ノビ(2-2)
2014.02.18.Tue.
<前話はこちら>
俺はベッドの上でのたうちまわりながら、痒みをどうにかしてくれと懇願し続けたが、その全てを無視された。男は弁当を平らげるとゆっくりとした動作でそれを片付けて茶を飲んだ。俺を焦らせて楽しんでいる。
「なぁ……早くっ、早く、縄を解いてくれ! 痒いんだ! アァッ、痒い!!」
「まぁ、落ちつけよ、どこが痒いんだ?」
「ちんぽだよ! ケツの穴も……アァッ、気が狂いそうだ!!」
男が俺のちんぽを握って扱き出した。それで少し痒みが和らいだ。男は俺を見下ろしながらニヤニヤと笑い、のらりくらりとちんぽを扱く。
「頼む、もっと…、もっと強く扱いてくれ!」
「このホモ野郎。男にスノコ擦られるのが趣味か? 勃起させやがって変態め」
ずっと痒みを我慢し続けていたちんぽは、少し擦られただけで勃起していた。いつも以上に感じてしまう。
「いいっ、なんでもいいからっ、頼むよ、アァッ、痒いんだ、もっと、アッ、アッ、もっと扱いてくれ!!」
「弄ってほしいのはちんぽだけか? さっきからケツがヒクヒクしてるぞ」
縋る思いで男に目を向けた。どんなに痒くてたまらなくても、それだけは男に頼めなかった。男は俺のためらいを見透かした顔で、指の先を肛門にツンと当てた。それだけで体中に電気がビリビリッと走った。少し刺激を与えられたが最後、もう堪えきれなかった。
「アァァ……、頼む、ケツの穴を触ってくれ……、指を突っ込んで中をめちゃくちゃにかき回してくれ……!」
「男も落とす姫泣き油、か」
笑いを含んだ声で男が言った。太い指が肛門に突きたてられた。ズブッと一気に根元まで突っ込まれ、目の前が真っ白になった。
「ハッハッ、指入れただけでイキやがった。ほら、てめえのザーメンだ、きれいにしろ」
男は白い精液まみれの手を俺の口元に押し付けた。俺は泣きながらその手を舐めた。舐めながら、尻に力を入れ、男の指をしっかり咥えこんだ。無意識に腰が動いていた。
「勘弁してくれよ……、警察でもどこでも行くから……頼む」
「もちろん連れて行ってやるよ。だが、その痒みはどうするんだ?」
笑いながら男は俺の縄を解いてくれた。俺は自由になった手でちんぽを握り上下に激しく扱いた。痒い。尿道まで痒い。俺はまたすぐイッた。精液が尿道を通る瞬間、痒みが一時的に遠のく。またちんぽを扱いた。盛りのついたサルだ。
男の指が俺の尻を出たり入ったりしている。節ばった指だが、物足りない。
「もっと、乱暴にしてくれ、めちゃくちゃに中を擦ってくれよ」
「こうか?」
白い歯を見せながら男は激しく指を動かした。
「ンアアァァァァツ!!!! そうっ、アァッ、イイッ!!!!」
俺も手を動かし、また射精した。見ると男の股間も大きくなっていた。アレで中をこすられたらきっと気持ちいいに違いない。この痒みをおさめられる。俺は男の股間からちんぽを引っ張り出し、前のめりになってそれをしゃぶった。ムッとする臭気。それを嗅ぎながら自分のちんぽを扱いた。
「おい、おまえ、俺のちんこしゃぶってどうする気だ?」
本当はすべてお見通しのくせにそんなことを聞いてくる。俺は黙って舌を動かし続けた。
「まさか、おまえのケツに突っ込めってんじゃないだろうな?」
楽しむような男の口調。完全に勃起したちんぽから口を離し、俺は男の腰に跨った。男は片頬をあげ、俺を見ている。
「入れて欲しいか?」
俺は恥ずかしいのを我慢して頷いた。痒みのせいで正気じゃなかった。痒みが快感に置き換えられていた。俺は一匹の淫乱な獣だった。
男はベッドの下からコンドームを取ると、それを自分のちんぽにはめた。俺はゆっくり腰を落として行った。男の太いちんぽが俺の痒い中を擦っていく。それだけで気が遠のいた。
「アッ、アッ、アァッ、ンッ…いい……っ、気持ちいいっ」
「ククッ、変態が。どうしてほしい?」
「俺を……、俺がぶっ壊れるまで中を突きまくってくれ!!」
男に押し倒された。男は俺の両足首をむずっと掴むと大きく開脚させ、腰を打ちつけてきた。パンパンと肉のぶつかる音、ベッドが軋む音。我を忘れて叫ぶ俺の喘ぎ声。
「アァッ、たまんねえっ、アウッ、そこっ、そこがいいっ、もっと強く! ア、アッ!! またイッちまうー!!」
俺の手の中でちんぽが脈打ち、ドクッと精液を吐き出した。それを受けた手でちんぽを扱いた。壊れたように俺のちんぽはずっと勃起している。何度でも射精できるような気がする。男のちんぽが俺の尻をズンズン犯してくる。痛痒い。それがたまらなく気持ちいい。
「アァーッ!! もっと、もっとだよ! あんたのちんぽ、もっと奥までぶちこんでくれよー!! 痒いんだ! 頼むよ、もっと、アァンッ、もっとー!!」
何時間も俺は男のちんぽをねだった。疲れた男はディルトで俺を犯した。俺の痒みが取れたのは日付もかわった深夜だった。
シャワーを浴びて服を着た。男に連れられ、警察署へと向かう。
「ムショに入ったら男ばかりだ。そこで壊れるほどヤラれまくってこい。姫泣き油を差しいれしてやるよ」
男の言葉に、クタクタだった体の奥が疼いた。
俺はベッドの上でのたうちまわりながら、痒みをどうにかしてくれと懇願し続けたが、その全てを無視された。男は弁当を平らげるとゆっくりとした動作でそれを片付けて茶を飲んだ。俺を焦らせて楽しんでいる。
「なぁ……早くっ、早く、縄を解いてくれ! 痒いんだ! アァッ、痒い!!」
「まぁ、落ちつけよ、どこが痒いんだ?」
「ちんぽだよ! ケツの穴も……アァッ、気が狂いそうだ!!」
男が俺のちんぽを握って扱き出した。それで少し痒みが和らいだ。男は俺を見下ろしながらニヤニヤと笑い、のらりくらりとちんぽを扱く。
「頼む、もっと…、もっと強く扱いてくれ!」
「このホモ野郎。男にスノコ擦られるのが趣味か? 勃起させやがって変態め」
ずっと痒みを我慢し続けていたちんぽは、少し擦られただけで勃起していた。いつも以上に感じてしまう。
「いいっ、なんでもいいからっ、頼むよ、アァッ、痒いんだ、もっと、アッ、アッ、もっと扱いてくれ!!」
「弄ってほしいのはちんぽだけか? さっきからケツがヒクヒクしてるぞ」
縋る思いで男に目を向けた。どんなに痒くてたまらなくても、それだけは男に頼めなかった。男は俺のためらいを見透かした顔で、指の先を肛門にツンと当てた。それだけで体中に電気がビリビリッと走った。少し刺激を与えられたが最後、もう堪えきれなかった。
「アァァ……、頼む、ケツの穴を触ってくれ……、指を突っ込んで中をめちゃくちゃにかき回してくれ……!」
「男も落とす姫泣き油、か」
笑いを含んだ声で男が言った。太い指が肛門に突きたてられた。ズブッと一気に根元まで突っ込まれ、目の前が真っ白になった。
「ハッハッ、指入れただけでイキやがった。ほら、てめえのザーメンだ、きれいにしろ」
男は白い精液まみれの手を俺の口元に押し付けた。俺は泣きながらその手を舐めた。舐めながら、尻に力を入れ、男の指をしっかり咥えこんだ。無意識に腰が動いていた。
「勘弁してくれよ……、警察でもどこでも行くから……頼む」
「もちろん連れて行ってやるよ。だが、その痒みはどうするんだ?」
笑いながら男は俺の縄を解いてくれた。俺は自由になった手でちんぽを握り上下に激しく扱いた。痒い。尿道まで痒い。俺はまたすぐイッた。精液が尿道を通る瞬間、痒みが一時的に遠のく。またちんぽを扱いた。盛りのついたサルだ。
男の指が俺の尻を出たり入ったりしている。節ばった指だが、物足りない。
「もっと、乱暴にしてくれ、めちゃくちゃに中を擦ってくれよ」
「こうか?」
白い歯を見せながら男は激しく指を動かした。
「ンアアァァァァツ!!!! そうっ、アァッ、イイッ!!!!」
俺も手を動かし、また射精した。見ると男の股間も大きくなっていた。アレで中をこすられたらきっと気持ちいいに違いない。この痒みをおさめられる。俺は男の股間からちんぽを引っ張り出し、前のめりになってそれをしゃぶった。ムッとする臭気。それを嗅ぎながら自分のちんぽを扱いた。
「おい、おまえ、俺のちんこしゃぶってどうする気だ?」
本当はすべてお見通しのくせにそんなことを聞いてくる。俺は黙って舌を動かし続けた。
「まさか、おまえのケツに突っ込めってんじゃないだろうな?」
楽しむような男の口調。完全に勃起したちんぽから口を離し、俺は男の腰に跨った。男は片頬をあげ、俺を見ている。
「入れて欲しいか?」
俺は恥ずかしいのを我慢して頷いた。痒みのせいで正気じゃなかった。痒みが快感に置き換えられていた。俺は一匹の淫乱な獣だった。
男はベッドの下からコンドームを取ると、それを自分のちんぽにはめた。俺はゆっくり腰を落として行った。男の太いちんぽが俺の痒い中を擦っていく。それだけで気が遠のいた。
「アッ、アッ、アァッ、ンッ…いい……っ、気持ちいいっ」
「ククッ、変態が。どうしてほしい?」
「俺を……、俺がぶっ壊れるまで中を突きまくってくれ!!」
男に押し倒された。男は俺の両足首をむずっと掴むと大きく開脚させ、腰を打ちつけてきた。パンパンと肉のぶつかる音、ベッドが軋む音。我を忘れて叫ぶ俺の喘ぎ声。
「アァッ、たまんねえっ、アウッ、そこっ、そこがいいっ、もっと強く! ア、アッ!! またイッちまうー!!」
俺の手の中でちんぽが脈打ち、ドクッと精液を吐き出した。それを受けた手でちんぽを扱いた。壊れたように俺のちんぽはずっと勃起している。何度でも射精できるような気がする。男のちんぽが俺の尻をズンズン犯してくる。痛痒い。それがたまらなく気持ちいい。
「アァーッ!! もっと、もっとだよ! あんたのちんぽ、もっと奥までぶちこんでくれよー!! 痒いんだ! 頼むよ、もっと、アァンッ、もっとー!!」
何時間も俺は男のちんぽをねだった。疲れた男はディルトで俺を犯した。俺の痒みが取れたのは日付もかわった深夜だった。
シャワーを浴びて服を着た。男に連れられ、警察署へと向かう。
「ムショに入ったら男ばかりだ。そこで壊れるほどヤラれまくってこい。姫泣き油を差しいれしてやるよ」
男の言葉に、クタクタだった体の奥が疼いた。

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ノビ (1-2)
2014.02.17.Mon.
金がなくて始めた空き巣家業。三年もやっていると、その部屋の主がどんな人間なのか、だいたいわかるようになってくる。
今日忍びこんだアパートの住人は、性別男、年齢は三十代後半。身長は175センチ前後。体重は70kgほどか。
彼女はいない。もしかしたら、今までに一度も誰とも付き合ったことがないかもしれない。散らかった部屋。出しっぱなしのエロDVD。遊びに来る友達もいない。地味な色合いの、似たり寄ったりな服ばかり。
部屋に鏡はない。洗面所の鏡も汚れたまま放置されている。自分の容姿に自信がない、モテない三十男。無趣味で、ここにはただ寝るためだけに帰って来ている、そんな印象の部屋。
タンスや棚の引き出しをあけ、金目の物を探した。ベッドの下を覗きこむ。鉄パイプが転がっていた。いざという時の備えだろうか。
突然玄関から物音。俺は手を止めそっちに神経を集中させた。ギィと扉が開き、外の明るい光が部屋に差し込む。俺は鉄パイプを握りしめ、物影に身を潜めた。
ゆっくりと足音が近づいてくる。ガサガサとビニール袋が擦れる音がする。男が部屋に足を踏み入れた瞬間、鉄パイプで殴りかかった。
男は横目に俺を見た。とった。そう思ったが、鉄パイプは固いものに弾き返された。男は右手に金属バットを持っていた。もう一度鉄パイプを振り上げた。腹に衝撃。男のバットが俺の腹にめり込んでいた。胃の中身を吐き出しながら、体を折って膝をつく。男が冷静な目で俺を見おろしていた。少しも動揺していない。なぜだ。何者だ。男の手刀が振りおろされた。暗転。
※ ※ ※
目が覚めた。薄汚れた天井。ぼんやり染みを見つめ、ハッと我に返った。起き上がろうとしたが、両手両足がベッドに縛りつけられていた。わずかなたるみを残してはいるが、関節を曲げることは出来ない。そして俺は全裸だった。
「なっ、なんだよ、これは!」
顔を動かし、部屋を見渡す。咥え煙草の男が台所から顔を出した。
「起きたか、盗人。おまえ、まだ二十代だろうが。どうして空き巣なんかやってる」
台所から出てきた男はどんぶり鉢を持っていた。
「金のために決まってるだろ。とっとと警察に突き出せよ、なんの真似だよこりゃあ」
「俺の部屋に空き巣に入るとはいい根性してやがる。ちょっと躾けてやらないとな」
男はどんぶりに手を突っ込むと、薄茶色のドロリとしたものをすくいあげ、それを俺のちんぽになすりつけた。ネバネバとして生ぬるい。
「お、お、おい! いったいこりゃなんだよ! 妙なことすんなよ!」
「お手製の姫泣き油だ。これがどういうものかは、そのうち身をもって知る」
男の言った通りだった。しばらくすると、塗りたくられたちんぽが痒くてたまらなくなってきたのだ。
「あっ、あっ、アァ……、痒い、痒い……!」
俺は自由にならない体をよじって悶えた。男は煙草をふかしたまま、そんな俺をおかしそうに見下ろす。
「なかなかの効き目だろ? あまってるからこっちにも塗ってやるか」
男はどんぶりをひっくりかえし、俺のちんぽから肛門へかけて、姫泣き油をぬりたくった。俺は前後不覚になるほどの痒みに正気を失いそうだった。
男はビニールの袋から弁当を取り出し、それを食べ始めた。テレビを見ながら、時折、俺の方へ視線を飛ばす。
「痒い……、ううっ、痒い、たまらないっ、どうにかしてくれ! 頼む! 痒くておかしくなりそうだ! この縄を解いてくれ!」
「はは、そうはいくか。自分が今までに犯してきた罪をたっぷりその体で思い知れ」
「おまえいったい、何者なんだよ!」
「俺はケーサツだ。それも三課のな。最近このあたりに頻発してる空き巣は全部てめえの仕業か?」
俺は一瞬痒みも忘れて男の顔を見た。窃盗犯担当・三課のおまわり。よりによってそんな男の部屋に盗みに入るなんて。
「自分の間抜けさにようやく気付いたか。メシのあとで、ゆっくり話を聞かせてもらおう」
ニヤリと笑うと男は前に向きなおり、テレビを見ながらまた弁当を食べた。
今日忍びこんだアパートの住人は、性別男、年齢は三十代後半。身長は175センチ前後。体重は70kgほどか。
彼女はいない。もしかしたら、今までに一度も誰とも付き合ったことがないかもしれない。散らかった部屋。出しっぱなしのエロDVD。遊びに来る友達もいない。地味な色合いの、似たり寄ったりな服ばかり。
部屋に鏡はない。洗面所の鏡も汚れたまま放置されている。自分の容姿に自信がない、モテない三十男。無趣味で、ここにはただ寝るためだけに帰って来ている、そんな印象の部屋。
タンスや棚の引き出しをあけ、金目の物を探した。ベッドの下を覗きこむ。鉄パイプが転がっていた。いざという時の備えだろうか。
突然玄関から物音。俺は手を止めそっちに神経を集中させた。ギィと扉が開き、外の明るい光が部屋に差し込む。俺は鉄パイプを握りしめ、物影に身を潜めた。
ゆっくりと足音が近づいてくる。ガサガサとビニール袋が擦れる音がする。男が部屋に足を踏み入れた瞬間、鉄パイプで殴りかかった。
男は横目に俺を見た。とった。そう思ったが、鉄パイプは固いものに弾き返された。男は右手に金属バットを持っていた。もう一度鉄パイプを振り上げた。腹に衝撃。男のバットが俺の腹にめり込んでいた。胃の中身を吐き出しながら、体を折って膝をつく。男が冷静な目で俺を見おろしていた。少しも動揺していない。なぜだ。何者だ。男の手刀が振りおろされた。暗転。
※ ※ ※
目が覚めた。薄汚れた天井。ぼんやり染みを見つめ、ハッと我に返った。起き上がろうとしたが、両手両足がベッドに縛りつけられていた。わずかなたるみを残してはいるが、関節を曲げることは出来ない。そして俺は全裸だった。
「なっ、なんだよ、これは!」
顔を動かし、部屋を見渡す。咥え煙草の男が台所から顔を出した。
「起きたか、盗人。おまえ、まだ二十代だろうが。どうして空き巣なんかやってる」
台所から出てきた男はどんぶり鉢を持っていた。
「金のために決まってるだろ。とっとと警察に突き出せよ、なんの真似だよこりゃあ」
「俺の部屋に空き巣に入るとはいい根性してやがる。ちょっと躾けてやらないとな」
男はどんぶりに手を突っ込むと、薄茶色のドロリとしたものをすくいあげ、それを俺のちんぽになすりつけた。ネバネバとして生ぬるい。
「お、お、おい! いったいこりゃなんだよ! 妙なことすんなよ!」
「お手製の姫泣き油だ。これがどういうものかは、そのうち身をもって知る」
男の言った通りだった。しばらくすると、塗りたくられたちんぽが痒くてたまらなくなってきたのだ。
「あっ、あっ、アァ……、痒い、痒い……!」
俺は自由にならない体をよじって悶えた。男は煙草をふかしたまま、そんな俺をおかしそうに見下ろす。
「なかなかの効き目だろ? あまってるからこっちにも塗ってやるか」
男はどんぶりをひっくりかえし、俺のちんぽから肛門へかけて、姫泣き油をぬりたくった。俺は前後不覚になるほどの痒みに正気を失いそうだった。
男はビニールの袋から弁当を取り出し、それを食べ始めた。テレビを見ながら、時折、俺の方へ視線を飛ばす。
「痒い……、ううっ、痒い、たまらないっ、どうにかしてくれ! 頼む! 痒くておかしくなりそうだ! この縄を解いてくれ!」
「はは、そうはいくか。自分が今までに犯してきた罪をたっぷりその体で思い知れ」
「おまえいったい、何者なんだよ!」
「俺はケーサツだ。それも三課のな。最近このあたりに頻発してる空き巣は全部てめえの仕業か?」
俺は一瞬痒みも忘れて男の顔を見た。窃盗犯担当・三課のおまわり。よりによってそんな男の部屋に盗みに入るなんて。
「自分の間抜けさにようやく気付いたか。メシのあとで、ゆっくり話を聞かせてもらおう」
ニヤリと笑うと男は前に向きなおり、テレビを見ながらまた弁当を食べた。