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更新履歴・お知らせ

2017/11/20
雨の日の再会1、更新

2017/11/19
ピンクの唇、完結

2017/11/2
赤い爪、完結

2017/10/28
スカートめくり、完結

2017/10/23
続続続・ひとでなし2、完結

2017/10/22
続続続・ひとでなし1、更新

2017/10/21
続続・ひとでなし2、完結

2017/10/20
続続・ひとでなし1、更新

2017/10/19
続・ひとでなし2、完結

2017/10/18
続・ひとでなし1、更新

2017/09/08
ひとでなし2、完結

2017/09/07
ひとでなし1、更新

2017/09/02
ほんとにあったら怖い話2完結

2017/09/01
ほんとにあったら怖い話1更新

2017/07/28
コンビ愛更新、完結

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

2014/02/20
先生 その1(1-2)更新。
先生 その1(2-2)更新。完結

2014/02/19
娘さんを僕にください更新。完結

2014/02/18
ノビ更新。完結

2014/02/17
ノビ更新。

2014/02/16
1万3千円更新。完結

2014/02/15
1万3千円更新。

2014/02/14
ファンレター更新。完結

2014/02/14
ブログ始動。
「ファンレター」公開。

よろしくお願いします。

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薔薇色の日々
  (「裏の顔」改訂版)

不埒な短編集
 短編3つ

不埒な短編集第二
 短編3つ

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健やかなるときも病めるときも(1/1)

※アンケート1位小説「兄弟」

 兄の尚樹は昔はデキが良かった。頭も容姿も人よりぬきんでていたので女にもモテまくっていたが、高校に入っても一向に彼女を作る気配がなく、しかも徐々に成績も落ちてきたので心配した親が尚樹と話し合ってみた結果…尚樹はゲイだということが判明した。
 男しか好きになれず、そのことで悩み勉強が手につかないのだと。
 尚樹の性癖がわかったことで我が家は大混乱。期待していた母さんは寝込んでしまい、自慢の息子がゲイだとわかった途端、父さんは家にいるのが嫌なのか帰りが遅くなった。浮気していたらしかった。尿意で目覚めた深夜、両親が言い争う声で知った。
 階段の一番上で、醜い言葉の応酬を聞いていると、トンと肩を叩かれた。

「寒くないのか?」

 兄の尚樹はどこかへ出かけるかのような服装をしていた。

「どっか行くの?」
「うん」

 ため息交じりに前髪をかきあげる。

「家、出ようと思ってるんだ。今日は無理そうだけど」

 下に目をやって苦笑する。

「家出すんの?」
「うん。迷惑かけてごめんな、貴之」
「ずるいよ。俺が一人になるじゃん」
「…ごめん、貴之」
「俺も連れてってよ!」
「ばか言うなよ。お前はちゃんと学校行け」
「尚樹のせいでこうなったんじゃん!なのに一人で逃げるなんてずるいよ!もとに戻してから行けよ!それが出来ないなら俺を置いていくなよ!」

 泣きながら尚樹に縋り付いた。昔から親の期待は兄の尚樹が背負っていた。一時はそれが妬ましく、この家で疎外感を感じていたが、好き勝手にできる自由に気付いてからは、塾だなんだと我慢を強いられる尚樹よりはましだと思えるようになった。この家は尚樹を中心になりたっていた。その尚樹がゲイだとわかっただけで両親は仲違いするくらいなのだから、いなくなったらもう家族としては成立しないだろう。完全な家庭崩壊だ。
 俺が一晩中泣いて怒って引き留めるので、尚樹は自分が高校を卒業するまでは家にいると約束した。そして高校を卒業後、本当に家を出ていった。尚樹の行動を監視していたから、父さんたちが300万渡して尚樹を家から追い出したことは知っていた。

「落ち着いたら連絡する」

 俺の部屋の机に、尚樹の短い置手紙があった。


 あれから高校を卒業し、俺は大学へと進んだ。両親はあいかわらず仮面夫婦を続けていた。尚樹がいなくなってやっと俺の存在を思い出したようにすり寄ってきたが適当にあしらい、就職が決まり、大学を卒業すると同時に俺も家を出た。
 尚樹が家を出てから6年。一度も連絡を寄こさない薄情な尚樹にはじめは怒りを感じていたが、自分が大人に近づくにつれ、時間がたつにつれ、それもだんだんおさまった。それとは逆に、どこで何をしているのかと心配と不安だけが募っていった。

 家を出てから3年がたったある日、職場の同僚と飲みに行った帰りの駅で、尚樹を見つけた。一目ではわからなかった。どこかで見たことがあるような…そんな気がしてチラチラ何度も盗み見して、やっと尚樹だと気付いた。俺のよく知る尚樹とは違って大人びて見えた。年月を考えれば当然だが、他人のように思えてならなかった。
 尚樹は俺に気付かず改札へ向かって歩いていく。俺もその後をつけ、来た道を戻った。改札を抜けた尚樹はずんずん歩いて何度か角を曲がるとマンションのエントランスに足を踏み入れた。郵便受けで郵便物を取り出すと、エレベーターに乗り込む。俺も慌てて階段を駆け上がった。
 俺が到着する少し前にエレベーターは5階についていた。廊下を歩く尚樹の後ろ姿を見つけあとを追いかける。足音に尚樹が振り返った。顔を前に戻し、また振り返る。

「…貴之?」

 びっくりした顔で立ち止まり、目の前まで追いついた俺と正面から向き合う。

「ほんとに貴之か?」
「薄情もの!」

 つい口をついて出たのはそんな言葉だった。元気で良かった、ホッとした、そう安堵したあとは、俺の知らない場所で知らない時間を過ごしてきた尚樹を目の当たりにして、子供に戻ったような気持ちで尚樹を責めていた。

「ごめん」

 尚樹は昔みたいに俺に謝った。

「連絡するって言ったくせに」
「ごめん」
「俺、ずっと待ってたのに」
「…ごめん」
「俺のこと、どうでもよかったんじゃん」
「そうじゃないよ」
「一回も連絡よこさなかったくせに」
「しようと思ったけど、できなかった」
「嘘だ!」
「嘘じゃない。貴之も俺と関わらないほうがいいと思って」
「そう言ったのは父さんたちだろ!結局尚樹はいつまでも親の言いなりじゃん!だったらホモやめておとなしく家にいればよかったじゃん!なんでホモなんて言っちゃったんだよ!尚樹のせいで家族めちゃくちゃになったんだろ!なんで俺を置いていったんだよ!なんで連絡してこなかったんだよ!尚樹の嘘つき!薄情もの!」

 尚樹はただ項垂れて聞いているだけだった。興奮している俺も後ろから近づいてくる足音に気付かなかった。

「お取込み中悪いけど、近所迷惑だと思うぞ」

 二人そろって声のしたほうを見ると、スーツ姿の男の人が立っていた。

「和臣…」

 尚樹が親しみのこもった声で呼びかける。それだけで、二人がただならぬ関係だとわかってしまい、俺は思わず男を睨み付けた。

「話はなかでしたらどうだ?」
「あっ、そうだね。和臣…ごめん…」
「俺は帰るよ。じゃあまた連絡する」

 手をあげて男は踵を返した。どうも尚樹と約束をしていたようだ。

「貴之、中、入って」

 尚樹は部屋のドアを開けた。


「なにか飲む?」

 ジャケットを脱いだ尚樹がキッチンで腕まくりをする。

「さっきの、誰」
「あぁ、柳瀬さんって人」
「恋人?」

 尚樹はふっと鼻で笑った。

「ただの知り合い」
「親しそうだったじゃん。俺がいなかったら何するつもりだったんだよ」
「貴之には関係ないだろ」

 なにもないな、と呟いて尚樹は缶ビールを二本持って戻って来た。その一本を受け取り一気に半分をあける。

「絶対エッチする気だったくせに」
「違うってば。あの人、俺に恋愛感情ゼロだから」

 手許の缶ビールに目を落としうっすら笑う尚樹はなんだか寂しそうで、尚樹が男に抱く感情に気付かされるには充分だった。

「ふぅん。俺のことほったらかして、自分は男と楽しくやってたんだ!俺のことなんか忘れて!めちゃくちゃにした家族のことなんか忘れて!いいね!そういう無責任な生き方、俺もやってみたい」
「貴之には本当に申し訳なく思ってるよ…」
「謝ってなんか欲しくない!許すつもりないから!」

 ダンと缶ビールをテーブルに叩きつけて立ち上がる。そのまま玄関へ向かうと尚樹が追いかけてきた。

「もう帰るのか?」
「俺がいたらあの柳瀬って人とエッチできないだろ」
「だから、それは…」
「何も聞きたくない!」

 部屋を飛び出し、階段を駆け下り、駅まで走った。


 同僚の誘いを断ったのに、俺は一人で酒を飲みに行き、酔った勢いで風俗へ行き、これでぐっすり眠れるんじゃないかと思って駅のホームに立ったが、気付くと尚樹の部屋の前にいた。
 インターフォンを押す指がためらって宙で止まる。柳瀬が中にいたらどうしよう。真っ最中だったらどうしよう。柳瀬に組み敷かれる尚樹を想像したらカッと頭に血が上り、インターフォンを連打していた。

「ちょっ、うるさいよ」

 尚樹が慌てて出てくる。視線を落として靴チェック。それっぽい靴はなくて安心する。

「ちょっといい」
「…いいよ」

 仕方ないって感じで尚樹はドアを広げた。
 数日前に初めて訪れた尚樹の部屋。ワンルームの部屋はどこも似たり寄ったりで、俺の部屋とベッドやテレビの配置が同じなのがおかしかった。今日は二人掛けのソファに腰をおろした。尚樹は絨毯のないフローリングに胡坐を組んだ。酒を飲んでいたのか、テーブルには酒のビンや缶が何本か並んでいる。

「いつもこんなに飲むの?」
「今日はなんの用?」

 迷惑そうな言い方に傷ついたが、尚樹の目が真っ赤に充血していることに気付いてそれどころじゃなくなった。

「どうした、尚樹?泣いてたのか?!」
「貴之には関係ない」

 と、そっぽを向く。ソファをおりて尚樹の横に膝をついた。

「関係なくない。なにがあった?!」
「別に…振られただけ…」
「柳瀬に?」
「そう。恋人が出来たからもうセックスしないって」
「やっぱあいつとセックスしてたんじゃん」
「俺が誰と寝ようと関係ないだろ!」

 顔をこちらへ向けて尚樹は珍しく声を荒げた。今にも泣きそうな顔をしている。尚樹を組み伏せる柳瀬を想像したら腹が立ったのに、尚樹を振りやがったのかと思うとその倍、むかついた。

「あいつが好きなのか?」
「少し…いいなって…俺が恋人になれたらなって…少し、思ってただけ」

 伏せた目に涙が溢れる。その頬を両手で挟み、上を向かせながら自分も顔を寄せた。唇が触れ合うと、尚樹は驚いて目を見開いた。

「たか…なに…」
「俺じゃ駄目なの?」
「何言ってるんだ…兄弟で…」
「俺は尚樹のこと兄弟だって思ってない。ずっと、好きだったから」
「…っ!」

 酷く驚いた様子で尚樹は絶句する。頭が良くても尚樹はぜんぜん俺の気持ちに気付きやしなかった。俺の肉欲にまみれた視線にも、欲望を模倣した接触にも、なにも。
 好きだと自覚したのは小学生のとき。熱を出して寝込む俺を親身になって看病してくれたのは尚樹だった。冷たい指先に欲情し、その夜、幼いペニスを押さえつける自慰で初めて抜いた。熱のせいかとも思ったが、熱が下がって元気になっても尚樹を思うと勃起した。それ以来、尚樹を兄としてでなく性の対象として見るようになった。
 俺がキスしようとすると、尚樹は顔をそむけた。

「だめ…だ、兄弟で…そんな…父さんたちは知ってるのか?」
「知らない。家出てから連絡もしてない。尚樹を追い出した奴ら、どうだっていい」
「貴之…っ!そんなこと、言っちゃだめだ」
「俺には尚樹だけでいい」

 ぎゅっと抱きしめる。尚樹は逃れようと抵抗していたが、俺が離れないとわかると、諦めて力を抜いた。
 俺は尚樹を押し倒した。


 一生触れられないと思っていた。手に入らないと思っていた。その尚樹がいま、一糸まとわぬ姿で俺の目の前にいる。俺の指や舌に感じて反応している。

「んっ、んっ、アッ…あぁ…っ」

 切なげな表情で甘い声をあげる尚樹を柳瀬やほかの男も見てきたのかと思うと、腹の底がどす黒くなる。体に刻まれたほかの男の痕跡を記憶ごと上書きしてやる。執拗な愛撫に尚樹は体をよじり、嬌声を上げ続けた。
 乳首を吸って甘噛みする。

「いやっ、アッ」

 尚樹は俺の頭をかき抱き、腰を浮かして背をしならせる。感じやすい体。ずいぶんと慣らされた体に嫉妬の念が燃え盛る。
 指で解した場所へ自分の屹立を押し込む。全部がおさまると尚樹は少し泣いた。俺が腰を動かすと涙声で喘いだ。

「んっ…んんっ…あっ…んふっ…うっ、アッ、アンッ…」
「好きだよ、尚樹。尚樹も俺のこと、好きになってよ」
「はっ、んっ、アッ…あっ、アンッ…だめっ…貴之ッ…やっ、アッ…あぁッ…」
「なにが駄目なの。俺のぐっぽり咥えこんじゃってんじゃん。一突きごとに感じまくって喘ぎまくってんじゃん」
「やっ、あっ、言うな…んっ、やっ、アッ…あぁ、んっ」
「あの男のこと、俺が忘れさせてやるから。だから俺のこと好きになれよ」

 腰を寄せる動作とともに穿ちこむ。息をつめて尚樹は顎を反らせた。何度も何度も、強く深く打ち付ける。摩擦に結合部が泡立ち、粘着質な音を立てる。

「うっん、やっ…あっ、アンッ…だめっ、たか…ゆきっ…あんっ、やっ、アッ、だめっ、やだっ…あっ、あうっ…も…だめっ…出ちゃうっ…!」
「まだイッちゃ駄目」
「ど…して…っ」

 赤く濡れた目が俺を見る。ぞくぞくする表情は股間に新たな活力を生む。

「だってまだ尚樹のその顔見てたい。その声、もっと聞いていたい」
「貴之…っ」

 かあっと顔を赤く染める尚樹も可愛い。
 身体を倒してキスした。乗り気じゃなかった尚樹も、俺がペニスを少し扱いてやると震える舌を絡めてきた。俺の唾液を飲み下した。
 尚樹を見下ろしながら突き上げる。

「はぁっ…んっ、あっ、いいっ…あっ、あぁ…気持ち、いいっ…」
「もっと気持ちよくしてあげるよ」
「あんっ、んっ、もっと…気持ちよく…してっ…貴之…もっと、奥まで、きて…っ!」

 何かを吹っ切ったのか尚樹は積極的に俺を求めた。俺もそれに答えた。今はまだ尚樹の頭のなかに柳瀬がいたとしてもいい。時間をかけて、尚樹の中を全部、俺だけにかえてやる。

「やっ、あっ、あんっ、やだっ、も…貴之ッ…やだっ、イクッ…もう…イッちゃうっ…!!」
「尚樹は俺のものだよ」
「やうっ…やっ、アッ、ああぁぁんっ!!」

 盛大に精液を噴き出す尚樹を見ながら、俺も尚樹の中へ射精した。


 ベッドのなかでカチリとライターで煙草に火をつける俺を見て、「貴之も大人になったなぁ」と尚樹はしみじみ呟いた。

「何年ほったらかしにしてたと思ってんだよ」
「ごめんってば」

 責めるつもりじゃなかったとキスすれば、尚樹も目を閉じて唇を合わせる。

「一緒のお墓に入ろうよ」

 鼻をこすり合わせたまま言うと、尚樹はぷっと噴き出した。

「すごいこと言うな」
「俺、本気なんだけど」

 俺の顔を見て、尚樹も笑みを決して真剣な顔になった。

「兄弟だってわかってる?」
「生まれたときからわかってる」
「男同士だってことも?」
「尚樹のチンコにすごく興奮する」
「馬鹿」
「俺のオナネタは最初からずっと尚樹だぞ。こんな一途な男、ほかにいるか?」
「…いないね」

 言葉と裏腹に、尚樹は少し寂しそうに笑った。俺の言葉を信じきれないのかもしれない。時間をかけて信頼してもらうしかない。

「今すぐ好きになってくんなくていい。いまは弟としてでいいから、俺のこと、好きになって」

 すると尚樹は意外そうな顔で、「なに言ってんだよ、好きに決まってるだろ」と言ってくれたので、まぁ及第点。25年待てたんだから、あと何年だって待てる自信あるし。

エンドゲーム(1)



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2014-04-03(Thu) 20:19| 健やかなるときも病めるときも| トラックバック(-)| コメント 1

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