兄弟愛(3/3)
2014.03.21.Fri.
<1話はこちら><2話はこちら>
例の一週間が終わってから、航士はまた前みたいに部屋に引きこもるようになり、俺との会話を避け、顔つきも以前と同じ無表情に戻ってしまった。二人きりでいたって気まずいだけなのに、俺はなんとか航士と会話の糸口を見つけようと学校が終わると日菜子のデートの誘いも断ってそそくさ帰宅し、航士の挙動に神経を張り巡らせている。俺から話しかけても「うん」とか「へえ」とか「いらない」とかそんな短いセンテンスの言葉しか返ってはこないんだけど。そしてそれがむしょうに寂しいんだけど、俺はめげずに航士と二人の時間を作り、機会があれば話しかける毎日を続けて早一か月。
キスしたり、抱きしめられながらペニスを扱かれたり、体の中を指でさんざん弄られたりしていたなんて、遠い昔のことのようだ。夢だったんじゃないかとさえ思える航士の淡白ぶり。まるで俺に執着なんてなさそう。ほんとに航士は俺のこと、すっぱり諦めちゃったんだろうな…
そう考えると気が重たくなって自然とため息が出てきた。俺、なんでこんなに落ち込んでるんだろう?
家の前についた。鍵を開けて扉を開けると、玄関に見慣れぬローファー。サイズやデザインから女物のようだ。耳を済ますとリビングから女の笑い声。かすかに航士の声も聞こえる。
航士が女を連れ込んでる……?!
カッと頭に血が上った。靴を脱ぎ捨てリビングの戸を開けた。ソファに座っていた二人がびっくりしたようにこちらを振り返った。航士の顔には笑みが残っていた。最近俺には見せない笑顔を、横にいる女には見せてたってことかよ!
隣の女は航士と同じ学校の生徒のようだ。日菜子に負けず劣らず可愛い…。
あぁ、そういうことかよ。俺を諦めたらさっさと女作ったってわけか!
「あ、航士くんのお兄さんですよね。お邪魔してます」
髪を揺らしながら彼女が軽く頭をさげる。俺はぶすっと会釈を返して自分の部屋へ逃げ込んだ。
床に鞄を投げ捨てた。ムシャクシャする。思い切り怒鳴って当り散らしたい。俺は頭を掻きむしった。なんのために日菜子のデート断って帰ってきたんだよ!なに女連れ込んでんだよ!俺が好きじゃなかったのかよ!なんで女なんか…!
ベッドに寝転がる。天井を睨みながら、俺の全神経は階下の二人へ注がれる。今頃楽しくおしゃべりしてるんだろうな。笑いあってじゃれあって。手の早い航士のことだからキスとかしてたりして…キスだけじゃなく、胸揉んだり、スカートの中に手を…
「くそっ!」
横向きになって膝を抱えた。航士の唇も、指も、声も、体も、全部俺のだ!
そろそろと指を股間に伸ばす。半立ち。ベルトを外しズボンと下着を膝までおろした。目をとじ、航士を思って指を動かす。
「はぁ…ぁ…航士…航士ぃ…」
航士に触ってもらいたい。航士にキスしてもらいたい。航士の体温が恋しい。
ベッドの下の引き出しから小さい紙袋を取り出した。日菜子に使おうと思って買ったままだったローターだ。それにオイルをなすりつけ、自分の肛門にあてがう。
俺がこんなオナニーしてるのも航士のせいだ。あの馬鹿が俺をこんな体にしたんだ。あいつが日菜子とのセックスでは味わえない快感を俺に教えたから。なのに航士は女と…航士の馬鹿野郎!
ローターを中に押し込んでスイッチを入れる。振動を感じながらちんぽを扱く。
「航士っ…はっ…航士ぃ…触って…んっ…触って欲しいよぉ…航士じゃなきゃ…俺…やだ…航士ぃ…」
切なくて泣きそうになりながらマスをかいていると…
コンコン
「兄さん?」
ノックの音とともに航士の声が!
「えっ」
ケツ穴にローターぶちこんでオナニーしてた俺は大慌てで下着とズボンをもとに戻し、ベッドから飛び降りた。ローターは入れたままだが、今にも航士が入ってきそうな気がしたんで仕方がない。平静を装ってドアをあける。
「なんだよ」
ちょっと声がかすれた。
「呼ばれた気がしたから」
確かに航士の名前を呼びながらちんぽ扱いてました。
「気のせいだろ」
ぜんぜん気のせいじゃないです。…静かになるとローターのモーター音が聞こえてくる気がする。なにかしゃべらなくては。
「か、彼女、放っておいていいのかよ」
「さっきの?もう帰ったよ。ちょっと勉強教えてほしいってうちに寄っただけだから。それに、彼女じゃないよ」
「えっ、違うのか?」
やった!と思った気持ちが素直に顔に出てしまった。航士はそんな俺を見てくすっと笑った。あ…久しぶりに俺に笑ってくれた。
「なんだか兄さん、怒ってたみたいだったけど」
「お、怒ってなんかねえよ」
「ほら、怒ってる。彼女だと思って妬いてくれたの?」
「…すぐ、女に乗り換えたのかと思っただけだよ」
「乗り換えたらやだ?」
「や…やだ…」
「どうして?」
「やだから」
どんどん顔が熱くなる。きっと真っ赤になってる、俺の顔。
「どうして嫌なの?教えて」
航士が部屋に入ってくる。俺は追い詰められたみたいに後退する。
「だって航士は…俺のだから…俺しか好きになって欲しくない…俺だけを好きでいてほしい」
静かに航士が息をのむ。そして優しく微笑んだ。
「いまだって僕は兄さんだけが好きだよ」
そして顔を近づけてきて、俺にキスした。
口を繋げたままベッドに押し倒された。水音の立つほど舌を絡めてくる。一か月ぶりの航士とのキス。航士の熱。航士の匂い。幸せに包まれる。
航士が俺の服を脱がせていく。アンダーシャツの下に手を入れ乳首を弄ってくる。俺の息が乱れる。
「はんっ…んっ…航士、そこ…いいっ…」
「兄さんは乳首もモロ感だもんね」
シャツをめくって航士が乳首に吸い付いた。歯で甘噛みされ、舌の先で小刻みに転がされ、押しつぶされたり吸われたり。もう俺は腰砕け。体をくねらせていると、股間のローターからビリビリッと快感の直撃があった。
「あぁああっ!」
「どうしたの?」
航士が驚いて尋ねる。ローターは依然として俺の前立腺を刺激し続ける。
「はぁっ…んっ…あっ、あっ…航士…や…抜いてっ…あそこの…抜いてっ…やっ、やだっ…イキそう…抜いてっ…!」
膝をこすり合わせてもじもじしている俺を見て航士は気付いたらしかった。ズボンと下着を脱がせて膝を割る。肛門からたらんと垂れるコードと小さなスイッチ。耳を澄ませばくぐもったローター音。
「兄さん…こんないやらしい物入れてたの?」
「ごっ、ごめん…っ、だって…航士が触ってくれないから…っあ…俺、ずっと航士に触ってほしかった、のに…っ…んっ、やっ…あっ…」
「いけない兄さんだね。こんなオモチャが僕のかわりになるの?」
ゆっくりコードを引っ張られる。熱く潤んだ内部をローターがゆっくり移動する。
「やぁああんっ…だめっ…動かすなっ…そんな…やっ、航士っ…やだっ…」
「罰として、オモチャでイッてもらおうかな?」
「やっ、だっ…やだっ…ごめん、航士ぃ…やだぁ…航士の欲し…っ…航士のチンポ欲しいっ…俺の中、いっぱいかき回して…!航士のチンポでズボズボってして!」
「いやらしい兄さんだ」
俺の膝を押し広げて、航士はすでに勃起していたペニスを俺の中に入れてきた。
「あっ!やんっ!まっ…てっ…ローター…なかっ…まだ…はいってっ…!」
「入ってるね。先っぽに当たって気持ちいいよ。兄さんも気持ちいいだろう?」
航士が腰を振り始めた。一番奥でローターがブルブル震えている。直腸から体中に振動が伝わる。さらに航士が激しく腰を振って俺のなかをめちゃくちゃに擦りあげる。苦しいほどの快楽。
「…ぐっ…んっ…やっ…ぁああっ…やぁ…だっ…航士っ…だめっ…おかしくなるっ!そんなっ…動かないで…っ!気持ち、いいっ…!よすぎてっ…おかしくなっちゃう!航士!やだぁ…ッ…イクッ…イクッ…!イッちゃうよぉーー!」
触ってないのに俺のちんぽから勢いよく精液が飛び出した。ビュクビュクと俺の胸にまで飛んでくる。
「はぁ…ぁんっ…まだっ…また、クル…っ、もう、航士っ…止めてっ…またキタっ…またイク…!」
今度は少量の精液。ほとんどドライの域。俺は我を失いそうな快感が怖くて航士の腕をしっかり掴んだ。
「大丈夫だよ、兄さん。思う存分声を出して、イッていいんだよ」
「航士ぃ…航士ぃ…っ!」
「ここだよ、兄さん」
「好きっ…航士が好きっ…大好きっ…だから、もっといっぱい、して…!航士のちんぽ、いっぱい欲しいっ…ほんとはずっと航士のちんぽ入れて欲しかったんだ…いっぱいキスして、いっぱい触って欲しかったのに…俺、寂しかったんだからな!」
泣きながら告白していた。体を倒した航士がキスをくれる。俺はひな鳥みたいに必死に航士を求めて口を尖らせた。
「ごめんね。もう放っておいたりしないよ。僕は兄さんのものだから」
「約束…だぞ…」
「約束だよ」
体を裏返しにされて、腰を引き寄せられた。深い挿入に息がつまる。獣の体位で航士を受け入れる。航士も荒い息遣いでグチュグチュッと音を立てながら腰を振る。
「兄さん、イクよっ!」
「うんっ!中に!俺のなかに出して!航士の精子、中に欲しいんだ!」
「兄さんっ……!」
熱い奔流が奥に注がれる。それを感じながら俺も射精していた。
航士は俺を焦らしながら中からローターを抜き出した。航士の精液まみれのそれはホカホカ湯気が立ち上りそう。
「いいオモチャだね。これからエッチのとき、使おうね」
優しくも意地悪く航士が笑う。それを見た俺の股間がズクンと感じる。
兄弟とか男同士とか、問題は山積みなんだろうけど、航士と一緒にいられるなら、なんだって乗り越えられる気がするんだ。
例の一週間が終わってから、航士はまた前みたいに部屋に引きこもるようになり、俺との会話を避け、顔つきも以前と同じ無表情に戻ってしまった。二人きりでいたって気まずいだけなのに、俺はなんとか航士と会話の糸口を見つけようと学校が終わると日菜子のデートの誘いも断ってそそくさ帰宅し、航士の挙動に神経を張り巡らせている。俺から話しかけても「うん」とか「へえ」とか「いらない」とかそんな短いセンテンスの言葉しか返ってはこないんだけど。そしてそれがむしょうに寂しいんだけど、俺はめげずに航士と二人の時間を作り、機会があれば話しかける毎日を続けて早一か月。
キスしたり、抱きしめられながらペニスを扱かれたり、体の中を指でさんざん弄られたりしていたなんて、遠い昔のことのようだ。夢だったんじゃないかとさえ思える航士の淡白ぶり。まるで俺に執着なんてなさそう。ほんとに航士は俺のこと、すっぱり諦めちゃったんだろうな…
そう考えると気が重たくなって自然とため息が出てきた。俺、なんでこんなに落ち込んでるんだろう?
家の前についた。鍵を開けて扉を開けると、玄関に見慣れぬローファー。サイズやデザインから女物のようだ。耳を済ますとリビングから女の笑い声。かすかに航士の声も聞こえる。
航士が女を連れ込んでる……?!
カッと頭に血が上った。靴を脱ぎ捨てリビングの戸を開けた。ソファに座っていた二人がびっくりしたようにこちらを振り返った。航士の顔には笑みが残っていた。最近俺には見せない笑顔を、横にいる女には見せてたってことかよ!
隣の女は航士と同じ学校の生徒のようだ。日菜子に負けず劣らず可愛い…。
あぁ、そういうことかよ。俺を諦めたらさっさと女作ったってわけか!
「あ、航士くんのお兄さんですよね。お邪魔してます」
髪を揺らしながら彼女が軽く頭をさげる。俺はぶすっと会釈を返して自分の部屋へ逃げ込んだ。
床に鞄を投げ捨てた。ムシャクシャする。思い切り怒鳴って当り散らしたい。俺は頭を掻きむしった。なんのために日菜子のデート断って帰ってきたんだよ!なに女連れ込んでんだよ!俺が好きじゃなかったのかよ!なんで女なんか…!
ベッドに寝転がる。天井を睨みながら、俺の全神経は階下の二人へ注がれる。今頃楽しくおしゃべりしてるんだろうな。笑いあってじゃれあって。手の早い航士のことだからキスとかしてたりして…キスだけじゃなく、胸揉んだり、スカートの中に手を…
「くそっ!」
横向きになって膝を抱えた。航士の唇も、指も、声も、体も、全部俺のだ!
そろそろと指を股間に伸ばす。半立ち。ベルトを外しズボンと下着を膝までおろした。目をとじ、航士を思って指を動かす。
「はぁ…ぁ…航士…航士ぃ…」
航士に触ってもらいたい。航士にキスしてもらいたい。航士の体温が恋しい。
ベッドの下の引き出しから小さい紙袋を取り出した。日菜子に使おうと思って買ったままだったローターだ。それにオイルをなすりつけ、自分の肛門にあてがう。
俺がこんなオナニーしてるのも航士のせいだ。あの馬鹿が俺をこんな体にしたんだ。あいつが日菜子とのセックスでは味わえない快感を俺に教えたから。なのに航士は女と…航士の馬鹿野郎!
ローターを中に押し込んでスイッチを入れる。振動を感じながらちんぽを扱く。
「航士っ…はっ…航士ぃ…触って…んっ…触って欲しいよぉ…航士じゃなきゃ…俺…やだ…航士ぃ…」
切なくて泣きそうになりながらマスをかいていると…
コンコン
「兄さん?」
ノックの音とともに航士の声が!
「えっ」
ケツ穴にローターぶちこんでオナニーしてた俺は大慌てで下着とズボンをもとに戻し、ベッドから飛び降りた。ローターは入れたままだが、今にも航士が入ってきそうな気がしたんで仕方がない。平静を装ってドアをあける。
「なんだよ」
ちょっと声がかすれた。
「呼ばれた気がしたから」
確かに航士の名前を呼びながらちんぽ扱いてました。
「気のせいだろ」
ぜんぜん気のせいじゃないです。…静かになるとローターのモーター音が聞こえてくる気がする。なにかしゃべらなくては。
「か、彼女、放っておいていいのかよ」
「さっきの?もう帰ったよ。ちょっと勉強教えてほしいってうちに寄っただけだから。それに、彼女じゃないよ」
「えっ、違うのか?」
やった!と思った気持ちが素直に顔に出てしまった。航士はそんな俺を見てくすっと笑った。あ…久しぶりに俺に笑ってくれた。
「なんだか兄さん、怒ってたみたいだったけど」
「お、怒ってなんかねえよ」
「ほら、怒ってる。彼女だと思って妬いてくれたの?」
「…すぐ、女に乗り換えたのかと思っただけだよ」
「乗り換えたらやだ?」
「や…やだ…」
「どうして?」
「やだから」
どんどん顔が熱くなる。きっと真っ赤になってる、俺の顔。
「どうして嫌なの?教えて」
航士が部屋に入ってくる。俺は追い詰められたみたいに後退する。
「だって航士は…俺のだから…俺しか好きになって欲しくない…俺だけを好きでいてほしい」
静かに航士が息をのむ。そして優しく微笑んだ。
「いまだって僕は兄さんだけが好きだよ」
そして顔を近づけてきて、俺にキスした。
口を繋げたままベッドに押し倒された。水音の立つほど舌を絡めてくる。一か月ぶりの航士とのキス。航士の熱。航士の匂い。幸せに包まれる。
航士が俺の服を脱がせていく。アンダーシャツの下に手を入れ乳首を弄ってくる。俺の息が乱れる。
「はんっ…んっ…航士、そこ…いいっ…」
「兄さんは乳首もモロ感だもんね」
シャツをめくって航士が乳首に吸い付いた。歯で甘噛みされ、舌の先で小刻みに転がされ、押しつぶされたり吸われたり。もう俺は腰砕け。体をくねらせていると、股間のローターからビリビリッと快感の直撃があった。
「あぁああっ!」
「どうしたの?」
航士が驚いて尋ねる。ローターは依然として俺の前立腺を刺激し続ける。
「はぁっ…んっ…あっ、あっ…航士…や…抜いてっ…あそこの…抜いてっ…やっ、やだっ…イキそう…抜いてっ…!」
膝をこすり合わせてもじもじしている俺を見て航士は気付いたらしかった。ズボンと下着を脱がせて膝を割る。肛門からたらんと垂れるコードと小さなスイッチ。耳を澄ませばくぐもったローター音。
「兄さん…こんないやらしい物入れてたの?」
「ごっ、ごめん…っ、だって…航士が触ってくれないから…っあ…俺、ずっと航士に触ってほしかった、のに…っ…んっ、やっ…あっ…」
「いけない兄さんだね。こんなオモチャが僕のかわりになるの?」
ゆっくりコードを引っ張られる。熱く潤んだ内部をローターがゆっくり移動する。
「やぁああんっ…だめっ…動かすなっ…そんな…やっ、航士っ…やだっ…」
「罰として、オモチャでイッてもらおうかな?」
「やっ、だっ…やだっ…ごめん、航士ぃ…やだぁ…航士の欲し…っ…航士のチンポ欲しいっ…俺の中、いっぱいかき回して…!航士のチンポでズボズボってして!」
「いやらしい兄さんだ」
俺の膝を押し広げて、航士はすでに勃起していたペニスを俺の中に入れてきた。
「あっ!やんっ!まっ…てっ…ローター…なかっ…まだ…はいってっ…!」
「入ってるね。先っぽに当たって気持ちいいよ。兄さんも気持ちいいだろう?」
航士が腰を振り始めた。一番奥でローターがブルブル震えている。直腸から体中に振動が伝わる。さらに航士が激しく腰を振って俺のなかをめちゃくちゃに擦りあげる。苦しいほどの快楽。
「…ぐっ…んっ…やっ…ぁああっ…やぁ…だっ…航士っ…だめっ…おかしくなるっ!そんなっ…動かないで…っ!気持ち、いいっ…!よすぎてっ…おかしくなっちゃう!航士!やだぁ…ッ…イクッ…イクッ…!イッちゃうよぉーー!」
触ってないのに俺のちんぽから勢いよく精液が飛び出した。ビュクビュクと俺の胸にまで飛んでくる。
「はぁ…ぁんっ…まだっ…また、クル…っ、もう、航士っ…止めてっ…またキタっ…またイク…!」
今度は少量の精液。ほとんどドライの域。俺は我を失いそうな快感が怖くて航士の腕をしっかり掴んだ。
「大丈夫だよ、兄さん。思う存分声を出して、イッていいんだよ」
「航士ぃ…航士ぃ…っ!」
「ここだよ、兄さん」
「好きっ…航士が好きっ…大好きっ…だから、もっといっぱい、して…!航士のちんぽ、いっぱい欲しいっ…ほんとはずっと航士のちんぽ入れて欲しかったんだ…いっぱいキスして、いっぱい触って欲しかったのに…俺、寂しかったんだからな!」
泣きながら告白していた。体を倒した航士がキスをくれる。俺はひな鳥みたいに必死に航士を求めて口を尖らせた。
「ごめんね。もう放っておいたりしないよ。僕は兄さんのものだから」
「約束…だぞ…」
「約束だよ」
体を裏返しにされて、腰を引き寄せられた。深い挿入に息がつまる。獣の体位で航士を受け入れる。航士も荒い息遣いでグチュグチュッと音を立てながら腰を振る。
「兄さん、イクよっ!」
「うんっ!中に!俺のなかに出して!航士の精子、中に欲しいんだ!」
「兄さんっ……!」
熱い奔流が奥に注がれる。それを感じながら俺も射精していた。
航士は俺を焦らしながら中からローターを抜き出した。航士の精液まみれのそれはホカホカ湯気が立ち上りそう。
「いいオモチャだね。これからエッチのとき、使おうね」
優しくも意地悪く航士が笑う。それを見た俺の股間がズクンと感じる。
兄弟とか男同士とか、問題は山積みなんだろうけど、航士と一緒にいられるなら、なんだって乗り越えられる気がするんだ。

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兄弟愛(2/3)
2014.03.20.Thu.
<前話はこちら>
コンコンとノックの音がして扉が開いた。航士が顔を出す。
「熱、どう?」
「だいぶ下がったっぽい。明日はガッコ行けそう」
弟の航士とセックスした俺は、航士の熱をそのまま引き受けてしまったかのように、その夜から寝込んでいた。たぶん処女喪失のショックからくる発熱だ。
航士はベッドに腰をおろし、俺のおでこに自分のおでこをくっつけてくる。顔近いって。鼻あたってるって。実の弟なのに妙に息苦しのは何故だ?
「まだ顔赤いね」
と俺の頬に手を添える。誰のせいだ!お前のせいだろうが!と思ったが、冷たい手が心地よかったので俺は目を閉じた。すると航士は何を思ったのか…
「キスしてほしいの?」
はあ?!カッと目を見開いたときにはすでに遅し。俺は航士にキスされていた。抵抗しようと持ち上げた手は一括りに掴まれ、ベッドにはりつけにされた。深く交わる舌と唾液。どうしてこいつ、こんなにキスがうまいんだ?!彼女いたとこ、みたことねえのに!
キスしながら航士が上に跨って来た。
「おまっ…病人だぞ…!」
「さきに誘ってきたのは兄さんだよ?」
なんて艶めかしく笑う。こいつ…イケメンすぎる。同じ遺伝子をわけた兄弟なのに、どうして体格も頭脳も容姿もこいつのほうがはるかに上回っているんだろう。弟にのしかかられた状況がよけいに情けない。
「今日は口だけで我慢しておくね」
パジャマのズボンを下ろされた。
今日はってどういうことだ?明日もあるってことか?明日はなにする気だよ一体!!
「航士、やめろって…こんなの、おかしいだろ」
「おかしいよね、兄弟でなんて」
フッと航士は歪んだ笑みを浮かべた。
「わかってんなら…」
「でも止められないんだ。止められなかった。何年かかっても無理だった。僕は兄さんが好きだよ」
「…す…好きって…」
「愛してるって意味だよ」
これが証拠だと言わんばかりに、航士はためらいもなく俺のペニスを口に含んだ。フニャフニャだったものに唾液を絡めてしゃぶりつく。あっという間に勃起した。
「駄目だ、航士…こんなこと…しちゃ、駄目だ…」
「これ以上のこと、もうしちゃったじゃない」
確かにした。俺は航士とセックスした。でもあれは勢いっていうか…その場の雰囲気に流されただけっていうか…とにかく、あれはまだ航士の気持ちを知る前だった。恋愛感情とか抜きの、ただの「セックスごっこ」だった。だけど、航士の気持ちを知ってしまった今、同じことをしたらただの「ごっこ」じゃなくなってしまう。紛れもない「セックス」だ。兄弟でそんな禁忌を犯す勇気は俺にはない。
「だから駄目だって言ってるんだ。あの一回だけで終わらせるんだ」
「猶予が欲しい」
「猶予?」
「僕が兄さんをきっぱり諦めるまで。少しの間でいいから。それまでは兄さんに触れさせて欲しい。今までずっと我慢してきたんだから、それくらい許してくれてもいいでしょ?」
上目づかいに俺を見つめる。真摯な眼差し。航士の真剣さとこれまでの苦悩が読み取れる。
「触るって…?」
「キスしたい。体にも触りたい。でも最後まではやらない。それだけは約束する。それならいい?」
「い…一週間だけ、なら」
「充分だよ」
どえらい条件を飲んでしまったかなと後悔したのも一瞬、航士が寂しげに微笑むので俺の胸がツキンと痛んだ。
「キスするだけ、触るだけ、だから」
と言いながら航士が俺のペニスにキスし、また口に咥えこんだ。
「えっ、これっ…?!」
「触ってるだけだよ、僕の舌で」
ええっ?!これってもう前戯じゃねえか!
「ちょっ…航士…あっ…やめ…!」
さっきまでのしおらしい態度が嘘みたいに、航士は激しい舌使いで容赦なく俺を追い立てた。哀れなペニスはその舌技に翻弄されて痛いくらいにギンギンに張りつめ、精を吐きだいたいと涙を零していた。
「はぁ、んっ…航士…もう…やめ…出る…イク…イクから…あぁっ…やっ…」
上り詰めるその瞬間、航士は口をはなしてしまった。
「はぁ…はぁ…ぁ…え…航士…?」
イカせてもらえず、戸惑いながら航士を見た。
「今日は指だけでイッてみようね」
いつの間にか航士の手に小さいボトルが握られていた。キャップを外し、中身を手の平に出す。トロリとした透明な液体。
「それ…もしかして、オイル?」
「そうだよ。熱が加わると粘りがよくなるんだって」
子供が泥遊びをするみたいに手の平でネチャネチャと音を立てながらこすり合わせ、それを俺の肛門に塗りたくった。
「ひゃっ!あっ!や…ばかっ…指…入れんなよ!約束が違うじゃねえか…!」
「触ってるだけだよ、兄さん。指を中に入れただけ、指を、ね」
オイルでぬめる指が内部を摩擦する。一本だったものが二本、三本と増やされる。
「はぁっ…アッ、んっ…航士、おまえ…ずるいぞ…俺、そこ…弱いの知って…やっ、あっ!いまの…やだっ!」
「ん?ここだね?」
「やぁん!やだっ…アッ、アァンッ、だめってば…そこ、航士…ヤダッ、だめ…そこ…触るな…あぁあっ!」
「相変わらず敏感だね、兄さん。また熱あがっちゃうよ?」
「うるせ…んぅっ…んんっ…や、んっ…アァッ、ヤッ、アッ、あっ、やめっ…や、だ…ッ!」
「イキそう?兄さん?」
「ンッ…あっ…ウンッ…きそう…イキそう…っ、航士、イく…イッちゃう…俺、やんっ、やっ、やだっ、ぁあっ、やだっ、イっちゃう…!航士の指で…俺…あっ、んっ……やだやだっ…航士…俺、イッちゃう…あっ、アッ…ァアアァアアンッ!」
ビュッビュッと俺の腹に俺の精子が吐き出された。ボタボタと生暖かいものが腹を汚す。
「はぁ…はぁ…はぁ…ばか航士…」
「すごい。ほんとに指だけでイケたね」
なんて嬉しそうに笑いやがる。
「おまえはイッてないんだろ」
「まあね」
航士は肩をすくめた。前髪をかきあげつつ、俺は深くため息をついた。もうなるようになれってんだ。
「入れていいぞ」
「えっ…?」
「おまえのチンコ、入れたいなら入れていいぞ」
「いいの?エッチはしないって」
「指入れて俺をイカせておいて、なに言ってんだよ」
航士のために膝を立てて誘ってみた。
航士は本当に予想外だったみたいで、どうしていいかわからないといった風に、途方にくれた表情をした。
「どうした?俺の気が変わるまえに入れたらどうだ?」
「うん…入れたいのはやまやまなんだけど…」
苦笑しながら指先でこめかみを掻く。
「やっぱりやめておくよ。約束は約束だしね。それに兄さんの中に入ってしまったら、未練を断ち切るどころか諦められなくなりそうだし」
「えっ…いいのか、おまえ」
「ありがとう、兄さん。僕は大丈夫だから」
ベッドから起き上がると、航士は部屋を出ていった。
「あいつ…せっかくいいって言ってんのに」
航士の指で俺の体のなかは熱くなっていた。発熱のせいじゃない、航士から与えられたそれは、欲情と言うものだった。
今夜は父さんと母さんが結婚記念日とかで外食するので家には俺と航士の二人きり。仕方なくカレーを作ることにした。
「兄さん、野菜の大きさは揃えなくちゃいけないんだよ」
「いいんだよ食えりゃ」
乱雑ににんじんを切っていたら「違うってば」航士が俺の後ろに立ち、背後から包丁を持つ手に手を添えてくる。
「あっ、危ないだろ」
「兄さんの手つきのほうが危なっかしいよ。それとも僕が近くにいるとドキドキしちゃう?」
「ばっ…」
図星で顔が熱くなる。文句を言うために振り返ったら航士にキスされた。すぐさま舌が入ってきて濃厚なベロチュー。
「んっ…ぅ…くふ…う…んっ」
体から力が抜けていく。好きだと告白されて今日でちょうど一週間。航士は親の目を盗んで何度も俺にキスしてきた。夜中ベッドにもぐりこんできてフェラしたり、指だけで俺をイカせたり。だが航士は最初の約束を守って最後まではしなかった。ビンビンに勃起させているのはわかっているのに、一度もそれを俺の中に入れることなく今日まできた。
「今日が最後の日だね」
航士の手が俺の服の中にそろそろと侵入してくる。乳首を摘まんで指先で弾く。
「ハッ…アンッ…やっ…ぁっ…」
「兄さんって全身性感帯だね」
耳元で笑われる吐息にすら感じてしまう。
「航士…俺…立ってられない…」
「ソファいこうか?」
航士の問いかけに頷いた。初めて俺と航士が繋がった場所。そして終わる場所になるんだ。
足を大きく広げた格好でソファに座らされた。その中心で航士が俺のちんぽをしゃぶっている。今日が最後だからか、玉袋から裏筋、カリ首、丁寧に舌を這わせて味わっている。蛍光灯のもと、それをまざまざ見せつけられて…俺の心臓は苦しいくらいドキドキしていた。
「指入れるね」
言うと同時に指が尻穴に入ってくる。長い指がこの一週間ですっかり覚えたいいところを押して擦ってくる。それだけで俺の体は全身火がついたように熱くなる。
「ハァアッ!あっ!あぁ!…やっ…ん…航士ぃ…!」
航士の指が出たり入ったり。俺のちんぽが航士の口を出たり入ったり。ジュブッ…ジュルッ…ジュッ…音を立てて航士が俺のものをしゃぶる。
「はぁ…ぁあんっ…やだぁ…あっ、アンッ…航士、もうやだぁ…あっ、いやっ…指、そんな…動かすなっ…出ちゃうからっ…あっ、あっ…イク…出る…っ!」
出せと言わんばかりに航士は動きを早くした。そんな航士を見ながら俺は思った。違う…指じゃない…指だけじゃ物足りない…もっと太くて熱い、航士のちんぽが欲しい…と。
そんな思いを込めて顔を見つめたが、航士に願いは届かなかった。ジュルジュルッと吸われながら、指でアソコを強く擦られて俺はイッてしまった。
「ハァ…ハァ…航士、おまえイッてないじゃん…」
「僕は平気だよ。兄さん、今日まで僕に付き合ってくれてありがとう。これで兄さんを諦められるよ」
立ち上がった航士はリビングを出ていった。しばらくして戻って来た航士は何事もなかった顔をしてキッチンに立ち、料理を再開した。
コンコンとノックの音がして扉が開いた。航士が顔を出す。
「熱、どう?」
「だいぶ下がったっぽい。明日はガッコ行けそう」
弟の航士とセックスした俺は、航士の熱をそのまま引き受けてしまったかのように、その夜から寝込んでいた。たぶん処女喪失のショックからくる発熱だ。
航士はベッドに腰をおろし、俺のおでこに自分のおでこをくっつけてくる。顔近いって。鼻あたってるって。実の弟なのに妙に息苦しのは何故だ?
「まだ顔赤いね」
と俺の頬に手を添える。誰のせいだ!お前のせいだろうが!と思ったが、冷たい手が心地よかったので俺は目を閉じた。すると航士は何を思ったのか…
「キスしてほしいの?」
はあ?!カッと目を見開いたときにはすでに遅し。俺は航士にキスされていた。抵抗しようと持ち上げた手は一括りに掴まれ、ベッドにはりつけにされた。深く交わる舌と唾液。どうしてこいつ、こんなにキスがうまいんだ?!彼女いたとこ、みたことねえのに!
キスしながら航士が上に跨って来た。
「おまっ…病人だぞ…!」
「さきに誘ってきたのは兄さんだよ?」
なんて艶めかしく笑う。こいつ…イケメンすぎる。同じ遺伝子をわけた兄弟なのに、どうして体格も頭脳も容姿もこいつのほうがはるかに上回っているんだろう。弟にのしかかられた状況がよけいに情けない。
「今日は口だけで我慢しておくね」
パジャマのズボンを下ろされた。
今日はってどういうことだ?明日もあるってことか?明日はなにする気だよ一体!!
「航士、やめろって…こんなの、おかしいだろ」
「おかしいよね、兄弟でなんて」
フッと航士は歪んだ笑みを浮かべた。
「わかってんなら…」
「でも止められないんだ。止められなかった。何年かかっても無理だった。僕は兄さんが好きだよ」
「…す…好きって…」
「愛してるって意味だよ」
これが証拠だと言わんばかりに、航士はためらいもなく俺のペニスを口に含んだ。フニャフニャだったものに唾液を絡めてしゃぶりつく。あっという間に勃起した。
「駄目だ、航士…こんなこと…しちゃ、駄目だ…」
「これ以上のこと、もうしちゃったじゃない」
確かにした。俺は航士とセックスした。でもあれは勢いっていうか…その場の雰囲気に流されただけっていうか…とにかく、あれはまだ航士の気持ちを知る前だった。恋愛感情とか抜きの、ただの「セックスごっこ」だった。だけど、航士の気持ちを知ってしまった今、同じことをしたらただの「ごっこ」じゃなくなってしまう。紛れもない「セックス」だ。兄弟でそんな禁忌を犯す勇気は俺にはない。
「だから駄目だって言ってるんだ。あの一回だけで終わらせるんだ」
「猶予が欲しい」
「猶予?」
「僕が兄さんをきっぱり諦めるまで。少しの間でいいから。それまでは兄さんに触れさせて欲しい。今までずっと我慢してきたんだから、それくらい許してくれてもいいでしょ?」
上目づかいに俺を見つめる。真摯な眼差し。航士の真剣さとこれまでの苦悩が読み取れる。
「触るって…?」
「キスしたい。体にも触りたい。でも最後まではやらない。それだけは約束する。それならいい?」
「い…一週間だけ、なら」
「充分だよ」
どえらい条件を飲んでしまったかなと後悔したのも一瞬、航士が寂しげに微笑むので俺の胸がツキンと痛んだ。
「キスするだけ、触るだけ、だから」
と言いながら航士が俺のペニスにキスし、また口に咥えこんだ。
「えっ、これっ…?!」
「触ってるだけだよ、僕の舌で」
ええっ?!これってもう前戯じゃねえか!
「ちょっ…航士…あっ…やめ…!」
さっきまでのしおらしい態度が嘘みたいに、航士は激しい舌使いで容赦なく俺を追い立てた。哀れなペニスはその舌技に翻弄されて痛いくらいにギンギンに張りつめ、精を吐きだいたいと涙を零していた。
「はぁ、んっ…航士…もう…やめ…出る…イク…イクから…あぁっ…やっ…」
上り詰めるその瞬間、航士は口をはなしてしまった。
「はぁ…はぁ…ぁ…え…航士…?」
イカせてもらえず、戸惑いながら航士を見た。
「今日は指だけでイッてみようね」
いつの間にか航士の手に小さいボトルが握られていた。キャップを外し、中身を手の平に出す。トロリとした透明な液体。
「それ…もしかして、オイル?」
「そうだよ。熱が加わると粘りがよくなるんだって」
子供が泥遊びをするみたいに手の平でネチャネチャと音を立てながらこすり合わせ、それを俺の肛門に塗りたくった。
「ひゃっ!あっ!や…ばかっ…指…入れんなよ!約束が違うじゃねえか…!」
「触ってるだけだよ、兄さん。指を中に入れただけ、指を、ね」
オイルでぬめる指が内部を摩擦する。一本だったものが二本、三本と増やされる。
「はぁっ…アッ、んっ…航士、おまえ…ずるいぞ…俺、そこ…弱いの知って…やっ、あっ!いまの…やだっ!」
「ん?ここだね?」
「やぁん!やだっ…アッ、アァンッ、だめってば…そこ、航士…ヤダッ、だめ…そこ…触るな…あぁあっ!」
「相変わらず敏感だね、兄さん。また熱あがっちゃうよ?」
「うるせ…んぅっ…んんっ…や、んっ…アァッ、ヤッ、アッ、あっ、やめっ…や、だ…ッ!」
「イキそう?兄さん?」
「ンッ…あっ…ウンッ…きそう…イキそう…っ、航士、イく…イッちゃう…俺、やんっ、やっ、やだっ、ぁあっ、やだっ、イっちゃう…!航士の指で…俺…あっ、んっ……やだやだっ…航士…俺、イッちゃう…あっ、アッ…ァアアァアアンッ!」
ビュッビュッと俺の腹に俺の精子が吐き出された。ボタボタと生暖かいものが腹を汚す。
「はぁ…はぁ…はぁ…ばか航士…」
「すごい。ほんとに指だけでイケたね」
なんて嬉しそうに笑いやがる。
「おまえはイッてないんだろ」
「まあね」
航士は肩をすくめた。前髪をかきあげつつ、俺は深くため息をついた。もうなるようになれってんだ。
「入れていいぞ」
「えっ…?」
「おまえのチンコ、入れたいなら入れていいぞ」
「いいの?エッチはしないって」
「指入れて俺をイカせておいて、なに言ってんだよ」
航士のために膝を立てて誘ってみた。
航士は本当に予想外だったみたいで、どうしていいかわからないといった風に、途方にくれた表情をした。
「どうした?俺の気が変わるまえに入れたらどうだ?」
「うん…入れたいのはやまやまなんだけど…」
苦笑しながら指先でこめかみを掻く。
「やっぱりやめておくよ。約束は約束だしね。それに兄さんの中に入ってしまったら、未練を断ち切るどころか諦められなくなりそうだし」
「えっ…いいのか、おまえ」
「ありがとう、兄さん。僕は大丈夫だから」
ベッドから起き上がると、航士は部屋を出ていった。
「あいつ…せっかくいいって言ってんのに」
航士の指で俺の体のなかは熱くなっていた。発熱のせいじゃない、航士から与えられたそれは、欲情と言うものだった。
今夜は父さんと母さんが結婚記念日とかで外食するので家には俺と航士の二人きり。仕方なくカレーを作ることにした。
「兄さん、野菜の大きさは揃えなくちゃいけないんだよ」
「いいんだよ食えりゃ」
乱雑ににんじんを切っていたら「違うってば」航士が俺の後ろに立ち、背後から包丁を持つ手に手を添えてくる。
「あっ、危ないだろ」
「兄さんの手つきのほうが危なっかしいよ。それとも僕が近くにいるとドキドキしちゃう?」
「ばっ…」
図星で顔が熱くなる。文句を言うために振り返ったら航士にキスされた。すぐさま舌が入ってきて濃厚なベロチュー。
「んっ…ぅ…くふ…う…んっ」
体から力が抜けていく。好きだと告白されて今日でちょうど一週間。航士は親の目を盗んで何度も俺にキスしてきた。夜中ベッドにもぐりこんできてフェラしたり、指だけで俺をイカせたり。だが航士は最初の約束を守って最後まではしなかった。ビンビンに勃起させているのはわかっているのに、一度もそれを俺の中に入れることなく今日まできた。
「今日が最後の日だね」
航士の手が俺の服の中にそろそろと侵入してくる。乳首を摘まんで指先で弾く。
「ハッ…アンッ…やっ…ぁっ…」
「兄さんって全身性感帯だね」
耳元で笑われる吐息にすら感じてしまう。
「航士…俺…立ってられない…」
「ソファいこうか?」
航士の問いかけに頷いた。初めて俺と航士が繋がった場所。そして終わる場所になるんだ。
足を大きく広げた格好でソファに座らされた。その中心で航士が俺のちんぽをしゃぶっている。今日が最後だからか、玉袋から裏筋、カリ首、丁寧に舌を這わせて味わっている。蛍光灯のもと、それをまざまざ見せつけられて…俺の心臓は苦しいくらいドキドキしていた。
「指入れるね」
言うと同時に指が尻穴に入ってくる。長い指がこの一週間ですっかり覚えたいいところを押して擦ってくる。それだけで俺の体は全身火がついたように熱くなる。
「ハァアッ!あっ!あぁ!…やっ…ん…航士ぃ…!」
航士の指が出たり入ったり。俺のちんぽが航士の口を出たり入ったり。ジュブッ…ジュルッ…ジュッ…音を立てて航士が俺のものをしゃぶる。
「はぁ…ぁあんっ…やだぁ…あっ、アンッ…航士、もうやだぁ…あっ、いやっ…指、そんな…動かすなっ…出ちゃうからっ…あっ、あっ…イク…出る…っ!」
出せと言わんばかりに航士は動きを早くした。そんな航士を見ながら俺は思った。違う…指じゃない…指だけじゃ物足りない…もっと太くて熱い、航士のちんぽが欲しい…と。
そんな思いを込めて顔を見つめたが、航士に願いは届かなかった。ジュルジュルッと吸われながら、指でアソコを強く擦られて俺はイッてしまった。
「ハァ…ハァ…航士、おまえイッてないじゃん…」
「僕は平気だよ。兄さん、今日まで僕に付き合ってくれてありがとう。これで兄さんを諦められるよ」
立ち上がった航士はリビングを出ていった。しばらくして戻って来た航士は何事もなかった顔をしてキッチンに立ち、料理を再開した。
兄弟愛(1/3)
2014.03.19.Wed.
「ほんとに今日、誰もいないの?」
「いない、いない、弟は塾だし、親は仕事だし」
玄関先でこれ以上渋られちゃ困るんで、俺は日菜子の口を自分の口で塞いだ。制服の上から胸をもむ。
「あぁん…和希くん、こんなところで駄目だよ」
駄目とか言いながら自ら足を開いていく。たまには玄関でいってみるか?太ももに手を添わせてスカートを捲し上げていたその時、
ガチャリ。
いきなり玄関の戸が開いたもんだから俺は思わず日菜子を突き飛ばしていた。
「きゃあっ!」
「くぁwせdrftgyふじこlp?!」
「邪魔だから退いてくれる」
慌てふためく俺を押しのけたのは…弟の航士だった。
「今日塾だろ、どうして帰って来たんだよ!」
キス現場を見られたあと、日菜子は慌てて帰って行ってしまった。航士は我関せずな澄まし顔のままリビングへと向かい、俺は文句を言うために航士を追いかけた。背後で俺が何を言おうと航士は無視してこっちを見もしない。頭にきた!腕をつかんで強引に振り向かせた。
「話聞けよ!」
「聞いてるよ」
と無表情に答える。兄の俺を見下ろすんじゃねえよ!兄よりでかく成長してんじゃねえよ!
「おまえのせいで日菜子が帰っちゃったじゃねえかよ」
「日菜子っていうんだ。あのブス」
「ブッ、ブスじゃねえよ。かわいいわボケェ」
「で。僕にどうしろっていうの」
ちょっと苛ついた口調。航士は只今反抗期真っ最中だ。前は仲のいい兄弟だったのに、いつからか航士は部屋に引きこもるようになり、俺との会話も減った。たまに話せばこんな憎たらしい態度と減らず口で俺につっかかってくる。もう高1なんだからそろそろ大人になれよと一個先輩のお兄ちゃんは思うわけで。
「どうって別に。今度から気を付けろよ」
「気を付けるのはそっちだろ。玄関で盛るな」
「しょうがないだろ。そういう雰囲気になったんだから」
「そういう雰囲気になればどこでもやるんだ」
と言うと航士は体を動かし…俺にキスしていた。
「なっ、なにするんだよ、バカじゃねえの!」
「雰囲気出そうとしてるんだから、少し黙れよ」
ムッと眉間に皺を寄せると、航士は俺を抱きしめて再びキスしてきた。こともあろうか舌まで入れてくる。俺の頬の内側や歯茎なんかをベロベロ舐めて、びっくり硬直している俺の舌を吸ったり絡めたり。音がするほど激しいベロチュー。
「んっ…こう…じっ…ばっ…あ…やめ…っ…あっ!」
キスの合間を縫ってなんとか抗議しようとしていたら、いきなり股間をわし掴みにされた。長く細い指が俺のものの形をなぞるように動き、時折、強く挟む。俺の意思に関係なく、刺激に反応したものがだんだん大きくなっていく。
「そういう雰囲気になってきた?」
クスリと航士が笑う。久しぶりにこいつの笑顔見た…っていうかすげー意地の悪い笑い方。昔は素直でかわいい弟だったの…!
「馬鹿。いい加減にしろよ。シャレになってねえよ」
「シャレで済ますつもり、ないよ。彼女とできなかったんでしょ?」
再度口を合わせてくる。俺の口のなかを蹂躙しながら、器用な指先はベルトを外し、チャックを下した割れ目から俺の半立ちのペニスを取り出した。
「やっ、航士…おま…なに、する気だよ…んんっ」
「僕に責任取らせてよ」
しゃがみ込むと航士は俺のペニスを咥えてしゃぶりだした。
「あっ、航士! ばか、そんなこと…やめろ…やめろってば!航士!」
俺のペニスをぐっぽり奥まで咥えこむと、口をすぼめて扱くみたいに上下に動かす。見えない口の中でも舌を使って先っぽから汁を吸いだしたり、突いたりと、凄まじいテク。火がついたみたいに熱い口腔内は柔らかくてヌルヌルとしていて…気持ちがいい。
「こう、じ…や、やだって…やめろ…やめ…こんな…あぁ、ほんとに、やめて…まじで…出る…出ちゃうから…口、はなせ…」
言葉と裏腹に俺は航士の頭を抱えて固定した。航士の動きが早くなる。俺は思いっきり口の中へ射精していた。ドクドクと精子が航士の口へ注がれる。航士はそれを音を鳴らして飲み込んだ。
「嘘…飲んじゃったのかよ、おまえ…」
「おいし」
口の端の唾液を指先で拭って航士は妖艶に微笑んだ。
「ねぇ、兄さん、気持ちよかった?」
「そんなこと聞くなよ!」
「聞きたい。俺のフェラ、どうだった?」
「気持ちよかったよ!頭どうかなりそうだった!」
「そういう雰囲気になった?」
「なったよチクショー!」
「じゃあ、次は僕の番だよね」
え?と思う間に航士に腕をとられ、俺はソファに上に寝転がっていた。
「何する気だ?」
「そういう雰囲気になったんだから、セックスするんだよ」
「なっ!男同士で!?馬鹿言うな!っていうか兄弟でセックスとか!ありえねえだろ!」
「男同士でよかったね。近親相姦の子供はできないよ」
にっこりほほ笑むと、航士は俺に馬乗りになった。ズボンをおろし、恐ろしく怒張したペニスを引っ張り出す。
「兄さんの中に入りたくてこんなになっちゃったんだよ。今度は兄さんが責任取ってね」
俺に見せつけるようにペニスを扱く。先からカウパーが涙のように滴っている。あんなでかいのを俺の尻の穴に?冗談じゃない!
「無理だ!絶対無理!そんなの入んない!」
「ちゃんと慣らすよ」
航士は俺の体をひっくり返すと腰を持ち上げ、自分のほうへ突き出た尻を舐め始めた。自分でさえ満足に触ったことのない場所をペチャペチャと舐められる俺はたまったもんじゃない。鈍器で頭を殴られたほどの衝撃と我を失うほどの羞恥で頭の中がディープインパクトだ。
「こっ、こっ、航士!なんてとこ、舐めてんだよ!!」
泣き声の裏声で精一杯の拒絶。
「指入れるね」
俺の動揺お構いなしで指を入れてくる。長い指。どこまで入ってくるんだよ。中を広げるようにクニクニ動く。ううっ、気持ち悪い。気持ち悪い…はずが…
「あっ?! やっ、やだ、そこ!」
「ここ?」
背後で嬉々とした航士の声。俺が反応を見せた場所を航士は執拗に弄りまくった。
「あっんっ、いやっ、やだって!そこ!なんか変!も…触んなっ…あっ、あっ、やだっ、航士、やだ!もうそこ、やめっ…あっ、あぁっ、や、んっ…!」
「ここかな。前立腺。ここだけで一回イッてみる?」
航士がなにか言っていたが俺はそんなの聞いちゃいなかった。目が白黒なるような快感。未知の領域。何かが胸のなかで弾ける。航士の指の一擦りごとに頭がスパークする。
「あぁっ、んんっ、航士!やだっ、怖い!抜いて!指…そこ、やだっ!抜いて!航士!あっ、あっ、やぁ、んっ、んんっ、やだ、航士、頼むからぁ…あっ、出る!出ちゃう!」
息を詰まらせながら俺は射精していた。さっき航士の口に出したばかりなのに体の芯が痺れるような快楽の波が全身を襲う。これ以上、あの快感が続いていたら正気を失っていたかもしれない。
「二回目だっていうのに、いっぱい出たね、兄さん」
「はぁ…はぁ…あ、航士…?」
ぬるっとしたものが俺の尻に触れた。それを押しこめるように指が動く。しばらくしてそれが俺の吐き出した精液だと気付いた。そして航士の意図も理解した。精液を潤滑剤かわりに使うつもりなんだ。
「本気で…?俺に入れるつもりなのか…?」
「こんなチャンス、またとないからね」
チャンス?問い返す前に、航士のペニスが肛門に押し入ってきた。
「あっ、んんっ、ぐぅ…」
「きつい?ごめんね、兄さん。僕、もう、止めらんないよ」
俺の腰を抱え持った航士が動き出す。ズルッと中をこすって動く感触。息が詰まるほどの圧迫感。二人の熱が溶け合う場所。ときたまさっき俺を狂わせた場所をこすっていく。俺は恐怖と期待に目を瞑る。
「兄さん、すごい締め付けてくるよ…ヒクヒク動いてるし、気持ちよくてすぐイッちゃいそうになる」
「ふぅ…んっ…あ、…はぁ、はぁ…あ、航士…ゆっくり、動いて…」
航士自身の先走りも手伝って、だんだん動きがスムーズになってきた。それに伴い、航士の腰つきも早く激しくなっていった。俺はずり落ちないようにソファに顔を押し付け、手を握りこんだ。
「んぁっ…あっ…航士っ…もっと、ゆっくり…動い…てっ…ぁあっ、んっ…やだっ…ゆっくり…航士…や、んっ…」
「もっと兄さんの声聞かせて」
航士が角度を変えて突きあげてくる。
「あああぁっ!そこっ…やっ…やだっ…そこは、やめ…あっ、あっ、あぁんっ、だめっ、航士、やめ…、やだって…航士、航士ぃ…ぁあっ、あっ、ううぅん、アッ、アッ、やだ、また…出ちゃう…イッちゃうから…やだ…航士ぃ…!」
「イッていいんだよ、兄さん。何度でもイッて」
嘘みたいに優しい航士の声。そんな声を聞くのは久しぶりで…こんな状況なのになんだか嬉しくなってしまった。
「お、まえも…航士も、一緒に…アンッ、アッ、一緒にイッて…!」
「中に出してもいいの?」
「…いいっ、なかっ…航士の…俺の中に…いいから、出して…中にっ、んっ、欲しい…っ」
「……っ!…嬉しいこと言ってくれるね、兄さん。僕、本当に止まらなくなる。暴走しちゃうよ」
「航士ぃ…俺、も…だめっ…イッちゃう…イッちゃうよ…っ、あっあぁ……あぁぁああんっ!」
ペニスの先から精子が勢いよく飛び出していく。頭が真っ白になって…俺は航士の言葉をきいていなかった。
ソファの汚れはなんとかふき取り、ファブリーズで匂いも誤魔化した。濡れた染みは、お茶をこぼしたと言い訳しようと二人で口裏を合わせた。
「なんか…とんでもねえことしちゃったな、俺たち」
「いまさら後悔したって仕方ないよ」
航士は相変わらず涼しい顔。だけど、いつもと違って目元が優しい気がする。昔に戻ったみたいな穏やかな顔つき。
「そういえばお前、塾はどうしたんだよ」
「今日、熱っぽくて休んだんだ」
「熱?」
おでこに手を当てると確かに熱い。
「ばか!熱出てるのにエッチしてんじゃねえよ!」
「これで死んでも悔いはないよ」
素早い動きで俺の頬にチュッとキスすると、「じゃあ僕、寝てくる」と航士は二階へあがっていった。頬を手で押さえながら、俺はドキドキ高鳴る心臓の音を聞いていた。
「いない、いない、弟は塾だし、親は仕事だし」
玄関先でこれ以上渋られちゃ困るんで、俺は日菜子の口を自分の口で塞いだ。制服の上から胸をもむ。
「あぁん…和希くん、こんなところで駄目だよ」
駄目とか言いながら自ら足を開いていく。たまには玄関でいってみるか?太ももに手を添わせてスカートを捲し上げていたその時、
ガチャリ。
いきなり玄関の戸が開いたもんだから俺は思わず日菜子を突き飛ばしていた。
「きゃあっ!」
「くぁwせdrftgyふじこlp?!」
「邪魔だから退いてくれる」
慌てふためく俺を押しのけたのは…弟の航士だった。
「今日塾だろ、どうして帰って来たんだよ!」
キス現場を見られたあと、日菜子は慌てて帰って行ってしまった。航士は我関せずな澄まし顔のままリビングへと向かい、俺は文句を言うために航士を追いかけた。背後で俺が何を言おうと航士は無視してこっちを見もしない。頭にきた!腕をつかんで強引に振り向かせた。
「話聞けよ!」
「聞いてるよ」
と無表情に答える。兄の俺を見下ろすんじゃねえよ!兄よりでかく成長してんじゃねえよ!
「おまえのせいで日菜子が帰っちゃったじゃねえかよ」
「日菜子っていうんだ。あのブス」
「ブッ、ブスじゃねえよ。かわいいわボケェ」
「で。僕にどうしろっていうの」
ちょっと苛ついた口調。航士は只今反抗期真っ最中だ。前は仲のいい兄弟だったのに、いつからか航士は部屋に引きこもるようになり、俺との会話も減った。たまに話せばこんな憎たらしい態度と減らず口で俺につっかかってくる。もう高1なんだからそろそろ大人になれよと一個先輩のお兄ちゃんは思うわけで。
「どうって別に。今度から気を付けろよ」
「気を付けるのはそっちだろ。玄関で盛るな」
「しょうがないだろ。そういう雰囲気になったんだから」
「そういう雰囲気になればどこでもやるんだ」
と言うと航士は体を動かし…俺にキスしていた。
「なっ、なにするんだよ、バカじゃねえの!」
「雰囲気出そうとしてるんだから、少し黙れよ」
ムッと眉間に皺を寄せると、航士は俺を抱きしめて再びキスしてきた。こともあろうか舌まで入れてくる。俺の頬の内側や歯茎なんかをベロベロ舐めて、びっくり硬直している俺の舌を吸ったり絡めたり。音がするほど激しいベロチュー。
「んっ…こう…じっ…ばっ…あ…やめ…っ…あっ!」
キスの合間を縫ってなんとか抗議しようとしていたら、いきなり股間をわし掴みにされた。長く細い指が俺のものの形をなぞるように動き、時折、強く挟む。俺の意思に関係なく、刺激に反応したものがだんだん大きくなっていく。
「そういう雰囲気になってきた?」
クスリと航士が笑う。久しぶりにこいつの笑顔見た…っていうかすげー意地の悪い笑い方。昔は素直でかわいい弟だったの…!
「馬鹿。いい加減にしろよ。シャレになってねえよ」
「シャレで済ますつもり、ないよ。彼女とできなかったんでしょ?」
再度口を合わせてくる。俺の口のなかを蹂躙しながら、器用な指先はベルトを外し、チャックを下した割れ目から俺の半立ちのペニスを取り出した。
「やっ、航士…おま…なに、する気だよ…んんっ」
「僕に責任取らせてよ」
しゃがみ込むと航士は俺のペニスを咥えてしゃぶりだした。
「あっ、航士! ばか、そんなこと…やめろ…やめろってば!航士!」
俺のペニスをぐっぽり奥まで咥えこむと、口をすぼめて扱くみたいに上下に動かす。見えない口の中でも舌を使って先っぽから汁を吸いだしたり、突いたりと、凄まじいテク。火がついたみたいに熱い口腔内は柔らかくてヌルヌルとしていて…気持ちがいい。
「こう、じ…や、やだって…やめろ…やめ…こんな…あぁ、ほんとに、やめて…まじで…出る…出ちゃうから…口、はなせ…」
言葉と裏腹に俺は航士の頭を抱えて固定した。航士の動きが早くなる。俺は思いっきり口の中へ射精していた。ドクドクと精子が航士の口へ注がれる。航士はそれを音を鳴らして飲み込んだ。
「嘘…飲んじゃったのかよ、おまえ…」
「おいし」
口の端の唾液を指先で拭って航士は妖艶に微笑んだ。
「ねぇ、兄さん、気持ちよかった?」
「そんなこと聞くなよ!」
「聞きたい。俺のフェラ、どうだった?」
「気持ちよかったよ!頭どうかなりそうだった!」
「そういう雰囲気になった?」
「なったよチクショー!」
「じゃあ、次は僕の番だよね」
え?と思う間に航士に腕をとられ、俺はソファに上に寝転がっていた。
「何する気だ?」
「そういう雰囲気になったんだから、セックスするんだよ」
「なっ!男同士で!?馬鹿言うな!っていうか兄弟でセックスとか!ありえねえだろ!」
「男同士でよかったね。近親相姦の子供はできないよ」
にっこりほほ笑むと、航士は俺に馬乗りになった。ズボンをおろし、恐ろしく怒張したペニスを引っ張り出す。
「兄さんの中に入りたくてこんなになっちゃったんだよ。今度は兄さんが責任取ってね」
俺に見せつけるようにペニスを扱く。先からカウパーが涙のように滴っている。あんなでかいのを俺の尻の穴に?冗談じゃない!
「無理だ!絶対無理!そんなの入んない!」
「ちゃんと慣らすよ」
航士は俺の体をひっくり返すと腰を持ち上げ、自分のほうへ突き出た尻を舐め始めた。自分でさえ満足に触ったことのない場所をペチャペチャと舐められる俺はたまったもんじゃない。鈍器で頭を殴られたほどの衝撃と我を失うほどの羞恥で頭の中がディープインパクトだ。
「こっ、こっ、航士!なんてとこ、舐めてんだよ!!」
泣き声の裏声で精一杯の拒絶。
「指入れるね」
俺の動揺お構いなしで指を入れてくる。長い指。どこまで入ってくるんだよ。中を広げるようにクニクニ動く。ううっ、気持ち悪い。気持ち悪い…はずが…
「あっ?! やっ、やだ、そこ!」
「ここ?」
背後で嬉々とした航士の声。俺が反応を見せた場所を航士は執拗に弄りまくった。
「あっんっ、いやっ、やだって!そこ!なんか変!も…触んなっ…あっ、あっ、やだっ、航士、やだ!もうそこ、やめっ…あっ、あぁっ、や、んっ…!」
「ここかな。前立腺。ここだけで一回イッてみる?」
航士がなにか言っていたが俺はそんなの聞いちゃいなかった。目が白黒なるような快感。未知の領域。何かが胸のなかで弾ける。航士の指の一擦りごとに頭がスパークする。
「あぁっ、んんっ、航士!やだっ、怖い!抜いて!指…そこ、やだっ!抜いて!航士!あっ、あっ、やぁ、んっ、んんっ、やだ、航士、頼むからぁ…あっ、出る!出ちゃう!」
息を詰まらせながら俺は射精していた。さっき航士の口に出したばかりなのに体の芯が痺れるような快楽の波が全身を襲う。これ以上、あの快感が続いていたら正気を失っていたかもしれない。
「二回目だっていうのに、いっぱい出たね、兄さん」
「はぁ…はぁ…あ、航士…?」
ぬるっとしたものが俺の尻に触れた。それを押しこめるように指が動く。しばらくしてそれが俺の吐き出した精液だと気付いた。そして航士の意図も理解した。精液を潤滑剤かわりに使うつもりなんだ。
「本気で…?俺に入れるつもりなのか…?」
「こんなチャンス、またとないからね」
チャンス?問い返す前に、航士のペニスが肛門に押し入ってきた。
「あっ、んんっ、ぐぅ…」
「きつい?ごめんね、兄さん。僕、もう、止めらんないよ」
俺の腰を抱え持った航士が動き出す。ズルッと中をこすって動く感触。息が詰まるほどの圧迫感。二人の熱が溶け合う場所。ときたまさっき俺を狂わせた場所をこすっていく。俺は恐怖と期待に目を瞑る。
「兄さん、すごい締め付けてくるよ…ヒクヒク動いてるし、気持ちよくてすぐイッちゃいそうになる」
「ふぅ…んっ…あ、…はぁ、はぁ…あ、航士…ゆっくり、動いて…」
航士自身の先走りも手伝って、だんだん動きがスムーズになってきた。それに伴い、航士の腰つきも早く激しくなっていった。俺はずり落ちないようにソファに顔を押し付け、手を握りこんだ。
「んぁっ…あっ…航士っ…もっと、ゆっくり…動い…てっ…ぁあっ、んっ…やだっ…ゆっくり…航士…や、んっ…」
「もっと兄さんの声聞かせて」
航士が角度を変えて突きあげてくる。
「あああぁっ!そこっ…やっ…やだっ…そこは、やめ…あっ、あっ、あぁんっ、だめっ、航士、やめ…、やだって…航士、航士ぃ…ぁあっ、あっ、ううぅん、アッ、アッ、やだ、また…出ちゃう…イッちゃうから…やだ…航士ぃ…!」
「イッていいんだよ、兄さん。何度でもイッて」
嘘みたいに優しい航士の声。そんな声を聞くのは久しぶりで…こんな状況なのになんだか嬉しくなってしまった。
「お、まえも…航士も、一緒に…アンッ、アッ、一緒にイッて…!」
「中に出してもいいの?」
「…いいっ、なかっ…航士の…俺の中に…いいから、出して…中にっ、んっ、欲しい…っ」
「……っ!…嬉しいこと言ってくれるね、兄さん。僕、本当に止まらなくなる。暴走しちゃうよ」
「航士ぃ…俺、も…だめっ…イッちゃう…イッちゃうよ…っ、あっあぁ……あぁぁああんっ!」
ペニスの先から精子が勢いよく飛び出していく。頭が真っ白になって…俺は航士の言葉をきいていなかった。
ソファの汚れはなんとかふき取り、ファブリーズで匂いも誤魔化した。濡れた染みは、お茶をこぼしたと言い訳しようと二人で口裏を合わせた。
「なんか…とんでもねえことしちゃったな、俺たち」
「いまさら後悔したって仕方ないよ」
航士は相変わらず涼しい顔。だけど、いつもと違って目元が優しい気がする。昔に戻ったみたいな穏やかな顔つき。
「そういえばお前、塾はどうしたんだよ」
「今日、熱っぽくて休んだんだ」
「熱?」
おでこに手を当てると確かに熱い。
「ばか!熱出てるのにエッチしてんじゃねえよ!」
「これで死んでも悔いはないよ」
素早い動きで俺の頬にチュッとキスすると、「じゃあ僕、寝てくる」と航士は二階へあがっていった。頬を手で押さえながら、俺はドキドキ高鳴る心臓の音を聞いていた。