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接点t(6/6)

2020.11.23.Mon.


 待ってる間に制服は着ておいた。1人裸だと馬鹿みたいだと静馬も服を着た。静馬が飲み物を出してくれたがのどを通らなかった。兄貴は30分でやってきた。ドアをガンガン叩く。俺はソファの上で飛び上がった。

 静馬がドアを開けに行き、開放的な空気のあと、ドカドカ足を踏み鳴らして兄貴が部屋に入ってきた。怒り狂っているときの歩幅で中央に来ると部屋を見渡し、ソファの俺を見つけてカッと目を見開いた。眦が完全につりあがっている。ブチ切れてるときの顔だ。

「先にシャワー浴びる?」

 あとから静馬がやってきた。振り返った兄貴が静馬の頬を平手打ちした。パンと乾いた音が部屋に響く。

「大介に手出すなっつったろ」
「痛いなあ。もう子供じゃないんだから、大介が誰と寝ようが薫には関係ないだろ。セックスの相手まで管理する権利、薫にはないよ。ねえ、大介くん?」

 静馬が俺に問いかける。その頬がみるみる赤くなっていく。それを見て手足が震えた。

「帰るから……、静馬を殴んなよ」
「無事で帰れると思ってんのか」

 兄貴に腕を掴まれた。引っ張り立たされベッドに突き飛ばされる。昨日キスされても、静馬になにを言われても、俺は徹頭徹尾、兄貴が俺にその気を起こすなんてまったく思っていなくて、兄貴が俺に跨ったのだって馬乗りで殴るためだと思っていた。鬼の形相の兄貴を見あげて本当に泣く寸前だった。

「昨日俺が言ったこともう忘れたのか? あ?」
「ご……ごめん……っ」
「それともまじで俺にぶち犯されたかったのか?」
「えっ……」
「静馬!」

 兄貴に呼ばれて静馬がベッドに飛び乗る。

「こいつの手押さえとけ」
「了解」

 楽しそうな表情で、静馬は俺の頭の向こうに座ると両手を掴みあげた。

「なっ……なに?! なんで?」
「言ったじゃん。俺の勝ちってことだよ、大介」
「え? え?!」

 パニクっているあいだに、兄貴は俺の足からズボンとパンツを引き抜いた。驚いて声も出なかった。ただ信じられない思いで兄貴のことを見ていた。

「薫、ローション」

 静馬は小袋を兄貴に投げた。兄貴はそれを破ると俺のちんこの上から中身を垂らした。手でローションを馴染ませるように扱かれる。縮こまったちんこはなかなか反応を見せない。当たり前だ。まさか本当に兄貴が俺を犯そうだなんて、いまこの状況になってもまだ信じられないんだから。

「兄ちゃん、嘘だろ……冗談なんだろ」
「冗談でお前のちんこ触れるかよ。俺は忠告してやっただろ、静馬に近づくな、二度と会うなって。このイカレポンチ野郎に毒されてんじゃねえよ。もう取り返しつかねえぞ。俺は我慢できてたのに煽るような真似しやがって」

 ちんこを握ってた手が玉を越えその奥へ伸びてきた。そこに触られたとき、一瞬で全身熱くなるような感覚がした。赤の他人ですら見られるのも触られるのも抵抗があるのに、肉親の、実の兄貴に触られるなんてショックなんてもんじゃない。目の前が揺さぶらて、鼻の奥で血の匂いを嗅いだ。本当にどっかの血管切れたかも。

「兄ちゃん、やだよ! そんなの……! いやだ、触るな!」
「指くらいでガタガタ騒ぐんじゃねえよ。静馬にちんぽ突っ込んでやったんだろ。今度はお前が突っ込まれるだけだ」
「ぅぁあああっ、なんで! 嫌だ! 兄ちゃん! 兄ちゃん!!」

 体を捩って暴れてみたが、兄貴に馬乗りにされてる上に静馬に手を拘束されているからとても逃れられそうにない。俺が必死の抵抗を試みるあいだ、兄貴の指は何度も出し入れされ、中を充分擦られた。

「もう観念しなよ、薫は俄然やる気だよ」

 静馬が俺の耳元で囁く。助けて欲しくて目線を送ったのに、静馬はにこにこ笑いながら俺の額や瞼にチュッチュとキスするだけだ。

「静馬、助けてよ」
「えー、やだ。はやく大介に犯して欲しくてさっきからずっとケツがうずいて仕方ないんだよ。大介も薫に犯されながら俺に突っ込みたいでしょ? 前も後ろも気持ち良いって最高じゃない?」
「俺はいやだ! 静馬だけがいい……!」

 微苦笑を浮かべて静馬が兄貴を見あげる。兄貴は苛立った様子で舌打ちすると指を抜いた。ベルトを外してジーンズの前を広げる。ボクサーから引っ張りだしたちんこを扱き始めた。静馬の言う通り、右曲がりで反りかえったちんこだ。

「兄ちゃんそれどうする気だよ……本気じゃないだろ、やめてくれよまじで」
「俺だって冗談だと思いてえよ。でもお前がイカレ野郎の静馬に犯されるくらいなら俺がやったほうがマシだ」
「ええっ?」

 静馬を仰ぎ見る。目が合うと静馬は最初に家の廊下で会ったときみたいな馴れ馴れしい笑顔を浮かべた。

「薫も最初は渋ってたよ。でもそれなら俺が食っちゃうよって言ったら、お前にヤラれるくらいなら自分でヤルってさ。なんだかんだ言って弟のこと大事なんだよ」

 本当に大事に思ってくれてるならこんなふざけたこと止めてくれ。

 兄貴は先端を俺の尻穴にぴたりと押しつけた。

「わっ……嘘だ、兄ちゃん嫌だって俺こんなのいやだっ……ッ!」

 グググ、と兄貴のちんこが入ってくる。

「うあ、ぁああぁっ……! 痛い……っ、兄ちゃん痛いよ抜いてよっ!」

 どうしてこんなことになったのか必死に考えた。俺が静馬に近づいたから? 兄貴の言うことを聞かなかったから? 兄貴の彼氏に手を出したから? そんなことで実の弟を犯すだろうか?

「兄ちゃん、俺のことが好きなの?」

 半泣きで導き出した答えを怖々口にしたら、兄貴は動きを止めた。次いで、静馬の爆笑。兄貴は静馬を睨みつけた。

「かわいいなあ、大介は」

 頭上から静馬が俺の顔を覗きこむ。

「そういうところほんと気に入ってるよ。大介、いいこと教えてあげる。愛なんてなくてもセックスはできるんだよ?」

 言うと静馬は顔をあげた。

「薫もそうだろ。好きじゃない女とも平気でやるし、男同士の俺ともできる。実の弟とだってできる」

 手を伸ばして兄貴を引きよせると静馬は兄貴とキスした。俺の目の前で長く深い口付けをかわし、唾液の糸を引きながら離れて行った。兄貴は冷めたような諦めたような不思議な笑みを浮かべていた。

「よく言う。俺はお前のせいで性癖歪められたんだ。──大介」

 兄貴は俺と目を合わせた。

「静馬に近づくなって俺は忠告してやったのに、お前はほんと救いようのない馬鹿だな。静馬のせいで俺はお前相手でも勃つし、静馬入れて3人でやんのもぜんぜん出来るんだよ。お前もその内こうなるぞ」
「だったら最初にそう言っといてくれよ!!」

 そんなわかりにくい忠告があってたまるか!

 兄貴のちんこが完全に全部収まった。異物感がすごい。静馬は俺とヤッたとき気持ちいいと言っていたけど全部演技なんじゃないかと疑う圧迫感。ずる、とそれが動いた。

「ううっ……やめてくれよ……ッ」
「薫のちんぽ気持ちいいだろ?」
「ぜんぜん気持ち良くない……! 痛いし苦しいし、もうやだっ……静馬、変わってよ!」
「俺だってかわりたいけど、俺って焦らされるの案外好きだからさあ。それに薫が大介を犯してるとこもっと見たいじゃん? 薫のちんぽが大介のけつまんこにぶっ挿さって、出たり入ったりしてんだよ。兄弟でなにやってんだよって思ったらめちゃ興奮するじゃん。ねえ、兄貴に犯されるのってどんな感じ? 近親相姦って俺とヤッたときとやっぱ違うの?」
「黙れ静馬。大介が萎えてんじゃねえか」

 兄貴に制止されて静馬がやっと喋るのを止めた。俺の股間をみて「おや」という顔をする。

「薫の弟のくせに、甘ちゃんだなあ」

 と言うと静馬は俺の顔をまたぎ、ちんこを握った。チュッチュとキスしたかと思うと先を口に含む。ジュッと吸いこんで全部口の中に収まった。舌と口全体を使ってちんこを愛撫する。そんなことをされたら嫌でも反応してしまう。

「嫌だ、静馬、やめて、いやだ」

 静馬の口のなかでどんどん大きくなっていく。それに伴い、静馬の粘膜に触れる部分も増えていく。静馬は奥深くまで俺を飲みこんで体ごと顔を揺すった。俺の目の前で静馬の股間がゆさゆさ揺れる。静馬も勃起していた。

 ちんこが蕩ける。気持ち良くてわけがわからなくなる。

 尻穴では兄貴のちんこがピストン運動を続けている。もう痛いのか痛くないのかわからない。この腰が抜けるような気持ち良さは兄貴のちんこのせいなのか、静馬のイラマのおかげなのかもわからない。

「兄ちゃん……俺、なんか変……っ」
「元から変だろお前は」
「ちがっ……んあっ、あ、ケツ……おかし……いっ」
「良くなってきたか?」

 反りかえった兄貴のちんこが天井を擦るたび、頭のなかで光がチカチカと点滅するのだ。

「兄ちゃん、もうやめて……うぁっ……あっ、あんっ」

 ズルル、と静馬の口からちんこが抜かれた。振り返った静馬が俺に笑いかけている。

「大介、どこに出したい? 好きなとこに出させてあげるよ」

 好きなところ。口? 顔? 俺が出したいところは……

「静馬の中がいい……! 静馬のおまんこに出したい!」

 俺は欲求を満たすことを優先することにした。

 ~ ~ ~

 静馬のうなじを見ながら俺は腰を振った。四つん這いの静馬に突っ込む俺、その俺に突っ込む兄貴。静馬の言う3連結。

 後ろから兄貴に突き上げられるからリズムを取りにくい。タイミングがずれると俺の尻から兄貴のちんこが抜けそうになったりするのだ。そっちに気を取られていたら今度は気持ち良くて静馬のほうがおろそかになってしまい、「ちゃんと動いてよ」と静馬に怒られた。

「ごめん、だって兄ちゃんが」
「俺のちんぽが気持ちいいんだろ?」
「うん」

 振り返って兄貴とキスする。きゅっと兄貴を締め付けたら、それを感じ取った兄貴がヌコヌコとちんこを動かした。反りかえった右曲がりのちんこが気持ちいい。静馬の言う通り、癖になりそうだ。

「ずるい、俺にもキスしてよ」

 体を起こした静馬がキスを求めた相手は兄貴だった。静馬は限界まで体を捻り、兄貴も俺を押しのけ体を倒してむりやり薫にキスした。

 見てたら興奮と嫉妬がフツフツ湧きあがる。誰に嫉妬しているのか、もう俺にはわからない。長いキスに我慢も限界だった。

「もういいだろ」

 2人を引きはがし、俺も静馬にキスした。後ろから兄貴が激しく突いてくる。その衝撃が前の静馬にも伝達されていく。まさに玉突き状態。尻を犯され、ちんこは静馬の尻に扱かれてキスどころじゃない。

 静馬が喘ぐ。俺も同じように喘いでいた。

「ふあっ、あっ、出るっ……静馬……、兄ちゃん、俺もう出るよ……!」

 言った直後、静馬のなかに精液を放った。ちんこでイッたのか、尻でイッたのか自分でもわからない。おそらく両方だ。

 静馬は布団に突っ伏すと体を反転させて仰向けになった。目的を達成して実に満足げな笑顔だ。

「大介、最高だったよ。いままでのセックスで一番気持ちよかった。不規則な動きも読めなくてドキドキしたし、大介を通して薫のちんぽを感じられるのも良かった。薫に突かれてちんぽがビクビクしてんのめちゃ可愛かった」

 と俺の頭をワサワサと撫でまわしたあとご褒美みたいにキスしてくれた。

「じゃあさ、俺もイキたいから、しゃぶって?」

 静馬は自分の膝を左右に割った。我慢汁ですでにベトベトの勃起ちんこがフルフルと震えていた。俺はなんの躊躇もなくそれを咥えた。兄貴に突き上げられた拍子にのどの奥に刺さる。吐きそうになりながらしゃぶり続けた。

「イクぞ、大介、お前のなかに出すぞ」

 パンパンと兄貴が腰を打ち付けてくる。涎と鼻水を垂れ流しで変態性癖のクソビッチ野郎のちんこをしゃぶりながら実の兄貴に種付けされた。そこに快感を見い出す俺はもう、元には戻れないんだろう。




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接点t(5/6)

2020.11.22.Sun.


 翌朝、洗面所に行ったら兄貴が歯磨き中で思わず「げっ」と声が漏れた。こっちを見ないまま器用に俺を蹴りあげる。口をゆすぐと洗面所を出て行った。それ違いざま、俺は兄貴を睨んでやったのに目も合わさないで行きやがった。昨日あんなことしておいて。

 俺が朝飯を食って学校へ行く時間になっても、兄貴はリビングのソファに寝転がってずっとテレビを見ていた。講義まで時間がある日は部屋で寝てるくせに早起きとは珍しい。昨夜のこと、ちょっとは気にしてる証拠かもしれない。

 学校で授業はほとんど上の空だった。昨日は色々ありすぎた。静馬で脱童貞したこととか。そのあと兄貴にキスされたこととか。思い出していたら授業中何度か勃起しかけた。

 今日は見える景色が違った。昨日まで童貞仲間だった俺の友達が幼く見える。漫画とかゲームの話をしてくるのが微笑ましい。今なら確実に非童貞のリア充共と対等に話ができる気がする。いや、手近な女とヤッてるあいつらより、俺のほうがはるかに経験豊富かもしれない。なんせ俺は年上の男とヤッて、その日のうちに実の兄貴ともキスしたんだ。そんな経験した奴、このクラスに他にいるか?

 一日中浮ついたまま授業が終わって放課後になった。電車を降りて歩いてる途中でスマホが鳴った。知らない番号からだ。ちょっと迷ったが出てみると『元気~? あれから大丈夫だった?』妙に馴れ馴れしい口調と声ですぐ相手は静馬だとわかった。

「なんでこの番号知ってんですか?」
『昨日、ファミレスで大介くんがトイレ行ってる隙に見た』

 油断ならねえ。

『薫に怒られなかった?』

 心配してると見せかけて声はウキウキ弾んでいる。

「怒られてねっすよ」
『えー、なんで? 俺と寝たってバレなかったの?』
「バレたけど、別に。あんたのこと、ただの公衆便所としか思ってないからじゃない? もう二度と会うなって言われただけ」
『そうなの? 残念~。今から遊ぼって誘おうと思ってたのに』

 ぜんぜん声が残念がってない。俺が断らないってことがこの人はわかってるんだ。断られてもそれを覆す自信があるんだ。

「昨日駅にいたのって、もしかして俺を待ってたりする?」
『当たり。大介くんに会いたいなーと思って、薫に色々探り入れて待ち伏せしたんだ。薫と体の相性いいから、絶対大介くんとしても気持ちいいだろうなと思って。実際良かったわけだし、またしない?』

 断んなきゃいけないんだろうなと頭ではわかっていた。でも電話越しにこの人の声を聞いてるだけで股間に血液が集まり始めていた。またしゃぶって欲しい。突っ込みたい。

 でも兄貴のことを思い出したら恐怖のほうが勝る。また会ったってことがバレたら、今度こそ鉄拳制裁だ。

「あんた、ほんとは兄貴を怒らせたいんだろ」
『そんなことあるわけないじゃん』

 って笑うけどぜったい嘘だ。兄貴を怒らせてなんの得があるんだ? 破滅的なセックスが好きだから? 兄貴の気を引きたいから? 都合のいいビッチだって言うくせに俺には近づくなって言う兄貴と同じだ。2人とも言葉と本音が裏腹だ。

「俺もうあんたらに利用されたくない」
『じゃあもう俺とはセックスしないの? のどの奥まで大介のちんぽ咥えこんでふやけるまでしゃぶって欲しくないの? 俺のおまんこ使ってあっつい精子たっぷり中出しして、オナホみたいに使い捨てていいんだよ。いまもほんとは勃起してんじゃない? 俺にしゃぶって欲しくてたまんないでしょ? 今すぐ舐めてあげるから、大介の勃起ちんぽ出してごらんよ。ねえほら、触って。硬くておっきくなってる。俺にも触らせてよ。大介の精子、俺に飲ませてよ。のどに精液絡みつく感じ、俺大好きなんだから』

 もう耳元で直接囁かれてるも同然だった。静馬の息遣いが俺を煽る。昨日童貞捨てたばかりの俺に抗う術はなかった。

「どこ行けばいいの」
『昨日と同じ駅』

 通話を切り、走って駅に戻った。

~ ~ ~

 改札を出たら静馬がいた。知らない男と話をしている最中で、俺に気付くと「ちょっと待って」とジェスチャーする。男が頭を下げて駅を出て行った。

「誰?」
「知らない人。ファッションの参考にしたいから写真撮らせて欲しいって言うから、一枚撮らせてあげてたの」

 今日もスナップいいですかあ?って言われそうなお洒落ないでたちだった。

「雑誌載るの?」
「雑誌じゃないよ。個人で保管用って言ってた」
「やばいじゃん。なにに使われるかわかんないよ」
「ナニに使うんだろうね?」

 静馬はニヤニヤ笑った。

「あんた平気なの? あの人、写真見ながらマスかくかもよ」
「興奮するよね」

 あ、この人変態だったの忘れてた。

 お腹空いてる?って聞かれたけど、先にセックスしたかったからホテルに直行した。部屋に入るなり静馬を跪かせてフェラさせた。有言実行でのどまで咥えこんでジュプジュプ音立てながらふやけるまでしゃぶられた。この人は本当にちんこだったら誰のでもいいんだろう。例えばさっき駅で写真を撮らせた男だっていいに違いない。だんだん腹が立ってきたので、最後は静馬に顔射した。

「やられたぁ」

 って言うわりに嬉しそう。なにをしてやっても逆効果。

「お風呂入ってくるね」

 俺の目の前で静馬が一枚一枚服を脱ぎ捨てていく。わざとらしいストリップショーに俺の目は釘付けになる。昨日抱いた体。いまから抱く体。待ち切れなかった。静馬のあとを追いかけて俺も風呂に入った。キスをしながら静馬が俺の体を洗ってくれる。手つきがいやらしくて、すぐまた勃起した。静馬は俺に見せつけるように尻の穴を洗った。早くぶち込みたい。

 濡れた体を拭くのもそこそこにベッドに連れこんだ。今日もねだられて四つん這いの静馬に後ろから挿入する。

 最初はガン掘りして責めた。さっき出したばかりだから長引かせられそうだ。昨日は必死だったけど今日は静馬のちんこを触る余裕がある。静馬も勃起していた。先っぽが濡れている。それをクチュクチュ扱いてやったら中が締まった。

「気持ちいい?」
「はぁ……すっごい気持ちい……ちんぽハメられたまま扱かれたらすぐイッちゃう」
「ほんとに?」

 ピストンしながらちんこを扱いてやった。ビクビクと静馬の腰が痙攣したみたいに震える。

「ああ……あ……出ちゃう……イッちゃう……!」

 射精の瞬間、ぎゅっと奥がキツくなった。俺もはやくこの中に中出ししてやりたい。

 息を吐き出しながらベッドに静馬が突っ伏す。俺もその上にのしかかった。体を密着させるのが気持ちいい。静馬からはいい匂いがする。それを吸いこみながら細い体を抱きしめる。さっきはイラついて顔射したけど、いまは静馬が愛しいし、他の誰にも抱かれて欲しくないと独占欲がわきあがってくる。ぴったりくっついて柔らかな髪の毛とか項に何度もキスした。これは俺のものだって印をつけていくみたいに。

 腰をゆったりグラインドさせた。長くなかに留まっていたい。静馬と離れるのが惜しい。淫乱くそビッチの変態でもいい。この人を俺のものにしたかった。

 長引かせる限界がきて、最後は静馬に中出しした。ちゅぽんと音を立てながらちんこを抜いて、静馬の横に寝転がる。静馬と目が合いキスした。だんだん頭が冷静になっていく。性欲に負けてまた静馬とセックスしてしまった。兄貴にバレたらどんな目に遭うか。

「兄貴にバレたらまじで殺されるかも」
「じゃあ秘密にしとかないとね」

 信用できない笑顔を浮かべ、静馬は俺の乳首を指で弄んだ。

「あんな奴のどこがいいの?」
「顔とちんことセックスが強いところ」

 はっきりしていて思わず吹き出した。

「俺と付き合ってって言ったら?」
「いいよ」
「まじ?」
「3人でしよっ」
「またそれ」
「本気だよ。薫も大介も大好きだから、3人で付き合いたい。3人でしたい」
「俺はやだ。吐くわ」

 吐くで思い出した。

「そうだ、昨日兄貴にキスされたんだった」
「なんでなんで?」

 肘をついて顔を覗きこんでくる。ずいぶん楽しそうだ。

「静馬を俺にちょうだいって言ったらキスされた。次そんなこと言ったらぶち犯すって脅されたし」
「なにそれ最高。犯されようよ、大介!」
「やだって」
「薫は大介を犯して、大介は俺を犯すの。良くない? 絶対いいよ。兄弟で3連結しようよ!」
「力説すんな。あんたほんと頭おかしい」

 体を起こし、ベッドから足をおろした。ぐうと腹が鳴る。性欲のあとは食欲を満たしたい。

「俺の頭がおかしいことなんて、最初からわかってたことだろ」

 静馬に背中を蹴られた。

「やめろよ」
「常識人ぶりやがって、ほんとつまんない奴。血は繋がっててもやっぱ薫とは違うね。期待はずれだよ。大介にはがっかりした!」

 兄貴と比べる言葉にカチンとくる。静馬の足を掴んで乱暴に押し返してやった。

「兄貴だって俺とヤリたがるわけないだろ」
「薫はやる気あるよ」
「……嘘だろ」

 穴兄弟になったことさえ心底嫌そうな顔をしたあの兄貴がそんなはずない。どうせ静馬の出任せに決まってる。でもはっきり言いきられると自信がなくなっていく。

「大介入れて3人でしたいって言ったら、薫は大介次第だって言ったよ」
「嘘だ。兄貴は俺を嫌ってるのに」
「薫も同じこと言ってた。大介は俺を嫌ってるから絶対実現しないって。でも傍から見てたらお前ら二人、相思相愛のブラコン同士だよ。ほんとは仲いいくせに仲悪いふりしてるだけじゃん」
「どこがっ」
「じゃあ今から薫呼び出そうよ。大介がいるって聞いたらあいつ何を置いてもすっ飛んでくるから。来たら俺の勝ちってことで3Pしようね」

 静馬は身軽にベッドからおりると鞄からスマホを出した。

「ほんとに電話すんの? 兄貴に殺される」
「大介は大丈夫。殺されるとしたら俺のほうだから」

 操作したあとスマホを耳にあてた。

「あ、薫? いま俺大介とホテルいるんだけど来ない? ほら前に言った話、覚えてるだろ? 3人でやろうってやつ。大介がやっとその気になってくれたんだ。……ほんとだよ。だから薫も早く来なよ。いますぐ大介にちんこぶち込みたいだろ? あははっ、そんなに怒るなよ。……手遅れだって、大介も電話聞いてるもん」

 静馬は俺を見ていたずらっぽく笑った。

「場所と部屋番号メールするから今すぐ来て。ただし、覚悟が出来てないなら来るなよ。意気地なしのフニャチンじゃ俺はイケないから」

 通話を切ると静馬はスマホをソファに投げ捨てた。

「薫が来るまでもう一回やっとく? あ、そんな気分じゃないか。顔真っ白だよ、大丈夫?」

 静馬に頭を抱えられ、額にキスされた。めちゃくちゃな言動とは裏腹に声もキスも優しい。俺はひたすら恐ろしくて仕方なかった。兄貴が来たらめちゃくちゃ怒られる。殴られるだけじゃ済まない。文字通りボコボコにされて半殺しにされる。こんなふざけた真似をして静馬もただじゃ済まないだろう。

 兄貴が俺とヤリたいわけがない。ここに来るのは3Pのためじゃない。俺たちを半殺しにするためだ。静馬はそれがわかってないんだ。

「いますぐここ出よう。逃げよう」
「嫌だ。大介だって知りたいだろ。薫が大介になにをしたいか。薫になにをされるのか」
「ボコにされんだよ!」
「そうなったらその時だよ」

 静馬が晴れやかに笑う。この人は本当にイカれてる。この人の破滅願望は本物だった。頭を抱えて呻った。静馬が隣に座り、慰めるように俺の背中を撫でた。細く硬い指。泣きそうなくらい、心地いい。



接点t(4/6)

2020.11.21.Sat.


 ホテルを出たあと静馬にファミレスでご飯をご馳走になった。その時兄貴から電話がかかってきてかなりびびった。思わず静馬の顔を見る。首を傾げる静馬にスマホの画面を見せると「ああ」と納得した顔でにやりと笑った。

 通話ボタンを押して耳にあてる。

「……なに?」
『なにじゃねえよ、お前いまどこいんだ。バイトもう終わってんだろ。母さん心配してんぞ』
「もう帰るよ」
『どこいんだって訊いてんだよ』

 怒りを押し殺した兄貴の声。何度も聞いたことがあるから、爆発寸前の苛立ちを抑え込んでいる時の声だとすぐわかった。

「ファミレス。友達と飯食ってて」
『遅くなんなら連絡しろ馬鹿』

 吐き捨てる声。いつもなら身がすくむが、今日はなぜか冷静でいられる。目の前に兄貴がいないから? 静馬がそばにいるから? 静馬とセックスしたあとだから?

 そうだ、俺は今日、兄貴の彼氏を寝取ってやったんだ。あの馬鹿、そうとも知らずに俺の心配なんかしてやがる。

「食べ終わったら帰るよ、母さんにもそう言っといて」
『自分で言え』

 通話が切れた。なにも知らない兄貴が可笑しかった。肩を揺すって笑っていたら、静馬が頬杖をついて楽しげに俺を見ていた。

「なんだかんだ言って兄弟仲いいじゃん」
「どこが」
「心配して電話してきてくれたんでしょ。仲良いじゃん」
「母さんに言われて仕方なくだよ」
「俺なら放っておくけどね」
「兄弟いるの?」
「ひとりっこ。だから薫と大介が羨ましい」
「俺はひとりっこがいい。あんな兄貴、いらないよ」
「じゃあ俺にちょうだい」
「だめ」

 俺の即答に静馬はきょとんと瞬きする。

「兄貴はあげない。俺をあげる」

 あはは、と静馬は笑った。

 食事を済ませて店を出た。駅まで歩きながらくだらない話をした。兄貴と違って偉そうじゃないし、知識をひけらかしたり俺を馬鹿にしたりしない。年上なのにそれを感じさせない。一緒にいて楽しい人だった。まだ別れたくない。もっと長く一緒にいたい。だから静馬が家まで送ってあげるという言葉に甘えた。

 一緒に電車に乗り、最寄り駅で降りた。改札を抜けた先になんと兄貴がいた。ぴたっと足が止まる。全身から血の気が引ていく。

「薫じゃん。大介くん迎えに来たの? やっさしー」

 立ち止まる俺を置いて静馬は兄貴のほうへ近づいて行く。険しい顔で兄貴が俺を睨んでいる。冷や汗が止まらない。

「なんで大介と静馬が一緒にいんだよ」
「偶然会ってね。ご飯食べてきた」

 平然と静馬が答える。兄貴は静馬をちらっと見たあと、「おい、帰るぞ」と俺に声をかけた。逃げだしたくなったがなんの解決にもならないし、逃げたところですぐ兄貴に捕まってしまう。余計怒らせるだけだからおとなしく兄貴の言葉に従った。自分の一歩が、死刑台へ続いているような気がする。

「大介くん、また今度いっしょに遊ぼうね」
「あ、はい」

 ファミレスでの威勢はどこへやら。叱られた犬のように耳を垂れ尻尾を巻いて俺はすごすご兄貴のあとに従った。もう静馬を振り返る余裕もない。

 駅の蛍光灯が遠くなる。線路沿いの道を大股の兄貴に置いて行かれないように必死について行く。踏切に捕まり兄貴は立ち止まった。その後ろに俺も立つ。

「大介」

 踏切の警報音に紛れて兄貴の声を聞き逃しそうになった。

「えっ」
「お前、あいつに何かされたか」
「なにかって」

 のどが狭く声を出しずらいと思った。心臓がでたらめに鳴り出す。背中を汗が流れるのがわかった。兄貴はなにか気付いているんだろうか。俺が部屋で兄貴のセックスを盗み聞きしてオナニーしていたと知っていたように俺が静馬とセックスしたことも勘づいているのだろうか。

 兄貴の彼氏を寝取ったことがバレたら。俺は間違いなく半殺しだ。

「あの変態に、なんもされてねえだろうな」
「……なにも! なにもされてないよ!」

 声が裏返った。嘘ついてるってまるわかりだ。ゆっくり兄貴が振り返る。その後ろをゴッと電車が走り抜ける。目を眇め、兄貴は俺をじっと見た。動悸が激しい。全身汗びっしょりだ。電車が通りすぎ警報音だけが反響している。それも前触れなく止まった。

「静馬に訊いてもいいんだぞ。あいつは口も緩いからな」

 遮断機があがったのに兄貴は前に進まない。いまここで俺の嘘を暴くまで動かないつもりだ。

 静馬は秘密を守ってくれる人なんかじゃないだろう。兄貴に訊かれたら全部ペラペラ喋るに決まってる。いま白状するのと、静馬に喋らせるのと、どちらが兄貴を怒らせないだろう。

 大きな溜息が聞こえた。

「静馬に電話する」
「待って!」

 咄嗟に止めたが次の言葉が出てこない。喋れっこないのだ。黙って待つ兄貴が不気味で俯いた。

「あいつと寝たな」

 ここが外で遅い時間だから兄貴は怒鳴らないで静かな声で言うんだろう。それが余計俺を縮み上がらせた。

「怒らねえから正直に言え」

 それ絶対あとで怒るやつじゃん。

「あいつに誘われたんだろ? バイト帰り、待ち伏せされたか?」

 はっと顔をあげた。静馬は駅にいた。待ち合わせをブッチされたと言っていたけど、あれは最初から俺を待っていたのか?

 俺の様子でわかったらしく、兄貴は前髪をかきあげながら大きく息を吐いた。

「やっぱりか。お前のこと色々聞かれると思ったら……あいつほんとイカれてんな」

 独り言みたいに呟く。

「どこまでやった?」

 兄貴の目が俺を射貫く。嘘も言い訳も通用しないときの目だ。

「ど……え、と……」
「まさか掘られてねえだろうな」

 ブンブン首を横に振った。ピクリと兄貴のこめかみが痙攣したのが見えた。

「あいつにハメたのか」

 否定も肯定もできずに俯く。

「どうせあいつの口車に乗せられたんだろ。簡単に食われやがって。突っ込める穴ならなんでもいいのか。節操ってもんがねえな。これだから童貞はよ」
「なっ、それを言うなら兄ちゃんだって……!」
「俺がなんだよ」
「男と付き合うとか……、ホモになったのかよ」
「付き合ってねえよ、気持ち悪いこと言うな。男とヤッたからってホモにはならねえよ。あいつは色々都合がいいんだよ。いつでも好きな時にヤレるし、金かかんねえし、中出ししても孕まねえしな」

 平然と言い放つ兄貴に少し安堵した。静馬のことが好きで付き合っているわけじゃないらしい。いわゆるセフレというやつ? だとしたら俺が寝取ったところで兄貴にはダメージはない。ちょっとのお叱りで済みそうだ。

 俺はどうかしてた。兄貴のものに手を出して無事で済むわけないのに。兄貴の言う通り、静馬の口車に乗せられてしまったんだ。

「くっそ、最悪だ」

 顔を歪めながら兄貴が俺を見る。

「お前と穴兄弟かよ」

 心底嫌そうに吐き捨てる。俺もそれに気付かされて思わず顔を顰めた。寝取るってことはつまりそういうことなのに、なにかひとつ兄貴より優位に立てるものを見つけてすっかり浮かれていた。

 その優位に立てると思ったことすら、意味がなかった。兄貴のお下がりの公衆便所に精液を出しただけ。冷静になればなるほど、自己嫌悪が強くなる。

 また警報機が鳴りだした。遮断機がおりるまえに踏切を渡った。

「もう静馬には会うなよ」

 前を向いたまま兄貴が言った。

「会わないよ」
「連絡先教えてないだろうな」
「教えてない」
「待ち伏せされても無視しろよ」
「わかってるよ」

 都合のいい公衆便所なのにずいぶん警戒している。そんなに俺を近づけたくないって、やっぱり付き合ってるんじゃないのか? あの変態くそビッチと。

「あ」

 俺の声に兄貴が振り返る。

「なんだ」
「あの人、3Pしたいって言ってた。兄ちゃんと俺の三人で」

 兄貴の足が止まる。怖いくらいの真顔で俺を見ている。

「あのイカレビッチの言うことなんか真に受けんな」
「あの人ほんとにヤバいよ。兄ちゃんも付き合い考えた方がいいよ」
「お前が口出しすんな」

 普段の様子に戻って兄貴はまた歩き出した。もうすぐ家だった。

 俺には静馬に会うなと命令するくせに、自分はイカレビッチとまだ関係を続ける気らしい。ずるい、と思った。俺が誰と会おうが、兄貴に指図されるいわれなんてないはずだ。

 家の前について面倒臭そうな溜息混じりに兄貴が門を開ける。俺は立ち止まり兄貴の背中を睨みつけた。脱童貞をしてちょっと成長したから? 俺は兄貴に反抗したくなった。少なくともこのまま家の中には入りたくなかった。

「俺、あの人のこと好きかも」

 深く考えず、思いついた言葉を言った。鍵を開ける手を止め、兄貴が俺の目の前に戻ってきた。

「頭ヤラれたのか?」

 と人差し指で自分のこめかみを叩く。

「あの人が会いに来たらまたホテル行くかも」
「さっきの会話はなんだったんだよ、時間の無駄かよ。手間かけさせんな」
「いらないなら、俺にあの人くれよ」

 いきなり胸倉を掴まれた。殴られる! 咄嗟に目を閉じ歯を食いしばった。衝撃を予想したのに、唇になにかが押しつけられただけだった。ぬりりとした感触に目を開けたら、目の前に兄貴の顔があった。押しつけられたのは兄貴の唇。舌が俺の唇を割って中に入ってくる。驚いた隙に舌の侵入を許してしまった。

 掬いあげるように俺を舌を絡め取り、強い力で吸いこまれた。クチュクチュ音を立てながら吸われたり、甘噛みされたり、奥まできたと思ったら歯列をなぞり、口蓋を舐めてまた舌をなぶる。静馬としたキスとは違って乱暴な噛みつくようなキスだった。

 兄貴とキスだって?!

 我に返って胸を押し返した。空いた隙間から空気を吸いこむ。

「なっ……にしてん、だよっ」

 俺の目を見つめながら兄貴が離れていく。

「今度そんなふざけたこと言ってみろ、ぶち犯すぞ」

 俺の口元の涎を親指で拭うと、兄貴はくるりと背を向け家の中に入って行った。玄関の明かりが点いたのが、扉から漏れる光でわかった。さらに「お帰り」という母さんの声も聞こえた。

「大介は一緒じゃないの?」
「もう入ってくる」

 いつも通りの兄貴の声。実の弟にあんなキスをしておいてなに平然と受け答えしてるんだ。俺はまだ中に入れないっていうのに。勃起したちんこ、どうしてくれるんだよ。



ごほうび

接点t(3/6)

2020.11.20.Fri.


 ローションを足しながら指を増やした。内部はビチョビチョに潤い、火傷しそうなほどに熱い。ふと興味がわいて静馬の股間を見たらしっかり反り返ったちんこが見えた。

「気持ちいい?」
「いいよ、初めてなのにすごく上手だね」

 静馬の言葉に自信をもらう。指を出し入れしていたら「もういいよ」とやっと静馬のお許しがもらえた。指を引き抜き、自分のちんこにもローションを絡めた。入れたい、静馬に中出ししたい、そんな想像だけでちんこはすでに復活していた。ヒクつく静馬の穴に先端を押しつける。

「入れるよ」
「早くきて」

 男なのに、静馬の表情はとても色っぽくてエロかった。

 腰に体重をかけながらゆっくり静馬のなかに挿しこんでいく。のどよりきつい締め付けに顔を顰める。でも腰は止まらない。止められない。もっときつくて狭くて、熱く蕩けたこの肉筒の奥まで潜り込みたい。ここで何度も腰を振って陰茎を扱きたい。最後は自分の臭い付けのように静馬のなかにたっぷり精液を注ぎこみたい。

「大介のその顔、いいよ、好き」
「え、どんな顔」
「雄丸出しの、男らしい顔」

 兄貴を知ってる静馬から褒められるとすごく嬉しくなる。兄貴に勝ちたい。負けたくない。静馬に認められたい。

 根本まで嵌めこんだあと、そっと腰を引いてみた。カリがめくれ上がるような感じ。そこで静馬のなかを擦っているのがよくわかる。引いたあと、また戻した。2、3擦っただけでもう気持ちいい。これがセックスだ。恐る恐るだったピストンも、だんだん速度があがっていく。静馬の尻の穴でちんこを扱いている。手を使わない摩擦がこんなに気持ちいいなんて。これはどうしたって癖になる。兄貴が頻繁に女を連れこんでいた理由を身をもって知った。

「上手……っ、そこ、もっと擦って……俺そこ好きなんだ」

 頬を上気させながら静馬が微笑む。

「どこ? ここ?」

 静馬の様子をみながら場所や角度を変えてみる。中がビクンと反応する場所があってきっとそこだと当たりをつけて腰を振った。痙攣するように静馬の体がビクビク震える。

「ああっ……大介、そこもっとガンガン突いて。薫より激しくして」

 兄貴より激しく。ここを兄貴のちんこが擦ったんだ。それを上書きしなくちゃ静馬に認めてもらえない。褒めてもらえない。

「うっ、はあっ、あっあぁんっ、いいっ、薫のちんぽより気持ちいいよっ」

 静馬の足が腰に巻きついた。ぎゅっと足で抱きよせられる。

「兄貴のちんぽって大きいの?」
「見たいことない?」
「ないよ、見たくもないし」
「標準よりちょっと大きいくらいかな。右曲がりでね、すっごい反り返ってるからめちゃくちゃいいとこ当たんだよね。カリ高で中えぐられるし、なによりすごい硬いから気持ちいいけど体ぶっ壊されそうになるんだよね。癖になるちんぽっていうの? 一度咥えこんだら病みつきだよ」

 いやらしい顔で静馬は笑った。ちんこがさらに大きくなる。静馬もそれを感じ取ったのか、驚いた表情のあと唇を舐めた。

「大介のちんぽもいいよ、亀頭でかいし竿も太いし、俺のケツマンコ全部擦られてる感じ。一生懸命なのが伝わってくるし、かわいいよ」
「静馬のオマンコもいいよ、兄貴はユルユルマンコだって言ってたけど、ぜんぜんそんなことない。絞りとられる感じですっげえいいよ」
「じゃあもっと気持ちよくなろ」

 体を捻って俺のちんこを抜くと、静馬は四つん這いになった。シーツに顔をつけ、自分で尻を左右に割って穴を見せつける。

「後ろからきて。俺、バック好きなんだよね」

 まだ閉じ切らない穴にちんこを突っ込んだ。ヌルヌルで簡単に奥まで入る。出し入れを繰り返した。静馬の背中、後頭部、項。この景色を兄貴は何度見たんだろう。何度静馬をイカせ、何度静馬のなかでイッたのだろう。

 静馬の背中に伸し掛かった。体重を支えきれずに静馬が潰れる。

「なに? どうした?」
「あんたにもっとくっつきたいと思って」
「かわいいこと言うじゃん。おいで。キスしよう」

 首をひねって静馬がこっちを向く。俺も必死に首を伸ばして顔を近づけた。唇が触れ合う。舌を出して絡め合った。好きでもなんでもなかった静馬が急に愛しく感じた。後ろから腕を回し静馬を抱きしめた。兄貴ではなくもっと俺を感じて欲しい。兄貴と比べないで俺だけをこの体に覚えていて欲しい。

「兄貴のこと、好きなの?」
「もしかしてやきもち焼いてる?」
「もう兄貴と寝ないでよ。俺が抱いてやるから」

 俺は真剣だったのに静馬は声をあげて笑った。

「笑うな」
「ごめんごめん、大介のことは好きだよ」

 ぎゅっと尻を鷲掴まれた。

「大介のちんぽも好き。薫のちんぽも好き。俺、セックスが大好きなんだよね。竿一本じゃ物足りないんだよ、ごめんね」
「本当にビッチだったんだ」
「だから遠慮なく、俺のケツマンコいつでも使っていいよ。兄弟で俺のこと公衆便所みたいに雑に扱って精液吐き捨てて行ってよ。好きって言われるより一滴でも多く精子ぶっかけてくれるほうが俺は嬉しい」
「本物のド変態だ」
「俺の本性わかったらさ、今度薫と三人でヤんない?」
「はあ? やだよ!」

 裸の兄貴を想像したら鳥肌が立った。まったく冗談じゃない。

「考えといて。悪い話じゃないと思うんだ。嫌いは好きの裏返しって言うじゃん? 案外、薫のこと好きなのかもよ。薫のちんぽ突っ込まれてみたいって思ったことない?」
「思うわけないだろ兄弟で! もうこれ以上喋んないで、萎える!」
「それは困る」

 静馬は俺の頭を抱え込んでキスした。官能的なキスだ。萎れかけた気持ちが簡単に元へ戻って行く。静馬は腰を蠢かせた。俺も腰を動かした。床オナみたいに打ち付ける。

 兄貴が俺を抱く? 一瞬でも想像したことを後悔した。吐きそうだ。

 目の前の静馬に集中した。粘膜に包まれて俺のちんこはもう熱々に蕩けている。これ以上長引かせるのは辛い。

「俺イクかも。中出していいよね」
「いいよ、きなよ、大介の熱い精子、俺のなかに全部出しなよ」

 さっきの発言が頭をよぎる。俺はいまから公衆便所に射精するのか?

 腰を振る。肉のぶつかる音。水が弾ける音。静馬の喘ぎ声。俺の荒い息遣い。

「あ、イク……!」

 兄貴が届いてない場所まで精子を送りこんでやりたくて体重を乗せてできるだけ奥にぶちこんだ。静馬の尻に指を食いこませながら射精した。

「すご……大介の精液、いっぱい来てるよ……」

 うっとりとした表情で静馬が呟く。だらしない顔に、猛然と怒りが湧いた。ちんこを引き抜き静馬をひっくり返した。急に仰向けにされて静馬が面食らった顔をしている。

「ちんこ突っ込んでくれるなら誰でもいいわけ?」
「そうだよ」

 挑発的に静馬が笑う。この人が酷く傷つく言葉を探す。ビッチも公衆便所も、この人には効かない、ご褒美でしかない。なにも頭に浮かばず、諦めて胸に顔を埋めた。

「また甘えたモード?」

 頭を撫でられた。細く硬い指が心地よい。目の前の乳首を舐めた。赤ん坊みたいだと思いながら吸った。当然なにも出てこない。

「あんたいつからそんな淫乱なの」
「物心ついたときから?」
「どうしようもないな」

 静馬が笑って腹が揺れる。腹、ヘソにキスして、ちんこを舐めた。我慢汁がしょっぱい。

「フェラしてくれるの?」
「イラマは無理だけど」
「それは俺の十八番だから」

 ど変態め。抵抗感はわずか。亀頭を咥えこんだらもうどうでもよくなった。頭を上下に揺すって静馬のちんこをしゃぶった。

「大介の童貞食ってフェラさせたって薫に知られたら俺殺されちゃうかも」

 楽しそうな口調は、心の底ではそれを望んでいるように聞こえた。実際、そういう願望がある人なんだろう。今日俺に声をかけた時からそれを想像していたとしたら、正直俺には手に負えない相手だ。じゃあ兄貴ならできるのか? それはそれで癪だ。

「もういいよ、顎疲れただろ」

 肩を叩かれて顔をあげた。フェラがこんなに難しいとは思わなかった。イカせられなかったことに敗北感を感じつつ、最後は手で静馬をイカせてやった。



接点t(2/6)

2020.11.19.Thu.
<1>

 バイトが終わった夜、駅の改札で知った顔を見つけた。待ち合わせなのか柱にもたれてスマホを見ているのは、いつか兄貴とセックスした静馬だ。挨拶するほどの知り合いじゃないし、素知らぬふりで通りすぎようとしたら「大介くん?」と声をかけられてしまった。

「ああ、どうも」

 今日もお洒落。ストリートスナップ絶対撮られてますよねって感じ。だけど、あの口で兄貴のちんこをのどまで咥えこんだんだよな。後ろ向きでケツにちんこ突っ込まれて「気持ちいい」ってよがってたんだよな。思い出したらすっごく気まずい。

 俺が盗み聞きしていたなんて知らないから、「こんなとこで何してんの? バイト? お疲れ~」っていかにも年上の大学生って感じで会話してくる。この人が、兄貴曰く、露出狂の変態。おまけにユルユルケツマンコのくそビッチ。

「静馬さんはここで何してるんですか」
「あ、名前覚えててくれたんだあ」
「まあ」
「俺は待ち合わせだったんだけど、ブッチされたっぽい」

 笑いながらスマホをポケットにしまう。

「お腹すいてない? 奢るから食べに行こうよ」

 返事を待たずに静馬は俺の腕を掴んで歩きだす。

「いや、俺は。家でご飯用意してると思うし」
「いいじゃん。俺一人で食べるのも味気ないしさ。おすすめの店あるから付き合ってよ」
「でも」
「大介くんは真面目なんだね。薫と大違い」

 兄貴と比べられてカチンときた。生まれてこのかた、かけっこのタイムもテストの点数も逆上がりができた年齢もバレンタインでもらったチョコの数も、なにもかも兄貴と比べられる人生だった。それが一生続くのだ。

「別に、真面目じゃないです」
「じゃあ行こ」

 静馬に引っ張られて歩きだした。

連れて行かれたのはホテルの前。

「ほら入って」
「いや、飯って……ここ違いますよね」
「固いこと言わないの。この前俺と薫がセックスしてるとき盗み聞きしてたじゃん? 興味あるんでしょ」
「どうして知ってるんですか!」

 静馬が知ってるということは兄貴も知ってるということだ。全身サーッと血の気が引いたが、ニヤニヤ笑う静馬を見て気が付いた。

「カマかけた……?」
「どうでもいいじゃん。ヤろうよ。初めて会った時からかわいいなーって思ってたんだよね。薫と大介くん、兄弟2人コンプリートしたいしさ」
「嫌ですよ! 男となんて気持ち悪い!」
「俺たちのセックスでマスかいたくせに」
「あれはっ」
「薫の彼氏、寝取りたくない?」

 肩に手を置いて静馬が耳元で囁いた。

「兄貴だからっていつも偉そうにされて、大介くんの我慢も限界なんじゃない? 薫の初めての男って俺なんだよ。薫が知らないところで、薫の初彼寝取ってやるって興奮しない? あいつのものを、自分のものにしたくない?」

 兄貴の男を俺が寝取る……?

 おやつも、おかずもいつも兄貴のほうが多くてしかも何度も横取りされた。俺が買った漫画も先に読まれたし、テレビを見てても兄貴の好きなチャンネルに変えられた。外食しても俺が洋食がいいと言っても兄貴が焼肉と言えば焼肉になった。なにもかも、兄貴が優先されてきた。

 俺が静馬を寝取ったら。それを知らずに兄貴はまた静馬とセックスするんだ。俺に寝取られてとも知らずに。

 動悸が激しくなった。耳元で心臓の音が聞こえる。体中がカッカと熱くなって叫び出しそうになった。

「セックスでも薫に負けるなんて嫌だろ」

 静馬が妖しく囁く。男を誘う娼婦のように。兄貴の言葉が頭に蘇る。静馬は露出狂の変態くそビッチ。なんだかんだ言って、ただ俺とヤリたいだけなのかもしれない。怒りがこみあげてきた。

 静馬の腕を掴み、ホテルに駆け込んだ。

 初めて足を踏み入れたホテルに感動する間もなく、部屋に入るなり静馬にキスした。もちろんファーストキスだ。見様見真似、ただがむしゃらに静馬の口のなかを貪った。舌と舌が絡みあうのは気持ちよかった。混ざる吐息に興奮した。痛いくらいに勃起した股間を静馬に擦りつけた。

「焦らなくていいよ。今日は大介くんのものなんだから。俺の体、どこでも全部好きにしていいんだよ」
「じゃあっ……口でやって……兄貴にしたみたいに、口で……!」

 微笑むと静馬は床に膝をついた。ベルトを外し、ジーンズのチャックをおろす。工程ひとつひとつやるごとに、上目遣いに俺を見る。ずり下ろされたパンツから弾き出たちんこ越しにも、静馬は俺を見上げた。にこりと笑い、頬擦りしたあと、それを口に咥えた。

 熱い口腔内。さっき貪った舌が括れや竿を舐めている。物足りなくて静馬の頭を押さえ込んだ。兄貴にはイラマチオしてやったんだろ。俺にもやって欲しい。

 ズ、ズ、とちんこがのどの奥まで飲みこまれていく。腰が蕩けそうなほど気持ちいい。このまま射精してしまいたいくらいだ。静馬の頭を挟み、腰を振ってみた。静馬のきれいな顔が歪む。

「出すよ、飲んで……っ」

 ぐっと静馬の頭を引きよせ根本まで突っ込んだ。静馬の目が白黒する。のどの奥で射精した。静馬ののどが痙攣したようにビクビク脈打った。その動きすら気持ちいい。

 全部出しきったあと静馬の口からちんこを引き抜いた。ゲホ、ゴホッと静馬が噎せて咳き込む。その口から白い涎が垂れ落ちた。それを見たらまたしゃぶらせたくなった。

「一回出して満足したなんて言わないよね? こっちに突っ込まなきゃ、薫から俺を寝取ったなんて言えないよ」

 静馬はズボンとパンツを脱ぐとベッドに仰向けに寝転がり、膝を抱えあげた。俺の目に晒される静馬の尻と肛門。あそこに突っ込まないと、兄貴のものを奪ったとは言えないのだ。

 飛び掛かろうとする俺を静馬は笑いながら止めた。備品の小袋を俺に投げてよこす。

「ローションでそこを解してくれなきゃ、入れさせてあげないよ」
「ど、どうやるの? やり方がわかんないよ」
「まずそれを手に出して俺の尻に指入れて」

 言われた通りローションを手に出し、静馬の肛門に触れる。汚いとは思わなかった。頭のなかはもう、静馬に入れたい、兄貴から静馬を寝取りたい、それだけだ。

「大介のちんぽで怪我しないように指で解すんだよ。中で指を曲げたり、グリグリ回したりして。まわりの筋肉を揉み解すみたいにさ」

 ここに兄貴もちんこを突っ込んだことがあるのだ。俺もいまから同じことをしてやるんだ。兄貴より静馬を気持ち良くさせて、喘がせてやる。




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