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信じて下さい(1/1)

2014.05.14.Wed.
※アンケート第1位「教師と生徒(先生受け)」小説

 放課後、先生がいる準備室へ向かった。棚を間仕切りみたいに使っているせいで先生のいるデスクまで二回角を曲がらなきゃならない。その先にデスクが四つ並んでいて、その一つに先生は座っていた。ほかの先生は今日も職員室のほうにいるらしい。

「先生」
「また来たのか」

 顔をあげずにそっけなく先生が言う。小テストの採点をしているらしい。その背後へまわり、うなじを眺めた。二年前はもう少し短かったのに、そう思って襟足を撫であげた。

「やめろ」

 ピクンと先生の肩先が動く。

「髪、伸ばしてんの?短いほうが似合ってると思うけど」
「俺の勝手だ」
「まぁそうなんだけど」

 だって俺が先生を好きになったとき先生は髪が短かったから…。
 先生に会いたくてここを受験した。合格した嬉しさより先生に会える喜びのほうが勝った。入学式で探し出した先生は、記憶のなかと違ってずいぶん大人だった。私服じゃなくてスーツだったせいかもしれないけれど。二年の月日、俺と先生の年齢差、そういうものをまざまざと見せつけられた気がして少し焦った。先生に髪を短くしてほしいのは、せめて髪型だけでもあの頃に戻って欲しいと思うからかもしれない。
 二年前、俺の家に訪れたときの先生の面影を追い求めている時点で、俺も先生と同罪だ。
 うなじに置いた手で首筋を撫でた。先生の喉仏が上下する。先生は緊張している。俺は余裕のあるふりをしなきゃいけない。
 ネクタイに手をかけた。

「手塚…」

 先生が俺の手を掴む。だけど弱々しい。俺はネクタイを解いてワイシャツのボタンを外していった。

「苗字じゃなくて、下の名前で呼んでよ、先生」
「別に苗字でもいいだろう」
「だって先生、兄貴のこと思い出してそうじゃん」

 俯いた先生の耳まで真っ赤になったのを見てしまった。

「図星?俺、可哀そう」
「…ちがっ…!ただ俺で遊んでいるだけのくせに…!」

 睨み付けてきた先生の顎を掴んで口を寄せる。最初は抵抗した先生も、俺が逃がすわけないと今までの経験で学習しているのですぐ諦めた。口を割って中に舌をこじ入れる。歯を舐め、口蓋に舌を添わす。先生が俺の制服をギュッと掴んだ。奥で縮こまった舌を絡め取って唾液といっしょに吸うと、吐息を漏らした。
 一旦口をはなして先生の目を覗きこむ。いま何考えてる?頭のなかに誰がいる?俺?兄貴?怒りと羞恥以外読み取れなくて、再度口を塞いだ。

「んっ…ん…」

 椅子を回転させて向かい合わせる。膝で先生の股間を押すように刺激すると、そこはすぐ硬くなった。

「んっ、やめっ…やめろ、手塚…!」
「だから名前で呼べってば」

 俺の苛ついた口調に先生は唇を噛みしめた。


 思春期の頃に根付いた強烈な印象は忘れがたく、先生が「手塚」と呼ぶと無条件であの日のことを思い出してしまう。
 中二の春頃、兄貴が家に男を連れてきた。学校の友達じゃないのはすぐわかった。男は学生じゃなく大人だったから。俺の弟、と兄貴が俺を紹介した。その人はちょっと不安そうに、どこか恥ずかしそうに「こんにちは」と笑顔になった。その後二人は兄貴の部屋にこもった。宿題を思い出した俺が部屋へ行く途中、兄貴の部屋の前を通ると…

『手塚…ぁ…あぁ…ッ…もう、だめ…!』
『馬鹿、先生、静かにしろって。親はいねえけど、下に弟がいるんだぜ』
『んっ、でもっ…手塚、あっ、あっ、出る…ッ』

 あの時の声だってすぐわかった。俺は静かに引き換えし、リビングへ戻った。心臓がドクドク鳴っていた。二人とも男同士だということ、兄貴が相手を先生と呼んだこと、先生と呼ばれたあの人の声がとてもエロかったこと、すべてにショックを受けていたが、一番ショックだったのはそれを聞いて勃起してしまったことだった。
 今も上で兄貴とあの人はセックスしているんだ。そう考えると顔が熱くなった。痛いほど勃起した。俺はあの人を思って扱いた。あの顔、あの声を思い出しながら、初めて男をオカズにして抜いた。
 親が帰宅する前に先生は帰って行った。そのあとさりげなく、あの人は兄貴が通う学校の社会科の先生だということを聞きだした。勉強を見てもらうという口実で、その後二回、兄貴はあの人を家に連れ込んだ。俺は自分の部屋で聞き耳を立てながらオナニーした。その頃には先生と呼ばれるあの人のことが好きなんだとはっきり自覚していた。


 ベルトを外しスラックスの前をくつろげて手を侵入させる。熱く屹立したものに指を絡めて外へ引っ張り出した。

「嫌だ、手塚…やめてくれ…」

 ゆっくり上下に扱くと先生は俺の制服を掴んでグイッと自分のほうへ引き寄せた。俺の肩に顔を押し付けることで表情を隠す。こんなに勃起させておいて何が嫌なのかわからない。俺が兄貴の弟だから?兄貴を思い出すから?未成年の生徒とやることじゃないから?教師失格だと恥じているから?だったら兄貴の時はなんだったのさ。兄貴はあの時18歳だった。16の俺と何が違う?
 背中に手をまわし、抱き寄せた。

「はぁっ…あっ…はなせ…手塚、もう…やめろ…っ」


 高校に入学して、俺が初めて先生に話しかけたとき、先生の顔は強張っていた。俺が兄貴の弟だと気付いていた。覚えていてくれたことに浮かれた俺は深く考えずに口走っていた。

「先生と兄貴のことは誰にも言いませんから」

 強張る先生の顔からサァッと血の気が引いたのを見た。なにかまずいことを言ってしまっただろうかと焦りながら考えて、兄貴が女の恋人を作ったせいだと思った。

「女作って先生捨てるとか、最低ですよね」

 先生を慰めたくて、俺は味方だと思って欲しくて言った。だがこれも先生には歪んだ意味で伝わっていたらしかった。今度は真っ赤に染まった顔で先生は俯いた。

「年下の、しかも教え子なんかに本気になった俺を馬鹿だと思っているんだろう」

 怒りをかみ殺した口調だった。俺を睨む目にうろたえた。

「そんなことないです、俺ずっと先生のこと好きでしたから。先生に会いたくてここを受験したんですよ」

 先生は歪んだ笑みを浮かべた。

「そういうことか。手塚とのことを口外しないかわりにヤラせろって?兄弟揃って両刀か」
「違いますよ、俺ほんとに先生のこと好きなんですって」
「身から出た錆とは言え…つくづく自分の馬鹿さ加減が嫌になったよ…お前の好きにしてくれ」

 先生が俺の告白を脅しと受け取ったようだとようやく気付いた。違うと否定しても先生は頑なで、その頑なさが兄貴への思いの強さのように思えた。女が出来たとたん捨てた兄貴のことをいまもまだ引きずっているようで。
 最初から警戒して喧嘩腰だった先生は、その後の俺の告白を全部本気にしないで、「恋人ごっこはもうたくさんだ。ヤリたいならさっさとヤレばいいだろ」と聞く耳さえ持ってくれなかった。
 今すぐ信じさせることは無理だと諦めたけど、先生の聞き分けのない態度は兄貴への反抗に思えて悔しかった。いまだに恋人ごっこをしているのは先生のほうじゃないか。俺を兄貴のかわりにして、捨てられた復讐をしているだけじゃないか。
だんだんむかついてきた俺は「じゃあ、黙っててやるかわりに、ヤラせてよ」なんて言って、その日の夜、先生の車のなかで先生を犯した。
 こんな形で先生に触れたかったわけじゃないのに。こんな形で先生と結ばれたかったわけじゃないのに。悲しいのに涙は出なくて、かわりに先生のなかに精液を吐き出していた。


「先生、好きだよ」
「そんな言葉はいらないって言ってるだろ…早くお前も彼女を作れよ…!」

 何度言っても先生の心には届かない。真実の可能性を少しも考えてくれない。最低な捨て方をした兄貴のせいかもしれないけれど、俺と兄貴は別人なんだと早く気付いてほしい。

「…ふっ…くっ…!!」

 先生が呻く。手のなかに温かい液体が吐き出された。
 先生を立たせて机に両手をつかせた。後ろへ先生の精液を塗りたくり指を入れる。

「がっ…こう、だぞ!」
「兄貴と学校でしたことないの?」
「あるわけないだろ…!」

 じゃあこれは俺が初めてなんだ、とつまらない優越感に浸る。中を解して今度は怒張を張り込む。持ち上がった先生の肩が震えている。

「痛かった?」
「乱暴なのも、兄弟でそっくりだな…!」

 いつまでも兄貴のことを言わないでくれよ。そんな言葉を聞くために受験勉強を頑張ったわけじゃないのに。悲しい虚しさが胸に広がっていく。 

「俺は兄貴とは違うよ」

 入れたまま先生の体に抱き付き、うなじにキスをする。くすぐったそうに首を縮こませる。耳たぶに軽くかみついた。ちゅうちゅうと吸って耳を舐める。

「気持ち悪い…やめろ…っ!」
「気持ち悪いって言いながらここ起たせてたら世話ないね」

 先生の屹立を握ってゆっくり扱く。皮を利用して括れを中心に擦ると先生のペニスはビクビク脈打った。余った手で乳首を触ると先生のなかはキュッと締まった。

「先生は乳首がすごい感じるみたいだね」
「黙れ…!」
「こっちもちょっと触っただけで起ってる。コリコリだよ、わかる?」
「黙れって言ってるだろ…!」
「そう言いながらすごい締め付けてくる。ここ触られるの好きなんだね」

 指先で弾くと先生の体はビクン!と反応した。ここまで仕立てたのは兄貴なんだろうか。どっちにしろ兄貴もこの体を知っている。思う存分味わったに違いない。先生を抱きながら俺は兄貴に猛烈に嫉妬した。

「動くよ、先生」

 ゆっくりとピストン運動を開始した。引くと先生の肉が絡みついてくる。押すと締め付けがすごくてとても窮屈だ。それを繰り返すと摩擦で気持ちよくなってくる。俺の先走りと先生の腸液とで中が潤ってくる。俺はだんだん速度をあげていった。

「あぁ…はぁ…先生のなか、すごくいいよ…あったかくて気持ちいい…」
「うるさ、い…っ!なにも言うな…っ」
「先生はどう?気持ちいい?」
「黙ってやれ…さっさと終わらせろ…!」

 兄貴のときはもっと可愛い態度だったんだろうか。素直に気持ちいいと言ったりしたんだろうか。俺は先生の怒った顔とか、不機嫌そうな顔、我慢してる顔しか見たことがない。二年前に聞いたあの時の先生の声はとても色っぽかった。あの声を俺にも聞かせて欲しい。

「…っ…うっ…く、手塚…!もう、出る…!」

 ティッシュを探す。手を伸ばしかけてやめた。かわりに先生の陰茎の根元をきつく握った。

「なにを…はなせ!」
「まだ出しちゃ駄目だよ、先生。俺と一緒にいこう」
「んっ、なに馬鹿なことを…!はなせ…はなしてくれ!」
「駄目だってば」

 限界にまで膨らんだ先生のものを様子を見ながらゆるゆる扱く。

「んっ、はぁっ…あ、あ…っ」
「イキそう?」

 俺の問いに素直に頷く。俺はまた根元を強く握った。

「手塚…!」
「だから下の名前で呼べってば」
「……貴之…っ」
「呼べるじゃん」

 また手を動かすと先生が安堵の溜息をもらす。しかしまた射精寸前で止めると、恨みがましい涙目で睨まれた。

「俺で遊ぶのがそんなに楽しいか」
「遊んでんじゃないよ。先生が好きなんだよ」

 乳首を触っていた手で先生の左足を抱え上げ腰を打ち付ける。少し立ち位置をかえたとき足がぬるっと滑った。視線を落とすとどちらのものともわからない体液が床を濡らしていた。こんなにいやらしい行為を繰り返しているのに、なぜ先生は俺を受け入れてくれないんだろう。

「先生はいつまでたっても兄貴のことしか考えてなくて俺の言葉なんか少しも本気にしてくれないけど、好きでもない相手とさ、こう何度もセックスしたりしないと思うんだよね。友達とも遊ばず、彼女も作らずにさ」
「ふっ、んっ、あぁっ…出る、出る…!」
「あと何回好きだって言ったら、少しは本気にしてくれる?」

 また根元を強く握りこむ。

「手塚、手を放してくれ…!もう…つらい…!」
「だから名前」
「…頼む、あぁっ、もうイカせてくれ…貴之…!」
「好きなんだよ、先生、本気で」
「はぁっ、あぁっ…あっ、もう…嫌だ、貴之、信じるから…!」

 机についた先生の両手がブルブル震えていた。もうほんとに限界っぽい。

「頼むからイカせてくれ…貴之…お願いだから…っ」
「いーよ、一緒にいこうね。中出しするけどいいよね?」

 とにかく射精したい先生はガクガク頷く。ギュッと握ったまま腰を振った。

「あっ、あぁっ…あっ、貴之…っ、も、イカせてくれ…!」
「うん、俺もイクから…手、はなすよ」
「はぁっ…あっ、あぁっ…あぁぁぁぁっ…!!」

 管を通って外へ勢いよく飛び出していく精液の流れを手に感じながら、俺も先生のなかへ射精した。


 先生は窓を開けてすっかり暗くなった外を見ていた。換気にはもう充分な時間が経っているのに、窓の前から動こうとしない。

「先生、そろそろ帰ろうよ」
「あぁ…」

 気のない返事。先に帰れと言われないだけマシなんだけど。

「さっきはごめんね、イジワルして」
「…別に」

 静かな先生の考えていることがわからない。後ろへ行って抱き付いた。いつもなら「離れろ」と言って怒るのになすがままになっている。

「先生、どうしたの?」
「貴之」
「…っ…はい!」

不意打ちで名前を呼ばれるとびっくりしてしまう。

「お前に謝らないといけない」
「えっ、何を」
「最初からお前の言葉は嘘じゃないとわかっていた。本気で好きだと言ってくれているとわかってて、わからないふりをしてきた」
「なんでっ?!」
「だって…どうせお前も俺を捨てるんだろうと思ったからだ」

 腕の中で先生が振り返る。いつもの怒った顔じゃない、弱気な表情だった。

「俺は先生を捨てないよ」
「そんな起きてもいない未来の話はもうどうでもいいんだ。大事なのはいまだって、やっと気付いたから。今までひどいことをして悪かった」

 俺の腕に手をかけて、先生がキスしてくれた。先生からなにかをしてくれたのはこれが初めてだった。

「ひどいことしてきたの、俺のほうじゃん」
「俺がそう仕向けた。手塚に仕返ししたい気持ちからお前を利用した。それなのに好きだと言い続けるお前をいつの間にか俺も好きになっていた。お前が嫉妬してくれるからわざと苗字で呼んでいた。手塚のことを思い出していたのは最初の頃だけだ。今はもうなんとも思っていない。…信じてくれるか?」

 少し首を傾けて先生が俺を見つめる。否定されるのを怯えている目だった。

「もっと好きだって言ってくれなきゃ、信じてあげない」
「好きだ、貴之」

 合わせた口から先生の舌が入ってきた。ぬるぬると舌を舐め合う。吐息がまじりあう。強く抱きしめあって、股間を擦り合わせる。二人とも勃起させていた。

「貴之…もう一度、したい…」

 少し恥じらいながら先生が囁く。断る理由もないので、俺は先生の股間へ手を伸ばした。
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