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知らない世界

2020.12.09.Wed.
<「君と僕」→「初めての温度」→「嫌がる本当のワケ」>

※中1。貴志の兄貴登場、奴隷注意

 晩ご飯だから、とおかんに言われ、俺は兄貴を呼びに、離れに向かった。ここは前までは婆ちゃんが使っていたが、他界して以降、兄貴の部屋になっていた。

 俺は4歳違いの兄貴が苦手だった。和也も俺の兄貴が苦手で、だから滅多にうちには来ない。俺と和也以外にも、兄貴を苦手に思っている奴は実は多い。というのも、まず見た目が怖い。言動がヤバい。全てが振り切れている。

 喧嘩に勝つために、体を鍛えている。着痩せをするが筋肉質な体をしている。いつも好戦的な目つきで人を見てくる。自分から目を逸らすということをしない。相手が目を逸らさないと、「何をガンたれとんのや」と因縁をふっかける。ヤカラだ。

 この村にはヤンキーとか族はいないから実際のところわからないが、俺が思うに、兄貴はおそらく、その部類に入る人間なのだろう。

 喧嘩っ早く、あまり関わりあいたくない人種。

「人を殺すな。人の物を盗むな。人を騙すな。女を泣かすな。あとは好きにしろ。自分のケツは自分で拭け」という、親父の放任主義のせいで、年々、兄貴の危険度が増していく。

 小さい頃は、兄貴によく苛められた。プロレスごっこと称して、まだ小さかった俺の体のあちこちに痣を作った。柔道の寝技で落とされたこともある。その頃「落ちる」ってことを知らない俺は、このまま兄貴に絞め殺されると恐怖して、落ちる間際、失禁してしまった。

 兄貴は慌てるどころか、意識を取り戻した俺を見てゲラゲラ笑い、もちろん心配などしれくれるわけもなく、自分で後片付けをさせられたあと、風呂に連れていかれて、いきなり冷水のシャワーをぶっかけられた。

 あの時の、加虐の楽しみに浸って笑う兄貴の顔を、俺は一生忘れないだろう。

 昔は兄貴の弟ということが死ぬほど嫌だったが、兄貴が学校に通い出し、あまり俺に関わらなくなったあたりから、逆に弟で良かったと思えることもできた。とりあえずは家族なので、外で会ってもいきなり殴られるような事はない。

 こんな兄貴だが、大人や年寄りからは好かれて(?)いる。以前、村に畑の農作物泥棒があらわれたことがある。村の男で自警団を作り、見回りをすることになったのだが、なぜかこの村をこよなく愛する兄貴は率先して見回りに参加した。それが妙に大人たちにウケて、それ以来可愛がられているのだ。

 余談ではあるが、見回りを続けたある日、畑泥棒は捕まった。うちの兄貴に半殺しの目に遭っている。身柄を引き取りにきた警察に「やりすぎ」と怒られたほどだ。

 こういう兄貴なので、俺は実弟とは言え、機嫌を損ねないよう、いつも気を使っていた。だから兄貴が離れに移動したのは、俺にはとても喜ばしいことだった。

 少し緊張しながら、離れの戸を開け、中に入る。玄関に見慣れない靴が一組置いてあった。ここは兄貴と友達の溜まり場になっているので、珍しいことではない。

「お兄ちゃん、入るで」

 一声かけて、靴を脱ぐ。「兄ちゃん」「兄貴」などと呼ぶと鉄拳が飛んでくる。必ず「お兄ちゃん」と呼ばなければならない。昔はわざわざ「祐介お兄ちゃん」と呼ばされていた。

 廊下を歩いて居間を覗くがいない。2階のようだ。ギシ、ギシと音を立てながら、階段をあがり、十畳一間しかない2階の部屋の襖をあけた。

 最初に目に飛び込んできたのは、裸の男の背中とケツだった。両手を後ろで縛られ、その男は跪いて、前かがみに体を傾けている。

 なんだ?! 俺は目の前の光景がよく理解できず、襖に手をかけたまま、棒立ちになった。

「なんや、貴志か」

 男の向こうから、兄貴が顔を出した。兄貴はソファベッドにもたれて座り、雑誌を読んでいたようだ。下半身を露出させて……。そこへ、この裸の男が顔を近づけている。

「お兄ちゃん、この人、なんえ……」

 呆然となる俺に、

「あぁ、こいつ、俺の奴隷」

 兄貴はいとも簡単にそう言ってのけた。

「どれい……」

 この時俺の頭に浮かんだのは、古代ヨーロッパの奴隷のイメージだった。目の前のそれとは、少し違う。

「そうや、こっち来い。お前にも紹介しといたろ」

 兄貴が手招きする。俺にそれを拒否する度胸はない。オズオズと中に入り、兄貴の横に立ってギョッとした。全裸の男は兄貴のチンポを咥えていた。

「こいつな、俺の奴隷でな、睦雄言うんや、同じ高校の3年」

 兄貴は2年生だ。なんで年上の人がこんな格好でこんなことをしてるのか、中1の俺にはさっぱり理解出来なくて、絶句するしかなかった。

「睦雄、俺の弟、貴志や。挨拶せえよ」

 睦雄と呼ばれた3年生は、ゆっくり体を起こした。口から抜けたチンポと唇の間に唾液のハシゴが出来る。男の顔は真っ赤で、目は涙で濡れていた。泣いている。嫌がっているんだ。俺の膝が震えてきた。

「石川、勘弁してくれ……」

 睦雄がはじめて口をきいた。途端、兄貴に蹴り倒された。

「奴隷の分際で何言うとんのじゃ。いつもみたいに、行儀よう、挨拶せんか。飼い主の俺に恥かかすなや」

 手は後ろで縛られているので、睦雄は足と顎を使って起き上がり、また膝立ちになった。俺と向き合う位置に来て、顔を歪め、項垂れる。

 睦雄を正面から見て俺は思わず「あっ」と声を出した。睦雄の勃起したチンポの根元には黒い紐が巻きついていた。チンポの先からは、透明な液体がダラダラと垂れている。見てはいけないものを見た驚愕。こんなことをしている兄貴に対する恐怖。俺の顔から血の気が引いていく。

 睦雄の荒い息遣いは体と同様、激しく震えていた。

 やがて、

「変態奴隷の睦雄です……見られると興奮します……こんな俺を見てください……」

 と俺の目を見据えて睦雄は言った。

 俺はショックを受けてチビりそうだった。睦雄は屈辱から顔を赤くし、唇を噛み締めている。兄貴だけが、ニヤニヤと笑っていた。

「こいつな、男のチンポが好きなんよ。俺のチンポしゃぶりながら、勃たせとうやろ? お前も出したい時は俺に言えよ、睦雄にしゃぶらせたる」
「えっ、いなん、俺、いなんわ……」

 俺は大慌てで首を振る。

「何遠慮しとんな。お前もマスかくやろ?」
「マス? 何それ?」
「お前中1にもなってまだマスも知らんのか。情けないのう。こうやってチンコしごくことや」

 兄貴は睦雄のチンコを握って上下に動かした。

「あぁぁっ!」

 睦雄が叫ぶ。俺は体を震わせて驚いた。なんて声出すんだ、この人……。

「なにビビッとんな。お前もチンコくらい、勃たせたこと、あるやろが?」

 ……ある。俺は、つい最近、和也とキスして勃起したことを思い出した。この頃の俺はまだ性に対してほとんど白紙の状態で、「セックス」という行為もぼんやりとしか想像出来ず、目の前のこの光景も、どうやらその一部らしいと察知し、また軽いショックを受けた。

「チンコ勃ったら触りとうなるやろ?」

 どうだろう。俺にはまだそれはよくわからなかった。

「触ったらどうなるん?」
「触ったら、こいつみたいに、先から汁出るんよ」

 兄貴の視線が、睦雄のチンポに向けられる。俺もつられてそこを見た。小さい口から透明な液体が溢れて下に伝い落ちる。睦雄は耐えられないという風に、顔を背ける。

 俺は睦雄のチンコを見ながら、和也の勃起した股間の硬さを思い出していた。和也も、こんな風に勃たせていたのだろうか。触ってみたい、と俺は思った。和也のチンコを触って、さっきの睦雄みたいな声を出させてやりたい。

「お前はオクテやの。俺の弟やったら、もっとしっかりせえや。マスのかきかた、教えたろ。睦雄に手とり足とり、教えさせたるから、お前もチンコ出せ」

 この時ばかりは、さすがに俺も拒否した。

「い、いらん! おかんが、晩飯やて、それ言いに、来ただけやから、俺、先、戻っとるから……!」

 逃げるように部屋を出て、階段を下りた。上から悪魔のような兄貴の笑い声が聞こえてくる。

 離れで見たあの光景は、しばらく、俺の頭から消えてくれなかった……。



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