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茶々丸(1/1)

2014.06.17.Tue.
※獣姦風味?

「いってきまーす」

 と玄関を出ると「ワン!」と犬の茶々丸がとびかかってくる。大型犬なので高校生の俺でもよろけてしまうし、なにより制服が汚れるのですかさず横へよけてやりすごす。
 庭と玄関横までしか移動できないように、鎖の長さを調整しているのだが、茶々は首が締まるのも厭わず、全力で俺に向かってくる。
 その必死な様と形相がなんだか哀れになって、俺は少し近づいて頭を撫でてやった。

 茶々は俺がまだ小学生の頃に、学校のやつらと野球をした帰りに拾った。飼いたいと駄々をこねる俺と、元の場所に戻して来いと言う母親と攻防を続けて数時間、父親が帰宅し、死ぬまできちんとお前が責任持って世話をするならという条件で、飼うことを許してもらった。
 それから茶々の散歩と餌やりは俺の役割だ。当然、家族で一番俺に懐いている。

「帰ってきたら散歩連れてってやるからな」

 ハッハッと舌を出して茶々が俺の腰にしがみつてくる。油断してたら茶々の奴、腰を振り始めた。

「こらこら、盛るな」

 前足を解いてはなすと、悲しい目をする茶々を置いて学校へ向かった。



 学校が終わって家に帰ると、門の向こうに知らない男が座っていた。いつもなら茶々丸がいる場所に、だ。

「誰、ですか…?」
「わん!」

 そいつは茶々丸の犬小屋の前で、茶々丸の首輪をつけ、鎖に繋がれていた。あたかも、自分が茶々丸だとでもいいたげに。

「ちょ、あの、うちの犬は…?」
「わん!」
「わんじゃねえよ。うちの犬どこやったんだよ」
「わんわん!」
「警察呼ぶわ」
「わん!」

 そいつは俺に向かって飛びかかってきた――が、鎖がピンと張って首輪が咽喉に食い込み、うぐっと呻いて地面に尻もちをついた。見慣れた光景である。
 目に涙をにじませながら、男は「くぅん」と鼻を鳴らし、俺に向かって手を伸ばす。どうにかこうにか俺に近づこうと同じところをグルグル回っている。これも見慣れた光景である。
 男は動くのをやめると、首輪が痒そうに首筋を掻いた。茶々もこれをよくやる。

「…茶々丸か…?!」
「わん!」

 茶々丸という名前に反応して男は満面の笑顔で吠えた。

「いやいやいや、ありえない、ありえない。犬が人間になるとかありえない」

 第一ちゃんとこいつ服着てるし。黒いTシャツにジーンズって地味だけど確かに人間の服着てるし。

「なぁ、まじでうちの犬どこやったのよ?」
「わんわん!」

 男は笑顔を俺に固定したままぐるぐる回る。散歩に連れて行ってほしいときの茶々の行動そのままだ。

「いやいや、ないない」

 男の髪の毛は茶々丸と同じ茶色だった。ちょっと硬そうな髪質も似ている。

「いやいや…ないない…」

 男の笑顔は喜んでいるときの茶々の表情を連想させた。

「いやいや……ないって……」

 ポケットから携帯電話を出す俺の動きに男が反応した。立ち上がってピョンピョン飛び跳ねる。玩具で遊んでもらえると思ったときの茶々の喜び方にそっくりだった。

「嘘だって…まじかよおい…」

 俺ががくりと項垂れると、男は首を傾げ「くうん」と心配そうに鼻を鳴らした。
 まじでお前、茶々丸なのかよ…
 門の向こうで近所のおばちゃんがこちらを凝視している視線に気づいた。若い男が首輪をつけて鎖に繋がれているのだ。そりゃガン見もするだろう。
 俺はおばちゃんに「どうも」と挨拶して、男の首輪を外してやった。男は俺に抱き付いて、ほっぺをペロペロ舐めてくる。
 それを見たおばちゃんの目が真ん丸になる。これでは誤解されてしまう。

「この人、酔ってるんです」

 そう言い訳しつつ、俺は男を家のなかに連れ込んだ。



 男は俺に抱き付いたまま、飛んだり跳ねたりして落ち着きがない。ちょっと離れろっつうの。Tシャツをひっぱって無理矢理引きはがしても、すぐにぎゅっと抱き付かれる。顔中ベロベロ舐められて、ときたま頭や肩を甘噛みされる。こりゃほんとに茶々丸らしいぞ。
 それに男からは確かに茶々丸の匂いがするのだ。

「こら、茶々!お座り!」

 男は自分の興奮を持て余したように何度が地団太を踏んだあと、玄関の三和土でお座りした。正座して両手を床につく座り方だ。手は犬らしく軽く握らられている。

「おまえ、ほんとに茶々丸か?」
「わん!」

 元気いっぱい答える。見た目は二十歳くらいだろうか。俺より年上に見える男は目をランランと輝かせながら、次の命令を待っている。
 両親はあいにく仕事だ。この異常事態を俺一人で切り抜けなければならない。どうすっか…
 玄関に座り、携帯電話で「犬 人間 変身」というワードで検索してみた。フィクションしか出てこない。さっきのワードに「リアル 現実で」と足してみたが結果は同じだった。そりゃそうだろう。
 ついでに男の写真を撮っておいた。

「茶々、お前けっこうイケメンだな」

 三和土で嬉しそうに正座しているイケメン。俺が吹きだすと、茶々は正座をやめて俺のもとへやってきた。興奮が少しは落ち着いたのか、飛びかかってはこず、ゆっくりした動作で俺の膝に手をかけて、俺の首筋に鼻っ柱を突っ込んでくる。甘えているときの仕草だ。

「よしよし、お前も不安だよな」

 頭を撫でてやったら、茶々は俺の首を舐めてきた。茶々なんだけど、姿かたちはただの若い成人男性なので変な感じだ。

「ちょ、茶々、もうやめようか」

 ペロペロペロと耳を舐める。ときたま甘噛みする。茶々の手が俺の肩にかかる。体重を乗せられて、俺は押し倒されるように廊下に寝転がった。茶々が俺の上にのしかかる。
 目の前にイケメン。

「ちゃ、茶々、お座りっ、お座り!」

 男の顔が近づいてきて、俺の口をベロベロ舐め始めた。舐め方は犬っぽいけど、もう完全人間なわけで。これって俺のファーストキスじゃね?相手男?犬?なんなのこれ。これなんなの?!大混乱のうちに、茶々の接吻は激しくなって、ベロが口のなかに入ってきた。

「うをいっ、茶々!やめろっ、やめ…っ!」

 唇が隙間なくぴったりくっついた濃厚なディープキスだ。生まれて初めてのキスが見ず知らずのイケメン…。っていうか人間か犬なのかもわからない得体の知れないものなんて!

「こら、やめなさい、茶々!ちゃ…っ?!」

 男が俺に下半身を擦りつけてきた。熱くて硬いものが俺の股間に擦りあわされる。

「盛るな馬鹿!」

 押し戻そうと体を押すと、茶々は低く唸り声をあげた。
 ひっかくような動作で俺の制服のズボンを脱がそうとしている。おいおい、なにする気だ!
 男はシャツに噛みつくと、犬がよくやるようにブンブンと首を振った。それでいくつかのボタンが千切れて飛ぶ。

「ちゃ、茶々!おい!」

 乱暴に服を引きちぎられてしまった。男は俺の胸を舐めた。ペロペロと愛しそうに。乳首を口に含んで舐めたり転がしたりする。妙な甘酸っぱさがそこを痺れさせた。

「茶々、まじでやめろって…!」

 いつの間にか男の手によって俺はずぼんを脱がされていた。真っ赤なボクサーパンツに男が鼻を突っ込んでクンクンと匂いを嗅ぐ。恥ずかしい。
 尖った鼻でツンツンとつつかれ、下着越しに舐めたり食むようにされていると、次第にそこが立ってきた。土を掘るみたいに手を動かして、茶々は下着をずらした。出てきた亀頭を舐める。

「んっ…茶々……」

 先から滲んだ我慢汁を茶々は飽きることなく舐め続ける。

「やめ……駄目だって……」

 茶々の息遣いと同様に、俺も呼吸を荒くしていた。
 イケそうでイケない、もどかしい刺激、たどたどしい愛撫。俺はいつの間にかそれ以上のものを欲していた。
 手を伸ばして茶々丸のジーンズを脱がしてやった。思わず唾を飲み込むほど立派な勃起ちんぽが腹を叩いて現れる。
 茶々は今朝も俺に盛って腰を振っていた。家族の誰にもそんなことしない。茶々は俺にしか腰を振らない。「ホモの犬?」なんてかわかわれていたけど、もしかしたらマジだったのかもしれない。

「そんなに俺が好きか?」

 茶々のちんぽを握ると、「くうう」と切なく鳴く。

「イケメンが台無しだぞ」

 頭を撫でるとまた口を舐めてくる。俺のちんぽを舐めた舌でディープキスだ畜生。
 仕方ねえな、と俺は廊下で四つん這いになった。すかさず茶々が俺のケツを舐めてくる。すぼまった場所に舌を入れて中も外もたっぷり唾液まみれにする。
 たまに俺の腰を抱きかかえ、ちんぽを押し当ててくるのだが、手を使えないせいかうまく入れられず、もどかしそうにまたケツ穴を舐める。
 可哀そうだし、じれったいので、俺が手を添えてやった。先が入ると、茶々は腰に抱き付いて、ズブズブ中に突っ込んできた。長大なものが俺を引き裂き串刺しにする。
 背後で切羽詰まった息遣いが聞こえる。カクカクと腰の振り方が犬そのもので、見た目は人間でも犬に犯されているような倒錯的なものを感じる。

「茶々…っ…ん、はぁ…んっ……」

 引っ掻くように茶々の手が動く。もっと俺を強く抱きしめたいのだろう。時折唸りながら、俺の背中に歯を立てる。

「いっ…てぇ……茶々、噛むな馬鹿…」

 うまく人間の体を扱えず、また言葉を知らずに気持ちを伝えられない茶々の苛立ちやもどかしさは手に取るようにわかった。
 俺はいったん茶々から離れると、仰向けに寝転がって足を開いた。茶々丸がすぐ突っ込んでくる。茶々丸の腰に足をまわした。

「茶々……気持ちいいか……?」
「クゥン、クゥン」

 鼻を鳴らしながら俺の胸や顔を舐める。口を開くと中に舌を入れてきた。俺もそれに激しく舌を絡ませた。俺、茶々とベロチューしちゃってんだ…。もうどうにでもなれってんだ。
 茶々の腰使いが一層激しく忙しくなった。ガンガンに奥を突いてくる。

「んっ、くうぅ……う、はっ……はぁんっ……!」

 あまりに激しくて体がだんだんずり上がりそうになる。

「茶々っ……早くぅ……はぁっ……あっ、早く……ッ!!」

 俺も自分のちんぽを握ってシコシコ扱いた。
 茶々の腰がぴたっと止まった。それと同時に体の奥に温かいものが叩きこまれるのを感じた。

「茶々の精液……あ、あぁ……なか…なかだし……やべ…気持ちいい…っ、茶々……俺、イク…っ!」

 愛犬に犯され中出しされた快感に、俺もちんぽを震わせて射精していた。



「……………………っていう夢を昨日見たんだよ」

 学校の友達に話すと、そいつは「疲れてんな、お前」と同情するように言った。
 チャイムが鳴って立ち歩いていた奴らが席に戻って行く。
 俺はポケットから携帯電話を取り出して、一枚の画像を呼び出した。家の玄関の三和土で正座しているイケメンの写真。日付は昨日。

「……あれってまじで夢だったんだよな……?」



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