ…やっ…んっ!あっ!やぁっ…イク…イクッ…!」
「男に犯されながら何回もイキたいんだろ? ほら、イケよ」

 パーカーの手つきが早くなる。スーツ男の腰がさらに激しく突き上げてくる。麦田の喘ぎ声が夜の公園に響き渡る。

「いやぁっ!あんっ!あぁあんっ!だめぇっ…!はげし…いっ…うんっ!あんっ!ああぁんっ!もうっ…だめっ…イッちゃうっ!犯されながら僕、イッちゃうぅっ!」

 耳をふさぎたくなるようなことを叫びながら麦田は射精した。

「お望み通り、公衆精液便所にしてあげるよ!」
「あぁっ…!欲しい…なかっ…僕のなか…っ…出してっ…いっぱい精子入れてっ!」
(おい、嘘だろ、やめろおおおおっ!!!!)

 ドクッと体の奥に熱い迸り。ほんとに中出ししやがった…!

「まだこれで終わりじゃねえぜ」

 ずるっとスーツのちんぽが出て行くと、今度はパーカのちんぽが俺のなかに突き立てられた。すでに勃起状態のものが、スーツが出した精液を撹拌する。

「はぁぁんっ…また勃起ちんぽ、入って…きた…っ!僕のケツマンコで、知らない男のおちんぽ、しゃぶしゃぶしてるっ…!」
「こっちの口でもおしゃぶりしてや」

 関西弁に顔をあげると、テーブルに乗った細身の若い男がちんぽを目の前に差し出してきた。新しい男の登場に、麦田は嬉しそうに目を細めると、ためらいなく口を開いて男のちんぽを咥えた。関西弁の男は俺の顔の上に跨り、軽く腰を振った。のどの奥に男の亀頭が当たる。むせそうになりながら、麦田は必死にそれをしゃぶった。
 パーカーが腰を振る。スーツが俺の勃起を扱く。麦田が関西弁のちんぽをしゃぶる。いかがわしい乱交に俺はもう呆然自失。

「ほら、飲んでや」
「あっ…んぐっ…んんっ…!」

 関西弁が射精した精液を麦田はゴクと飲みこんだ。それとほとんど同時にパーカーも射精した。中には出さず、俺の体にぶっかけやがる。

「はっ…あはっ…あぁっ…精子…うれし…もっとほしい…!」

 麦田は腹にかかった精液をクチャクチャとかきまわし、体に塗り拡げた。その手を恍惚の表情で舐めとる。

「俺のザーメン、おいしい?」
「おいし…ずっと、男の人に犯され…て…ちんぽ汁、飲みたかった…」
「夜はまだまだ長いんやで。腹いっぱい飲ましたるわ」

 関西弁が俺の乳首を両手で抓る。スーツが復活したちんぽを俺のケツに突き立て、グチュッグヂュッと打ち付ける。

「あぁっ…いいっ…気持ちいい…!やっ…僕また…イッちゃ…イッちゃう…!」
「何回でもいってええぞ。淫乱ちゃん」
「やぁっ…あっ!…アァッ…!あぁぁああんんっ!!!」

 俺は声をあげて射精していた。


 ネットの履歴を見て、麦田の書き込んだ内容はすぐ判明した。

『未経験の28歳フツメン、標準体型です。複数の男たちから雄汁いっぱいで犯されたいです。めちゃくちゃにケツマンコ突かれながらザーメン汁噴きあげてよがり狂いたいです。僕を公衆精液便所にして下さい。今夜××公園で待ってます。ムギ』

 全裸でオナニーしている画像つきだ。
 すぐさま管理人に削除依頼のメールを送った。何人がこれが見ただろう。何人がこれを保存しただろう。俺の知らないところでこれが出回る可能性を考えると気が重くなった。
 麦田は2度目の射精で満足したようだった。イク瞬間、俺は麦田と入れ替わっていた。体を自由に動かせるようになったのに、男たちから逃れることができず、快楽責めにあった。しかもあのあとさらに二人増えて、俺は5人の男から犯された。
 外が白み始めると、一人の男が俺の車でやろうと言いだし、公園横に停まってあった大型バンにつれこまれ、運転席と助手席以外は座席の取り払われた後部空間で俺はまた犯された。
 家に帰ると泥のように眠った。丸1日経ってようやく目が覚め、最初にやったのが記事の削除依頼、そのつぎにシャワーだ。体中に男たちの精液がこびりついていた。臭いが立ち込めていた。シャワーを浴びていると、肛門からドロリと大量のザーメンが垂れてきた。

「んっ…くそっ…なんで俺がこんな目に…!」

 もう2度と幽霊なんかとかかわらない。絶対。絶対にだ!
 肛門に指を入れて男たちの精子を掻きだす。そこは度重なる摩擦で腫れぼったい。ドロッ…と大きな塊が内股を伝う。

「はぁ…はぁ…くっ…」

 俺は勃起させていた。指で尻穴を弄りながらちんぽを扱いた。

「はぁっ…あぁ…くそ…あぁ…んっ…」

 男たちから受けた凌辱を思い出しながらちんぽを扱く。
 俺が男を求めて掲示板に書き込むまでに、そう時間はかからなかった。



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2014-04-15(Tue) 19:59| 親切が仇になる| トラックバック(-)| コメント 0

親切が仇になる(1/2)

 うっかり目を合わせちゃって、しまった、と思った。
 そいつは俺に気付くとすぐさま声をかけてきた。無視して自宅のマンションへ入ってもなかまでついてくる。こういうのは相手にしないに限る。下手に構うとずっと付き纏われることになるんだから。

「僕の声、聞こえてるんですよね!?さっき俺と目があいましたもんね!?どうして無視するんですか!こっち見て下さいよ!」

 テレビの前に割って入ってアピールしてくる。年は俺と同じくらいに見えるから…二十代後半。スーツ姿で真面目そう。気の毒とは思うけど相手にはしない。
 どういう未練を残して死んだのか知らないが、生きてる人間を使ってその無念を晴らそうとする一部の幽霊がいる。そんな幽霊にとっての救世主が、俺のように見えてしまう人間だ。

 昔から見えるのが当たり前で、みんなも見えているのだと思っていた。遊んでいるとき、俺は他の友達より多くの人数を認識した。勘定に入れると間違いだと言われた。そこにいると指さした子供は他の誰にも見えなかった。投げたボールが体をすり抜け地面に落ちた。それを見た周りの友達が不気味そうに俺を見たので、コレは俺にだけ見えて、それは誰にも言わないほうがいいことなのだと気付いた。だから見えても見ないふりをしてきた。
 生きてる人だと思って相手をしてしまったときは大変だった。付き纏われ、愚痴を聞かされ、泣き言に付き合わされ、こちらが淡白な態度だと怒って憑りつかれて体調を崩したりした。
 同情すべき点もある。だがもう死んでしまったのだから、諦めて欲しいとも思う。せめて無関係な俺は巻き込まないでほしい。

「そういう態度って一番腹立つんですよね!事なかれ主義ってやつですか?!聞こえてるのに無視するって陰険ですね!同じ男として軽蔑します!」

 何を言われても無視無視。
 晩飯食って風呂に入る。その間も奴はキャンキャン吠えていたが、寝支度を整えふとんに入る頃にはベソをかいていた。

「いいですよ、いいですよ…そうやって無視してればいいですよ…グスッ…どうせ僕は見る価値も、話す価値もない男ですよ…グズッ…どうせね、どうせ…シクシク…」

 大の大人がメソメソやってるのは鬱陶しいが、正念場だと思って目を閉じる。

「シクシク…どうせ…童貞のまま死んじゃう奴なんか、ごまんといるし…グスッ…あの世に往く前に一回やりたかったなんて、贅沢な望みだし…どうせ死んじゃったからできないし…グスングスン…」

 童貞を嘆く幽霊かよ。今までいろんな無念を一方的に聞かされてきたけど、こんなアホで馬鹿らしいのは初めてだ。

「フフッ……」
「あっ!いま笑いましたね!人の童貞を笑うなんて!!童貞のまま死んだ成人男性の無念さがあなたにはわからないんですか?!きっとあの世でも馬鹿にされるんだ…!」
「いや、大丈夫でしょ」

 うっかり返事をしてしまったのは、そいつのこの世への未練があまりにバカバカしいものだったのと、幽霊のくせにあまりジメッと恨みがましくないせいだ。

「他人事だからそんな簡単に言える…あっ、いま返事してくれましたね?!やっぱり僕が見えてるんですよね!声が聞こえてるんですよね?!いまのバッチリ証拠掴みましたよ!もう言い逃れできませんよ!」

 横目に見れば腰に手をあてて、胸を張っている。こんなに活き活きした幽霊、なかなか珍しい。

「でも俺、あんまり死人と関わりたくないんだけど」
「人との関わりが苦手なタイプの人ですか?僕もそうでした。でも死んでから気付いたんです、引っ込み思案で得することなんか何もなかったって。恋人できないし、葬式に来てくれたのは会社の人だけだし、あの世の説明に来てくれた人が、僕の葬式みてpgrですよ。友達いねーのかよ!って腹抱えて爆笑するんですよ。恥ずかしくて飛び出して来たら迷っちゃって。そうしたらあなたに会えました。もう運命って気がしてます。俺を非童貞にしてください!」

 正座して鼻息を荒くしている。
 俺もふとんの上に胡坐を組んで煙草を一本吸った。どこから突っ込んでいいかわからない。

「死んだのに非童貞にはもうなれないでしょ」
「あなたの体を貸して下さい!」
「俺の体でセックスしたって、あなたの体じゃないから童貞にかわりないでしょ」
「肉体的に童貞でも、精神的に非童貞なら、あの世でも一人前の顔して歩けます!」
「いや、俺、体貸したりする経験ないんで…」
「大丈夫です!寝てる間お借りするだけなので!あなたは夢見てるようなもんです!ちゃちゃっと童貞捨ててきますから!」
「風俗行く気?」
「そんなとこです!一回いってみたかったんです!ほんとはすっごく興味あったんですけど、生きてる間は恥ずかしいし、なんだか怖いし抵抗あって…でもどうせ死んだんだから、悔いのない大往生をしたいんです!まぁ一種の恥のかき捨てってやつです!」

 俺の体で恥のかき捨てすんなよ。

「本当に一度だけでいいので!一回だけ!」
「いや、でもなぁ」
「一生のお願いです!この機会逃したら俺、一生成仏できません!ずっとあなたに付き纏いますよ?」

 ゾワッと寒気がして鳥肌が立った。冷たい気配は過去に覚えのある嫌な感じ。断ったら本気で俺に憑りつく気だ。

「本当に一回だけ?」
「一回だけ!」
「俺が寝てる間に終わる?」
「終わります!朝にはいなくなってますから!」
「風俗行くだけ?」
「はい!」
「犯罪的なことはしない?」
「しません!セックスしてくるだけです!」
「はぁ…店選びは慎重にしてくれよ。病気とか怖いから。金も財布に入ってる分だったら好きに使って。香典がわり。あんたの名前も知らないけど…」
「あっ、僕、麦田っていいます!」
「麦田さんね。ほんとにこれっきりにしてよ」
「ありがとうございます!」

 俺が不利になるようなことをする悪い奴とは思えず…俺は一晩体を貸してやることにした。俺自身、最近溜まり気味ですっきりしたかったという打算もあった。


 夜の街を歩いていた。知らない場所。知らないネオンの明かり。自分の体なのに自分の体でないような浮遊感があった。思い通りに体が動かないせいもあり、これは夢か、と思った。夢にしてはすべての感覚が明瞭で、色もついているし気温も感じられるし、物音や周囲の気配も肌で感じる。こんなにクリアな夢は初めて見る。

「起きたんですか」

 俺がしゃべった。しゃべったつもりはないのに、俺は勝手にしゃべっていた。しかし相手がいない。俺は誰に向かってしゃべったんだ?

「ふふっ。混乱してますか?僕です、麦田です」

 名前を聞いてすべてを思い出した。童貞の幽霊、麦田に体を一晩貸してやったことを。

「お言葉に甘えて体借りてます。やっぱり生きてるっていいですね。人から見えてるっていいもんですね」

 すれ違う人が怪訝な顔をする。当然だ。俺はいま、一人でしゃべってるんだから。

(あんまり妙なマネしないで、さっさと童貞捨ててこいよ)

 俺がしゃべっても俺の口は動かない。声もでていない。だが麦田には届いているようだった。

「そうします」

 そう返事をすると、麦田はいくつか角を曲がって公園に入って行った。

(おい、風俗はよ)
「ここで待ち合わせなんです。もうすぐ来てくれると思います」

 と言って屋根つきの野外卓に腰をおろした。出会い系ってやつか。

(未成年じゃないだろうな?)
「大丈夫ですよ。来たみたいです」

 麦田はベンチから腰をあげた。暗がりを歩く人影。どんな女だと思って目をこらす。近づくにつれ輪郭がはっきりしてくる。でかい女だ。いや違う…男だ。40くらいのスーツ姿の男は俺の目の前で立ち止まった。

「君がムギちゃん?」
「そうです」

 男に声をかけられ、麦田が返事をする。

(ちょ、待て麦田!これどういうことだ!)
「俺が一番乗り?」

 男が麦田…というか俺の体に腕をまわす。

「はい。誰も来てくれなかったらどうしようかと思ってました」
「君のいやらしい写真見た奴らは全員来るんじゃないかな」

 いやらしい写真ってなんだ!?麦田はなにをしたんだ?!

「初めてだって書いてたけど、本当?」
「本当です」
「初めてなのに、あんなことして欲しいの?」
「はい…僕がずっと妄想してたことです」

 男が俺にキスしてくる。ぬるっと舌が入ってきて中をヂュウヂュウと啜り上げる。

「ふぁっ…ぁ…」
「知らない男に犯されたかったの?」
「はい…」
「じゃあ、望み通り、犯してあげるね」

 男は恐ろしいことを口にした。


まさかこれが恋なんて



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2014-04-14(Mon) 21:26| 親切が仇になる| トラックバック(-)| コメント 0

家庭教師(1/1)

 今日は家庭教師がやって来る日だ。不登校になった俺に親が用意した先生は二十代半ばのイケメンだ。俺はドキドキしながら到着を待つ。
 呼び鈴が鳴った。俺は椅子から立ち上がって部屋の中をウロウロ歩き回った。下のほうから母さんの弾んだ声が聞こえる。母さんは深見先生のこと気に入ってるから、行き帰り、なんだかんだと引き留めて話し込む。先生は俺のために来てくれるっていうのに。
 階段をのぼってくるスリッパの足音が聞こえて、俺の心臓は痛いほど高鳴る。
 ノックのあと、先生が顔を出した。

「こんにちは、大地くん」
「先生…こんにちは…」
「先週出した課題はちゃんとやった?」
「はい…」
「お利口だね。時間がもったいないから先に確認するね」

 母さんは勉強が終わる頃、ケーキと紅茶を持って顔を出す。そのあとずっと居座って先生とおしゃべりするから、さっさとしないと確かに時間がもったいない。
 先生はベッドに腰をおろして足を組んだ。

「じゃあ、大地くん、見せてくれるかな?」
「はい」

 先生の前に立ち、俺はズボンに手をかけた。先生にじっと見つめられながら、ズボンをおろし、パンツも脱ぎ捨てる。

「それじゃ見えないから、四つん這いになって、僕のほうへお尻をあげてくれる?」

 言われた姿を想像したらカァッと顔が熱くなった。指先までジンジンと熱くなる。
 俺は先生に背を向けて床に手足をついた。膝を持ち上げて、腰を高く掲げる。先生に見られている俺の恥ずかしい場所。そこに先週先生から渡されたローターが入っている。先にスイッチのついたコードだけが穴からプランと垂れて揺れている。先生は手を伸ばすとスイッチを握った。

「僕が来る前にスイッチ入れてみた?」
「いっ、入れてないっ…」
「怖い?」
「す、少し」
「かわいいね」

 カチッとスイッチが入る。ヴーンというモーター音とともに、俺のなかのローターがヴヴヴと震えだす。

「はぁっ…あんっ…」
「さあ勉強しよう」

 スイッチを切ると先生はにっこり笑った。


 パンツとズボンをはいて椅子に座る。コードは隙間から伸ばして腹の前から外へ出した。
 高校受験のための勉強が始まる。先生の声が上の空で耳を通過する。中にあるローターが気になって仕方がない。いまは動いていないのに、ただそこに在るというだけで地味に快感がある。

「僕の話聞いてる?」
「あっ、ごめ…なさい…」
「そんなにアレが気になる?」
「う、うん…」
「じゃあ、じっくり味わいながら、この問題、解いてみようか」

 先生がスイッチを握ってONにした。
 ヴヴヴ…

「ううっ…んっ…」

 シャーペンを持つ手が震えた。ぜんぜん力が入らない。この状況に興奮しっぱなしのちんぽが窮屈なズボンのなかで逃げ場を探す。

「せんせ…」

 震える吐息とともに呼びかければ、先生は「うん?」と優しく俺を見る。

「せんせ…の…欲しい…っ」
「それは問題が解けたときのご褒美だよ。ほら、頑張って」

 問題集をトントンと長い指で叩く。あの指で俺に触って欲しい。中を掻きまわして欲しい。
 前かがみになり、股間を手で押した。

「触っちゃだめだよ」
「やっ…だ…もう、触りたい…」
「僕が触っててあげるから、大地くんは問題を解いて」

 先生の手が俺の手の下にもぐりこみ、布の上からコシコシと擦る。先端をグッと押されると、そこが濡れ始めているのがわかった。

「はぁ…んっ…あっ、はっ…あぁ…」

 なんとか机に向かう恰好を取るが、問題なんてとても解ける状態じゃない。
 先生は前を開けると、俺の勃起ちんぽを外へ出した。先から滲む我慢汁を全体になすりつけ、こね回す。

「いっ、あっ…先生っ…やっ、あっ、あんっ…!」
「小さな声でね。お母さんに聞こえてしまうよ」
「アァッ…だめっ…やぁっ…!」

 母さんが下にいる。身震いするほど興奮する。もし、こんな姿を見つかったら。一人息子がケツの穴にローターを仕込んで男のちんぽ欲しがっていると知ったら。下腹部がキュンとして、力をこめるとローターの位置が微妙にズレたらしかった。全身にビリビリッと電流が走り抜けた。

「ひっ!!いっ!アッ!!あぁっ!やっ、中っ…あたってっ…る!アァッ、やっ、あっ、先生っ、なか、あたってるぅ!!」

 先生に扱かれながら射精した。飛び出した精液が机を乗り越え、問題集にボタボタッと落ちた。

「汚しちゃ駄目じゃないか」
「はっ…あっ…ごめっ…なさっ…」

 射精したのにローターは俺の前立腺を刺激しまくる。先生も手を休めない。俺のちんぽは強制的に勃起させられる。

「綺麗にしなくちゃ」
「は、いっ…」

 先生の視線を感じながら舌を広げて問題集についた自分の精子を舐めとる。股間がズクリと熱くなる。顔をあげ、先生を見つめた。

「どうした?」
「先生の…入れて…も、我慢できな…い…!」
「まだ駄目だって言っただろう?」

 優しい笑顔のまま先生は俺の願いを却下する。俺は椅子からおりると床に座り込み、先生の足にキスした。靴下を脱がせ、足の指、一本一本を口に咥えてしゃぶりつくす。

「んっ、はぁっ…あんっ…あぁっ…」

 ローターが俺の中で動き続ける。自分でちんぽを扱く。先生に見下ろされながら、欲情した表情を隠しもしないで足の指を舐め続ける。

「お願…します…っ…も、我慢…できない…先生のちんぽ、淫乱マゾのケツマンコに入れて、下さい…っ!」

 先生は苦笑して首を傾けた。

「そんなに欲しいの?」
「ほひいっ…先生の勃起チンポで、犯してくださいっ…俺を肉便器にして、中出しして…くらさ…んっ…」
「学校で君がさんざんされてきたことだろう?まだそのトラウマから立ち直れないんだね」

 先生は立ち上がってベルトに手をかけた。俺は期待の眼差しで先生を見上げた。


 先生との授業初日、先生は俺が不登校になったわけをきいてきた。恥ずかしくてとても言えなかった。
 俺は同じクラスの数人の男子からいじめられていた。どんどんエスカレートしたいじめは性的なもとへとかわり、全裸に剥かれ、いじめっ子たちが見ている前でオナニーさせられたりした。そうなると尻穴をいじられるのもすぐで、入りそうなものはなんでもケツに突っ込まれた。その状態でオナニーさせられ、射精すると変態だと罵られた。いじめっ子のちんぽを咥えさせられたのも、その中では自然な流れだった。口の中に出されるのも、それを飲み込まねばならないのも、いじめっこと俺たちの間では、許されることのない当たり前のことだった。ケツを犯されるまでは少し時間があったが、それも当然の結果だった。俺はいじめっ子たちの公衆便所となり、口でも肛門でも、そいつらのちんぽを咥え、精液を飲み込んだ。
 夏休みに入ってやっとそいつらから解放された。数日で俺は自分の体の異変に気がついた。部屋でオナニーするとき、ケツの穴を弄りたくなった。ちんぽを扱きながら、いじめっ子から受けた仕打ちを思い出していた。罵る言葉を頭のなかで再生していた。そうじゃなければ射精できなくなっていた。
 愕然とした。だから夏休みが明けても学校へ行かなかった。いじめっ子たちに虐められたとき、俺は悦んでしまいそうで。もしくは、俺を構うことに飽きて、いじめられなくなったら落胆してしまいそうな自分が怖くて。それを確かめるのが恐ろしくて俺は不登校になった。
 そんなこと先生に言いえるわけがない。頑なに口を閉じていた。だけど先生の優しい口調と、親身な態度にほだされて、ポツリポツリ、学校でされていたことを告白した。それを先生にはなしながら俺は勃起していた。それに気づいても、先生は軽蔑したりせず、「辛い目にあってきたんだね。いまは体も心も、混乱しているだけだよ。時間をかけて治していこう。僕も協力するから」と言って俺の手を握ってくれた。手が触れ合った瞬間、頭のなかが真っ白になった。先生になら、俺のすべてをさらけ出そうと思った。
 それからというもの、先生は授業のたび勃起して興奮する俺の相手をしてくれた。俺のちんぽを触ってくれたし、先生のちんぽも舐めさせてくれた。興奮がマックスになった俺を処理するためにちんぽでアナルを犯してくれた。俺の願いを聞き入れて中出しもしてくれた。
 ここまでしてくれる人は他にいない。俺は先生にすべてを委ねていた。

「あひいっ…い、いいっ!アッ…アァッ…先生のちんぽ!奥、ズボズボッって…!なか、こすって…い、…きもち…いいっ!」

 ベッドに顔を押し付けて、できるだけ声を殺す。先生は後から俺のケツをガンガンに掘ってくれる。ブチュンブチュンといやらしい音を立てながら。

「はぁっ…あんっ!あっ!あぁんっ!やっ…や…また出るっ…出ちゃうぅ…せんせい…俺またイッちゃうよぉ!先生のちんぽ気持ちよすぎて…あっ!はぁっ、んっ!また、精子出るっ!」
「本当に淫乱な体にされてしまったんだね。さっきからイキっぱなしだ」
「あぁっ、あんっ…俺、淫乱っ、なのっ…男のちんぽ、大好き…!ケツマンコにちんぽ入れられる、と…っ…イッちゃうのっ!あぁんっあぁっ、あひっ、いあっ、あっ、ああぁん!あっ!やっ、出るぅ!!」

 ビュクッと精液が飛び出した。

「僕もイクよ、どうして欲しい?」
「はぁっ、んっ…やっ、まっ…顔にっ…俺の顔にぶっかけて…!」
「じゃあこっち向いて」

 ズルッと先生のちんぽが中を出ていく。ブルッと俺は身ぶるいした。起き上がって先生に顔を向ける。直後、先生の精液が俺の顔に向かって吐き出された。額、鼻、頬にぶち当たったそれがタラリと垂れ落ちる。その匂いを嗅ぎながら舐めとるとまた勃起した。

「美味しいかい?僕の精子は」
「おいし…先生の精子、おいしい…」
「舐めて綺麗にしてくれる?」

 差し出されたちんぽを犬のようにペロペロ舐める。
こうやって先生とエッチなことが出来るなら、淫乱変態マゾのままでも別にいいのに、と俺は思うのだった。

飼育玩具




2014-04-11(Fri) 20:21| 家庭教師| トラックバック(-)| コメント 0

惚れ薬(2/2)

<前話はこちら>

 沖田のペニスを一旦解放してやった。自分のずぼんをずりおろす。潤んだ目が俺の動作を見つめ、出てきた屹立に目を見開く。

「な…なに、してだよ…なんでそんなもん、出してやがる…」
「俺だって、出したい」

 使い込まれた沖田のペニスと俺の新品ペニスを二本まとめて握って扱く。精液まみれですでにベトベトしている沖田のペニスに擦れ、扱くたびにネチョネチョと音が立つ。俺の下で喘ぐ沖田に呼応するようにペニスの先から涙が零れる。それを伸ばし、全体になすりつけて擦り上げる。

「はぁっ…んっ…やめっ…アッ、あっ…たの…むっ…もう、苦し…触んなっ…!」
「でも、イカなきゃもっと苦しいと思うよ」
「ひっ、やっ、あぁっ…やめっ…あっ…あぅっ…う、うっ…あっ!」

 四度目の射精をする。でも俺はまだイッてないから手を休めず動かす。

「もっう…出ないっ…出ない、か、らっ…やめ、ろっ…ううっ、やめっ…やっ、あっ…」

 嫌々をするように顔を左右に振る。上気した頬、幾筋も涙を零す濡れた目、切なげに苦しげに自分をかき抱く腕、衝動を持て余して揺れる腰。あの沖田がこんな姿を俺に晒すなんて。

「もう、手で触らないほうがいい?」

 期待する返事を待ってごくりと唾を飲み込む。沖田はコクコクと何度も小さく頷いた。

「じゃあ…じゃあ、入れてもいい…?」

 え?と目で問うてくる。

「ここに、入れてもいい?」

 触った場所は沖田の精液が垂れおちて濡れていた。その中心へ指を押し入れる。

「はっ!あっ!やめっ…!てめぇ…どこ、触って…んんっ!」

 根本まで押し込むと沖田は顎を反らして射精した。五度目の射精で微々たる量。顔を戻した沖田は怯えた目で俺を見た。

「や、やだ…やめろ…やめて、くれ…」
「ここ、そんなに感じちゃうんだ?」

 中に入れた指をぐりぐりと回転させながら出し入れする。

「はぁぁっ!あぁっ!なかっ…擦んなっ…あっ、あぁっ…やめろっ…てっ…あっ、うあっ!」
「沖田くんのなか、すごく熱い…トロトロに蕩けて、俺の指に吸い付いてくる…」
「ばっ…ちげえっ…あっ、抜けっ…抜けよっ!もうっ、抜けよ!」
「全身で感じまくってるのに?」
「ひあぁっ…あっ、やっ…動かすなっ…も…やだっ…頼むっ…も、やめて、くれっ!」

 俺が指を抜くと沖田は強張っていた体から力を抜いてはぁはぁと息をついた。沖田の膝を持ち上げる。頭を持ち上げた沖田が、俺のしようとしていることに気付くと、ゆるゆると首を振った。

「やめ…やめろ…頼む…それだけは…」

沖田の懇願を無視して俺は自分の強直を突き立てた。

「ひぃぃっ…!」

 背を仰け反らせて沖田が悲鳴をあげる。鉤型に折り曲げた指が空を掴む。ペニスからわずかな精液が一塊飛び出して終わった。
 ずり上がるのを防止するため沖田の腰を持って抜き差しする。食いちぎられそうな狭窄感に腰が砕けそうになる。止められなくて何度も腰を打ち付けた。

「ひぃっ、あっ、あぁっ…!やめっ…ああぁっ…も…やっ…あ、あぁんっ…おかしく、なるっ…ううっ、アァ…あぁんっ!」
「あぁ…沖田、君のここ、すごく気持ちいいよ」
「いいっ…やっ…言う、なっ…!あっ!あんっ!もう、やめっ…!頼む、もう、やめてくれっ!あぁぁっ、あっ、あんっ、あんっ、また、いくぅ…っ!」

 いくと言われて目をやれば、沖田のペニスからは何も出てこず、俺の動作に合わせて揺れるだけ。もう出すものがなくなったのか、ドライでイッちゃったのか。

「あっ、あひっ…いいっ…いっ、あっ、アァッ…なんでっ、また…また、イクッ…!」

 どうやら後者だったようで、沖田は俺が突くたびイキまくった。ビクンビクンと体を震えさせながらイク沖田がさすがに可哀相になって、終わらせるために腰使いを激しくした。

「あっ!あっ!やっ…やめっ…そんなっ…激しっ…いっ、いいっ…あぁんっ、あんっ、やっ、やだっ…やぁっ…んんっ、んっ!」
「ごめんね、沖田、もう終わるから、中に出すね」
「なかっ…あっ、なか、だしっ…いいっ…なかっ、早くっ、終わってっ…!」

 沖田の中へ盛大に吐き出した。


 ぐったりと横たわる沖田を見下ろしながら俺はこれからどうしようと青くなっていた。惚れ薬の効き目がどれくらいで切れるのか知らない。次目が覚めた時には切れているかもしれないし、まだ効いたままかもしれない。もし切れていたら俺の人生に終止符が打たれることになる。17年…短かった。童貞を捨てられたのは嬉しいが、相手が同性の沖田じゃ複雑な心境だ。いやそんなことより今は、なんとか半殺し程度に抑えてもらうよう何か考えねば。
 とりあえず視聴覚室を出てトイレからトイレットペーパーを持ち込み、ついでに水道で濡らしたハンカチも使って沖田の体の汚れを綺麗に拭き取ってやった。
 そのあと人目を避けつつ自動販売機でペットボトルの水を2本かった。一本を飲みながら沖田が目を覚ますのを待つ。顔には涙のあとが残っていた。腕で何度もこすったのか擦りむいたように赤くなっている箇所もある。罪悪感からそっと撫でた。すべすべと綺麗な肌をしていた。通った鼻筋がうらやましい。さっき散々喘いで泣き言をもらした唇は渇いてカサカサだ。顔を近づけてペロと舐める。何度も舐めていると潤って濡れた。半開きの唇にそっと舌を入れてみた。さっきは突然のことでファーストキスを味わう暇もなかった。意識を失っている沖田から当然反応は返ってこない。角度をかえて何度もキスの真似事をしていたらいきなり突き飛ばされて尻もちをついた。

「なにっ、てめぇっ…!」

 よろよろと手をついて体を起こし、沖田は混乱した状態のまま俺を睨み付けた。

「と、とりあえず、水飲んで」

 沖田の分を差し出す。警戒する沖田は俺を睨んだままペットボトルを受け取り、コクリと一口飲んだ。冷たい水を飲んで少し落ち着いたのか、深く息を吐いた。

「なんなんだよこれ…なんだって聞いてんだよ、おいこらてめぇ!」

 鼓膜をビリビリと揺るがす大声に体が固まる。

「なにって…俺のほうが知りたい…沖田くんがいきなり倒れて…」
「俺に変なもん飲ませたんだろうが!」
「飲ませてなんかないよ!あれは俺が飲むつもりのジュースだったし!それを沖田くんが勝手に飲んだんじゃないか!」
「なんだとてめぇ!」

 立ち上がろうとした沖田くんはよろめいて床に手をついた。体を支えようと近寄る俺を「触るな!」と突き飛ばす。

「くそっ…なにがどうなってんだよ…畜生、意味わかんねえよ…!」

 腰をおろし、三角座りで項垂れる。前髪をかき上げる動作とともに顔をおあげ、上目づかいに俺を睨む。その目元がほんのりと赤い。

「さっき…なんで俺にキスしてやがったんだよ…」
「えっ…えと…」
「なんでだよ!」
「わかんないよ!」

 そこに無防備な唇があったから、なんて答えたらぶっ飛ばされそうだ。

「なんの行き違いかしらねえけど…なんでお前なんかとあんなことヤッちまったのか全然わかんねえけど、このことは誰にも言うな。誰かに言ったらぶっ殺すからな」
「わっ、わかった。絶対誰にも言わない!」

 どうやら五体満足帰れそうだ。沖田の気がかわるまえに姿を消そう。立ちあがろうとしたら強い力で腕を掴まれた。やっぱり2、3発は殴られるのか?中腰のまま、固まった。

「どこ行く気だよ」
「ど、どこって…き、教室?」
「どうせ今授業中だろうが」

 時計をちらりと見やる。確かに昼休みは終わって授業の真っ最中だ。それでも戻ると言えば沖田を怒らせそうな気がして、俺は諦めて腰を下ろした。それなのに沖田は手をはなしてくれない。

「お前…新田が好きなのかよ?」

 いきなりの話題に面食らう。

「えっ、いや、べ、別に」
「ほんとかよ?ほんとに好きじゃねえのかよ」
「う、うん、別に」
「じゃあ俺…俺のことは、どう思ってんだよ」
「えっ」

 何を言い出すんだ沖田は。

「さっき俺にキスしてただろうが。人の寝込み襲いやがって。どういうつもりだよ」

 沖田の腕に力がこもる。手加減が知れる痛みのない強さは俺に何かを伝えたがっているようだった。

「最初に俺にキスしたのは、沖田君、だけど…」
「嫌がって逃げたじゃねえか」

 そりゃあの状況でいきなりやられたら誰だって逃げるよ。沖田は不満そうなふくれっ面で俺を睨み続ける。

「い、今だったら、逃げないよ」

 俺を睨む目が一瞬弱まり、動揺して泳ぐ。
 床に手をついて、体を乗り出した。逃げるように沖田が顎を引く。でも腕をつかむ手は離れない。もっと身を乗り出して顔を近づけたら、沖田も恐る恐る近づいてきた。伏せた睫毛がいじらしく震える。それを見ながら口づけた。唇が触れ合った瞬間、沖田が俺に抱き付いてきた。

「なんでっ…くそっ、なんでお前なんか…なんでだよっ!」

 俺の肩口で混乱する心情を吐露する。俺はペットボトルに一滴垂らした惚れ薬の効果に感心しながら、沖田の背中を撫でた。

童貞教室



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2014-04-09(Wed) 21:03| 惚れ薬| トラックバック(-)| コメント 0

惚れ薬(1/2)

 突然だが俺は惚れ薬を手に入れた。塾帰りの高架下で怪しげな占い師から千円で買い取ったものだ。媚薬入りで一滴飲ませれば効果覿面だとその占い師の婆は笑った。嘘かほんとか、一丁試してやろうじゃないか。
 テニス部の新田さんがいつも飲んでいるピーチソーダを自動販売機へ買いに行った。そこへ惚れ薬を垂らす。一滴なんて言わず10滴以上を缶のなかへ入れた。
 それをなんとかして新田さんの缶とすり替えればいい。その「なんとか」が難しい。間違って買っちゃったからあげるよ、なんて俺が言おうものなら「きもい」と辛辣な言葉が返ってくるのは目に見えている。普段便所飯で教室にいない俺が昼休みに教室にいるだけで怪しまれるかもしれない。缶をすり替えるのはなかなか難易度が高いぞ…
 自販機から教室へ戻る途中の渡り廊下でふと我にかえり立ち止まった。惚れ薬を手に入れたところで、これを新田さんに飲ませる方法がない。

「なにボサッと突っ立ってんだよ、邪魔だろうがボケ」

 いきなり大きな声をともに突き飛ばされた。手にしたピーチソーダが反動でちょびっとこぼれる。振り返ると、同じクラスの沖田が険悪な顔つきで俺を睨んでいた。中学のころから問題ばかりおこしていた悪いと有名な沖田は、その噂を自慢するようにシルバーアッシュを逆立て、耳にはピアス、周囲の人間を威嚇するように練り歩いては、目が合ったやつは上級生だろうがなんだろうが因縁をつけてまわるような、非常にタチの悪い生徒だった。
 そんな沖田が俺を睨んでいる。沖田のようなタイプの人間に一番嫌われ、馬鹿にされるのが俺のような人種だ。おとなしく、影が薄く、自己主張せず、モブ以下の、それこそ便所虫やゴミ屑同然とみなされている俺。人間扱いなどされるはずがない。背筋に冷たいものが流れた。

「ああ?てめぇ何俺のこと睨んでんだよ?」
「にっ、睨んでなんか…」
「口答えすんな!」

 大声で怒鳴られ身がすくむ。

「ピーチソーダとか女みたいなもん、飲んでんじゃねえよ。これ、いつも新田が飲んでるやつだろ。もしかしてお前、新田と同じやつだから買って飲んでんのか?」

 一番知られたくないことを知られたくない奴に気付かれてしまった。意外に勘が鋭い。というか、新田さんのピーチソーダ好きを知っているなんて、もしかして沖田も…

「あれ、俺の前の女だぞ。嫉妬深いからすぐ別れたけどよ」

 二人が付き合っていたなんて知らなかった。衝撃の事実だ。新田さんが、こんなヤンキー男がタイプだったなんて…。

「お前、まだ童貞か?お前みたいな根暗でも、女のこと思ってマスかいたりするわけ?新田のこと考えながらシコんの?」

 と軽く握った手を上下に擦る仕草をする。カッと顔が熱くなった。

「しっ、しない…そんなこと…」
「おめえのオナニーしてる姿想像したら気持ち悪くなった」

 オエと舌を出した沖田は俺の手から缶を取り上げるとゴクゴクと喉を鳴らして飲んだ。

「あ……」

 飲んじゃった…飲みやがったこの馬鹿野郎…どうなっても知らないぞ。

「こんな渡り廊下のど真ん中でシコんじゃねえぞ」

 突き返された缶は軽くて、中身の半分はなくなっていそうだった。
 俺に背を向け沖田が歩きだす。2歩、3歩、4歩、5歩目で「うっ」とうずくまった。

「んぐっ…うぐぐっ…」

 膝をついて胸を押さえながら呻いている。

「お、沖田…?」
「はぁうっ…ううっ…なん…これ…」

 ゆっくり振り返った沖田の顔は真っ赤だった。

「なんだ…これ…なに、毒…?」
「しっ、知らないよ!」

 しらばっくれなきゃ命がない。

「はぁっ、はぁっ…あぁっ…あぐっ…」

 苦しそうに喘ぎながら俺に向かって手を伸ばしてくる。惚れ薬だと聞いた。あの婆は確かに惚れ薬だと言った!まさか本当は毒だったんじゃ…ッ
 駆け寄り、伸びた手を掴んだ。

「大丈夫?ほっ、保健室、いく?」
「…いいっ…」

 顔を歪めながら首を横に振って、目は何かを探すように動く。

「し…視聴覚室…連れてけ…っ」

 さっきまでの威張った声じゃなくて、しんどそうなかすれ声。本当に保健室に行かなくていいんだろうか。救急車呼ばなくていいんだろうか。死んじゃったらどうしよう。俺のせいで沖田が死んじゃったらどうしよう!
 怖くて震える俺の肩に、沖田は自分の腕をまわしてよろよろ立ち上がった。その体を支えながら、俺は沖田を視聴覚室へ連れて行った。


 視聴覚室へ入るなり、沖田は崩れるように床に転がった。ただ立っているだけでも相当辛いようだ。

「どうしよう…病院…行った方が…」
「い、らね…いいから、こっち…来い!」

 苛立ったように手招きされる。恐る恐る近づいてそばで膝を折ると、胸倉をつかんで引き寄せられた。ぶつかると思って咄嗟に手をつく俺の口に、沖田はなんと自分の口を合わせてきた。びっくりする俺の首に腕をまわし、頭を掻き抱いて強く引き寄せる。より深く密着する唇に濡れた感触。沖田の舌が中へ入ってきて俺の中をまさぐった。

「ふがっ、ふっ、んんっ!おきっ…待っ…!」

 両手をつっぱってなんとか隙間を作った。沖田は、赤い顔、荒い呼吸で俺の首にぶら下がるようにしがみついたまま。

「なっ…んで…?」
「知るかっ!知る…かよ!くそっ…なんで俺が…お前なんか…クソッ…どうなってんだよ、俺!」

 沖田は本当に混乱しているようだった。困惑と怒りとで顔が泣きそうに歪む。

「…なんで俺にキスし」
「言うな!言ったらぶっ殺す!」

 充血した目が俺を睨み付ける。恫喝されているのは俺なのになぜか沖田のほうが立場が弱いと感じる。はぁはぁと呼吸が荒いのも、顔が赤いのも、目が潤んでいるのも、もしかしてこれ全部惚れ薬の効果なんじゃ…。婆の嫌らしい笑った顔が頭に浮かぶ。媚薬入りで一滴飲ませれば効果覿面。俺は何滴入れた?調子に乗って10滴以上入れてしまった。沖田がこんな状態なのはそのせいなんじゃないか?
 確かめずにはいられない。

「俺のこそ、好き、とか?」
「…っ!ばっ、か、言ってんじゃねえよ!ぶっ殺すぞ!」

  耳まで赤くなった顔じゃ迫力がない。

「ちょっと、ごめん」

 片手を伸ばし、沖田の股間をさわっと触ってみた。

「ああぁぁっ!」

 沖田の大声にも驚いたが、触ったそこはテントを張ってビンビンになっていた。

「さわっ…なっ…馬鹿…てめぇ…」

 俺を睨む目には涙が滲んでいた。あの沖田が。威張ってばかりいる沖田が。俺のことなんか人間扱いしない沖田が。みんなに恐れられる沖田が。新田さんと付き合っていた沖田が。あの沖田が、俺を、好き?
 一度はびびって引っ込めた手を、再び沖田の股間へ押し付ける。布越しにでも、そこがドクドク脈打っているのが感じられる。同じ男として、痛いほど張りつめているのがわかった。

「だ、大丈夫…?」
「はぁっ…あ、さわ、な…で、る…っ!」
「えっ、うそっ、待って!」

 急いでベルトを外し、沖田のズボンを脱がせた。あの沖田がおとなしく脱がされているのも、腰をあげて協力するのも、信じられない姿だった。
 現れた沖田のペニスは赤く膨れ上がって今にも爆発しそうだった。これをもしかしたら新田さんに…なんて考えていたら、つい手で触っていた。
 俺が触るとそれはビクンと震えた。

「ふあっ…あっ…あっ…」

 他人の勃起状態のものを触ったのはこれが初めてだ。しかもそれがあの沖田だなんて。沖田は俺が少し動かすと「うっ、あっ」と面白いほど反応した。

「も…出る…出る…!」

 自分の制服をぎゅっと強く握りしめて沖田は射精した。手のひらに、管の中を勢いよく飛び出す精液の流れをはっきり感じた。沖田が俺の手でイッた…その証が、沖田の下腹部を汚している。
 沖田は半開きの口でハァハァと依然荒い呼吸のまま、俺を見上げていた。乾いた唇を舐めて潤し、なにか言いたそうに歯の向こうで舌を動かす。

「沖田…?」
「まだ…治まんねぇんだよ…は…っ…あ…まだ…」

 戸惑いの限界に達したのか、沖田の目尻から涙が一滴零れ落ちた。それを腕で隠して唇を噛みしめる。
 射精したばかりの沖田のペニスは先ほどとかわらない体積と硬度を保ってそそり立っていた。さっき出した残滓か、いま新たに零れているのかわからない白い液体が、先端から滔々と垂れて腹にくっつく。
 フルフルと震えるペニスを握ると、沖田は「はぁんっ」とため息のような声を漏らした。
 沖田がこんな状態になってしまったのは俺のせいだ。普段偉そうだからって、見捨てるわけにはいかない。死んじゃったら困るし、見捨てたあと元に戻ったら仕返しが怖い。できるだけ体が楽になる手助けくらいはしなければ俺に命の危険がある。
 ゆっくり扱いてみた。ほんとうに軽く扱いただけなのに沖田はあっという間に2度目の射精をした。

「あぁっ…あっ…もっ…くそっ…なんでっ…もう、やだよ…!」

 泣き言を漏らすのも納得で、沖田のものはまだフル勃起に近い状態だった。

「大丈夫、全部、出しちゃえばいいんだよ」

 握って扱く。

「あぁっ、はっ、あっ…やめっ…感じすぎて…苦し…あっ、あぁっ」

 顎を反らして喉を晒しながら、聞いたことのないような声をあげる。男相手なのに、しかもあの沖田なのになんだか色っぽく見えてきて、俺まで変な気分に引きずり込まれた。
 もともと着崩した制服の前をはだけるのはわけないことだった。赤く染まった体に跨り、手を動かしながら乳首を一舐めする。

「んあっ!ばっ…なに、しや、がる…!」

 小さな乳首。ぺったんこの胸。俺が触りたいと思った新田さんの胸とは正反対の男の胸。なのに異常なほど俺を興奮状態にさせる。俺まで呼吸を荒くしながら、ペロペロと舐め、口に含んだ。

「はぁぁん…んっ、アッ…やめっ…あぁっ、くそっ…やっ、出るっ…!」

 ビュクッと白濁が飛び出す。構わず手で擦り続けると、沖田は痛い、苦しいと訴えた。

「はっ、あっ、もう…やだっ…こんなっ…なんで…止まんねえんだよ!」

 腹立たしそうにもどかしそうに、沖田は声を荒げてまた涙を零した。暴力による制裁を厭わない、むしろ喜んでやるような粗暴で冷酷な沖田の初めて見る姿。俺の股間まで熱を持ち始めた。

睨めば恋



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2014-04-08(Tue) 21:09| 惚れ薬| トラックバック(-)| コメント 2

ご挨拶

お越しくださりありがとうございます。 初めに「当ブログについて」をご一読くださいますようお願い致します。
管理人が以前、某掲示板で書いていたものをここで再利用しています。決してパクリでは御座いません。そしてお願い。GKさんの小説を保存しておられる方いましたらぜひご連絡頂けないでしょうか。いまとても読みたいのです…

お世話になってます

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