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楽しい入院生活!(2/2)

2015.03.16.Mon.
<前話はこちら>

 触れ合った西山の唇は柔らかい。ぷっくりした唇が開くと同時に中から舌が入り込んでくる。
 深く挿し込まれて、さっき西山が食べていたチョコ菓子の味が移って来た。甘い。俺からも舌を絡めた。

 西山の体が一回り大きくなったような気がした。全体から雄の匂いが立ち上がってくる。興奮しているのが伝わってくる。
 乾いていた唇がお互いの唾液で濡れるほど、何度も角度をかえてキスをした。

 トレーナーをたくしあげて西山は手を入れて来た。無骨だが温かい手が俺の体を労わるように優しく肌の上を滑る。

「……ンッ」

 乳首に指が当たった。指の腹で円を描くように周囲をなぞられて勝手に息が跳ねる。
 弾かれたり挟まれたりすると小さな声が漏れたが、それは全部西山の口のなかに吸収された。

「ふっ…っ…ん、んん……ッ」
「静かにね」

 俺の耳に口をつけて囁くと、西山ははだけた胸元に吸い付いた。強く吸われて細かい針で刺されたような強い刺激にぎゅっと目を瞑った。

「んっ!」

 肉厚な舌で押しつぶすように捏ねくりまわされた。もどかしそうな甘噛みによって下腹部がジンジン熱を持ち始める。そこが濡れそぼっているのがわかる。西山の熱い息遣いが俺の呼吸まで乱れさせた。

 西山の手がズボンのゴムを持ち上げて中に入ってきた。傷口に触れぬよう慎重に遠回りをして股間に辿りつく。

「ん…あ、ちょ……おい…っ」
「痛かったら言ってね」

 また耳に声を吹き込むと、パンツのなかで窮屈そうにしている俺のものを握った。

「あ、ぁっ……!」

 当然ながら盲腸になってから今日まで自慰はしてこなかった。だから久しぶりの雰囲気と直接的刺激に、西山を止める手に力は入らなくて、ただ添えているだけだ。

「退院は明日だっけ?」

 手で扱きながら普通の会話を始めやがる。だけどその目はすっかり発情しきった雄の目だ。

「う、ん」
「俺も来ていい?」
「来るな…ぁ…ッ」
「意外に早い退院だね。あっ、腹腔鏡手術って入院期間が短くて済むんだっけ」

 こくこく頷く。

 ズボンの中では西山の手が動き続けている。亀頭はもう先走りでヌルヌルだ。先端を揉まれるとくちゅくちゅ、といやらしい音がかすかに聞こえるほど。

「傷跡も小さくて済むんだろ? 治ったら見せてよ。そういえば下の毛は剃った?」

 セクハラ高校生を睨み付けた。

「剃って……ねぇ、よ……、産毛、だけ……」
「中根くん、体毛薄いもんな」

 熱い息を吐き出しながら舌なめずりすると、西山は大きな手で俺の口を塞いだ。それと同時にズボンをずり下げて先端を口に含む。

「ン――ッ!!」

 静かに、というように西山が横目で俺を見る。だったら病院のなかでこんなことおっぱじめるんじゃねえよ!

 溢れるカウパーをちゅちゅと啜り上げ、準備運動するみたいに亀頭部分を口の中に入れたり出したりして徐々に深く咥えて行った。

「んんっ、んふぅ…ッ…! ん! んんっ!」

 気道確保さえ怪しいほど西山の手がしっかり口を塞いでくれているので声は漏らさずに済んでいるが、西山の咽喉の奥深く、根本まで粘膜に包まれた時は腰が蕩けてどうにかなってしまいそうだった。

「んぅっ……ンッ、んっ、んん……っ!」

 西山が顔を上下に動かすたびに、ぐちゅ、ぐちょ、ぐぼって音がする。

 隣からしわぶきが聞こえてぎょっとした。わざとか? 気付いてんのか?!
 確か隣の人はイヤホンを繋いでテレビを見ていた。聞こえていないはずだが……実は聞き耳立ててんのかも。

 もうひとりの相部屋の人はさっきから物音ひとつしない。寝てるか起きているのかもわからない。もし起きていたら、こちらの妖しげな気配に勘付いてるかも。

 そんなことに動揺も頓着もしない西山は唾液を絡めて激しくしゃぶりあげる。もうプロの称号を差し上げたいほど絶妙なフェラテクだ。あっという間に限界がきた。

「っ! あふっ、んんっ! んっ、んんぅっ……!」

 ビュルッと飛び出したザーメンを西山は難なく飲み干した。最後のお掃除フェラまでやってから顔をあげ、俺の口から手を退けた。

「わ、ごめん、力入れ過ぎたみたい。口許、赤くなっちゃってる」
「はぁッ…はぁ……はぁ……ばか、おまえ、ほんとばか」
「ごめんごめん」

 って笑いながら俺にキスしてくる。今度はチョコ味じゃなく、精液の味が口の中に広がる。西山は毎回これを飲んでいる。

 俺がゲロにまみれた汚い体だろうと躊躇なく抱き上げて、自分の上着が汚れるのも厭わず敷物がわりに使ってくれた。俺のちんこをしゃぶって、くそまずい精液を飲むのも、西山曰く「俺のことを本気で全部を愛して」くれているからなんだろう。でなきゃただの友達同士であんなこと無理だ。

 愛とか。男同士なのに。愛とか。こっちが恥ずかしくって赤面することを西山は平然と口にするから参る。
 俺はそんなの人に言われたことないから、免疫なくてどうしていいかわからないってのに。

「退院して元気になったら続きしよう」

 キスのあと、鼻をこすり合わせたまま西山が言ってくる。
 うん、って返事してやってもいいかなって思っちゃった俺相当やばい。助けられたことにかなり恩義感じちゃってんだな。一時の感情ってやつに流されて承諾したらあとでとんでもないことになりそうだったから、「いやだ」って返事をしておいた。

 だってどうせ俺が拒否ったところで最後にはやることやっちゃうんだし。

※ ※ ※

 来るなと言ったのに西山は翌日もやってきた。好青年みたいな顔して俺の母親と談笑中だ。なので俺が帰り支度をしなければならなかった。一応手術したばっかなんですけど。

 三人で病室を出た。母ちゃんが会計に行き、俺たちはソファで待つことにした。

「お前、なんで来るんだよ」
「お母さん一人じゃ大変だろうと思って」
「お母さんて言うな」
「このあと一緒にご飯どうぞって誘われてるんだけど、いいよね?」

 いつの間に!

「母ちゃんの前で絶対くっついてくんなよ」
「もちろん。今は気に入ってもらえるようにいい子でいるよ」

 やけに西山がニッコニコなのでなんだか嫌な予感がした。

「お前、なに考えてる?」
「息子さんをくださいって挨拶しに行く日がくるかもしれないだろ。だから印象良くしておこうと思って」
「おっ、お前なに言ってんの?! 誰がお前のもんになるか!」
「中根くんも長男なんだよね。そこはおいおい二人で考えよう」

 長男とかおいおい二人でとかまったく意味がわからない。こいつどこまで本気でこんなこと言ってるんだ? まさか全部本気? 何年先まで俺たちの関係が続くと思ってるんだ?! 

 心臓に蔦が這うような苦しさが胸を締め付ける。指先どころか髪の先まで西山に絡め取られるイメージが頭に浮かび、西山の本気を少し見くびっていたことに俺はやっと気付いた。



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楽しい入院生活!(1/2)

2015.03.15.Sun.
楽しい合宿!楽しいお泊り!楽しい勉強会!楽しい初カノ!楽しいOB会!楽しいロッカールム!楽しい遊園地!

※未挿入

 両親が毎年恒例の結婚記念旅行に出かけた。その間の食費と雑費として、一万じゃ少ないとごねてなんとか二万をせしめた。

 姉は友達のところに泊まるらしいので、家には俺一人。一人パラダイスを満喫してテレビ見放題、ジュース飲み放題、ゲームし放題。

 二万もあるし初日の夜は同じクラスの友達を誘ってファミレスで食事をし、そのあとカラオケに移って朝まで歌った。

 二日目の午前中、腹痛で目が覚めた。カラオケでも飲み食いしたのでそのせいだろうと考えて、トイレで腹のなかのものを出してまた眠った。

 午後。遅めの昼食のカップラーメンを食べていたらまたお腹が痛くなってきた。腹を抱えてトイレに駆け込む。あらかた出したはずなのにまだ痛みが続く。脂汗が浮かぶ。

 芋虫のようにソファの上で丸まって、悪いものでも食べたのかと食事の内容を反芻して気を紛らわせながら過ごした。
 まだ痛み続けるのでトイレに籠ってみたが、ケツがヒリヒリと痛むだけで何も出ない。痛みだけが居座り続ける。

 夕方になって西山から電話がかかってきた。こんな時に、と無視しようと思ったが、そうすると出るまでしつこいので仕方なく電話に出た。

『いま一人なんだって?』

 昨日遊んだ奴らから聞いたんだろう。面倒臭いやつに知られてしまった。

『遊びに行ってもいい?』
「来るな」
『……なんか具合悪そうな声だけど、どうかした?』
「腹が痛えだけだよ」
『大丈夫? 薬飲んだ?』
「なにも飲みたくねえ」
『やっぱり心配だから行くよ』

 こちらの返事を聞かずに西山は通話を切ってしまった。舌打ちする元気もない。来るなと行ってもどうせ無駄だろうから、先に玄関へ行って鍵を開けておいた。勝手に入れとメールをしてソファに寝転がる。

 なんだか熱っぽい気がする。風邪だろうか。お腹にくる風邪があるらしいし。
 無理矢理眠ろうと目を閉じる。ウトウトしても痛みのせいで目が覚める。そんなことを繰り返していたら、また激しい痛みの波がやってきてトイレに座った。

 いきなり嘔吐した。マーライオンのように口から大量の吐しゃ物が噴き出る。向きをかえる間もなかったので、トイレの床に吐き散らした。

 慌てて便器に顔を近づけ、立て続けに吐いた。ゲロと涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃだ。
 そんなときに西山がやってきた。メールを見たようで「お邪魔します」と言いながら中に入ってくる。

「中根くん?」

とリビングのほうから声がする。俺を探して家を歩き回ったあと、トイレをノックした。

「中根くん、いる?」

 返事をする気力も言葉も見つからず、トイレの扉を撫でた。小さな物音に気付た西山が、「開けるよ?」と扉を開け、なかの惨状に息を飲む音が聞こえた。

「大丈夫?!」

 しゃがみこんで俺の体を支える。

「俺、汚ねえから……」
「なに言ってるんだよ」

 トイレットペーパーをカラカラ巻き取り、俺の顔を拭う。

「動かすよ」

 俺を抱き上げて臭気のこもるトイレから連れ出してくれた。あ、俺、パンツあげてねえ。

 俺を膝に乗せたまま器用に上着を脱いでソファに置くと、その上に俺を寝かせた。その時下げたままのパンツを無造作に引き上げてくれた。

「待ってて」

 リビングを出てどこかへ行き、バケツを持って戻って来る。

「吐きたくなったらここに吐いて」

 とソファの下に置いてまたどこかへ消え、今度はタオルを持って戻って来た。キッチンで濡らしたタオルで俺の顔や首、手を拭く。

「ん……っ」

 西山の手を払いのけてバケツに顔を突っ込む。ゲェゲェ吐いている間、背中をさする西山の大きな手が心強かった。
 またゲロにまみれた俺の顔を拭くと、西山は二階から着替えを持ってきた。床に膝をついて俺の前髪をかきあげる。

「食中毒かな?」
「わかんねえ……風邪かもしれねえし……」
「まだお腹痛い?」
「痛い」

 痛む場所に手を当てる。それを見て西山は顔つきをかえた。

「そこってもしかして盲腸じゃないか?」

 盲腸?!

「いつから痛い?」
「今日の朝……9時くらい」
「もうすぐ10時間だよ。立てる?」
「むり」
「救急車呼ぼう」
「えっ」
「俺が付きそうし、家の人にも連絡するから」

 そう言うと西山は本当に119に電話をかけた。

 救急車を待つ間に、俺の携帯から親に電話をし、またゲロを吐いた俺の始末をしたついでに着替えも手伝ってくれた。

「もう少しだから頑張れ」

 そう言って額に軽いキスをしたあとは、トイレの掃除に向かった。西山の言葉と存在に今日ほど安心したことはない。

※ ※ ※

 西山は今日も見舞いにやってきた。こいつのおかげで痛みから解放されたと言っても過言ではないので無下に来るなとも言えない。

 あのあと救急車が到着し、近所の人がやじ馬で見に来るなかストレッチャーで運ばれて、診察と検査のあと翌朝手術と決まった。

 西山から連絡を受けた俺の親は旅行先からすっ飛んで帰って来た。西山に礼を言って名産品の土産を手渡し、なぜか俺は「ほんとに馬鹿なんだから!」と理不尽な叱られ方をした。

 全身麻酔だったので眠っている間に手術は終わり、ちんこにはカテーテルが挿入されていた。翌日見舞いに来た西山がそれを見てにやにやと笑った。

 入院2日目にカテーテルを抜いてもらった。経験したことのない激痛に耐えた俺の気も知らないで、西山はそれを残念がった。ちんこもげて死ね。

 点滴ばかりでまともに西山の相手をする体力もなかったが、病院食が始まってから徐々に復活して、西山と軽口を叩きあい、一緒に売店へ行けるまでになった。

 つまめるお菓子とお茶を買って病室に戻る。四人部屋でベッドは三つ埋まっている。
 俺は窓側。廊下側のお隣さんはイヤホンをつけてテレビを見ている。廊下側のもう一人は寝ているのかカーテンを引いていて見えない。

 傷口が痛むのでまだ大きな動きはできない。西山の手をかりてベッドにあがった。

 よろけて手をついた拍子に部室の壁をぶち破ったことのある西山が、その有り余るエネルギーで傷つけてしまわないよう注意しながらそっと俺を横たえて布団をかけてくる。
 いつも大雑把な力配分をしている西山には神経を使う作業だったろう。

 ゲロまみれのトイレから俺を救い出したときも、西山は大きな体に似つかわしくない細やかな対応をしてくれた。ソファを汚さないよう自分が着ていた上着を下に敷いたり、バケツを置いたり、顔を抜いてくれたり、トイレ掃除をしてくれたり。

 まず、電話の声だけで具合が悪そうだと気付いてくれた。来るなと言ったのに心配だと駆けつけてくれた。
 俺一人だったら、風邪か食い物にあたっただけだと病院に行こうなんて考えなかっただろう。

 あのまま我慢し続けていたら盲腸が破裂していたかもしれない。盲腸でも死ぬ場合があると聞いたことがある。西山は命の恩人と言うわけだ。 

「西山」
「ん?」

 いつかきちんと言わなきゃと思っていた。でも気恥ずかしくてなかなか言いだせなかった。

「あのさ……、今回は、ほんとに助かった。色々やってくれて……ありがとう……」

 西山がびっくりした顔で俺を見る。あんま見るな。傷痕痛むくらい恥ずかしいんだから。

「あと、ジャケットも弁償するから」
「クリーニングに出したからいいよ」
「他人のゲロがついたのなんか嫌だろ」
「中根くんのだから嫌じゃないよ」
「なんで……平気なんだよ。普通汚れたら嫌だろ」
「愛する人のゲロだったら平気でしょ。むしろやつれて弱ってるレアな中根くんを見られたし、ご褒美って感じだったけど」

 愛する人とかしれっと言うなよ。ていうか人が苦しんでるときになんてこと考えてたんだ。

「ト、トイレも、掃除してくれて……ありがと」
「しおらしい中根くん、かわいい」
「っせえ、タコ」
「中根くんのほうがタコみたいに真っ赤だけど」

 クフッと吹き出して西山が顔を近づけてくる。あ、と思ったけど、よけることが出来なかった。

 カーテンを引いているとは言え、すぐ隣に人がいるのに、ベッドに手をついて体重を乗せてくる西山に合わせて角度を調整していた。


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