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ひみつのドSくん(2/2)

2014.11.01.Sat.
<前話はこちら>

 男の子の性器から得る快感は当然私には未知の領域で、先を擦られるのが気持ちいいと思った矢先、全体を擦られると腰が砕けそうになったりして、完全に斉藤くんの掌の上だった。

「…あっ、あぁ…んっ、忍、なんか、変…あっ、クルの…奥から…なんか、クル…!」
「そう簡単にイカせねえよ」

 というと斉藤くんは責めるポイントを微妙にずらした。体の奥から上昇してきていたものが、すうっとさがっていく感じがした。
 きっと私、射精しそうだったんだと思う。女の子なのに、射精しちゃうんだ。どんな感じなのか、怖いような知りたいような。最後は好奇心が勝った。

「お願い、忍…さっきのとこ、して…」
「今日はやけに素直だな」
「い、イキたい…から…」
「別人みてえだな」

 探るような目で見られて内心焦った。変身していることがバレたら一大事だ。

「だって、忍のこと、好きだから…お前は、俺のこと、好きじゃないの?」

 はっと斉藤くんが目を見張る。私、なにか変なこと言った?

「女と付き合えって言った口がなに言ってんだ?」

 そういえば私さっき振られたんだった!

「俺の種、全部お前の腹んなかに入れてやるって決めてんだよ。くだらねえクソ女に無駄打ちできるかよ」

 私はくだらないクソ女か。それだけ中崎くんに惚れてるわけですか。だからあんなに不機嫌になってたんですね。はいはい。ご馳走さま。

「もっかい聞くぞ。ほんとに俺に、女と付き合って欲しいのか?」
「う…ほしく、ない」
「だったらくだらねえこと言ってんじゃねえ」

 険のある顔つきだったのが、少しだけ和らぐのを見た。すっごく上からで俺様なくせに、中崎くんにあんなこと言われてほんとはちょっと不安になってたみたいだ。

「可愛いね、忍って」

 つい本音を漏らすと、斉藤くんは「ああ? てめぇ、誰に向かって言ってんだ?」とまた顔を歪めてしまった。せっかくの綺麗な顔が。

「その余裕、根こそぎ奪い取ってやる」

 そう言い放った斉藤くんは私を非常階段に連れて行き、そこで後ろ向きにさせると階段に手をつかせた。

「ちょ、なに、忍…っ」
「黙ってろ、このド淫乱」

 後ろから覆いかぶさってきて、私が穿いてるズボンを下着ごとずらした。
 ド淫乱と言われた言葉の衝撃も忘れるほどの羞恥が私を絶句させた。

「なっ……なっ……!」
「やり殺してやるからな」

 物騒なことを囁きながら、斉藤くんの手が私の股間に伸びて来る。まだ立ったままのものを掴み、音を立てながら扱き始めた。
 やり殺すって…! えっ、ヤッちゃうの?! ヤラれちゃうの私! 斉藤くんに! 中崎くんの体で?!
 もうどうしていいかわからない四面楚歌の孤立無援で絶体絶命の処女喪失状態なのに、私の口からは拒絶じゃなくて、甘い声ばっかり出て来る。

「…あ、あぁっ…や、忍…あぁ、んっ」

 手で擦られてると腰がジンジン疼いて、手は痺れたみたいに力が入らなくなる。甘えるみたいに首を後ろに倒して斉藤くんの顔に顔を擦りつけている。

「やぁっ…あっ、だめ…、また…クル…忍…、これ…あっ、い、イクの? 私、イッちゃうの…?」
「ラリってんのか、てめえ」

 斉藤くんがクツクツと笑いながら私の耳をベロリと舐めた。ゾワッと全身が震えて、

「ひっ…い、あ、あ――ッ」

 下腹部から熱い塊が込み上げて来て、斉藤くんに扱かれながらドクッとそれを吐き出していた。

「あ、あぁ……」

 出し切ったあとは凄まじい脱力感があって、手足で自分の体を支えるのも大儀だった。
 これが射精か。おそらく人生で二度と経験することはないだろう出来事に、感慨深く思いを馳せていると、斉藤くんの指が私のお尻の奥を探り当てた。

「ひゃうっ!」
「なんつう声出してんだよ」
「なっ、なに、なんでそんなとこ…!」
「指じゃ物足りねえってか? すぐにもっと太くて硬い俺のチンコ突っ込んでやるから待ってろ」

 いや、そういうことじゃなくて!
 やっぱりヤラれちゃうの? お尻の穴で?! っていうか、この格好、獣スタイルってやつなんじゃ。

「やっ、やだ、これ…恥ずかしい…っ」
「バックでガンガンに突かれるの、好きだろ、お前」

 そうなの中崎くん! いつも斉藤くんの暴言のフォローをしてる優しい苦労人のイメージだったのに!

「なぁ? 俺のチンコに奥突かれまくって、いつも泣いて喜ぶじゃゃねえか。いまさらカマトトぶってんじゃねえよ」
「いやっ、せめて、ゴ、ゴムつけてよぉ」
「はっ?」

 一瞬、斉藤くんはほんとに呆気にとられた顔をしたが、次の瞬間爆笑していた。

「俺がそんな優しい男じゃねえって、忘れちまったのか?」

 楽しそうに、私のお尻のなかで指をグリグリ掻きまわしている。ドSだ。性格悪いのはみんなが知ってたけど、こいつドSの鬼畜ヤローだ。中崎くんはこんな奴のどこが好きなんだろう。理解に苦しむ。

「やぁ…あ…っ、抜いて、それ…やだ、もう…抜いて…っ」
「焦んなよ、いまお前の大好物、食わせてやるから」

 指が抜けてホッとしたのもつかの間、ピトッと柔らかなものがそこに押し当てられ、私は息を飲みこんだ。斉藤くんが私のなかをこじ開けて来る。強靭な芯をもつそれがグッグッと私を押し開く。初めて味わう感覚に、目を閉じ歯を食いしばった。

「く、う…うぅ……くる…し……っ」
「ハッ、相変らず、きっついな……」

 掠れた斉藤くんの声。

「あ…あぁ…いや、や…だ…動かないで…」
「お前の動くなは動けって意味だろ」
「ちがっ、あっ、あぁぅっ」

 斉藤くんが引いていったかと思うと、また奥まで深く貫かれた。指先にまで達する衝撃に息がつまる。
 始めはゆっくり動いていた斉藤くんも、馴染んできたとみるやいなや、速度をあげて、激しく腰を打ち付けてきた。パンパンという音が私の羞恥を一層煽った。

「ひぃっ、いっ、あぁっ、あんっ、やっ、だぁっ…忍、いやっ、ゆっくして…お願い…っ!」
「今日はずいぶんしおらしいじゃねえか。悪いもんでも食ったか?」
「ちが…あっ、あぁっ、そんな…激しく…しな…いれ…!」

 乱暴な摩擦だというのに、体の奥から熱くなってきて、彼の一擦りごとに私の理性は一枚ずつ剥がされていった。

「ひゃっ、あんっ、あぁっ…やだ…やっ、おかしく、なっちゃう…っ」
「なっちまえよ」

 私の腰を抱きかかえ、さらに激しく短い間隔で突き上げてきた。奥をガンガンに責められて、声の止まらない私の口からは涎が零れいた。獣姦スタイルにふさわしい浅ましい姿だ。

「やぁっ…あっ、あんっ、あぁんっ、また、出ちゃうっ…イッちゃう、やだ、怖い! やめてっ、忍、お願い、だからぁっ!」
「喘ぎっぱなしで俺のちんこキチキチに締め付けてよく言うぜ」
「あぁっ、あっ、だめ…だめっ…出ちゃうっ…やっ、ああ、アァッ……!!」

 頭を真っ白にしながら私は射精していた。その間も斉藤くんはピストン運動を繰り返している。

「中に出すぞ!」
「…え…えっ、だめっ、中に出さないでぇ…っ!!」

 妊娠しちゃう!!
 今の自分の姿も忘れて慌てる私の中に、斉藤くんはたっぷり吐き出した。

「や…あ…酷い…どうして…やだって言ったのに…!」
「こっち向け」

 顎を掴まれ、強引に斉藤くんの方を向かされた。泣いてる私の顔を見て眩しそうに目を細めた。

「エッロい顔。俺以外の誰かに見せたら殺すぞ」

 階段にくたりと座り込む私に、斉藤くんが言葉とは裏腹な優しいキスをする。太ももに、生温かい感触が流れ落ちた。

※※※

 斉藤くんを好きだという気持ちは、彼とセックスしたことで昇華できたような気がする。たとえ偽りの姿であったとしても、私は満足だ。それに斉藤くんの相手は私には無理だということもよくわかった。それはいろんな意味で。

「斉藤くん、これ私が作ったお弁当なんだけど、味見してみてくれない?」

 そんなこと言ったらどんな辛辣な言葉が返ってくるか…。学習しないのか、めげないのか、心美がお弁当箱を持って斉藤くんに近づいていく。
 中崎くんとお昼を食べていた斉藤くんが心美を見ると面倒臭そうに舌打ちした。

「手作りとかきもくてぜってえ無理。吐きそう」
「えー、大丈夫だよ、ちゃんと手を洗って作ってるから」
「いや、お前の存在が無理だから」

 犬を追っ払うみたいにシッシッと手を振っている。心美、ざまあ。

「おい、忍」

 それを中崎くんが咎める。

「悪い、こいつ、妙に潔癖なとこあって」

 と心美にフォローをしている。それを見て斉藤くんがニヤニヤしている。
 本当に潔癖な人が非常階段でセックスしますかね。お尻の穴にあれを突っ込んじゃいますかね。

「そーそー、飯がまずくなるから、早く消えろよ」
「忍!」

 はぁ、と中崎くんはため息をついた。でもあなた、いつも斉藤くんとあんなことして、ド淫乱とか言われちゃってんですよね。爽やそうな顔して、ほんとは乱れちゃう人なんですよね。

 やべ。私もニヤケ顔が止まらない。


可愛いひと

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ひみつのドSくん(1/2)

2014.10.31.Fri.
※NL…?
女の子が男に変身してエチする話なので閲覧は自己責任でお願いします


 斉藤くんが廊下を歩いている。182センチの長身だから遠目でもよくわかる。その上、彫が深くて、色素が薄いからよく白人の血が入っているのかと思われるが、遡れるご先祖は全員純日本人なのだそうだ。

 べ、別に、必死になって情報収集したわけじゃないんだからね! 私が今から斉藤くんに告白するのはただの罰ゲームで、それにかこつけて本気の告白しようだなんて、少しも考えてなんかないんだからね!

 斉藤忍はこの学校の生きる伝説となった人だ。日本人離れした恵まれた体、甘いマスクで、入学早々有名人になった。彼をさらなる有名人に、果ては伝説へとランクアップさせたのは、そのルックスからは想像もつかない性格の悪さのせいだった。

 見た目はいいのでとにかくモテた。入学式が終わるや否や、今日初めて会った女子生徒から告白されるほどのモテっぷり。がしかし、

「その年で中古の尻軽って、女として終わってんな。病気うつされそう」

 告白してきた女子を、よく通る声でばっさり切り捨てた。はっちゃけ女子は夢から覚めて泣きながら学校から逃げ出してちょっとした騒ぎになった。

 まずは友好な関係から築こうと、正攻法で近づく女子にも、「なんでそんな化粧で外歩けんの? 家の鏡拭けよ」「その髪型、婆くせえな」「俺より太い足隠せよ」「その上目使い、きもい(冷笑)」と痛烈な一言を浴びせて乙女心を傷つけてきた。

 彼の歩いたあとは、容赦ない毒舌に切り捨てられた女子の屍で埋め尽くされるという、嫌な伝説を作り上げてしまったのである。

 そこに山があるから登りたくなるのがアルピニストであるなら、そこに難攻不落ないい男がいたら落としたくなるのが女の性。
 玉砕するとわかっていても、もしかしたら自分は! と少女漫画的展開を期待して告白してしまい、やっぱり見事討ち死にした女共を私は何人見てきただろう。

「千紗も告ってみなよ~。千紗なら可愛いから、絶対大丈夫だって~」

 一年のときにその場のノリで告白して「お前、なんか臭うな」と振られた心美が私に勧めて来た。本心じゃ絶対振られると思っているくせに。

 確かに私は若干人より可愛い。原宿なんて歩いてたらスカウトされるのもしばしば。そんな私が振られるのを見たいだけなのだ。それが女だ。

「えー、でも斉藤くんに告白してきついこと言われたら凹むじゃん。それに私、別に斉藤くんのこと好きでもないし」
「千紗なら絶対落とせるって。付き合ってすぐ別れちゃえばいいんだし。今度は千紗が伝説の女になるんだよ」

 といつになくしつこく勧められ、「じゃあ、今日の体育のマラソンで私が千紗に勝ったら斉藤くんに告白ね!」と陸上部員の心美が出した圧倒的不利な賭けに負けて私は今日、斉藤忍に告白することになったのだ。
 そう、別に斉藤くんのことなんて好きじゃない。ちょっと見た目はいいけど、別に私、面食いじゃないし。どっちかっていうと男は顔より経済力だし。お金を持ってても、あの性格の悪さはお断りって感じだし…。

「斉藤くん」

 教室に入る前に、斉藤くんに声をかけた。この私がドキドキしてしまうほど、近くで見る斉藤くんは顔が整っていて綺麗だ。

「なに」
「ちょっと話があるんだけど」
「うん、で」
「ここじゃなくて…屋上まで来て欲しいんだけど」
「面倒だからここで話せよ」

 不機嫌な顔で舌打ちされる。幼稚園の頃から千紗ちゃん可愛いとちやほやされてきた私は、男子からの悪態に慣れていない。

「あっ、あの…」

 妙な汗が噴き出して、のどが詰まった。

「なんだよ」
「私と付き合って欲しいのっ」

 彼の琥珀色の目を見つめていたら吸い込まれそうになって、思わず口走っていた。
 斉藤くんは片方の口の端を持ち上げると「ふん」と鼻で笑い飛ばした。

「自分なら俺を落とせるかもって自意識過剰なのがダダ漏れなんだけど」
「なっ…そんなこと…!」
「性格ブスって無理」

 私の顔も見ずに言い放つと、斉藤くんは私を押しのけて教室へ入って行った。振られたショックで呆然としている私の肩を誰かが叩く。振り返ると、「千紗は性格ブスなんかじゃなのに、酷いよねぇ」と言いながら、ニヤけてしまう顔の筋肉をおさえきれない心美がいた。

「罰ゲームはこれでもういいでしょ」
「オッケーオッケー」

 指でOKサインを作るお前の方がよっぽど性格ブスだと言ってやりたいのを我慢して、「トイレ行ってくる」と心美に背を向けた。

「やだ、もしかして泣いてる?」
「生理なの」

 歯軋りしながら私はトイレへ向かった。

 ※ ※ ※

 突然だが私は魔法を使える。自分の顔を見るのが好きで、幼い頃から鏡を手放さなかった私に鏡の精が現れて、魔法のコンパクトをプレゼントしてくれたのだ。
 魔法の力を誰にも知られてはならないという約束さえ守れば、私はなんにだって変身できる。
 そう、斉藤くんの親友の中崎くんにだってなれるのだ。
 私はトイレでコンパクトを取り出した。

「ズコバコマラコン、ズコバコマラコン、中崎くんになぁ~れ!」

 鏡から光が飛び出し私を包み込む。瞬きする間に私は中崎くんになっていた。斉藤くんのそばにいるから見落とされがちだが、中崎くんもなかなかのイケメンだ。
 誰もいないのを確認してから女子トイレを出て、廊下を歩く心美を見つけて声をかけた。

「あ、あのさ、斉藤、呼んでくれない」

 中崎くんっぽい喋り方を意識して話しかける。心美は喜んで斉藤くんを呼びに教室へ行ってくれた。
 飛び出してきた心美のあとから、斉藤くんが姿を現す。中崎くんになっている私を見てかすかに目を細めた。窓から差し込む光が眩しかったようだ。

「委員の仕事は終わったのかよ」
「あっ、うん、暇だから抜けてきた」

 本物の中崎くんは図書委員で、昼休みに開放されている図書室で当番をしているはずだ。

「それで? わざわざ人使って呼び出してなんか用か?」
「えと…とりあえず、購買ついてきてくれない? お腹空いちゃって」
「弁当持って行ったじゃねえか」
「そうなんだけど…ほら、食べ盛り!」

 フッとかすかに笑うと、斉藤くんは歩き出した。購買についてきてくれるらしい。後ろを歩かなくてもいいんだと気付いて隣に並んだ。
 女子生徒みんなが夢見る斉藤くんの隣。彼女ポジションに今私立ってる!

「なに人の顔まじまじ見てんだよ」
「あっ、ごめん」
「俺に見とれすぎ」

 私の時と同じように片方の頬を持ち上げて笑ったのだが、そこには親しみがこもっていて、私に向けたのとは全くもって別物だった。
 男は顔じゃない。経済力…! だけど私の胸はどきどき鳴りっぱなしだ。口の悪い斉藤くんのちょっとした笑みにときめきっぱなしだ。
 やっぱり私、斉藤くんのこと、好きだ。

「さっき、見てたんだけど、なんで振っちゃったの」
「あ?」
「千紗ちゃん。可愛い子じゃん。もったいない。一回試しに付き合ってみればいいのに」

 親友から猛プッシュされたら気がかわるかもしれない。期待してチラッと隣を見れば、びびるほど剣呑な顔つきで斉藤くんが私を睨み付けていた。

「てめぇ、それ本気で言ってんのかよ」

 太陽の光に斉藤くんの琥珀色の目が黄金に輝く。ウルフアイと呼ばれるだけあって凄みがあった。

「えっ、うん、なんでっ? えっ、スカウトされるくらい可愛い子だよ? 斉藤くんに釣りあうと思うんだけど」
「泣かされてえのか、このマゾ」

 舌打ちした斉藤くんが私の腕を掴んで校舎の裏へと連れ出した。もちろんその先に購買なんかなくて、普段使われない非常階段と塀に囲まれたデッドスペースがあるだけだった。こんな陰気臭い場所があるなんて知らなかった。

「お前、マジで俺に女と付き合って欲しいのか?」
「えっ…」

 斉藤くんは私を壁に押し付けた。憧れの壁ドン。しかも斉藤くんてなんかいい匂いするし。第二ボタンまで外された首元からフェロモン出まくりだし。私の胸は張り裂けそう。

「だって…千紗ちゃん、可愛いし、性格も悪くないよ…?」
「上等だこの野郎、今日は泣いても許してやらねえからな」

 言うなり斉藤くんは唇を合わせてきた。正確には中崎くんの口を。
 当然私はパニックだ。ファーストキスだし、相手は生きる伝説の斉藤忍だし、斉藤くんがキスしているのは私だけど中崎くんなわけだし!

「はあっ、ん、ちょっ…!」

 なに。どういうこと?! 二人ってキスしちゃうような関係なの? 
 斉藤くんの胸を押し返しながら顔を背けて気道確保。大きく息を吸い込んだら顎を掴まれ、強引に正面を向かされた。

「相変わらずキスが下手糞だな」

 とか言ってまた口を合わせて来る。今度は舌まで入れてきた。頭をガシッとホールドされて逃げることも出来ない。

「…んっ…んんっ…」

 斉藤くんの舌が口の中で暴れまわる。噛みつくようなキスってこのことか、とかそんな場合じゃなくて…斉藤くんはキスがうまい…んだと思う。私は膝に力が入らなくて斉藤くんの腕に掴まっていた。

「…っ…ん…ぷはっ…はぁっ、はぁ」

 口を離した斉藤くんがニッと笑う。お互いの唾液で濡れ光った唇が卑猥だ。

「キスだけでこんなにさせてやがるくせに」

 斉藤くんの手が股間をタッチする。いきなりそんなところを触られて悲鳴をあげそうになったけど、それより私を愕然とさせたのは、中崎くんの体の変化だった。ある一部分が、膨らんでいたのだ。

「やだっ…なに、これっ」
「なにって勃起させてんだろうが」

 勃起…!! 綺麗な顔でそんな下品な単語使わないで!

「なに顔赤くしてんだよ」
「ちょっと、やっ…触んないでよ」
「今日はずいぶんカマッぽいな」

 訝しげに斉藤くんが目を細めた。やばい。私は今中崎くんなんだった。

「やめろって…触るなよ!」
「誰にそんな口きいてんだ?」
「…っ?!」

 もうどんな口の利き方だったらいいのかわかんないよぉ!!
 大恐慌に陥って泣きそうだと言うのに、斉藤くんは中崎くんのあれを触り続けてる。触られるとそこがどんどん熱くなって、変な気分になってしまう。

「やっ、だ…もう、触んないで…やめてよぉ」
「いつもみたいにねだってみろよ」

 私の耳に口を寄せて囁く。中枢神経を震わすかのようなセクシーヴォイスだ。ボイスじゃなくてヴォイスな。いい男は声にまで催淫効果があるんじゃないかしら。私の理性が希薄になっていく。

 斉藤くんの手がズボンの中に入ってきた。直接触られてビクビクッと体が震えた。
 これは私の体だけど、私の体じゃない。中崎くんの体だけど、着ぐるみじゃないから神経は私に繋がっている。
 斉藤くんの長い指が股間のものに絡みつくのがリアルに脳に伝わってきて、今までの人生で感じたことのない感覚に頭がショートしそうだった。

「もう、なか、グチャグチャだぞ」
「えっ…」

 斉藤くんが手を動かすとそこから濡れた音が聞こえてきた。

「あっ…や、んっ…やだ、斉藤くん…!」
「なに他人行儀に斉藤なんて呼んでんだよ。忍って呼べ」

 呼んでいいの。いいのか。そっか。だっていま私は中崎くんなんだから。

「し…忍…」
「なんだ?」

 アンバーの瞳が私を覗きこむ。もう私の理性は焼き切れていた。

「キスして」
「最初からそう言やいいんだよ」

 ふっと満足げに微笑むと、斉藤くんは私の願いを聞き入れてくれた。首を傾けながら私にキスする。斉藤くんの首に腕を巻き付け、今度は私も積極的に舌を絡めた。
 あぁ、いま私、あの斉藤くんとキスしてる…!


いじわるな悪魔