純粋に近付いた何か (2/2)
2014.08.24.Sun.
<前話はこちら>
鈍足の青野にはすぐ追いつくことが出来た。腕を掴むと「はなせよ!」と振り払おうとする。
「話聞け」
「聞いたよさっき!もういい!はなせってば!」
下校途中のやつらが好奇の目で俺たちを見て来る。こんなところでグダグダやってたら見世物になるだけだ。青野の肘をねじり上げ、校舎の裏へと連れて行った。
解放すると青野は半泣きになりながら「痛い」と自分の腕を撫でさすった。
「悪かった、大丈夫か」
「大丈夫なわけないじゃん、馬鹿力なんだから」
泣くまいと必死に堪えているのがわかった。何度も瞬きしているのも、目に溜まった涙を散らすためだ。
「木梨と俺の話、聞いてたのか」
「最初から全部」
だったらすぐに顔出せよ。盗み聞きなんて趣味の悪いことするからこんなことになるんだろうが。
息を吐き出すことでなんとかイライラを落ち着かせる。
「もう木梨には近づくんじゃねえぞ。あいつがどんな奴かわかっただろ」
「純ちゃんもね。俺の金が目当てだったんじゃん」
カッとなって睨み付けたが、青野は怖気づくどころか毅然と睨み返してきた。大きな目に涙をいっぱい湛えて。
「……そんなわけねえだろ」
「じゃあどんなわけだって言うんだよ。今まで純ちゃんに何か頼むたびにお金を請求されたよね!お釣りとかもらったことないけど!いっつも俺がお金払う役目だったよね!純ちゃんが買ってくれたことあるのって、自販のジュースとかアイスとか、そんなのばっかだったじゃん!どうせ俺はただの金蔓だったんだろ!だから…っ、だから…、純ちゃんは俺のこと、嫌々相手してたんだろ…!!」
ボロリと大きな目から涙が零れ落ちた。それでも青野は俺を睨み続けた。
「嫌々で…こんなこと、したくなるわけねえだろ…!」
ぎゅっと青野を抱きしめた。腕のなかで青野が暴れる。
「はなせってば!こんなことで、俺…もう、騙されないから!酷いよ!最低だ!俺は純ちゃんのこと信じてたのに!純ちゃんのこと……純ちゃんなんか、大嫌いだ!」
大嫌い。そんな幼稚な言葉がグサリと突き刺さる。青野を傷つけたことに胸が苦しくなる。
「どうしたら許してくれる」
「許すわけないじゃん」
「金を返したらいいか?」
「お金の話なんかしたくない」
俺の胸に顔を押し付けて青野がグズグズ鼻をすすりあげる。肩を掴んで引きはがし、涙と鼻水で顔がぐちょぐちょになった青野と目の高さを合わせる。ゆっくり顔を寄せると、青野はふいとそっぽを向いた。
「もうバレてるのに、今更なにするつもりだよ」
「俺がしたいと思ってることだ」
顎を掴んでこっちを向かせる。青野は少し顎を引いただけで、唇を合わせても逃げなかった。
青野の唇は柔らかかった。本当はずっと触りたいと思っていた。キスしたいと思っていた。想像以上の感触に胸が破裂しそうだった。
ペロリと上唇を舐めた。涙だか鼻水だかでしょっぱい。
唇を割って中に舌を入れた。熱を出した子供のようになかは熱く潤んでいた。震える舌を絡め取り唾液を混じり合わせて吸い上げた。
「ふ、くぅ…んっ…」
犬の鳴き声のような声をあげて青野が俺にしがみつく。
服をたくしあげ、青野の胸に手を這わせた。乳首を摘まみ指で弾く。
「んっ、あっ…なに…」
「俺のことが好きだろ?」
「お、男同士でなに言ってんの」
「ずっと一緒にいたんだ、おまえの気持ちに気付かない俺だと思ったのか。お前も俺の気持ちに気付いてたんだろ?」
「純ちゃんの気持ち…純ちゃん、俺のこと、好き…?」
「あぁ、好きだ」
「ほんとに?ほんとに、俺のこと好きなの?お金じゃなくて?」
「最初は金だった。でも途中からお前と一緒にいたくて、お前に触りたくて、そればっかで金のことはどうでもよくなってた。でなきゃ、男のちんこなんか触りたいと思うかよ」
「ほんとのほんとに?お金じゃない?俺の体だけでもない?」
「何度も言わせんな、お前のことが好きなんだよ」
「ふわぁあっ、純ちゃん…!」
青野が俺に抱き付いてくる。泣きながら俺の耳元で何度も何度も「純ちゃん、大好き」と繰り返した。
校舎と塀の狭い空間。青野は両手を壁につけ、俺に尻を差し出した。あまり意味はないとわかっていつつも、出来るだけ苦痛のないようにと吐き出した唾を青野の肛門に擦り付けて指を入れた。アナニーにはまっているだけあって、指がすんなり入って行く。
力の抜き加減も慣れたもので、簡単に周囲を解すことが出来た。
「実は俺ね、アナニーしながら、純ちゃんにやられるところ、ずっと想像してたんだ」
振り向いて青野が恥ずかしそうに告白する。俺のオナネタも青野だと教えると、青野は「嬉しい」と笑った。俺のちんこがまた一回り大きくなる。あまり煽ってくれるな。
青野の肛門に亀頭をぴたりと合わせた。
「痛くなったら言えよ」
頷く青野を見ながらゆっくり捻じ込んでいく。ディルドで慣らしているとは言えやはりきつい。頭が入ったところでカリ首がぎゅっと絞めつけられた。潤いが足りない。
青野のちんぽを握って扱いた。
「んっ、やっ、だめっ、純ちゃん!俺、今日だめっ、感じやすいから…!すぐ、出ちゃうよ…!」
「ばか、それが目的なんだっつうの」
「えっ、んっ、あぁっ、あっ、すごいっ…突っ込まれながら…純ちゃんに触られてる…!ふっ、はぁんっ、あっ、あぁっ…」
青野の中もビクビクと快感に震えていた。それを感じながら様子をみつつゆっくり竿を押し進めていく。ちんぽをシコる手も休めない。
「あぁ…んっ、あぁん、あっ、あっ、出る、出ちゃう、純ちゃん…!」
青野は盛大に精子を噴き出した。それを自分の竿に擦り付けた。
「行くぞ、青野」
「はぁっ…はぁ…えっ、まだ?えっ…まだ全部入ってなかったの?」
「馬鹿、俺はそんな短小じゃねえぞ」
腰をつかんでぐううっとちんぽを中に入れた。言葉にならない声を発しながら青野の背がしなる。
「痛くねえか?大丈夫か?」
「いっ…たく、ない…あっ、あ…変な感じ…オモチャより、気持ちいい…」
「好きな男の生ちんぽだからだろ」
「あ、そっかぁ、えへへっ」
真に受けんな。こっちは冗談で言ったんだよ。恥ずかしいだろ、馬鹿。
「オモチャで遊びまくった淫乱ケツマンコに種付けしてやるからな」
「そんなやらしいこと言わないでよ!」
「俺と付き合いたいならお前も言うんだよ。俺の淫乱ケツマンコに純ちゃんの熱い精液いっぱいちょうだいって」
「やっ、やだよ、そんなの俺、絶対言わないよ」
「言うよ、お前は」
腰を振った。カリが青野のなかでめくれあがって気持ちいい。全体が青野に包まれている。ねだるように俺に纏わりついてくる。擦れば擦るほど締め付けて来る。俺のちんぽもギンギンに硬く勃起した。
「はぁっ、あっ、あんっ、あっ、純ちゃん、すごい…!」
「俺のちんぽ、気持ちいいか?」
「ひっ、いっ、いいっ、気持ちいいっ…純ちゃんのちんぽ、気持ちいいっ」
「俺の精子、欲しいだろ?」
「欲しい…!俺、俺ね、純ちゃんの精子、いっぱい欲しいっ!」
「どこに欲しいんだ?」
「…俺の中に、俺の、ケツ…マンコ、いっぱい種付けして、純ちゃん…!!」
「やっぱ言えんじゃねえかよ」
激しく打ち付ける。青野の一番深い場所に叩きこむ。
「あぁ、アッ、アァッ、あんっ、あぁっ、純ちゃん、俺また、イッちゃう…!!」
「俺も…ッ」
俺たちはほとんど同時に射精していた。
朝、青野と学校に向かって歩いていると後ろから木梨がやって来た。
「おはよう、お二人さん」
「あ、おはよう、木梨くん」
「木梨てめぇ、どのツラ下げて」
「純ちゃん待って。言うの忘れてたんだけど、昨日、木梨くんがあんなこと言ったのは俺のためなんだよ」
「は?どういうことだよ」
聞くと、一昨日、木梨の家に遊びに行ったとき、青野はこいつに恋愛相談をしたらしかった。
自分には好きな人がいる。ちょっといい雰囲気になるときもある。でも相手は最後の一線を越えてこようとはしない。もしかしたら自分はただの財布がわりで、金を引き出すために仕方なく一緒にいるんじゃないか、と。勘の悪い奴でも相手が俺だとわかりそうな内容で、案の定、木梨も青野が俺のことを言っているとすぐ気付いたようだった。
指摘すれば顔を真っ赤にして否定するがバレバレで、じゃあ本心を聞き出す手伝いをしてあげる、と青野をそそのかして、昨日の放課後、一芝居打ったというわけだった。
なんだか一番嫌な奴にホモバレしてるし。
「誰かに言ったらぶっ殺すからな」
「言わない言わない、生温かい目でニラニラとヲチさせてもらうわ」
ニヤリと笑った木梨がすばやく俺に耳打ちした。
「俺、諦め悪いから。隙があったら青野のこと、奪っちゃうから」
「てめ…!」
じゃあお先に、と木梨は走って行ってしまった。どこからどこまでが芝居だったんだよ。結局あいつはマジだったのかよ。
「おい、青野、ほんとにあいつには注意しろよ」
「やきもち?」
嬉しそうにニヤついている青野にヘッドロックをかける。
「不安だったとは言えよくもこの俺を騙しやがったな。あとでお仕置きしてやるから覚悟しろよ」
「う、うん…」
ってなに顔赤くしてんだよ。お前も俺と考えることは一緒ってことか。それじゃあ期待通り、たっぷり可愛がってやんなきゃな。
鈍足の青野にはすぐ追いつくことが出来た。腕を掴むと「はなせよ!」と振り払おうとする。
「話聞け」
「聞いたよさっき!もういい!はなせってば!」
下校途中のやつらが好奇の目で俺たちを見て来る。こんなところでグダグダやってたら見世物になるだけだ。青野の肘をねじり上げ、校舎の裏へと連れて行った。
解放すると青野は半泣きになりながら「痛い」と自分の腕を撫でさすった。
「悪かった、大丈夫か」
「大丈夫なわけないじゃん、馬鹿力なんだから」
泣くまいと必死に堪えているのがわかった。何度も瞬きしているのも、目に溜まった涙を散らすためだ。
「木梨と俺の話、聞いてたのか」
「最初から全部」
だったらすぐに顔出せよ。盗み聞きなんて趣味の悪いことするからこんなことになるんだろうが。
息を吐き出すことでなんとかイライラを落ち着かせる。
「もう木梨には近づくんじゃねえぞ。あいつがどんな奴かわかっただろ」
「純ちゃんもね。俺の金が目当てだったんじゃん」
カッとなって睨み付けたが、青野は怖気づくどころか毅然と睨み返してきた。大きな目に涙をいっぱい湛えて。
「……そんなわけねえだろ」
「じゃあどんなわけだって言うんだよ。今まで純ちゃんに何か頼むたびにお金を請求されたよね!お釣りとかもらったことないけど!いっつも俺がお金払う役目だったよね!純ちゃんが買ってくれたことあるのって、自販のジュースとかアイスとか、そんなのばっかだったじゃん!どうせ俺はただの金蔓だったんだろ!だから…っ、だから…、純ちゃんは俺のこと、嫌々相手してたんだろ…!!」
ボロリと大きな目から涙が零れ落ちた。それでも青野は俺を睨み続けた。
「嫌々で…こんなこと、したくなるわけねえだろ…!」
ぎゅっと青野を抱きしめた。腕のなかで青野が暴れる。
「はなせってば!こんなことで、俺…もう、騙されないから!酷いよ!最低だ!俺は純ちゃんのこと信じてたのに!純ちゃんのこと……純ちゃんなんか、大嫌いだ!」
大嫌い。そんな幼稚な言葉がグサリと突き刺さる。青野を傷つけたことに胸が苦しくなる。
「どうしたら許してくれる」
「許すわけないじゃん」
「金を返したらいいか?」
「お金の話なんかしたくない」
俺の胸に顔を押し付けて青野がグズグズ鼻をすすりあげる。肩を掴んで引きはがし、涙と鼻水で顔がぐちょぐちょになった青野と目の高さを合わせる。ゆっくり顔を寄せると、青野はふいとそっぽを向いた。
「もうバレてるのに、今更なにするつもりだよ」
「俺がしたいと思ってることだ」
顎を掴んでこっちを向かせる。青野は少し顎を引いただけで、唇を合わせても逃げなかった。
青野の唇は柔らかかった。本当はずっと触りたいと思っていた。キスしたいと思っていた。想像以上の感触に胸が破裂しそうだった。
ペロリと上唇を舐めた。涙だか鼻水だかでしょっぱい。
唇を割って中に舌を入れた。熱を出した子供のようになかは熱く潤んでいた。震える舌を絡め取り唾液を混じり合わせて吸い上げた。
「ふ、くぅ…んっ…」
犬の鳴き声のような声をあげて青野が俺にしがみつく。
服をたくしあげ、青野の胸に手を這わせた。乳首を摘まみ指で弾く。
「んっ、あっ…なに…」
「俺のことが好きだろ?」
「お、男同士でなに言ってんの」
「ずっと一緒にいたんだ、おまえの気持ちに気付かない俺だと思ったのか。お前も俺の気持ちに気付いてたんだろ?」
「純ちゃんの気持ち…純ちゃん、俺のこと、好き…?」
「あぁ、好きだ」
「ほんとに?ほんとに、俺のこと好きなの?お金じゃなくて?」
「最初は金だった。でも途中からお前と一緒にいたくて、お前に触りたくて、そればっかで金のことはどうでもよくなってた。でなきゃ、男のちんこなんか触りたいと思うかよ」
「ほんとのほんとに?お金じゃない?俺の体だけでもない?」
「何度も言わせんな、お前のことが好きなんだよ」
「ふわぁあっ、純ちゃん…!」
青野が俺に抱き付いてくる。泣きながら俺の耳元で何度も何度も「純ちゃん、大好き」と繰り返した。
校舎と塀の狭い空間。青野は両手を壁につけ、俺に尻を差し出した。あまり意味はないとわかっていつつも、出来るだけ苦痛のないようにと吐き出した唾を青野の肛門に擦り付けて指を入れた。アナニーにはまっているだけあって、指がすんなり入って行く。
力の抜き加減も慣れたもので、簡単に周囲を解すことが出来た。
「実は俺ね、アナニーしながら、純ちゃんにやられるところ、ずっと想像してたんだ」
振り向いて青野が恥ずかしそうに告白する。俺のオナネタも青野だと教えると、青野は「嬉しい」と笑った。俺のちんこがまた一回り大きくなる。あまり煽ってくれるな。
青野の肛門に亀頭をぴたりと合わせた。
「痛くなったら言えよ」
頷く青野を見ながらゆっくり捻じ込んでいく。ディルドで慣らしているとは言えやはりきつい。頭が入ったところでカリ首がぎゅっと絞めつけられた。潤いが足りない。
青野のちんぽを握って扱いた。
「んっ、やっ、だめっ、純ちゃん!俺、今日だめっ、感じやすいから…!すぐ、出ちゃうよ…!」
「ばか、それが目的なんだっつうの」
「えっ、んっ、あぁっ、あっ、すごいっ…突っ込まれながら…純ちゃんに触られてる…!ふっ、はぁんっ、あっ、あぁっ…」
青野の中もビクビクと快感に震えていた。それを感じながら様子をみつつゆっくり竿を押し進めていく。ちんぽをシコる手も休めない。
「あぁ…んっ、あぁん、あっ、あっ、出る、出ちゃう、純ちゃん…!」
青野は盛大に精子を噴き出した。それを自分の竿に擦り付けた。
「行くぞ、青野」
「はぁっ…はぁ…えっ、まだ?えっ…まだ全部入ってなかったの?」
「馬鹿、俺はそんな短小じゃねえぞ」
腰をつかんでぐううっとちんぽを中に入れた。言葉にならない声を発しながら青野の背がしなる。
「痛くねえか?大丈夫か?」
「いっ…たく、ない…あっ、あ…変な感じ…オモチャより、気持ちいい…」
「好きな男の生ちんぽだからだろ」
「あ、そっかぁ、えへへっ」
真に受けんな。こっちは冗談で言ったんだよ。恥ずかしいだろ、馬鹿。
「オモチャで遊びまくった淫乱ケツマンコに種付けしてやるからな」
「そんなやらしいこと言わないでよ!」
「俺と付き合いたいならお前も言うんだよ。俺の淫乱ケツマンコに純ちゃんの熱い精液いっぱいちょうだいって」
「やっ、やだよ、そんなの俺、絶対言わないよ」
「言うよ、お前は」
腰を振った。カリが青野のなかでめくれあがって気持ちいい。全体が青野に包まれている。ねだるように俺に纏わりついてくる。擦れば擦るほど締め付けて来る。俺のちんぽもギンギンに硬く勃起した。
「はぁっ、あっ、あんっ、あっ、純ちゃん、すごい…!」
「俺のちんぽ、気持ちいいか?」
「ひっ、いっ、いいっ、気持ちいいっ…純ちゃんのちんぽ、気持ちいいっ」
「俺の精子、欲しいだろ?」
「欲しい…!俺、俺ね、純ちゃんの精子、いっぱい欲しいっ!」
「どこに欲しいんだ?」
「…俺の中に、俺の、ケツ…マンコ、いっぱい種付けして、純ちゃん…!!」
「やっぱ言えんじゃねえかよ」
激しく打ち付ける。青野の一番深い場所に叩きこむ。
「あぁ、アッ、アァッ、あんっ、あぁっ、純ちゃん、俺また、イッちゃう…!!」
「俺も…ッ」
俺たちはほとんど同時に射精していた。
朝、青野と学校に向かって歩いていると後ろから木梨がやって来た。
「おはよう、お二人さん」
「あ、おはよう、木梨くん」
「木梨てめぇ、どのツラ下げて」
「純ちゃん待って。言うの忘れてたんだけど、昨日、木梨くんがあんなこと言ったのは俺のためなんだよ」
「は?どういうことだよ」
聞くと、一昨日、木梨の家に遊びに行ったとき、青野はこいつに恋愛相談をしたらしかった。
自分には好きな人がいる。ちょっといい雰囲気になるときもある。でも相手は最後の一線を越えてこようとはしない。もしかしたら自分はただの財布がわりで、金を引き出すために仕方なく一緒にいるんじゃないか、と。勘の悪い奴でも相手が俺だとわかりそうな内容で、案の定、木梨も青野が俺のことを言っているとすぐ気付いたようだった。
指摘すれば顔を真っ赤にして否定するがバレバレで、じゃあ本心を聞き出す手伝いをしてあげる、と青野をそそのかして、昨日の放課後、一芝居打ったというわけだった。
なんだか一番嫌な奴にホモバレしてるし。
「誰かに言ったらぶっ殺すからな」
「言わない言わない、生温かい目でニラニラとヲチさせてもらうわ」
ニヤリと笑った木梨がすばやく俺に耳打ちした。
「俺、諦め悪いから。隙があったら青野のこと、奪っちゃうから」
「てめ…!」
じゃあお先に、と木梨は走って行ってしまった。どこからどこまでが芝居だったんだよ。結局あいつはマジだったのかよ。
「おい、青野、ほんとにあいつには注意しろよ」
「やきもち?」
嬉しそうにニヤついている青野にヘッドロックをかける。
「不安だったとは言えよくもこの俺を騙しやがったな。あとでお仕置きしてやるから覚悟しろよ」
「う、うん…」
ってなに顔赤くしてんだよ。お前も俺と考えることは一緒ってことか。それじゃあ期待通り、たっぷり可愛がってやんなきゃな。

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純粋に近付いた何か (1/2)
2014.08.23.Sat.
<前話「純粋とは程遠い何か」はこちら>
授業が終わり、俺は隣の青野のクラスへ向かった。こっちもちょうどHRが終わったところみたいで、帰り支度を終えた奴らがぞろぞろ教室から出て来るところだった。
その人混みの向こうに、クラスメートと話をする青野の姿を見つけた。
二年になってクラスが別れた。いつも「純ちゃん、純ちゃん」と俺のあとを追い掛け回していた青野も、新しいクラスで新しい友達が出来ると休み時間のたびに来ることはなくなった。
それは学校のなかだけで、放課後はつるむことが多かったのだが…
教室の外で待つ俺に気付いた青野がパン!と両手を合わせた。
「あっ、純ちゃん、ごめん!今日一緒に帰れなくなっちゃったんだ」
なんだと?せっかくこの俺がわざわざ迎えに来てやったのに?
「ちょっと今日は木梨くんの家に誘われちゃって…。明日なら一緒に帰れるから!」
その言い方。俺がどうしても青野と一緒に帰りたいみたいじゃないか。
「良かったらきみも一緒に来る? 純 ち ゃ ん 」
青野を真似た言い方にカチンと来て声の主を睨み付けた。爽やか系のイケメンが自信たっぷりに笑っていやがった。俺に喧嘩売ってんのかコイツ。
「そうだ、純ちゃんも一緒に行こうよ!木梨くんち、ゲームがたくさんあるんだって!」
青野も俺が目の前でおちょくられてるのに、ゲームにつられてこんないけ好かない野郎のとこにノコノコついていくんじゃねえよ。
「行くわけねーだろ馬鹿。勝手にしろ」
教室から離れる。横目に見た木梨が勝ち誇ったように笑っていたのが死ぬほどむかついた。
昼休みに青野が俺のクラスに顔を出した。昨日のことにまだむかついていた俺は気付いていながらそっぽを向いて無視した。
おずおずと青野が近づいてくる。
「純ちゃん、お昼ご飯食べに行こう」
「木梨ってやつと食えば」
「木梨くんは別の友達がいるから。…純ちゃん、なんか怒ってる?」
「怒ってねえよ」
あてつけるようにガタッと音を立てて立ち上がり、教室を出た。食堂へ向かって歩く道中、青野は俺の後ろで黙りこくっている。
「怒ってねえって言ってんだろ」
怒鳴りながら振り返ると、俯いた青野がびくっと体を震わせた。視線を泳がせ落ち着かない。ただ俺の機嫌を窺っているにしてはいつもと様子が違った。
「なんだ?どうしたんだよ?」
「う、うん…」
言いにくそうに口ごもる。
「純ちゃん、こっち来て」
青野に腕を掴まれて、近くのトイレに引っ張り込まれた。
トイレに誰もいないか確かめたあと、青野は俺を奥の個室に連れ込んだ。
「なんだよ」
「実はね、いま俺、パンツ穿いてないんだ」
「なんで?」
「体育で着替えてるときに、木梨くんにジュースかけられちゃって」
木梨の憎ったらしい顔が頭に浮かぶ。
「やな野郎だな」
「わざとじゃないんだよ。体育のあとで咽喉乾いてるだろうから俺にも飲むかって勧めてくれたんだ。その時に手がぶつかっちゃって」
「それでいまノーパンなわけ?」
「うん…スースーして落ち着かないね」
エヘヘッと顔を赤くして笑う。ズボン越しに触れば確かにダイレクトな感触があった。
「ちょっ…触んないでよ、純ちゃん」
クネクネと腰を揺らすさまはまるで俺を誘っているようだ。
「昨日はアナニーしたのか?」
ちんこを揉みながら耳元で囁く。青野は小さく「ウン」と頷いた。
俺がこいつにオナホの使い方を教えた。ディルドを与えてアナニーのやり方も教えた。最初は痛い痛いと泣くだけだった青野に前立腺の気持ちよさを教えた。それ以来こいつは前立腺をローターで刺激しながらオナホでしこるという自慰にはまっている。
自分でやるより俺にやってもらうほうが気持ちいいので、放課後、どちらかの家に寄ったときは物欲しそうな顔で体を密着させてくる。わざと気付かないふりをしていれば、「純ちゃん、触って」と真っ赤な顔でおねだりしてくる。一種のプレイのようになっていた。
ファスナーを下げて中に指を入れる。青野も同じようにして俺のちんぽを握った。
「ノーパンで興奮したのか?露出狂の気があるんじゃないのか」
「違うよ…純ちゃんが触るからじゃん…」
「いつもより感じやすいみたいだぞ」
手を動かすとクチュクチュと濡れた音が聞こえた。青野の息遣いも荒くなる。
「はぁ…んっ…あぁ、気持ちいい、純ちゃん…」
「授業中、ずっと興奮しっぱなしで立たせてたんじゃねえだろうな」
「そんな…でも、ちょっとだけ…」
「やっぱ立たせてんじゃん、この変態野郎」
「だって…、木梨くんが俺をからかって触ってくるから…っ」
「あぁ?!」
あの野郎、青野のちんこにまで触ってやがるのか。このボケナスも簡単に触らせてんじゃねえよ。
「お前は気持ちよくしてくれりゃ、誰でもいいのかよ。だったらこれからは木梨って野郎にやってもらえよ」
「俺はやだって言ってるんだよ!でも木梨くんが無理矢理…」
「昨日、あいつん家行ってなんもされてねえだろうな」
「なにも…っ、ゲーム、しただけ…純ちゃん、痛い…っ!」
気付くと青野のちんぽを握りしめていた。慌てて力を緩めて優しく扱いてやると、青野は安堵のため息を漏らした。
「俺…さわって欲しいって思うの、純ちゃんだけだよ…」
俺の胸にもたれかかって青野が見上げて来る。
最近こいつは二人きりになると妙に色っぽい目で俺を見るようになった。体を触るスキンシップも増えた。それこそ恋人同士がいちゃつくみたいなやつだ。一緒にテレビを見てれば肩にもたれかかってくるし、手を重ねてきたりする。たまに家に泊まったりすると一緒のふとんで寝たがって、朝起きると俺に抱き付いていたりする。
俺に惚れたのか?とからかうように聞くと「男同士でそんなわけないじゃん」と否定する。
俺と青野はいま尻のムズムズするような微妙な関係だった。
「俺は別にお前のちんこなんて触りたくねえんだけど」
「じゃあ触らなきゃいいじゃん」
ふくれっ面で唇を尖らせる。生意気な唇を噛みきってやりたい。
「お前の我慢汁で手がベトベトになる前に言えよな」
青野のちんぽを上下に扱いた。青野が俺の胸に顔を埋めながら喘ぐ。空いた手を俺の体に回して抱き付いてくる。
「んっ、んっ…あっ…出ちゃう、純ちゃん、出ちゃう…!」
青野がぶるっと大きく身震いした。
今日も木梨の目の前で青野に断られたりしたら俺はキレてしまうだろうから、迎えには行かず直接下駄箱へ向かった。靴を履きかえていると肩を叩かれた。青野を想像したが、背後に立っていたのは木梨だった。
「今日は青野と一緒に帰らないのか? 純 ち ゃ ん」
「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ」
「じゃあ純也くん」
「気色悪いんだよ、お前」
「そんなに敵視するなよ、純ちゃんのおもちゃを取り上げたりはしないから」
「はぁ?」
「青野ってからかい甲斐あるよねぇ。イジメられっ子の特質なんだろうけど、できるだけなんでも好意的に解釈しようとするから。知ってた?今日のあいつ、ほとんどノーパンで過ごしてたの」
俺を見てニヤリと笑いやがる。
「…わざとジュース零したのかよ」
「あっ、なんだもう知ってたんだ?ほんとに青野って純ちゃんのこと信頼しきって何でも話すんだなぁ。俺も早くそこまで手懐けたい」
「どういうつもりだ?」
「どうもこうも、俺もお零れにあずかりたいってだけの話だよ。純ちゃんがあいつとつるむ理由って金だろ。それにあいつってからかうとおもしれーし。いいもん見つけたね、純ちゃん」
腹が立つと同時に焦りを感じた。
こいつは俺と同種の人間だ。青野の金目的で近づいて。あいつを虐めることに楽しみを見出して。もし、もし俺と同じような目であいつを見始めたら。あの流されやすい馬鹿は気持ちよくしてくれりゃ誰でもいいからこいつ相手でも簡単に身を任すだろう。
「…あいつに近づくんじゃねえよ」
「独り占めはよくないよ。まさか本気で青野に友情感じちゃってんの?」
「そんなわけねえだろ。あいつはただの金蔓に決まって…」
言葉の途中で、下駄箱の影から俯いて走っていく青野の姿を見つけた。
「青野!」
俺の声を無視して門のほうへと駆けていく。
「あら~、聞かれちゃったんじゃない」
「これもわざとかよ」
「俺って案外、欲深くてさ」
一発殴ってやりたいがそんな時間がもったいない。俺は急いで青野のあとを追いかけた。
授業が終わり、俺は隣の青野のクラスへ向かった。こっちもちょうどHRが終わったところみたいで、帰り支度を終えた奴らがぞろぞろ教室から出て来るところだった。
その人混みの向こうに、クラスメートと話をする青野の姿を見つけた。
二年になってクラスが別れた。いつも「純ちゃん、純ちゃん」と俺のあとを追い掛け回していた青野も、新しいクラスで新しい友達が出来ると休み時間のたびに来ることはなくなった。
それは学校のなかだけで、放課後はつるむことが多かったのだが…
教室の外で待つ俺に気付いた青野がパン!と両手を合わせた。
「あっ、純ちゃん、ごめん!今日一緒に帰れなくなっちゃったんだ」
なんだと?せっかくこの俺がわざわざ迎えに来てやったのに?
「ちょっと今日は木梨くんの家に誘われちゃって…。明日なら一緒に帰れるから!」
その言い方。俺がどうしても青野と一緒に帰りたいみたいじゃないか。
「良かったらきみも一緒に来る? 純 ち ゃ ん 」
青野を真似た言い方にカチンと来て声の主を睨み付けた。爽やか系のイケメンが自信たっぷりに笑っていやがった。俺に喧嘩売ってんのかコイツ。
「そうだ、純ちゃんも一緒に行こうよ!木梨くんち、ゲームがたくさんあるんだって!」
青野も俺が目の前でおちょくられてるのに、ゲームにつられてこんないけ好かない野郎のとこにノコノコついていくんじゃねえよ。
「行くわけねーだろ馬鹿。勝手にしろ」
教室から離れる。横目に見た木梨が勝ち誇ったように笑っていたのが死ぬほどむかついた。
昼休みに青野が俺のクラスに顔を出した。昨日のことにまだむかついていた俺は気付いていながらそっぽを向いて無視した。
おずおずと青野が近づいてくる。
「純ちゃん、お昼ご飯食べに行こう」
「木梨ってやつと食えば」
「木梨くんは別の友達がいるから。…純ちゃん、なんか怒ってる?」
「怒ってねえよ」
あてつけるようにガタッと音を立てて立ち上がり、教室を出た。食堂へ向かって歩く道中、青野は俺の後ろで黙りこくっている。
「怒ってねえって言ってんだろ」
怒鳴りながら振り返ると、俯いた青野がびくっと体を震わせた。視線を泳がせ落ち着かない。ただ俺の機嫌を窺っているにしてはいつもと様子が違った。
「なんだ?どうしたんだよ?」
「う、うん…」
言いにくそうに口ごもる。
「純ちゃん、こっち来て」
青野に腕を掴まれて、近くのトイレに引っ張り込まれた。
トイレに誰もいないか確かめたあと、青野は俺を奥の個室に連れ込んだ。
「なんだよ」
「実はね、いま俺、パンツ穿いてないんだ」
「なんで?」
「体育で着替えてるときに、木梨くんにジュースかけられちゃって」
木梨の憎ったらしい顔が頭に浮かぶ。
「やな野郎だな」
「わざとじゃないんだよ。体育のあとで咽喉乾いてるだろうから俺にも飲むかって勧めてくれたんだ。その時に手がぶつかっちゃって」
「それでいまノーパンなわけ?」
「うん…スースーして落ち着かないね」
エヘヘッと顔を赤くして笑う。ズボン越しに触れば確かにダイレクトな感触があった。
「ちょっ…触んないでよ、純ちゃん」
クネクネと腰を揺らすさまはまるで俺を誘っているようだ。
「昨日はアナニーしたのか?」
ちんこを揉みながら耳元で囁く。青野は小さく「ウン」と頷いた。
俺がこいつにオナホの使い方を教えた。ディルドを与えてアナニーのやり方も教えた。最初は痛い痛いと泣くだけだった青野に前立腺の気持ちよさを教えた。それ以来こいつは前立腺をローターで刺激しながらオナホでしこるという自慰にはまっている。
自分でやるより俺にやってもらうほうが気持ちいいので、放課後、どちらかの家に寄ったときは物欲しそうな顔で体を密着させてくる。わざと気付かないふりをしていれば、「純ちゃん、触って」と真っ赤な顔でおねだりしてくる。一種のプレイのようになっていた。
ファスナーを下げて中に指を入れる。青野も同じようにして俺のちんぽを握った。
「ノーパンで興奮したのか?露出狂の気があるんじゃないのか」
「違うよ…純ちゃんが触るからじゃん…」
「いつもより感じやすいみたいだぞ」
手を動かすとクチュクチュと濡れた音が聞こえた。青野の息遣いも荒くなる。
「はぁ…んっ…あぁ、気持ちいい、純ちゃん…」
「授業中、ずっと興奮しっぱなしで立たせてたんじゃねえだろうな」
「そんな…でも、ちょっとだけ…」
「やっぱ立たせてんじゃん、この変態野郎」
「だって…、木梨くんが俺をからかって触ってくるから…っ」
「あぁ?!」
あの野郎、青野のちんこにまで触ってやがるのか。このボケナスも簡単に触らせてんじゃねえよ。
「お前は気持ちよくしてくれりゃ、誰でもいいのかよ。だったらこれからは木梨って野郎にやってもらえよ」
「俺はやだって言ってるんだよ!でも木梨くんが無理矢理…」
「昨日、あいつん家行ってなんもされてねえだろうな」
「なにも…っ、ゲーム、しただけ…純ちゃん、痛い…っ!」
気付くと青野のちんぽを握りしめていた。慌てて力を緩めて優しく扱いてやると、青野は安堵のため息を漏らした。
「俺…さわって欲しいって思うの、純ちゃんだけだよ…」
俺の胸にもたれかかって青野が見上げて来る。
最近こいつは二人きりになると妙に色っぽい目で俺を見るようになった。体を触るスキンシップも増えた。それこそ恋人同士がいちゃつくみたいなやつだ。一緒にテレビを見てれば肩にもたれかかってくるし、手を重ねてきたりする。たまに家に泊まったりすると一緒のふとんで寝たがって、朝起きると俺に抱き付いていたりする。
俺に惚れたのか?とからかうように聞くと「男同士でそんなわけないじゃん」と否定する。
俺と青野はいま尻のムズムズするような微妙な関係だった。
「俺は別にお前のちんこなんて触りたくねえんだけど」
「じゃあ触らなきゃいいじゃん」
ふくれっ面で唇を尖らせる。生意気な唇を噛みきってやりたい。
「お前の我慢汁で手がベトベトになる前に言えよな」
青野のちんぽを上下に扱いた。青野が俺の胸に顔を埋めながら喘ぐ。空いた手を俺の体に回して抱き付いてくる。
「んっ、んっ…あっ…出ちゃう、純ちゃん、出ちゃう…!」
青野がぶるっと大きく身震いした。
今日も木梨の目の前で青野に断られたりしたら俺はキレてしまうだろうから、迎えには行かず直接下駄箱へ向かった。靴を履きかえていると肩を叩かれた。青野を想像したが、背後に立っていたのは木梨だった。
「今日は青野と一緒に帰らないのか? 純 ち ゃ ん」
「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねえよ」
「じゃあ純也くん」
「気色悪いんだよ、お前」
「そんなに敵視するなよ、純ちゃんのおもちゃを取り上げたりはしないから」
「はぁ?」
「青野ってからかい甲斐あるよねぇ。イジメられっ子の特質なんだろうけど、できるだけなんでも好意的に解釈しようとするから。知ってた?今日のあいつ、ほとんどノーパンで過ごしてたの」
俺を見てニヤリと笑いやがる。
「…わざとジュース零したのかよ」
「あっ、なんだもう知ってたんだ?ほんとに青野って純ちゃんのこと信頼しきって何でも話すんだなぁ。俺も早くそこまで手懐けたい」
「どういうつもりだ?」
「どうもこうも、俺もお零れにあずかりたいってだけの話だよ。純ちゃんがあいつとつるむ理由って金だろ。それにあいつってからかうとおもしれーし。いいもん見つけたね、純ちゃん」
腹が立つと同時に焦りを感じた。
こいつは俺と同種の人間だ。青野の金目的で近づいて。あいつを虐めることに楽しみを見出して。もし、もし俺と同じような目であいつを見始めたら。あの流されやすい馬鹿は気持ちよくしてくれりゃ誰でもいいからこいつ相手でも簡単に身を任すだろう。
「…あいつに近づくんじゃねえよ」
「独り占めはよくないよ。まさか本気で青野に友情感じちゃってんの?」
「そんなわけねえだろ。あいつはただの金蔓に決まって…」
言葉の途中で、下駄箱の影から俯いて走っていく青野の姿を見つけた。
「青野!」
俺の声を無視して門のほうへと駆けていく。
「あら~、聞かれちゃったんじゃない」
「これもわざとかよ」
「俺って案外、欲深くてさ」
一発殴ってやりたいがそんな時間がもったいない。俺は急いで青野のあとを追いかけた。