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久しく為さば須らく(2/2)

2014.07.20.Sun.
<前話はこちら>

 車をおりた場所は、自然を利用したアトラクションが売りの地域密着型テーマパークの駐車場だった。看板には第四駐車場と書いてあり、舗装されず砂利のまま。ロープで区切る線がなければただの空き地にしか見えない。
 ここからはアトラクションが何一つ見えない。パークから相当遠いようで、日曜の昼下がりなのに車が2、3台しかとまっていない。

 ほとんど貸切の駐車場で守とキャッチボールを始める。ネルシャツのボタンは留めてはならない。腕を振る動作で胸がはだける。ぴったり肌にはりついたタンクトップ。乳首が透けている。意識すると余計にそこはしこった。
 格好はともかくキャッチボールという健全な遊びをしているのに、俺はずっと勃起させていた。ショートパンツが窮屈で仕方ない。物の形がくっきり浮かび上がっている。

 守の視線はそこへ集中した。ボールを投げながらにやついていた。わざと取れないボールを投げて俺に屈ませるようにした。ショーパンがどんどん食い込む。ボールを取るため守に背を向けて腰を折ったとき、半ケツ状態になった。俺は守の視線を意識していた……

「兄ちゃん、やばい」

 守の声に振り返ると、守は車の陰に隠れて手招きしていた。駐車場の外で犬の散歩をしている人が歩いている。
 俺も急いで車の影へ逃げ込んだ。車越しにその人が通り過ぎるのを待つ。一瞬こちらを見たようだが、俺たちに気付いてはいないのか顔を前に向けて歩き続ける。

「わっ!」

 突然尻を撫でられて思わず声をあげた。

「しーっ!」

 耳元で守が注意する。

「どこ触ってるんだよ」
「お尻。すっごいはみ出てる」

 外へはみ出た部分を守の手が触りまくる。むりやり生地と尻のあいだに指をこじ入れてくる。

「きついな。よくこんなの履けてるね」
「お前が履けって言ったんだろ」
「こっちもすごく窮屈そう」

 守の手が前へまわり、俺の股間に触れた。そこを触られるのは今日初めてだ。体が震えた。

「ねぇ、またここの毛、剃らせてよ」
「ばかっ…駄目に決まってるだろ、せっかく伸びてきたのに…」
「やっぱ毛がないほうが興奮すんだよね」

 円を描くように守は手を動かした。ズボンのなかでペニスがこねくり回される。逃げ場がないほど勃起して前がきつい。

「なぁ、兄ちゃん、また剃っていいだろ?この前みたいに、俺がちんぽ入れてるときにさ。兄ちゃんも剃られるの興奮してたじゃん」

 肩に顎を乗せてねちっこく囁きながら、先の潰れた勃起ちんぽの形をなぞるように触る。焦れったい。早く解放されたい。息子に外の空気を吸わせてやりたい。思う存分手足を伸ばさせてやりたい。もじもじと俺は腰を揺らしていた。

「剃るの、だけは…本当にもう勘弁してくれ」
「ちぇ、つまんねえの」

 守の手が股間から離れてしまった。機嫌を損ねたか、と慌てる俺の胸に手を当てて、タンクトップを尖らせる突起を探り当てるとそこを指で弄りだした。

「んんっ…」

 ビリビリッと神経が逆立つような快感に声が出た。

「すごいね」

 後ろで守が笑う。

「兄ちゃん、ここモロ感だよね。コリコリにしこってるよ」

 タンクトップの上から指で弾いたり引っ掻いたりする。

「んっ、ハァ……ぁ…あっ…」
「女みたいに声出しちゃってさ。いまもまだ彼女と続いてんの?」
「いっ…あっ…あぁ…っ!」
「返事もできない?さっきからずっと腰振っちゃって。ここ、剃ってもいいなら触ってあげてもいいよ」

 乳首は弄りながら、別の手で軽く股間をタッチする。それだけで先端から我慢汁が滲むのがわかった。触って欲しい。服の上からじゃなく、直接。

「あ…あぁ…守……っ」
「なに?剃ってもいい?」

 子供のように無邪気に聞いてくる。剃ればいいのか。剃れば触ってくれるのか。どうせ一回剃ってるんだ。彼女とは会う回数を減らして、セックスする前に帰れば……

「どうなんだよ、兄ちゃん」

 トントン、とノックするみたいに先を指で叩かれた。
 ――あっ、うそ、やば…!

「…ッ…!あっ!…あぁ…ああぁ……!!」
「えっ、なに、まじ?!」

 車のドアに手をついて、俺は体をビクビクと震わせた。
 守が確かめるためにショートパンツのチャックを下ろして中に手を入れる。

「うわぁ、イッちゃってるじゃん、兄ちゃん。そんなに溜まってたの?彼女とヤッてんじゃないの?」

 精液まみれのちんぽを守が外へ引っ張り出してくれた。やっと外気に触れたと喜ぶ余裕もなく、俺は無言でショックを受けていた。どうしてこんなに簡単にイッてしまったのか。絵美とのときは立たせるだけで精一杯だったのに。今日はコスプレの衣装を着たときから半立ちだった。運転中、守に太ももを触られているだけで完全に勃起した。触っていないのに乳首も勃起していた。
 その乳首を弄られながら、ズボン越しにちんぽをノックされただけであっけなく果てた。
 それはもう、なんの努力も必要とせずに、だ。
 なぜだ。なぜ絵美としてるときにそうならなかった。

「兄ちゃんさ、実は俺とヤルの、癖になってんじゃないの?」

 守の二ヤついた声。

「車のなかからずっと勃起させてさ、物欲しそうに俺のこと見ちゃってさ、女じゃ満足できなくなってんじゃないの?」
「違う、そんなこと…!」
「ないって言いきれる?」

 ずるっとズボンが下げられた。尻を撫でる手が秘孔へ達すると、俺はそれだけで膝が崩れそうになった。肛門の周囲を焦らすように守の指がくるくる弧を描く。

「言ってみなよ、ここに守の勃起おちんぽ欲しいって」
「なっ、馬鹿なこと、を」
「ここは待ちわびてるみたいだよ、ヒクヒクしてる」

 爪先がクイと中に入れられた。ゆっくりゆっくり、弧を描く動きを続けながら中に入ってくる。

「ん…はぁ……ぁん…」
「そんなエロい声出しておきながら、まだ強情張るの?兄ちゃん」

 中ほどまで入った指が引き返していく。抜かれてしまう、と思ったら咄嗟に尻を締め付けていた。

「ほら。はやく中に入れてもらいたがってる」

 クスクスと守が笑う。出しかけた指を再び奥へ向かって入れてくる。中で指を曲げ、出っ張った関節の部分で俺のある場所を押し込む。打たれたように俺の体が跳ねた。

「あぁっ!……ん、あぁ!」
「守の勃起おちんぽちょうだいって言って。兄ちゃんのケツマンコに、守の極太おちんぽ注射してって」

 言うたび言葉かわってんじゃねえか!誰がそんなくっそ恥ずかしい台詞言うか。

「ほら、ほら……指だけでまたイッとく?」

 ぐっぐっと前立腺を刺激され続ける。まだ乾いていない俺のちんぽがゆらりと頭をもたげた。ばか、立つな!

「な…んで、今日は……俺なんだよ…っ…!これ、なんのキャラなんだよ…!」

 そうだ。兄ちゃんなんて呼ぶな。キャラの名前で俺を呼べよ。

「これね、アメリカの農場の息子でアンソニー君だよ。兄ちゃんって金髪でも青い目でもないから、アンソニー君にぜんぜん見えないんだよね」

 当たり前だ!お前も毎朝鏡で東洋人丸出しの顔見てんだろうが!

「それに最近、キャラに乗っけなくても興奮できるようになってきたんだよね。俺も兄ちゃんに慣らされちゃったのかなぁ。おっさんの体なのに、勃起する」

 ぐっとケツに熱くて太いものが押し当てられた。勃起した守のちんぽ。キャラ関係なく、俺に興奮して立たせた守の。
 指で弄られている場所がキュンキュンしている。

「ゆ、指、もう、抜け…っ」
「んー?」
「早く、入れろ…!」
「なにを~?」

 間延びした声で意地悪く訊ねる。

「ま、守の……ぼ……き、おちんぽ……」
「俺の勃起おちんぽ?」

 とても繰り返すことはできずに、コクコクと何度も頷く。

「兄ちゃんのケツマンに俺の極太お注射して欲しいの?」
「し、して欲しい……」
「恥ずかしくて死にそうって顔してる兄ちゃん、かわいいと思うよ」

 嬉しそうに言うと、守は指を抜いて熱くて太い注射針を突き刺した。

「ひぅっ……!ん、はぁっ、あ、ん……!」
「もうトロットロだ」
「んぅ…んっ、あぁ……んっ、あぁ……っ!!」

 窓ガラスに映る淫らな自分の顔つき。守のちんぽをぐっぽり咥えこんで喜んでいる。とても直視できない。
 尻に深く穿たれる。守が激しく腰を振る。

「はぁっ、あっ…あぁ……、ま…て……あっ、あぁっ、ゆっくり……ッ!」

 リズムに乗ったピストン運動が繰り返される。
 車にしがみついた。引けた腰を守が引き寄せる。昼間の屋外で俺は弟とセックスしている。

「気持ちいいね、兄ちゃん」
「あっあぁ…んっ……いいっ、あっ、いいっ……あぁん……ッ!」
「イキそう…イクよ…ッ、なかに出すよ…!」
「あっ、なか…っ!」

 絞るように守を締め付ける。奥に熱い迸りを感じて体がゾクゾク震えた。

「えっ、わ、きつ……っ」

 守の焦った声を聞きながら俺もまた射精していた。飛び出したものが黒い車を白く汚す。

「兄ちゃんもイッたの?触ってないのにすごいじゃん。もうこっちでなきゃイケないんじゃないの?」

 無邪気に指摘されるまでもなく、俺はその可能性に気付いて戦慄していた。もし次、絵美と会ったとき、微塵も興奮することなく、一ミリも立たせることが出来なかったら。
 とても自信がない。絵美に会うのが怖い。
 もしかして俺はもう、男とでないと――。

「兄ちゃん、やっぱこの毛邪魔だから剃ろうよ」

 さわさわと守が陰毛を触る。俺は守に翻弄されている。心が揺れている。口蓋に張り付く舌を引きはがした。

「い…っ…いえに、帰ったら……」
「兄ちゃんならそう言ってくれると思ってた」

 そんな手軽な言葉に満足を得る。守の毒が俺の体に行き渡るのも時間の問題だ。


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久しく為さば須らく(1/2)

2014.07.19.Sat.
<前話「長男としての責務」はこちら>

※男女性描写あり

 通勤するために乗った電車の窓から外を眺めていたら、ビルに掛けられた大きな看板が目に飛び込んできた。昨日までは猫耳の女の子だったのに、今朝は超ミニのセーラー服姿の少年にかわっている。知らない人はあれを見てすぐ男の子だとは気付くまい。俺だって数か月前まではその存在すら知らなかったのだから。
 ちょうど先週末、守に求められてしたコスプレがあれだった。魔法少年の翔太くん。名前まで知っている。

 いい年の大人がパンツ丸見えのミニスカートをはいて、似合いもしないパッツパツのセーラー服を着て、触手怪人に襲われるという設定で、実弟にバイブで犯される。こんな非日常を経験した俺が、何食わぬ顔をして朝の通勤電車に揺られているのだ。どうだ参ったか隣のおっさん!お前がいやらしい目で見てるあの看板の子が実は男の子で、隣に立ってる男がそのコスプレしながら実の弟とセックスしたなんて思いもしないだろう!俺だって泣けてくるぜ!

 翔太くんは今日も短いスカートの下から白いブリーフがチラりと見えていた。なぜ男なのにセーラー服なのか。なぜ短いスカートなのか。なぜ敵に犯されたあとじゃないと必殺技を使わないのか。本当は犯されるのを待っているのか。だからそんな扇情的な格好をしているのか。コスプレさせられる俺の身にもなってくれよ!

 憎さ百倍で翔太くんを睨んでいたせいだろう。先週末のことが次々頭のなかに蘇ってきた。
 結束バンドで両の親指を拘束され、にやついた顔で迫ってくる守の手にはバイブ。白のブリーフを履かされたまま、ずらした隙間からグロテスクな形のバイブがオイルでヌルヌルになった俺の肛門に突き立てられ、出し入れされた。脱ぐことを許されないので下着のなかに射精した。守にいやらしい言葉で辱められた。汚れた下着越しにちんぽを舐められた。俺はまた勃起させた。

 女装としてもコスプレとしても完成度の低い馬鹿げた格好で守に犯された。最初は「翔太くん」と呼んでいた守も、後半になってくると設定を忘れてしまうのか「兄ちゃん」と呼びながら腰を振っていた。そっちのほうがプレイの域を出てリアルセックスのような感じになってくるので俺は苦手だった。何かの役名で呼ばれていたほうが俺じゃない別人が守の相手をしているのだと、多少なり自己催眠をかけられるので救いがあるというのに。

「兄ちゃん、どう?ねぇ、気持ちいい?」

 そんな確認をされた日にはたまったものじゃない。
 勃起し、ケツ穴だけで射精できるようになってしまった俺が答えられる言葉は一つしかないのだ。

「……気持ちいい」

 ふとんに顔を擦りつけ、涎をしみこませながら恥を忍んで言うと、守はそれが嬉しいのか腰使いを激しくして俺のなかに精液を放った。
 まともな大人の振りをするというから守のショタホモ趣味に付き合ってやっているのに、事が終わったあと、結束バンドをハサミで切った守に「赤くなっちゃった。ごめんね、兄ちゃん」と擦れて血のにじむ指にチュッとキスされると、なんだか妙な気分になって俺も「別にいいけど」と責めもしないでおとなしく消毒されて絆創膏を貼られながら、これもショタプレイの一環なのかな、とか考えてしまう。そのあと守に乞われるまま朝まで一緒に寝たりして。

 どこからどこまでが守のプレイなのか、最近その境が曖昧だ。マズイな、と思う。
 はぁ、と口から出たため息が熱かった。股間が硬くなり始めていた。本当にマズイ。


 絵美と会うのは一週間ぶりだ。
 外で食事でも、と思ったが、絵美は部屋でのんびりしたいと言うので仕事終わり、マンションへ向かった。通された部屋。ローテーブルの上に結婚雑誌。

「あぁ、それ、今度結婚する友達が置いてったやつなの」

 ギクリとしてしまった俺を見て取り繕うように言いながら絵美は雑誌を片付けた。
 違う違う。俺は結婚したくないわけじゃない。むしろ結婚願望は強いほうだと自負しているほどで。絵美と築く幸せな家庭像を何度も思い描いて…いたはずなのに、なぜ俺は雑誌を見た瞬間、あんなにも焦ってしまったのか。

「どんなの。見せて」

 片付けた雑誌をテーブルに広げた。俺の反応を窺う視線を感じる。それを意識してると悟られないよう、俺は表情筋を自然な位置に保ちながら、焦った気持ちがページを繰る速度にあらわれないように最善の注意を払い、興味のない特集を熱心すぎない程度にまじまじ眺めた。情報は一切頭に残らない。

「お茶入れるね。コーヒーがいい?」

 合格だったのか、絵美の声は明るい。俺も笑顔で「あー、お茶」と答えることが出来た。
 お茶を飲みながら絵美が「今度結婚する友達」の話をする。何回お色直しをするだとか、料理は有名シェフが手掛けるだとか、新婚旅行はどこどこの海外だとか。
 まだ結婚を焦る年齢ではないと思っていたが、絵美は今年27歳。そろそろ周りが結婚しだす時期で後れを取りたくないのかもしれない。

 空気の密度が濃くなっていく感じがした。見えない壁が迫ってくる。壁は絵美の声だった。絵美のしゃべる言葉が大きな塊となって俺に押し寄せてくる。雑誌の情報と同じく、絵美のしゃべる言葉の内容がまったく頭に入ってこない。呆然と絵美の顔を見ていたせいか、遠近の感覚がおかしくなってきて、俺は確かめるように絵美の腕を掴んだ。声がぱたりと止む。奥行きが生まれる。絵美を押し倒した。


 絵美が服を脱ぐときに部屋の明かりを消した。守に剃られた陰毛はだいぶ生えそろってきていたが、鋭い女の勘が怖くて見られたくなかった。
 キスしながら胸を揉みしだく。弾力の強い風船を掴んでいるようだ。乳首に吸い付く。なぜこれで興奮できていたのか、わからない。
 いきなり味覚を失い、料理の味がわからなくなった者のように、俺は興奮を感じなくなった絵美の体を前に愕然としていた。焦った。恐怖もあった。必死に絵美にむしゃぶりついた。絵美の声は悲鳴のようで耳をふさぎたくなった。
 指で絵美を責めながら根性で立たせた。久しぶりのセックスに余裕がない男を装いながら、急いで絵美に突き立てた。ぶるっと体が震えた。みるみる萎えていく。摩擦でなんとか立たせようと慌てて腰を振った。
 血液が引いていく。海綿体が萎んでいく。現場監督が「今日は撤収~」と言っているイメージが頭に浮かぶ。もうどんなに頑張っても無理だった。

 なぜだ。なぜ立たない。体の異変に頭が真っ白になった。きっと疲れているせいだ。たまたま今日は疲れたが溜まって絶不調なだけだ。
 バレる前に引き抜いた。え、と絵美が俺を見上げる。

「ごめん、もう出ちゃった」

 早漏だと思われた方がマシだ。

「嘘でしょ」

 絵美に笑われてもいい。

「ごめん」

 笑いながら、絵美から隠れてゴムを外し、さも使ったかのように口をしばってティッシュで包んだあとゴミ箱へ放り込んだ。

「久し振りだったから?」
「そうかも」
「かわいい」

 布団で胸を隠しながら絵美が体を起こして俺にキスする。

『かわいい』

 そのフレーズが守の声で再生され、俺はギュッと固く目をつぶった。



 親がいなくなることがあまりないので、実家に呼び出されるより守が俺の一人暮らしの部屋に来ることが多くなっていた。今日もコスプレ衣装を持参して守が部屋にやってきた。
 渡されたのはネルシャツとタンクトップに短パン。どぎつくないなと安堵していたら、「行くよ」と守はグローブを放って寄こした。

「え?」
「キャッチボール。兄ちゃんとするの久しぶりだなぁ」
「ちょっ、こんな格好で外に行くのか?!」
「そーだよ」

 当然という顔で言う。

「ばかなこと言うな、無理に決まってるだろ」
「大丈夫。ひと気のない場所リサーチ済みだから。そこまでは車で行くし」

 それなら大丈夫か、なんて思いかけていやいやと頭を振る。

「だ、誰かに見られたら…」
「まー、ちょっと変わった格好だなって白い目で見られるだろうけど、俺と一緒だし、変質者だとは思われないんじゃない?少なくとも通報はされないと思うよ」
「されたら一大事だ馬鹿」

 守の趣味なのに、俺の方が変態だと思われるじゃないか。

「そうなったら結婚どころじゃなくなるね」

 守はケタケタと笑った。


 俺の車で守が指示する場所まで移動する。尻に食い込むデニムのショーパン。下着を履いていないのでごわつく生地が気持ち悪い。素肌に座席のシートが擦れて気になって仕方なかった。それ以上に太ももを触る守の手が気になって運転どころではなかった。
 事故るから、と注意してもニタニタ笑っていうことを聞かない。
 俺の息遣いが荒くなる。股間が膨らみ始める。俺が勃起しているとわかっているくせに、守はそこには一切触れず、ただ三十手前のおっさんの太ももを、目的地につくまで撫で続けた。