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更新履歴・お知らせ

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

2014/02/20
先生 その1(1-2)更新。
先生 その1(2-2)更新。完結

2014/02/19
娘さんを僕にください更新。完結

2014/02/18
ノビ更新。完結

2014/02/17
ノビ更新。

2014/02/16
1万3千円更新。完結

2014/02/15
1万3千円更新。

2014/02/14
ファンレター更新。完結

2014/02/14
ブログ始動。
「ファンレター」公開。

よろしくお願いします。

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DiGiket.comさん

薔薇色の日々
  (「裏の顔」改訂版)

不埒な短編集
 短編3つ

不埒な短編集第二
 短編3つ

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第二ボタン(2/2)

<前話はこちら>

 母さんが日課のヨガを始めたのを確かめてから航士の部屋へ向かった。勉強している背中がかっこいいと思っていた。今はただひたらすら腹が立つだけだ。

「どうしたの、兄さん。また構って欲しいの?」

 椅子を回転させながら航士が振り返る。余裕ぶった態度。俺が全部知ってるなんて思ってもいないんだろう。

「お前、好きな子いるのか?」

 俺の質問に航士が軽く目を見張る。立ちあがって近寄ってくると「兄さんに決まってるでしょ」と俺の頬を手で包んだ。全部知ったいまでも、その手の温もりにドキドキしてしまう。間近で見つめられると心臓が苦しくなるんだ。

「放ったらかしにされて不安になった? 僕が好きなのは兄さんだけだよ。今も昔も。ずっと変わらない」

 と言ってキスしようとしてきたので思わず突き飛ばした。航士が驚いた顔をする。

「勝手にすりゃいいよ。お前がどこ受験しようが、誰と付き合おうが、俺にはどうでもいいし! 俺もお前のことなんか本気じゃないし、大学に可愛い子いっぱいるし! 男で実の弟なんか面倒なことばっかだし! だからお前も好きにしろよ。もう俺に遠慮することないから!」

 食事中、航士の顔を睨みながら責める言葉や文句ばかりが頭のなかをグルグル回っていた。でも兄としてのプライドからそのまま伝えることは出来なかった。振られるなら、こっちから振ってやる。それがわずかに残された俺の矜持だ。

「急にどうしたの、兄さん。僕、何かしたかな?」

 困惑した顔もかっこいいとか。どこまでもふざけた奴だ。

「もう全部知ってるから!」
「何を?」
「お前が奈緒子を好きなことに決まってるだろ」
「奈緒子?!」

 航士は目を大きく見開いた。

「なにがどうしてそういう結論になったのか、最初からちゃんと話してくれる?」

 とぼけるつもりか。上等だ。言い逃れできないよう、全部話して聞かせてやる。

 奈緒子から聞いた情報、母さんの話、俺の記憶等々、航士がひた隠してきたことと、俺の推理と結論を披露した。

 全部聞き終わった航士は額に手を当てて、深くため息をついた。今のうちになにか言い訳を考えているんだろうが、全部俺が論破してやる!

「僕が中学の時に奈緒子にボタンをあげたのは事実だよ」
「ほら! やっぱり!」
「でもあげたのは僕たちが卒業する時じゃないよ。兄さんの卒業式の日だ」
「お? 俺の?」
「奈緒子はね、昔から兄さんのことが好きだったんだよ。それで兄さんの卒業式の日の夕方、兄さんのボタンが欲しいって僕に頼みに来たんだ。兄さんのものは髪の毛一本誰にもあげたくなかったから僕のボタンをあげた。奈緒子には黙ってたけど、たぶん、ボタンのない僕の制服を見て気付いたんだと思う」

 新しい情報に頭が混乱する。奈緒子が俺を好きだったって? 航士がボタンをあげたのは、俺のボタンを奈緒子に渡したくなかったから?!

「そ、そんなのあとから何とでも言えるじゃん!」
「母さんがボタンを付け替えるのを兄さんも見てたんだろう? 考えてもみてよ、僕が卒業した時なら、わざわざボタンを付け替える必要はないよね? もう着ないんだから」

 確かに。言われてみればそうだ。

「付け替える必要があったのはあと一年、僕には制服を着る必要があったから。つまり奈緒子がボタンを欲しいと言いだしたのは僕がまだ中2のとき。兄さんが卒業する時なんだよ。これだけじゃなんの証拠にもならないけど、まだ僕を信じてくれない?」

 思い返すと、奈緒子も「卒業シーズン」という言い方をして、自分たちの卒業式だったとは一言も言っていなかった。

 もしかするとこれは本当に恥ずかしいことをやらかしてしまったのかもしれない。

「でも……でも、志望校が奈緒子と同じじゃんか」
「今日兄さんに聞くまで奈緒子の志望校なんか知りもしなかったし、知った今でもぶっちゃけ合否の結果も興味ないよ」
「じゃあ、なんで急に志望校かえたんだよ」
「家から通えるからだよ」
「は?」

 こっちは真剣に聞いているのに間の抜けた答えが返って来た。

「前の志望校を決めた時はまだ兄さんとこうなる前だったから」

 と言って航士は俺の腰に手を回し自分のほうへ引きよせた。

「兄さんから離れることを第一条件に選んだ大学だったんだ。でも今は一分一秒も離れたくないから、行きたい学部があって家から通える大学を探したら、偶然奈緒子と同じだっただけ」

 航士が以前志望していた大学は県外で、合格したら寮に住むと話していたっけ。俺はそれを羨ましいと思いながら聞いていたけど、その頃の航士は好きになってしまった俺から離れるために家を出る覚悟をした時期だったのだ。

「本当に奈緒子のことは、なんとも思ってないんだな?」
「奈緒子がベッドの上で裸で寝てても勃たないよ」
「お、俺は……?」
「視界に入っただけで、めちゃくちゃヤリたくなる」

 俺の耳元で囁いた航士の股間は、それを証明するように熱く硬くなっていた。



「一瞬でも僕の愛を疑うなんて許さない。お仕置きが必要だね」

 と誤解が解けたあと、航士は俺をベッドに押し倒すと口と手で俺の体中を愛撫しまくり、ご褒美みたいなお仕置きで俺を一回イカせたあと、今日もこれで終わりかと落胆する俺の尻穴にローションまみれの指を突っ込んできた。

 いつもなら丁寧に解されるのだが、今日はある程度解すとすぐさま航士のちんこが入って来た。

「ごめんね。僕も相当、溜まってたみたい」

 とすまなさそうに言う航士がたまらなく愛しかった。自ら足を広げ航士を受け入れた。気持ちよくなってもらいたくて締め付けた。いつもより早く、航士は射精した。

 中出しをねだったのは俺だ。倒錯した快感に、ほぼ同時に俺も果てた。

 二人とも一度や二度じゃ収まらなかった。

 体位をバックにかえて、背後から貫かれた。

「うっ……ひぐぅ……ッ……ン……あっ、あはあぁんっ!」

 航士に突きあげられた拍子に口を塞い出ていた手が外れ、大きな声が漏れた。

「ちゃんと手で押さえてて。母さんに聞かれちゃう」
「ご、ごめっ……アッ、あ、待って……んんんっ!!」

 俺の腰を掴み、航士が高速ピストンで中を抉ってくる。さっき一度航士が出したものがグチョグチョと音を立てている。

 シーツは俺の出した精液ですでにドロドロだ。

「だから言ったのに。僕、止まらなくなるよって」

 俺が誘っても誘ってもなかなか最後までしてくれなかったことを言っているのだろう。俺は朝までだってこうしてたいのに。明日のことなんかどうだっていい。

 でも航士の受験勉強も邪魔はしたくない。

「ごめんっ、あんっ、航士……ごめ……でも……はぁんっ、あ、気持ち良い……ッ」
「僕も。兄さんのここ、すごく気持ちよくてずっと中に入ってたいよ」
「いれば……いいじゃんっ……ローターもディルドもやだッ……航士がいいっ……航士のちんぽでいっぱいして欲しい……っ」
「もちろん、死ぬまでいっぱいしてあげる。その前に」

 航士は俺のちんぽの根本をぎゅっと握った。

「僕のこと本気じゃないって? 大学の可愛い子に乗り換えるんだって?」
「あれは……! 勢いって言うか……」

 首をひねって見た航士はいつものように穏やかに微笑んでいたが、目は笑っていなかった。顔が整っているからか変に凄みがあってちょっと怖い。

「勘違いしただけで本心じゃないってわかってるつもりだけど、言われた時はショックだったし傷ついた。全くそんな気持ちがなければ出て来ない言葉だろうし」

「違う! ほんとにあれは嘘……っていうか……ほんとはお前に捨てられるのが怖くて仕方なかったんだ。夢中なのは俺だけだったんだって思ったら悲しかったし」
「僕のほうがずっと兄さんに夢中だよ。物心ついた頃から兄さんのことばかり見てる。僕の生活も人生も、全部兄さんが中心だ。やっと手に入れたのに、くだらない情報に惑わされないでよ。僕だけを信じて。僕だけを見て。僕だけを愛してよ」

 懇願するような口調で言われて胸が痛んだ。こんなに好いてくれている航士を疑って本当に悪いことをした。毎日好きだと言ってくれるし、毎日キスもしてくれる。俺がねだれば勉強で忙しいのにその合間を縫って俺の相手もしてくれる。航士もずっと欲求不満だったはずなのに、文句ひとつ言わないで俺の欲求だけを沈めようと努力してくれる。

 これじゃ捨てられたって文句言えないや。

「ごめん、航士……俺、お前だけが好きだし、お前だけを見るよ」
「愛してくれないの?」

 そんなことを訊かれて顔が熱くなる。

「あ、あいしてるよっ」

 恥ずかしくて声が裏がえった。でも航士は笑わずに、「絶対、一生、二人一緒だからね」と執念が滲む真剣な口調で言った。

「わかってる。お前よりいい男なんか他にいないしな」
「それに、こんなに兄さんを愛してあげるのも、僕だけなんだからね」

 俺の背中にキスしたあと、航士は腰の動きを再開した。リズムよく突きあげられる。

「ふんっ、んんっ、あっ、あはぁっ、ああん!」
「大学を卒業したら家を出て2人で暮らそうね」
「あっ、ん、うんっ……一緒……!!」
「毎日好きなだけセックスしようね」
「やぁっ、あっ、出るッ、イクッ、航士……手ぇ、はなして……!!」
「愛してるよ、兄さん」
「あ……ッ!! ああ──ッ!! イッ……ぁ……ああぁ……っ!」

 航士が手を離した瞬間、勢いよく精液がぶちまけられた。



 友人たちと遊びに行くらしく、卒業式を終えた航士が着替えのために一旦家に帰って来た。リビングでテレビを見ていた俺に「早く帰るからね」と耳打ちついでにほっぺにキスする。

「卒業式の日くらい、ゆっくり馬鹿騒ぎして来いよ」
「早くこの続きしたいでしょ」

 言うと、いきなり口を合わせて濃厚なベロチューをしてきた。それだけで簡単に半立ちになる俺。したり顔の航士。

「あとこれ。もらってくれる?」

 差し出された航士の手には制服のボタン。

「これって」
「僕の制服の第二ボタン。兄さんにもらって欲しくて死守したんだよ」

 言われてみると、他のボタンは全部なくなっている。

「……やっぱり早く帰ってこい」
「そのつもりだよ」

 笑顔で航士が言う。こんなに愛されてていいんだろうか。







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2017-07-06(Thu) 21:12| 第二ボタン| トラックバック(-)| コメント 3

第二ボタン(1/2)

<前話「兄弟愛」はこちら>

 父さんはまだ仕事中で、母さんは最近始めたヨガをやりだしたから最低30分はそっちに集中してくれるはずだ。

 抜き足差し足で航士の部屋の前に立ち、コンコンとノックしたら見とれるようなイケメンが出てきた。

「お風呂だったら兄さんが先に入って」
「じゃなくてっ」

 航士の部屋に入り、足で戸を閉めながら航士に抱きついた。つま先立って航士にキスする。背中と腰に手が回されるのを感じて、それだけでもう体がゾクゾクと興奮した。

「下に母さんがいるのに」
「ヨガ始めたから……っ」
「それで発情してるの?」

 発情なんて言われて恥ずかしいがその通りなので無言で航士を睨んだ。言わなくたってわかるだろう。航士はクスリと笑って俺の股間に太ももを押しつけて来た。

「もう、こんなにしてるの?」
「……ッ……だって……ずっと、してない……っ!」

 太ももでグリグリされて勝手に息が跳ねあがる。

 航士は受験生で今まさに追いこみ中の超多忙な時期。せっかく親が出かけた貴重なチャンスでさえ、勉強を理由に最後までしてくれないことが続いていた。俺の我慢も限界。

「この前手と口でしてあげたでしょ?」
「違う……航士の……入れて欲しいんだよ……!」

 こんなこと言わせんな! きっと航士はわかってて言わせてるんだ。恥ずかしがって顔真っ赤にしながら口にする俺を見て楽しんでいる。

 その証拠に満足げに微笑んでご褒美だと言わんばかりに俺のおでこにキスした。

「前も言ったけど、受験が終わるまでは我慢してもらわないと。志望校変えてギリギリなんだ」
「でも、一回くらい……ッ」
「最後まですると僕も夢中になって兄さんを責めちゃうから、疲れて勉強どころじゃなくなっちゃうんだよ」

 それはわかるけど。わかるけど!

 こんなに俺が誘って、しかもお願いまでしてるのに駄目なのか?! お前、昔から俺のこと好きなんじゃなかったのかよ!

「受験が終わったら毎日兄さんを抱いてあげる。何度もイカせて、何度も中出ししてあげるから。ね。今はこれで我慢して。かわいい僕の兄さん」

 俺の体を放すと航士はその場へ膝をつき、ズボンのベルトを緩めだした。いきり立ったものを引っ張り出して、それをペロリと舐める。

「今度、ディルドを買ってあげる。ローターで一人でやっちゃう兄さんなら、きっと気に入ると思うよ」
「ばっ、馬鹿にすんな……あっ!」

 パクッと先端が航士の口に消えたと思ったら、根本まで咥えこまれていた。熱くてヌルヌルと湿っていて気持ちがいい。

 ジュルッジュボッと音を立てながら航士が顔を前後に動かす。端正な顔が俺のちんぽを咥えて形を歪ませている。

「ああっ、あっ、あん……やっ、航士ぃ……!!」

 ジュルルルルッと強く吸い上げられて腰が抜けそうになり航士の頭にしがみついた。手で一回、口で一回出してもらったのはつい三日前のこと。昨日の夜は自分でもヌイた。それなのにもう膝がガクガクの快感に襲われて立ってられなくなる。

「イクッ……イッちゃ……!! やだっ、あぁんっ、やだってば! 航士の欲しい……!! 航士のちんぽ入れて……ッ!!」

 こんなに頼んでも航士の意思は固いようで、フェラをやめない。それどころかより強烈にフェラチオされて目の前がグニャグニャと歪んだ。

「ああっ、あっ! あっ! や……あ──イクッ──出る──っ!!」

 頭が真っ白になった瞬間。航士の頭を押さえつけながら俺はあっけなく射精していたのだった。



 大学の友達と少し遊んでから家に帰ったら玄関に見慣れない女物の靴が並んでいた。リビングから女の笑い声も聞こえる。

 また航士の知り合いか?! 邪魔してやろうと険しくなる顔のままリビングに入って行くと「おかえり!」と出迎えてくれたのは、近所に住む幼馴染みの奈緒子だった。

 家が近くて通う幼稚園も同じだったから、小さい頃はほとんど毎日のように遊んでいた。思春期に入った中学あたりから、すれ違っても目礼する程度だったが、高校生になった頃から顔を合わせれば挨拶するし、たまに立ち話をするくらいには戻っていた。

 航士と同い年だから今年受験で大変なはずなのに、油売ってて大丈夫なのか。

「奈緒子ちゃんがお裾分けのみかん持ってきてくれたのよ」

 母さんの言うとおり、テーブルにはビニール袋に入ったみかんが置いてあった。

「まだおじいちゃんちに大量にあるらしくて、送ってきたんだよねー」

 奈緒子のお母さんの実家でみかんの栽培をしているらしい。毎年たくさん送ってくるからうちもお裾分けでもらっていた。我が家の風物詩の一つだ。

「あ、奈緒子ちゃん、シュークリームあるの。一緒に食べない? 和希も食べるでしょ?」
「え、ああ、うん」

 受験生を引き止めて大丈夫かと奈緒子を見れば「やったー」と手を叩いて喜んでいた。意識したことなかったけど、やっぱりこいつも女の子なんだなぁ。

「用意してくるね。お飲み物は紅茶でいい?」
「私も手伝いまーす」
「いいのよ。座って待ってて」

 母さんがキッチンへ消えたので、俺と奈緒子二人になった。鞄をソファにおろして、奈緒子の向かいに座ってみかんに手を伸ばす。奈緒子にもらうみかんは毎年甘くておいしい。

「そういえば航士くん、受験勉強頑張ってる?」

 同じくみかんの皮を剥きながら奈緒子が言った。

「机にかじりついてやってるよ」
「さっき和希くんのお母さんに聞いたけど、志望校変えたんだって?」
「そ。ランクあげたからいま必死」
「そうなんだ……」

 黙々とみかんの皮を剥く。白いとこも綺麗に取り除く。

「うちの学校、もう午前授業だけになったんだよね」

 先にみかんを食べ始めていた奈緒子が言った。

「航士のとこは自由登校だって」

 俺も1つを口に放り込んだ。うん。甘い。

「受験受験で忘れがちだけど、もうすぐ卒業でしょ。なんだか早いなーって」
「そんなもんだよ。高3の三学期なんて」
「卒業って言えばさー、中学の卒業シーズンの頃に、航士くんから制服のボタンもらったことあるんだよね」
「はっ?!」

 ボタンがどうしたと一瞬意味がわからなかったが、卒業シーズンにもらうボタンと言えばあれだ。制服の第二ボタンのことだ。

「航士が? 奈緒子に?!」
「うん。私が欲しいって頼んだわけじゃなくて、航士くんから自主的に自分の制服のボタンくれたの。あれってどういう意味だったんだろう?」

 首を傾げて奈緒子は「ウフフッ」と笑った。なんだその満更でもない感じ。

「ちゅ、中学の頃の話だろ」

 残りのみかんを口に詰め込んだ。中/学生の頃はすでに航士は俺のことが好きだったはずだ。本人がそう言っていた。あれは嘘だったのか?

「私も忘れてたんだけどね。あまり意味のない思い付きの行為だったのかなーって。でも、航士くんが志望校変えたってさっきおばさんに聞いた時、なんか繋がったっていうか、思い出しちゃったんだよね。私の志望校と同じだったから」

 あやうくみかんを吹きだすところだった。航士の志望校が奈緒子と同じ?!

「奈緒子も、××大なのか?」
「うん。ねえ、航士くんっていま、彼女いるの? もしかして私のこと好きなんだと思う?」

 そんな赤い顔して聞かれたって返答に困る。航士と付き合ってるのは俺のはずだし。航士が好きなのも、俺のはずなんだ。奈緒子の話が出た記憶は最近ないし、奈緒子を意識しているような素振りも見せたことがない。

 でもなんとも思ってない女の子に自分の制服のボタンを渡すだろうか。もとの大学なら推薦余裕って話も聞いていたのに、急きょ志望校を変えたのだって思えばおかしな話だ。

 例えば母さん経由で奈緒子の志望校を知り、同じ大学に通うために変更したのかもしれない。俺と同じ大学じゃないのも、ランクが違うからと割り切っていたが、奈緒子のためならランクをあげて必死に勉強したくなるのか。

 本命と遊びの違い? 男と女の違い? やっぱり兄弟でなんて御法度すぎて最初から本気じゃなかったってことか?

「それとなく、航士くんに訊いてみてくれない?」

 手を合わせた奈緒子に頼まれて頷くしかなかった。




 夕飯だと呼ばれて下におりてきた航士が、テーブルのみかんを見るなり「奈緒子が来てたの?」とひとつを手に取った。奈緒子のことだと勘が鋭いじゃねえか。

「奈緒子もお前と同じ大学を受験するんだって」
「へえ、知らなかったな」

 平然と嘘つきやがって。揃って合格した暁には交際申し込んでバラ色のキャンパスライフを送る計画なんじゃないのか?

「一緒に勉強でもすれば? 情報交換できていいんじゃね?」
「僕は一人でやるほうが性に合ってるから」

 そりゃ俺の目の前で堂々とイチャつけるはずないもんな。俺にあんなことして、あんなこと言っておいてさ。

 母さんが皿をテーブルに並べだしたので会話は終わった。航士に「彼女」がいるかどうか訊くのを忘れていた。夕飯のあとできいてやろう。



 俺より先に食べ終わると航士は勉強のためにさっさと自分の部屋へ戻った。テレビのバラエティ番組を見て笑い声をあげる母さんにさりげなく奈緒子の志望校を訊いてみると、奈緒子のん言う通り、航士と同じ大学だった。

 やっぱり母さん経由で知ったに違いない。

「航士の中学の制服ってまだとってる?」
「中学の? たぶんあると思うけど。どうして?」
「あいつの制服のボタンってなくなってた?」
「どうだったかなぁ。あっ、そういえば、一個ボタンがなくなったから和希の制服のボタンを付け替えたことがあったわね」

 言われて思い出した。航士が制服のボタンを一個なくしたからと言って、俺の制服から航士の制服へボタンを付け替えたことがあった。その現場を俺は確かに見た。

 奈緒子の言ったことは本当だったんだ。

 あの大ウソつき野郎。




よなよなもしもし



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2017-07-05(Wed) 21:09| 第二ボタン| トラックバック(-)| コメント 0

ちょろくない(2/2)

<前話はこちら>

 五木の足の間に跪いて口を動かす。

 ちんこに馴染む、なんてこともあるんだろうか。久し振りに五木のちんこをしゃぶりながら、懐かしさみたいなものを感じていた。

 高校生だった俺を犯し、処女を奪った憎いちんこ。と同時に初めてアナルの快感を俺に教えたちんこでもある。

 五木がヘタクソだったら今俺はここにいないだろう。

「前よりうまくなったな」

 頭上から五木の声。スーツを着ていないし、髪を固めてもいないのに、俺のちんこはビンビンだ。結局俺が反応してたのは、最初の五木の印象ではなく五木本人だったのかもしれない。

「一回、出す?」

 五木のちんこもビッキビキ。どんなに憎たらしい相手でも、弱点であり、もっとも間抜けだと思う勃起ちんこを俺に預けてんだと思うとなんだか可愛く思えるから不思議だ。

「……出す。カメラ回そうか?」
「撮影してないと興奮しないのはあんたのほうじゃないの?」

 反論してくると思っていたのに、意外に五木は考えこんで「セックスってなにが気持ちいいのかわかんねえよな」と呟いた。

「若い頃は欲望のままにヤリまくってたけど、金が目的になると気持ちよさが半減するんだ。馬鹿女相手に勃たせるのも、なかなか苦労してたんだぜ」

 被害者から百回殺されても足りないような暴言だ。しかもそれを俺相手に言うなんて。

「お前はよく平気で勃起させられるな」

 感心した口調で言われ、恥ずかしくなる。

「触られたら勃つのって男の性じゃん。それに俺だって平気じゃない時もあるよ。勃たなかった時もあるし」
「俺が知る限りない。いつの撮影のときだ?」
「さ、撮影じゃなくてプライベート……」
「彼女いたのか?」

 驚いたように顔を見られた。相手は男で、女装してひっかけたなんて言い辛い。

「彼女ではないけど、タイプだなぁと思っていた相手で……でも結局無理だったんだけど……」
「お前のタイプって?」

 思わず五木の目を見つめた。誤魔化す言葉が出て来なくて不自然な間があく。焦ったら余計、頭が真っ白になった。

 五木は気付かないで首を傾げた。心臓がどくどく鳴る。顔も熱くなる。

「どうでもいいだろ、早く出せよ!」
「なんだよ急に」

 誤魔化すために五木のちんこを咥えた。滑稽な自分の姿が情けない。

 しばらくしゃぶったら五木は射精した。マズいのでティッシュに出した。

「面倒臭いから、自分でオナれ」

 酷い言い草だ。撮影でしたこともあるので、言われた通り自分のちんこを握った。気だるげな五木に見られながら扱く。先からは我慢汁がダラダラと溢れる。手を動かすたびにクチュクチュと音がする。

「女装してないお前のやらしい姿、初めて見るな」

 思い出したように言われて、そうだったと気付く。女装はしたくてしてたわけじゃない。金のため、身バレ防止のため、自分じゃない別人になりきるため。

 いましていることは、金のためじゃないし、別人にもなっていない。素の俺のまま、素の五木とこんなことをしている。

「もう、インポじゃないってわかっただろ」

 下半身剥きだしの状態で、五木の目には俺の勃起ちんぽが丸見えだ。ごまかしのない事実を見届けたはずなのに、五木は止める気配がない。

「もっと足広げろよ」

 撮影でもっとたくさんの赤の他人にいろんな角度からあらゆる場所を見られてきたのに、五木の部屋で一対一で言われると躊躇してしまう。

 ゆっくり膝を開いて行くと、五木は身を乗り出して股間をまじまじと見た。

「そっ、そんな、見んなよっ」
「後ろまで濡れ濡れじゃねえか」

 五木の手が伸びてきて、タマを持ち上げた。鈴口から流れ出た先走りが、竿からタマ、さらにその奥へと伝って濡れた道を作っていた。

 ぬめりを確かめるように、五木の指が奥をなぞった。

「……ッ」
「これじゃ、濡らす必要ねえな」

 俺の肩を押して床に押し倒すと、五木は中に指を入れて来た。ゾクゾクと体が震える。

 根本までひっかかりがないことを確かめると、五木は数を増やしてゆっくり指を出し入れした。摩擦で内部が熱くなるのに、そう時間はかからなかった。

「わかる? 中、もうトロトロになってんぞ」
「ああ……あっ、あっ、もう、や、だ……ぁ……」

 中で指をグリグリ回された。俺の体を知り尽くした五木は的確に前立腺に当てて来る。漏らしそうな感覚に全身の毛穴が開く。

「それっ……! そこばっか、やだぁ……あ、ああぁっ……あ、んっ」
「これだけでイキそうだな」

 からかうように言うと、それを実行するために執拗に指を動かした。前立腺をグイグイと擦られる。そのたびに先端からじわりと液体が滲んだ。

「ああっ、あ、あ、嫌だ、やっ、ちゃんと、して……!」
「ちゃんとって?」
「早く、入れて……あんたの……入れてくれよ……!!」
「女装してないお前にその台詞を言われると、不思議とグッとくるな」

 俺だって素の状態でこんな台詞、五木相手に言うなんて思ってもいなかった。

 五木は指を引き抜くと、完全に立たせたちんこを俺のなかに捻じ込んできた。それだけであやうく飛びそうになる。

「はあ……ッ……あっ……あ、ああぁ……!!」
「さんざん使ったのに、あいかわらずキツイな」
「い、あ……まだ、動かな……ゆっくり……!」

 ゆっくりと頼んでも五木は構わず腰を振る。

「最初にお前にハメてやったの、俺だって覚えてるか?」

 忘れるわけがない。あの恐怖も、身を裂くような痛みも。

「最初からイキまくってたよな、お前。男にヤラれるの、好きすぎだろ」
「ちがう……俺、あっ、あんたが……い、なきゃ……ッ……勃たな……もん……ッ…」
「どういう意味だよ」
「あんたがいないと……あんたに見られてないと、俺……男とデキねえんだよっ」
「どんな性癖だよ。やっぱ俺に惚れてんのか?」
「惚れてない……!」

 ブンブンと首を振る。惚れてるなんて馬鹿げてる。憎い。嫌い。大嫌いだ。

 五木はただ、最初に強烈な快感を俺に教え込んだだけ。性の刷りこみだ。男とセックスする時に五木の存在が必要になる。おかしな話だが、知らない大人に囲まれた撮影現場でも、五木を見るとなぜかその気になれるのだ。

「強/姦した奴を好きになるなんて、つくづくお前って変な奴だよ」
「好きじゃ……ないって……んはあぁあ!」

 角度をかえて突きあげられ、思わず大きな声が出た。

「お前、女装してなくても充分イケるよ。ホモビデオでもしっかり稼げよ」
「や、だっ……あっ、あんっ! 俺、ホモじゃ……な……あっ、あっ!」
「こんなことしといて説得力ねえよな。お前も、俺も」
「ああっ、あ、い、あっ、イクッ……イク……!!」

 腕を伸ばして五木の体を引きよせた。五木の唇に吸い付き、舌を入れる。吐息も、喘ぎ声も、唾液も、全部ぐちゃぐちゃに絡ませながら達した。

 ※ ※ ※

 バイト先と自宅の往復をする毎日を送っていたある日、いきなり事務所に呼びつけられて顔を出すと、いつも五木を見張っていた副社長の梶原から、五木が逮捕されたことを聞いた。

「あいつが前に仲間と素人の女を強/姦してたの、お前も知ってるだろう?」

 まっすぐ俺を見る目は、俺もその被害に遭った一人だと知っているようだった。

「まあ、それは……一応」
「その中の一人が被害届を出したらしくて五木が警察署に呼ばれた。当然五木は否認するだろうが、今頃被害届を出すくらいだから何か有利な証拠があるのかもしれない。ここにもガサが入るだろう。お前も事情聴取くらいは受けるかもしれない」
「えっ、俺、俺の、前の映像、見られるってことですか?」

 五木たちに輪姦されていた頃の映像を、客でもない奴らに見られて根掘り葉掘り聞かれるなんて耐えられない。

「あいつもそんな馬鹿じゃない。あの頃のデータは全部消してるそうだ。復元不可能レベルで消去してるから、訴えがないかぎり余罪の発覚もない」

 さすが用心深い。それとも、やくざの下請けになる際、ヤバそうなものは証拠隠滅の指示が出ていたのだろうか。いや、どうせ下請けで使っていた男一人がパクられたって、上は知らぬ存ぜぬのトカゲの尻尾切りでこの会社を切り捨てればいいだけのこと。五木の心配なんてしてくれるはずがない。

「一応あいつはここの代表だから、結果次第ではここを畳むことになる。お前はどうする? それまで残るか? 別の制作会社を紹介してやろうか?」

 別のところを紹介されたって、いまさら女相手のAVなんて恥ずかしくてできないし、ゲイビデオだって勃つかどうかわからない。

「そろそろ、やめようかなって思ってたんで……」
「そうか。正直、男の娘とかホモとか俺には手に負えないからお前の扱いに困ってたんだ。そう言ってもらえると助かるよ」

 話は以上だ、と言われたので事務所を出た。仕事を1つ失った。

 五木の部屋のゴミ箱で見つけた、死ねと書かれた手紙。被害届を出したのはあの送り主だろうか。五木は何年、刑務所に入ることになるのだろう。

 ※ ※ ※

「お疲れさまでしたー」

 と午後五時にアルバイトが帰った。

 俺がレンタルビデオ店の店長を任されるようになってもう四年が経つ。オーナーである前の店長は急に自分探しの旅に出る、と外国へ行ってしまった。

 いまはトルコで農業の手伝いをしていて、次はヨーロッパのどこかへ行くつもりらしい。まだ当分帰ってこなさそうだ。

 副業をやめて一年経った頃、そろそろ就職しないとやばいかなと考えていた時に店長をしてくれないかと言われた。断る理由もなかったので社員になったが、発展も進展もない個人経営のレンタルビデオ店なんて先が知れている。本当にここに就職して良かったんだろうかと悩む毎日だ。

 しかし店長を任されると前はなかった責任感が出て来て、すこしでも売り上げを上げようと色々試行錯誤するようになった。

 一つがアダルトコーナーの縮小。かわりに話題の映画やドラマの数を増やした。常連客向けの割引サービスも始めた。ほんの少しだが売り上げが増えた。

 アルバイトも一人雇った。以前の俺と同じようなシフトで朝から夕方まで入ってもらっている。やる気のなさも、以前の俺そっくり。

 一人になって店番をしながら伝票整理をした。それが終わると回転の悪いDVDを洗い出して棚から引いた。棚落ちしたDVDのなかに、かつて俺が出演した『ノンケカップルをナンパ!男の娘のボクと3Pしませんか?』があった。

 五年前のものがよく今まで残っていたものだ。裏返すすとちんこを咥えた俺の写真。まだ若い。完全に若気の至りだ。

 五木とヤッたのを最後に、男とはセックスしていない。

 女とは、知り合いに呼ばれた合コンでお持ち帰りした一人と、あとは風俗だけ。出会いがないので彼女もできない。

 負け惜しみでもなく、彼女が欲しいとも思わない。

 男とヤリたいのかと言うとそうでもない。あのあと来店した本田さんを何度も見かけるが、まったくムラムラしない。似たような背格好の人を見ても心は騒がない。

 どっちかと言うとたまにアダルトDVDを借りて行く若い女のほうにムラムラする。

 やっぱり俺は男より女のほうが好きなんだ。

 と、安心して日々を過ごしていたのだが──。

 店のドアが開いて客が一人入って来た。棚整理をしながらチラリと見る。客と目があった。

「まだここで働いてたのか」

 懐かしむような顔で笑いかけて来た。

 見覚えのある顔。手に持っていたDVDのケースが床に落ちた。

「あんた、いつ……」

 声が震えた。

「昨日。仮釈放で出て来た」

 五木はそばにくると俺が落としたDVDを拾い上げた。裏返し、ニヤリと笑う。

「まだこっちの仕事やってるのか?」
「やってるわけないじゃん」

 五木からDVDを奪い返した。あまりに突然のことで心臓がバクバクしている。

「何しに来たんだよ」
「飯。奢るって約束してただろ」

 五木と最後に会った五年前の夜。確かにそんな約束をした。ちゃんと覚えてたのか。

 いきなり俺の前から消えたくせに、またいきなり現れて、飯を奢るだなんて、なにを考えてるんだろう。

「焼肉! 寿司! 鰻! このどれか!」

 動揺してると悟られたくなくて間髪入れずに叫ぶ。

「ひとつと言わず、全部食わせてやるよ」

 五木は平然と太っ腹なことを言う。
 
 本当なら出所祝いで俺が奢ってやんなきゃいけないんだろうが、本人がその気なら金を出してもらおう。

「そんなに食えねえよ」
「日を分けりゃいいだろ」

 それはつまり、今日だけじゃなく、別の日にも俺と会うつもりがあるってことか。例えば明日とか。

「店は何時までだ?」
「あっ、だったらもう閉めるよ」
「閉店まで待つ。どうせ時間はあるんだから」

 五木はカウンターの向こうに行くと見つけた丸椅子に腰を落とした。

 待つと言われたので作業を再開した。カウンターに頬杖をついた五木から視線を感じる。やりにくいったらない。

「さっきのDVD貸せよ。暇だから時間潰しに見てる」

 悪趣味な五木にDVDを渡し、作業に戻った。しばらくして喘ぎ声が聞こえて来た。五木のにやついた顔を見るに、俺の声なんだろう。

 床に膝をついて棚の埃を雑巾で拭いた。綺麗になっても念入りに。いまちょっと、立ちあがれないから。

 ジーンズの前が窮屈でそっと位置をずらした。それも五木に見られていると思うと、口から熱い息が出た。

 好きとか嫌いとかよくわからないが、五木がいると勃ってしまうのは、何年経っても治らなかったようだ。






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2017-05-25(Thu) 22:12| ちょろくない| トラックバック(-)| コメント 2

ちょろくない(1/2)

「ちょろい」「やっぱちょろい」

※性犯罪注意

 五木から電話があったのは零時をとっくに過ぎた三時前だった。

 タクシーで五木のマンションに乗りつけた。運転手さんに領収書をもらう。

 電車が動いてないと言ったら「タクシーがあるだろ」って俺を呼び出したんだから、あとで五木に請求しよう。

 入り口で五木の部屋番号を押して待つ。これで寝てやがったらどうしてくれてやろうと不安だったが、あっさり「入れ」と五木の声が聞こえてきた。

 五木のマンションに来るのはこれが初めてだ。五木たちに犯されていた頃使っていた部屋はレンタルルームだった。五木の仲間は雑談まじりに自分の個人情報をしゃべっていたが、五木だけは自分が住んでいる場所も出身地も出身校の話も一切しなかった。

 思えばあの頃から用心深さだけは人一倍強かった。

 自分たちのしていることの罪深さをはっきり自覚していた証拠だ。

 そろそろ潮時だと思っていた矢先にやくざに目を付けられたと以前俺に愚痴っていた。絵に描いたような廃工場に連れて行かれて、そこで相当怖い目にあったという。

 仲間だった奴らは我が身可愛さに五木が主犯だと五木を売り、実家と金融会社に借金した金で見逃してもらったのだそうだ。

 五木は金を用意出来ず、またその行動力を買われて、やくざの下請けとして一生働くことで手を打ってもらったらしい。

 五木が名ばかり社長をしている制作会社の他のスタッフは半数がやくざの下っ端構成員で、逃げないように四六時中見張られているというのだから、まさに生き地獄だろう。

 オートロックで守られた気になれるこのマンションだけは、五木の安息の地なのかもしれない。

 部屋の前でもう一度インターフォンを鳴らしたら内側から扉が開いた。スウェットのルームウエア姿の五木が「入れ」と顎をしゃくる。

 いつも後ろに流してる髪が濡れて前に下ろされている。風呂上りかよ。

「時間考えろよ。明日でもいいじゃん」
「仕方ないだろ。仕事だったんだから。今度メシ奢ってやるよ」

 めちゃくちゃ高いやつを奢らせてやろう。

「仕事の話ってなに」

 奥へ進む五木の背中に声をかける。廊下の先に広いリビングがあった。黒い家具、黒い絨毯、調度品の配置はシンメトリーな印象。片付いていて、余分なものがない神経質っぽい部屋だった。

「インポって本当か?」

 五木は皮張りの黒いソファに腰をおろして言った。

「治った」
「ならいい。うちでも本格的にホモビデオ出してくことになったから、これから忙しくなるぞ、お前」
「えー、オカマに需要あんの?」

 五木は男の娘とか女装男子とかの区別がまったくつかない。全部オカマ呼ばわりだ。

「もう女装ものは終わりだ。男のまま、男とヤラせる」
「ちょっ、女装なしで出たらバレるじゃん! そんなの困る! 俺もう出ないからな!」
「いまさらこの業界から完全に足洗えるかよ、馬鹿が」

 それは俺だけじゃなく五木にも当てはまる。皮肉った笑みには諦めと苛立ちが見えた。

「どうせホモビデオなんてホモしか見ねえだろ。指摘してくる奴がいたら、そいつもホモってことだ」
「そうとは限んないじゃん。俺もあんたもホモじゃないし。この前の3Pのやつ、普通にアダルトコーナーに置かれてるし」

 五木は声をあげて笑った。

「笑い事じゃないんだけど。バレたら俺、外歩けなくなっちゃうじゃん」
「ゲイビ男優として生きてけばいいだろ」
「やっぱ俺、インポ治ってないかも」
「ほんとか?」

 笑い顔のまま、五木は目を据わらせた。こいつも半分やくざの世界に足を突っ込んでるから、時折こういう顔を見せる。冷静に見定める目。暴力の一歩前の目。

 俺は顔を背けた。

「なにか飲み物もらっていい?」
「勝手に飲め。俺はビール」

 持って来いということか。忌々しいと思いながらもキッチンへ逃げ込み冷蔵庫を開けた。冷蔵庫の中も整理整頓が行き届いていて逆に気持ち悪い。

 青い液体の入った瓶と、五木ご要望のビールを持って戻った。他に座る場所もなく、五木の隣に座った。瓶の蓋を開け、ソファの横に置いてあるゴミ箱へ蓋を捨てた。

 その時、見えてしまった。でかい字で「死ね」と書かれた紙を。何枚もある。

「これ……」

 拾い上げたら下から封筒が出て来た。表には住所と五木の名前が書いてあった。不気味なのは血のような赤いペンで書かれていることだ。

「気味悪いだろ」

 ビールを飲みながら五木がなんでもない口調で言った。

「前に金稼ぎでやってた時に犯した女の一人だろうな。興信所使ったんだか知らねえが、俺の居場所付きとめてたまに手紙を送ってくんだよ。俺を呪い殺そうとしてんだろうな」
「あんた、まじで恨まれてんじゃん」
「そりゃそうだろ。あんなことしてたんだから」

 と、唇の端を歪めて笑った。

 五木たちがやっていたことは犯罪だ。家出掲示板に書きこんだ女の子と待ち合わせをして、紳士的な態度で安心させてから部屋に連れこみ強/姦する。しかも口止めと販売目的でその様子を撮影するという悪質さだ。殺されたって文句は言えない。

「でも俺に言わせりゃ、男をみくびってほいほいついて来る女も頭悪いけどな。自分のまんこちらつかせれば金になることわかってたんだから、俺はそれを最大限に利用してやっただけだよ」
「前から思ってたけど、あんたって女に恨みでもあんの?」
「ない。あいつらには何の感情もない。ただの穴。よくできたダッチワイフだよ」
「サイコパスだ」
「流行りの言葉使っときゃいいと思うなよ。しいて言えば母親だろうな。俺の母親、男なら誰でもいいような色狂いだったから」

 驚いた。五木が身内の話を自分からするなんて初めてだ。五木もそれに気付いたのか、照れ隠しのような笑いをちらっと見せた。

「思春期の頃に母親が知らない男とセックスしてる声を頻繁に聞かされてみろ。しかもそれが原因で親が離婚したら、お前も女が汚く思えるようになる」

 汚い、という言葉を使うあたり五木らしい。性に奔放で息子がいようがセックスしていた母親と、小遣い稼ぎのために女である自分を商品にする家出娘。五木のなかでそれらは同列の「汚らしさ」なのだろう。

「あんた一生結婚できないね」
「結婚どころか、恋人もできねえよ」
「かわいそー」
「女と一緒になるくらいなら一生独身でいい」
「その前にあんた、刺されるんじゃね?」

 死ねだの許さないだの地獄へ落ちろだのと書かれた便箋に視線を落とす。相当な恨みが籠っているようで見てるだけで寒気がするほどだ。

「俺の心配してる?」
「はあ?! どの口が言ってんの?」
「よくよく考えたら変な奴だよな、お前。被害者面していいのに、たまに恨み言並べるだけで普通に俺と話するし、普通に割り切ってAV撮ってるし」
「普通ってわけじゃねえよ。俺だってめちゃくちゃ嫌だったし、あの時だって逃がしてくれってさんざん頼んだじゃん」
「そうだっけ。そうだったな。あの頃引っかかる女子高生全員カモにしか見えなかったから泣き言なんか聞いちゃいなかったわ」

 とせせら笑う。微塵も反省していない。

「極悪人」
「その極悪人のそばに、お前はなんでいるんだよ。もしかして俺に惚れてるとか?」
「ありえないっしょ!」
「良かった。俺もお前から告白されたらどうしようって焦ったぜ」

 言いながら俺の手から便箋を取りあげると顔を近づけて来た。

「なにする気?」
「ほんとにインポじゃねえか確かめる。それが目的でお前を呼んだんだし」

 言い終わると同時に唇がくっついた。五木のちんぽは何度もしゃぶったけど、キスはしたことがなかった。

「お、俺、仕事でしか男相手に勃たないんだけど」

 五木は俺の股間をチラッと見て笑った。

「これは仕事じゃねえぞ」

 ぎゅっと掴まれた俺のちんこ。本田さんの時にはぴくりともしなかったのに、今は簡単に勃起してる。








2017-05-24(Wed) 20:54| ちょろくない| トラックバック(-)| コメント 0

やっぱちょろい(2/2)

<前話はこちら>

 ワンルームマンションの一室に通された。俺の部屋より片付いてるけど、男の一人暮らしって感じの匂いが充満している。

 本田さんは部屋を軽く片付けたらスーツのボタンを外し始めた。それを脱がれたら俺が本田さんに声をかけた意味が消滅してしまう!

「待って!」

 本田さんに抱きついてキスした。呆気に取られる口に舌を突っ込んで、めちゃくちゃに中で動かした。我に返ったように本田さんも舌を動かした。

「スーツ着たままがいいな」
「あ、そういう……? いいよ」

 鼻の下を伸ばした顔はなんでもOKしてくれそうだった。俺はその場に膝をついて、本田さんのベルトに手をかけた。ヤル気になってもらうにはこれが一番手っ取り早い。

 ズボンとパンツをずらしたらすでに半立ちのちんこが出て来た。蒸れたちんこにしゃぶりつく。売り上げのためだと実戦で演技指導を受けたから俺のフェラはなかなかのもののはずだ。

 あっという間に口のなかでちんこが大きくなった。

「うまい、ね……っ……はぁ……っ……」

 早く出したいって感じの、気持ちよさそうな声。

「あたしの中に入れてくれる?」
「もちろん」
「お尻の穴でも?」
「いいよ」

 本田さんは鼻を膨らませて言った。男の娘のアダルトDVDを借りるだけあって、やはりそっちにも興味があるらしい。

 俺はパンツを脱いでから四つん這いになった。

「早く入れてぇ」
「待って、いま入れてあげるからね」

 本田さんの手が俺のスカートをめくりあげる。しばらく無言で、動きも止まる。俺が男だと気付いたのだ。どんな反応をするだろう。酷く俺を罵ってくれ。

「これは……これ……」

 ぶら下がる玉をつん、と指で突く。

「見た目に似合わず立派だね」

 きゅっと全体を手で包みこまれた。握り潰されるのかと肝を冷やしたが、本田さんは優しく揉んでくれた。予想外の行動にこちらがびっくりする。

「あたしが男だってわかって、怒らないの?」
「最初はわからなかったけど、話してたら途中でもしかしたらって気付いたよ。やっぱり、声が」

 必死にか細い裏声を使っていたが、声でバレていたようだ。見た目は女に近づけても声には限界がある。

「どうしてあたしを中に入れてくれたの?」
「ちょうど昨日、男の娘のビデオを見たばっかりだったから。その中の一人に似てるなって思って」

 たぶん俺のことだ。似てるんじゃなくて、本人なんだけど。

「そのビデオ見て、男の娘でもいいって思った?」
「うん。前から興味はあったから。ミワちゃんみたいに可愛い子なら、ぜんぜん余裕かも」

 本田さんはそれを証明するように俺のちんこを握った。

「緊張してるの?」

 俺のちんこは小さく萎れたままだ。

「本田さんがおちんちん入れてくれたら、立っちゃうかも」
「ほんと? じゃあ入れてあげなきゃね」

 俺のケツ穴に本田さんの勃起が捻じ込まれる。更衣室のシャワーで洗いながら解しておいたけど痛くてきつい。ローションを忘れていた。

「ねえ、本田さん、ローションある? 痛くって」
「あっ、ごめん、いま用意するね」

 持ってるんだ。彼女いるのかよ。ちょっとがっかりだ。

 ローションで慣らしたあと、再度挿入してきた。今度はぬるんと入った。

「ああぁんっ、本田さんのおちんちん、おっきいよぉおっ」

 女装してるからこんな言葉も難なく言える。これも五木たちに仕込まれたことだ。

「動いてっ、奥まできてぇっ」

 本田さんは言われた通り腰を振って奥まで突っ込んできた。なかなかのでかいちんこ。存在感がすげえ。

「あたしのケツマンコ、ぐちょぐちょに掻きまわしてぇ! 本田さんのおちんぽでメスマンコにしてぇっ!」
「ミワちゃんはいやらしい子だね」

 俺の腰を抱えもち、本田さんは激しく腰を動かした。カリが俺の中をゴリゴリ抉る。前立腺にもヒットしてちんこの根本へ刺激を送る。

「ああぁっ、あんっ、それ、だめぇ! 気持ちいいのっ、そこおちんぽで擦られるとすぐイッちゃうのぉお!」
「イッていいんだよ」

 本田さんがまた俺のちんこを握る。いまだに小さいままの俺の息子。俺を仰向けにひっくり返す本田さんの動きにも焦りが見える。

 服をたくしあげ、平らな胸に吸い付いてきた。

「やあぁっ、あぁんっ、乳首やだっ、乳首感じちゃうの、だめぇ!」
「乳首弱いの? 女の子みたいだね」

 そうだ。確かに俺は乳首が弱い。舐められたり摘ままれたりしたらすぐ乳首も勃起する。ちんこからもカウパー出まくりなんだが。なぜか……。

 本田さんがちゅうちゅう吸っても舐めても指でこねくりまわしても、俺のちんこはうんともすんとも言わない。気持ちいいのに。快感の回路がちんこの根本で遮断されてるみたいにちんこが立たない。

 本田さんも追い詰められたような表情をしている。

「男の子とするの、初めてだからな……ハハ、下手、だよね? ごめんね」

 なんて謝ってきちゃう。同じ男だから、相手の体が感じてないことへの焦りは申し訳ないほどよくわかる。

「あたしも、知らない人に声かけて、こういうことするの初めてだから……思ってる以上に緊張してるみたい」
「あっ、そうなの? 俺が初めてなの?」
「うん。本田さんはあたしのお尻で気持ちよくなってね?」

 ちょっと申し訳なさそうに、途中なんとか俺を立たせようと試行錯誤していたけど、どうあっても無理だとわかると本田さんは諦めて俺のちんこから手を離した。自分でもどうして立たないのかさっぱりわからない。

 五木たちに犯された時でも勃起したのに。その後、撮影だと言ってカメラの前でセックスしても勃起した。気持ちよかった。やくざの下請けになってスタッフの人数が増えても同じだった。

 なのにどうして、俺が唯一タイプだと思える男とセックスしてるのに立たないんだろう。気持ちいいと思うし、そういう行為をしているのに、ぴくりとも反応しない。

 本田さんに悪くておおげさに喘いでみせた。終わったらそそくさ退散した。本田さんも俺を引き止めなかった。レンタル店の店員だとバラさなくて良かった。

 更衣室に戻ってシャワーを浴びた。自分の服に着替えてから五木へ電話をかけた。出ない。あのクソ野郎。

 しつこく何度もかけ続けたら『うるせえ殺すぞ』とやっと電話に出た。

「腹減ったから飯奢ってよ」
『こっちは仕事中なんだよ、ニートが』

 お前はやくざの奴隷だろうが。それに俺はフリーターだ。

 受話口からキャアキャアと女の嬌声が微かに聞こえて来た。他に複数の話し声。撮影の合間か、女優さんをつれて親会社の幹部連中を接待中か、どちらかだろう。後者だとしたら、ざまあみろって感じだ。

「じゃあ俺は家でカップラーメンでも食って寝るよ」
『おい、待て』

 通話を切ろうとした手を止める。

「なんだよ」
『なんか話があったんじゃないのか』
「別にもういいよ」
『っんだよ、さっさと言え』
「俺さー、インポになったかも」

 電話の向こうで五木が吹き出した。

『その齢でか?』
「あんたらに酷使されたせいなんですけどー。どう責任取ってくれるんですかぁー?」
『マジで言ってんのか? インポになったお前になんの価値があるっていうんだよ?』

 心配するどころか俺の商品価値を冷静に考えている。こういう男だ。

「あんたほんと、誰かに刺されればいいのに」
『セキュリティーばっちりのマンションだし、常に誰かと一緒に行動してるよ』
「びびってやんの」
『長生きはできねえだろうな』

 って他人事みたいに笑った。

『ほんとに勃たねえのか確かめるから今度事務所来い』
「もういいよ。ミワちゃんは引退ってことで」
『いまさらこの業界から完全に足洗えるかよ。そうだ、ついでに仕事の話もあるから、今日俺んちに来い』
「仕事中なんだろ? 何時になるんだよ」
『終わったら連絡する。社長が働いてるんだ、そのあいだ寝るなよ』

 俺に命令を残して五木は電話を切った。名ばかり社長のくせにあいかわらず勝手で自己中心的だ。

 何も今夜じゃなくてもいいのに。仕事の話ということはまた男の娘企画でDVDを出すといことだろうけど、俺もう勃たないのに。

 それを確かめるって、どう確かめる気だ? あいつ、俺のちんこに触る気か?

 やくざの下請けになってから、五木は現場に顔は出すが完全に撮影する側の人間という立ち位置だ。カメラの前で体を使うことは一切なくなった。

 五木に触られるのはいつぶりだろう? かれこれ一年半? あいつが俺のちんこ掴んで扱くの? 「お前みたいな頭悪い奴がインポになってどうすんだよ」って口の端で笑いながら?

「インポじゃねえよ」

 思わず声が出た。

 さっきまでピクリともしなかった俺のちんこが。
 なぜか今、ビンビンに勃起しております。

 遅えよ。




本能




2017-05-16(Tue) 20:41| やっぱちょろい| トラックバック(-)| コメント 0

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