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親切が仇になる(2/2)

2014.04.15.Tue.
<前話はこちら>

 裸に剥かれた麦田はテーブルに突っ伏し、男に向かって尻を突き出していた。男は尻を割り、ピチャピチャと動物が水を飲むときのような音を立てながら尻穴を舐めた。

「はぁっ…あぁ…あぁ…んっ…気持ちいい…」

 麦田が俺の声で喘ぐ。いくら屋根付きの夜の公園といったって、横からは丸見えだ。誰かがここを歩いたら一発で何をしているかバレて通報される。

(おい、麦田!こんなの聞いてないぞ!やめろ馬鹿!)
「あっ、ごめっ…なさ…も…止められません…っ」
「謝らなくていいんだよ。気持ちいいならもっと声を出して」

 俺に向かって言った麦田の言葉に、男は鳥肌の立つようなことをねっとりした口調で言った。男は立ち上がると俺を仰向けにひっくり返した。唾液たっぷりのベロチューをしながら俺のちんぽを扱く。

「んんっ…はぁんっ…んっ…」

 おぞましいことに麦田は勃起させて積極的に男と舌を絡ませ合う。

(俺の体でやめてくれ!)

 俺が悲鳴をあげても麦田はそれを無視して、誘うように男に股間を擦りつけた。

「もう…入れて…っ…あなたの勃起ちんぽ、僕のケツマンコに入れてください…っ!」
「それじゃあ君の処女マンコ、俺のデカマラで突きまくってあげるよ」
「あぁっ…嬉しいです…っ!」
(嬉しくなんかない!やめろ!それは俺の体なんだぞ!俺は男のモンなんか入れられたくねえんだよ!その趣味は1ミリだってねえんだよ!)

 麦田は自分で膝を抱えると左右に大きく開いた。その中心へ男の怒張が押し込まれる。

「はぁぁぁっ……あっ…あぁん…おっきい…男の勃起デカマラ…僕のケツマンコ…入ってきた…っ…」
「さすが処女だけあって、キツキツだね。動くと食いちぎられそうだよ」
「あぁん…動いて…ズコズコって…いっぱい…僕…激しく犯されたいんです…」
「こんなにいやらしいのに、本当に今まで経験ないの?」
「な、いっ…ん…いつもネット見て、オナニーだけ…」
「じゃあ今日はめいっぱい、やらしいことしようね。お仲間も到着したみたいだ」

 男の目線をたどれば30代前半くらいのパーカーの男がいた。

「ムギちゃん?」
「あっ…はいっ…やぁんっ!」

 最初の男がぐぼっと奥まで突っ込み、麦田が声をあげた。

「ネットで見た写真より可愛い顔してるね。いま始まったばかりですか?」
「そうだよ。処女マンコ、先にいただいちゃったよ」
「残念。未経験だって聞いたけど、ほんとですか?」
「本当みたい。とにかくきつい」
「楽しみだな」

 信じられない内容の会話。俺の頭が真っ白になっていく。麦田は俺が寝ている間に、出会い系のネット掲示板のようなところで、今夜の相手を画像つきで募集したのだろう。俺の画像…いやらしい写真だと言っていた…そんなものがネットに出回っているなんて!

「アッ…あぁん…勃起おちんぽっ…奥まであたってっ…やぁっ…すごいっ!あぁっ!セックス気持ちいい…っ!」
「初めてなのに、すごい感じてるな」

 パーカー男が俺の乳首に吸い付いた。レロレロと舌の先で転がすように舐めながらちんぽを握ってゆるゆると扱く。先からは滔々と蜜が溢れ出る。

「やぁっ…あっ…だめっ…いやっ…あぁっ…ケツマンコ…ズボズボッって…っ!乳首っ…そんなしちゃっ…やっ…んっ!あっ!やぁっ…イク…イクッ…!」
「男に犯されながら何回もイキたいんだろ? ほら、イケよ」

 パーカーの手つきが早くなる。スーツ男の腰がさらに激しく突き上げてくる。麦田の喘ぎ声が夜の公園に響き渡る。

「いやぁっ!あんっ!あぁあんっ!だめぇっ…!はげし…いっ…うんっ!あんっ!ああぁんっ!もうっ…だめっ…イッちゃうっ!犯されながら僕、イッちゃうぅっ!」

 耳をふさぎたくなるようなことを叫びながら麦田は射精した。

「お望み通り、公衆精液便所にしてあげるよ!」
「あぁっ…!欲しい…なかっ…僕のなか…っ…出してっ…いっぱい精子入れてっ!」
(おい、嘘だろ、やめろおおおおっ!!!!)

 ドクッと体の奥に熱い迸り。ほんとに中出ししやがった…!

「まだこれで終わりじゃねえぜ」

 ずるっとスーツのちんぽが出て行くと、今度はパーカのちんぽが俺のなかに突き立てられた。すでに勃起状態のものが、スーツが出した精液を撹拌する。

「はぁぁんっ…また勃起ちんぽ、入って…きた…っ!僕のケツマンコで、知らない男のおちんぽ、しゃぶしゃぶしてるっ…!」
「こっちの口でもおしゃぶりしてや」

 関西弁に顔をあげると、テーブルに乗った細身の若い男がちんぽを目の前に差し出してきた。新しい男の登場に、麦田は嬉しそうに目を細めると、ためらいなく口を開いて男のちんぽを咥えた。関西弁の男は俺の顔の上に跨り、軽く腰を振った。のどの奥に男の亀頭が当たる。むせそうになりながら、麦田は必死にそれをしゃぶった。
 パーカーが腰を振る。スーツが俺の勃起を扱く。麦田が関西弁のちんぽをしゃぶる。いかがわしい乱交に俺はもう呆然自失。

「ほら、飲んでや」
「あっ…んぐっ…んんっ…!」

 関西弁が射精した精液を麦田はゴクと飲みこんだ。それとほとんど同時にパーカーも射精した。中には出さず、俺の体にぶっかけやがる。

「はっ…あはっ…あぁっ…精子…うれし…もっとほしい…!」

 麦田は腹にかかった精液をクチャクチャとかきまわし、体に塗り拡げた。その手を恍惚の表情で舐めとる。

「俺のザーメン、おいしい?」
「おいし…ずっと、男の人に犯され…て…ちんぽ汁、飲みたかった…」
「夜はまだまだ長いんやで。腹いっぱい飲ましたるわ」

 関西弁が俺の乳首を両手で抓る。スーツが復活したちんぽを俺のケツに突き立て、グチュッグヂュッと打ち付ける。

「あぁっ…いいっ…気持ちいい…!やっ…僕また…イッちゃ…イッちゃう…!」
「何回でもいってええぞ。淫乱ちゃん」
「やぁっ…あっ!…アァッ…!あぁぁああんんっ!!!」

 俺は声をあげて射精していた。


 ネットの履歴を見て、麦田の書き込んだ内容はすぐ判明した。

『未経験の28歳フツメン、標準体型です。複数の男たちから雄汁いっぱいで犯されたいです。めちゃくちゃにケツマンコ突かれながらザーメン汁噴きあげてよがり狂いたいです。僕を公衆精液便所にして下さい。今夜××公園で待ってます。ムギ』

 全裸でオナニーしている画像つきだ。
 すぐさま管理人に削除依頼のメールを送った。何人がこれが見ただろう。何人がこれを保存しただろう。俺の知らないところでこれが出回る可能性を考えると気が重くなった。
 麦田は2度目の射精で満足したようだった。イク瞬間、俺は麦田と入れ替わっていた。体を自由に動かせるようになったのに、男たちから逃れることができず、快楽責めにあった。しかもあのあとさらに二人増えて、俺は5人の男から犯された。
 外が白み始めると、一人の男が俺の車でやろうと言いだし、公園横に停まってあった大型バンにつれこまれ、運転席と助手席以外は座席の取り払われた後部空間で俺はまた犯された。
 家に帰ると泥のように眠った。丸1日経ってようやく目が覚め、最初にやったのが記事の削除依頼、そのつぎにシャワーだ。体中に男たちの精液がこびりついていた。臭いが立ち込めていた。シャワーを浴びていると、肛門からドロリと大量のザーメンが垂れてきた。

「んっ…くそっ…なんで俺がこんな目に…!」

 もう2度と幽霊なんかとかかわらない。絶対。絶対にだ!
 肛門に指を入れて男たちの精子を掻きだす。そこは度重なる摩擦で腫れぼったい。ドロッ…と大きな塊が内股を伝う。

「はぁ…はぁ…くっ…」

 俺は勃起させていた。指で尻穴を弄りながらちんぽを扱いた。

「はぁっ…あぁ…くそ…あぁ…んっ…」

 男たちから受けた凌辱を思い出しながらちんぽを扱く。
 俺が男を求めて掲示板に書き込むまでに、そう時間はかからなかった。

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親切が仇になる(1/2)

2014.04.14.Mon.
 うっかり目を合わせちゃって、しまった、と思った。
 そいつは俺に気付くとすぐさま声をかけてきた。無視して自宅のマンションへ入ってもなかまでついてくる。こういうのは相手にしないに限る。下手に構うとずっと付き纏われることになるんだから。

「僕の声、聞こえてるんですよね!?さっき俺と目があいましたもんね!?どうして無視するんですか!こっち見て下さいよ!」

 テレビの前に割って入ってアピールしてくる。年は俺と同じくらいに見えるから…二十代後半。スーツ姿で真面目そう。気の毒とは思うけど相手にはしない。
 どういう未練を残して死んだのか知らないが、生きてる人間を使ってその無念を晴らそうとする一部の幽霊がいる。そんな幽霊にとっての救世主が、俺のように見えてしまう人間だ。

 昔から見えるのが当たり前で、みんなも見えているのだと思っていた。遊んでいるとき、俺は他の友達より多くの人数を認識した。勘定に入れると間違いだと言われた。そこにいると指さした子供は他の誰にも見えなかった。投げたボールが体をすり抜け地面に落ちた。それを見た周りの友達が不気味そうに俺を見たので、コレは俺にだけ見えて、それは誰にも言わないほうがいいことなのだと気付いた。だから見えても見ないふりをしてきた。
 生きてる人だと思って相手をしてしまったときは大変だった。付き纏われ、愚痴を聞かされ、泣き言に付き合わされ、こちらが淡白な態度だと怒って憑りつかれて体調を崩したりした。
 同情すべき点もある。だがもう死んでしまったのだから、諦めて欲しいとも思う。せめて無関係な俺は巻き込まないでほしい。

「そういう態度って一番腹立つんですよね!事なかれ主義ってやつですか?!聞こえてるのに無視するって陰険ですね!同じ男として軽蔑します!」

 何を言われても無視無視。
 晩飯食って風呂に入る。その間も奴はキャンキャン吠えていたが、寝支度を整えふとんに入る頃にはベソをかいていた。

「いいですよ、いいですよ…そうやって無視してればいいですよ…グスッ…どうせ僕は見る価値も、話す価値もない男ですよ…グズッ…どうせね、どうせ…シクシク…」

 大の大人がメソメソやってるのは鬱陶しいが、正念場だと思って目を閉じる。

「シクシク…どうせ…童貞のまま死んじゃう奴なんか、ごまんといるし…グスッ…あの世に往く前に一回やりたかったなんて、贅沢な望みだし…どうせ死んじゃったからできないし…グスングスン…」

 童貞を嘆く幽霊かよ。今までいろんな無念を一方的に聞かされてきたけど、こんなアホで馬鹿らしいのは初めてだ。

「フフッ……」
「あっ!いま笑いましたね!人の童貞を笑うなんて!!童貞のまま死んだ成人男性の無念さがあなたにはわからないんですか?!きっとあの世でも馬鹿にされるんだ…!」
「いや、大丈夫でしょ」

 うっかり返事をしてしまったのは、そいつのこの世への未練があまりにバカバカしいものだったのと、幽霊のくせにあまりジメッと恨みがましくないせいだ。

「他人事だからそんな簡単に言える…あっ、いま返事してくれましたね?!やっぱり僕が見えてるんですよね!声が聞こえてるんですよね?!いまのバッチリ証拠掴みましたよ!もう言い逃れできませんよ!」

 横目に見れば腰に手をあてて、胸を張っている。こんなに活き活きした幽霊、なかなか珍しい。

「でも俺、あんまり死人と関わりたくないんだけど」
「人との関わりが苦手なタイプの人ですか?僕もそうでした。でも死んでから気付いたんです、引っ込み思案で得することなんか何もなかったって。恋人できないし、葬式に来てくれたのは会社の人だけだし、あの世の説明に来てくれた人が、僕の葬式みてpgrですよ。友達いねーのかよ!って腹抱えて爆笑するんですよ。恥ずかしくて飛び出して来たら迷っちゃって。そうしたらあなたに会えました。もう運命って気がしてます。俺を非童貞にしてください!」

 正座して鼻息を荒くしている。
 俺もふとんの上に胡坐を組んで煙草を一本吸った。どこから突っ込んでいいかわからない。

「死んだのに非童貞にはもうなれないでしょ」
「あなたの体を貸して下さい!」
「俺の体でセックスしたって、あなたの体じゃないから童貞にかわりないでしょ」
「肉体的に童貞でも、精神的に非童貞なら、あの世でも一人前の顔して歩けます!」
「いや、俺、体貸したりする経験ないんで…」
「大丈夫です!寝てる間お借りするだけなので!あなたは夢見てるようなもんです!ちゃちゃっと童貞捨ててきますから!」
「風俗行く気?」
「そんなとこです!一回いってみたかったんです!ほんとはすっごく興味あったんですけど、生きてる間は恥ずかしいし、なんだか怖いし抵抗あって…でもどうせ死んだんだから、悔いのない大往生をしたいんです!まぁ一種の恥のかき捨てってやつです!」

 俺の体で恥のかき捨てすんなよ。

「本当に一度だけでいいので!一回だけ!」
「いや、でもなぁ」
「一生のお願いです!この機会逃したら俺、一生成仏できません!ずっとあなたに付き纏いますよ?」

 ゾワッと寒気がして鳥肌が立った。冷たい気配は過去に覚えのある嫌な感じ。断ったら本気で俺に憑りつく気だ。

「本当に一回だけ?」
「一回だけ!」
「俺が寝てる間に終わる?」
「終わります!朝にはいなくなってますから!」
「風俗行くだけ?」
「はい!」
「犯罪的なことはしない?」
「しません!セックスしてくるだけです!」
「はぁ…店選びは慎重にしてくれよ。病気とか怖いから。金も財布に入ってる分だったら好きに使って。香典がわり。あんたの名前も知らないけど…」
「あっ、僕、麦田っていいます!」
「麦田さんね。ほんとにこれっきりにしてよ」
「ありがとうございます!」

 俺が不利になるようなことをする悪い奴とは思えず…俺は一晩体を貸してやることにした。俺自身、最近溜まり気味ですっきりしたかったという打算もあった。


 夜の街を歩いていた。知らない場所。知らないネオンの明かり。自分の体なのに自分の体でないような浮遊感があった。思い通りに体が動かないせいもあり、これは夢か、と思った。夢にしてはすべての感覚が明瞭で、色もついているし気温も感じられるし、物音や周囲の気配も肌で感じる。こんなにクリアな夢は初めて見る。

「起きたんですか」

 俺がしゃべった。しゃべったつもりはないのに、俺は勝手にしゃべっていた。しかし相手がいない。俺は誰に向かってしゃべったんだ?

「ふふっ。混乱してますか?僕です、麦田です」

 名前を聞いてすべてを思い出した。童貞の幽霊、麦田に体を一晩貸してやったことを。

「お言葉に甘えて体借りてます。やっぱり生きてるっていいですね。人から見えてるっていいもんですね」

 すれ違う人が怪訝な顔をする。当然だ。俺はいま、一人でしゃべってるんだから。

(あんまり妙なマネしないで、さっさと童貞捨ててこいよ)

 俺がしゃべっても俺の口は動かない。声もでていない。だが麦田には届いているようだった。

「そうします」

 そう返事をすると、麦田はいくつか角を曲がって公園に入って行った。

(おい、風俗はよ)
「ここで待ち合わせなんです。もうすぐ来てくれると思います」

 と言って屋根つきの野外卓に腰をおろした。出会い系ってやつか。

(未成年じゃないだろうな?)
「大丈夫ですよ。来たみたいです」

 麦田はベンチから腰をあげた。暗がりを歩く人影。どんな女だと思って目をこらす。近づくにつれ輪郭がはっきりしてくる。でかい女だ。いや違う…男だ。40くらいのスーツ姿の男は俺の目の前で立ち止まった。

「君がムギちゃん?」
「そうです」

 男に声をかけられ、麦田が返事をする。

(ちょ、待て麦田!これどういうことだ!)
「俺が一番乗り?」

 男が麦田…というか俺の体に腕をまわす。

「はい。誰も来てくれなかったらどうしようかと思ってました」
「君のいやらしい写真見た奴らは全員来るんじゃないかな」

 いやらしい写真ってなんだ!?麦田はなにをしたんだ?!

「初めてだって書いてたけど、本当?」
「本当です」
「初めてなのに、あんなことして欲しいの?」
「はい…僕がずっと妄想してたことです」

 男が俺にキスしてくる。ぬるっと舌が入ってきて中をヂュウヂュウと啜り上げる。

「ふぁっ…ぁ…」
「知らない男に犯されたかったの?」
「はい…」
「じゃあ、望み通り、犯してあげるね」

 男は恐ろしいことを口にした。


まさかこれが恋なんて