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更新履歴・お知らせ

2018/9/7
面倒臭い二人、更新完結

2018/8/28
愛で殴る2、完結

2018/8/27
愛で殴る1、更新

2018/8/26
宙ぶらりん2、完結

2018/8/25
宙ぶらりん1、更新

2018/8/23
とどめを刺されたい3、完結

2018/8/22
とどめを刺されたい2、更新

2018/8/21
とどめを刺されたい1、更新

2018/8/16
生温い2、更新完結

2018/8/15
生温い1、更新

2018/6/28
続・盲目の狼2完結

2018/6/27
続・盲目の狼1更新

2018/6/23
盲目の狼2更新完結

2018/6/22
盲目の狼1更新

2018/6/21
往事渺茫…15更新完結

2018/6/20
往事渺茫…14更新

2018/6/19
往事渺茫…13更新

2018/6/18
往事渺茫…12更新

2018/6/17
往事渺茫…11更新

2018/6/16
往事渺茫…10更新

2018/6/15
往事渺茫…9更新

2018/6/14
往事渺茫…8更新

2018/6/13
往事渺茫…7更新

2018/6/12
往事渺茫…6更新

2018/6/11
往事渺茫…5更新

2018/6/10
往事渺茫…4更新

2018/6/9
往事渺茫…3更新

2018/6/8
往事渺茫…2更新

2018/6/7
往事渺茫としてすべて夢に似たり1更新

2018/5/6
妄想2、更新完結

2018/4/13
おいくら?2、更新完結

2018/4/12
おいくら?1、更新

2018/3/31
ズッ友だょ、更新完結

2018/3/2
利害関係の終了2、完結

2018/3/1
利害関係の終了1、更新

2018/2/23
勝手にやってろ2、完結

2018/2/22
勝手にやってろ1、更新

2018/2/20
続・嫁に来ないか2、完結

2018/2/19
続・嫁に来ないか1、更新

2018/1/20
嫁に来ないか2、完結

2018/1/19
嫁に来ないか1、更新

2017/11/21
雨の日の再会2、完結

2017/11/20
雨の日の再会1、更新

2017/11/19
ピンクの唇、完結

2017/11/2
赤い爪、完結

2017/10/28
スカートめくり、完結

2017/10/23
続続続・ひとでなし2、完結

2017/10/22
続続続・ひとでなし1、更新

2017/10/21
続続・ひとでなし2、完結

2017/10/20
続続・ひとでなし1、更新

2017/10/19
続・ひとでなし2、完結

2017/10/18
続・ひとでなし1、更新

2017/09/08
ひとでなし2、完結

2017/09/07
ひとでなし1、更新

2017/09/02
ほんとにあったら怖い話2完結

2017/09/01
ほんとにあったら怖い話1更新

2017/07/28
コンビ愛更新、完結

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

2014/02/20
先生 その1(1-2)更新。
先生 その1(2-2)更新。完結

2014/02/19
娘さんを僕にください更新。完結

2014/02/18
ノビ更新。完結

2014/02/17
ノビ更新。

2014/02/16
1万3千円更新。完結

2014/02/15
1万3千円更新。

2014/02/14
ファンレター更新。完結

2014/02/14
ブログ始動。
「ファンレター」公開。

よろしくお願いします。

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面倒臭い二人(1/1)

<「宙ぶらりん」→「愛で殴る」>

 金曜の夜、塾に行った帰り友達の家に泊まる、と親に嘘をついて先生の家に泊まることが当たり前になった。

 最初の頃は親に悪いと先生はかなり渋っていたけど、じゃー俺が卒業するまで清く正しい交際をしましょうって言ったら、俺の服の裾を掴んで「悪かった」って。先生はしっかり大人なんだけど、たまにすっごくかわいくなる。

 今日も塾終わり、先生の車に乗り込むや否や、

「ちゃんと勉強してきたか?」

 このあと教え子とイチャイチャするくせに、教師面で訊いてくるのはやっぱり罪悪感からなんだと思う。

「人生で一番勉強してる」
「受験生なんだから当たり前だぞ」
「高校受験でもこんなしなかったもん」
「後悔のない、ようにな」

 先生がちょっと言い淀んだ。先生の考えそうなことといったら、自分と付き合うことで俺の人生になにか悪影響が出てそれを後悔するんじゃないかと、たぶん、そんなくだらない心配をしたんだと思う。

「志望校も、一日何時間勉強するか、誰と付き合って、なにをしたいか、全部俺が決めてんだから、絶対後悔しないよ」
「うん」

 先生の膝に手を乗せた。先生も手を重ねてきた。

 もう何回もセックスしたのにまだ照れた顔をする。こんなにかわいい大人がいていいのか。横顔見てたらムラムラしてくる。次の赤信号でキスしようかな。マンションつくまでずっと先生のちんこ触っててやろうかな。どっかそのへんに停めて、カーセックスとか。

 想像したら股間に血液が集まりだした。結局部屋まで待てなくて、駐車場に車をとめた先生に「口でして」ってお願いしてしまった。

「ばかお前っ、こんなところで」
「先生がかわいいのが悪い」
「俺のどこがっ?!」
「自覚してないところとか」

 う、と先生は顔を真っ赤にして口ごもる。そして「今日だけだぞ」と俺の股間に顔を寄せてきた。開放された途端弾き出た俺のちんこを先生が口に咥える。目の前で上下に動く頭。聞こえてくる先生の息遣いと、卑猥な水音。

 俺のわがままをきいてくれる優しい先生。だから元カノに逃げられちゃうんだよ。俺がたぶん、そうだった。

 俺は由衣子の望みならなんだって聞いてあげた。会いたいと言われれば夜中でも原付飛ばして会いに行ったし、由衣子がお泊り旅行したいって言ったからバイトして金溜めて連れて行った。メールの返事が遅いことも、電話してもすぐ出てくれないことも「私には私の生活があるの。束縛しないでよ」って言われたから文句も言わなかった。

 由衣子の言う通りにしてたのに、由衣子は他校の奴と付き合ってた。俺がメールしたときも、電話したときも、俺が汗水流してバイトしてた時も、由衣子は他の男と一緒だった。

 友達に由衣子が浮気してるって言われるまで気づかなかった。問い詰めたら由衣子はあっさり認めた。

「私ってそういう女なの。それでもいいなら、まだ付き合ってもいいけど?」

 馬鹿にするなって当然怒るじゃん。別れろって。

「悪いけど、あっちと別れろって言うなら、水沢を切るから。あんたって、優しい彼氏面して私の言いなりだったけど、それって優しさでもなんでもないから。私への責任転嫁と同じだから」

 二股かけておいて、まだ言うか、と思ったね。

「お前みたいな女、こっちから願い下げだ」

 と、最後の虚勢で由衣子を振った。

 言いなりになっちゃいけないと学習した。でも時間が経って、由衣子の言ってる意味もだんだんわかってきた。俺は由衣子任せの恋愛をしてきたんだ。由衣子の言いなりになって楽してた。別れた時も、由衣子の二股が原因だって、由衣子のせいにした。

 由衣子にも悪いところはあったけど、俺も自分の要求を通す努力をしてこなかった。我慢して、由衣子の言うことを叶えてあげるのが彼氏の役目だと、思いこんでいたから。

 だから次誰かを好きになったときは我慢しないと決めた。俺もわがままを言いたい。それで衝突して喧嘩になってもいい。むしろ喧嘩をしたい。由衣子とは喧嘩したことがなかった。ずっと俺が我慢してたから。喧嘩になりそうになったら、俺が折れてたから。

「先生、嫌ならやめていいからね」

 もちろん先生に無理強いをしたくはないので確認をする。上目遣いに俺を見て先生は首を横に振る。ほんとかなぁ。前の俺みたいに我慢してないかな。

「あとで俺もしてあげる」

 恥じらって先生が目を伏せる。その顔は嫌がってるふうには見えない。

「先生好きだよ」

 咥えたまま「俺も」と先生が答える。

「もう出そうだから、口はなしていいよ」

 先生はフェラを続ける。

「いいの?」

 頷いたので、先生の口に出した。



 車から先生の部屋のベッドへ移動した。

 フェラして火がついたのか、先生のほうから積極的に俺に抱きついてキスしてきた。さっき出した俺の味がちょっとする。

「ちょっと、先生、先に口ゆすいでよ」
「あ、ごめん」

 と先生は俺からはなれてうがいをしにいく。お前が我慢できずに車でフェラさせたんだろと怒ってくれていいのに。先生は優しい。優しすぎて、ちょっとイラついてしまう。由衣子も俺と付き合ってるときこんな気持ちだったんだろうか。

 うがいをして戻ってきた先生をベッドに押し倒す。

「先に俺イッちゃったから、今度は先生の番ね」

 先生の股間を露わにして、そこへ口を寄せる。

 男のちんこ舐めるとか。いままで想像したこともなかったから自分がする立場になったとき気持ち悪いと思うんだろうかと心配してたけど杞憂だった。先生の勃起したちんこを見たときは、わーっ、他人の勃起したちんこ生で初めて見た!って驚いたけど、躊躇なく握れたし、その熱さにクラクラして、早くイカせてやりたいと思った。

 最初にフェラしてくれたのは先生だ。さすがに言いだせずにいた俺の物欲しそうな顔で気付いて「口でしてやろうか?」って。由衣子がしてくれてたのはなんだったんだろうって新天地を見た思い。由衣子は面倒臭そうに、仕方なくって感じだった。今思えばだけど。

 先生は口と舌と粘膜、使えるものは全部使って俺を愛撫してくれた。俺の反応見るような遠慮がちな上目遣いもたまんなかった。先生、ほんとに俺のこと好きなんじゃんって、実感できたら、俺もしてあげたくなった。

 嫌悪とかぜんぜんなかった。男同士ツボは心得てるから、先生がやってくれたように俺もしてあげて、「イクからっ」って慌てて先生が腰引いた瞬間目の前で精液が噴きあがったのを見たときは感動した。俺も心底、先生が好きなんだって思った。

 ちんこをしゃぶりながらローションを出して先生の穴に指を入れる。どこがいいかも、だいたいわかる。指でそこを弄ると先生の体がビクビクと反応を見せる。

「ここ、気持ちいい?」
「いいっ」

 思いっきり発情してますって顔で先生が頷く。学校のなかじゃ絶対見られない。俺だけが見てもいい。

 先生は男の喘ぎ声なんか聞かせられないと思ってるみたいで抑え気味。

 俺もエロ動画見てるとき、男の感じいった声なんか邪魔でしかたなかったけど、先生の声は別だ。エロい。控えめにしようとしてるところはいじらしいけど、俺とのセックスに感じてくれてんだって嬉しくなるからもっと聞かせて欲しい。

「そろそろ入れていい?」
「早く、きてくれ」

 急いでコンドームをつける。この前買ったばかりだけど、もう一箱なくなりそう。

 コンドームをつけたちんこにもローションを馴染ませて先生の中へ入る。毎回キツくて先生はつらくないのか心配になる。だから最初はゆっくり動く。先生の中はあったかくて気持ちがいい。ずっとこのなかにいたい。

「……あ、もう、大丈夫だから……」

 だから、もっと早く動いて。言葉にされなくても先生の言いたいことがわかるようになってきた。先生の足を持ち上げて強めに突きあげる。

「アアッ、あっ、んっ……!!」

 大きな声があがる。先生は手で口を塞いだ。

「駄目じゃん、ちゃんと聞かせてくんないと──」

 先生の手を剥がそうとして気付いた。左手薬指の爪。よく見ると薄いピンク色で小さなハートが描かれている。

「これ、なに」

 先生の手を取った。トロンとした目で先生が自分の手を見る。爪のマニキュアに気付いてハッとした顔をした。

「あ、これは、クラスの……、中野が……」
「中野がなに」
「中野が、俺にも塗ってあげるって。俺は断ったのに」
「ハートマーク描かれてんじゃん」
「俺が頼んだんじゃない」

 クラスの中野と言えば一人しかいない。派手めな女子で、先生が断ってもむりやり塗りそうな奴ではある。頭でわかってはいるけど。やっぱりむかつく。

「俺のときもそうだったけど、先生押しに弱すぎ」
「そうか? そんなつもりないけど」
「家行きたいって言われたら、誰だってホイホイ連れてくんだろ」
「しない、そんなこと」
「中野がさ、先生に下心持ってたらどうすんの?」
「ないない」
「ちゃんと断れる?」
「当たり前だろ」
「俺以外の奴が先生の手に触ったってだけでも嫌なのに、爪にこんなの塗られやがって」

 由衣子と付き合ってたらこんなこと言えなかった。そういえば俺と一緒にいるのにやたら携帯気にしてるときがあった。セックスしてる最中、メールがきたら俺そっちのけでメールの確認してたっけ。あれって、俺にちんこ突っ込まれながら、本命のイケメン彼氏からのメール待ってたんだろうな。

 そんな状態でも、俺は由衣子に文句ひとつ言えなかった。言えば由衣子の機嫌を損ねるから。でももう我慢しないと決めたので、先生には言いたいことを全部言う。

「先生さ、俺と付き合ってるって自覚ある?」
「それ…やきもち……?」

 先生が笑っているようにも泣いてるようにも見える微妙な顔で言う。由衣子にやきもちは禁物だった。他の男と喋ってても俺は我慢。やきもち焼いてる素振りを見せたら由衣子に「あたし、あんたのものじゃないんだけど」と溜息をつかれてしまうから。

 しかし。由衣子とは別れた。俺は正直に生きる。先生には我慢しない。隠し事もしない。

「そーだよ、先生の彼氏なんだから、嫉妬すんでしょ」

 開き直りの心境。本音をぶちまけるって気持ちがいい。

 気になる先生の反応はというと、先生は口をムズムズっとさせて、それを隠すみたいに顔を横に向けた。

「こんなの、嫉妬するほどのことじゃないだろ」

 あいかわらず横を向いたまま先生が言う。

「本気で言ってる? じゃ、俺も他の奴とイチャつこうかな」
「だめだっ」

 ぐるっとこっちを向いて先生が大きな声を出す。望む通りの反応が返ってきて俺の口元が緩む。由衣子にこんなこと言ったら「好きにすれば?」と鼻で笑われていただろう。先生は俺を鼻で笑わない。あしらわない。ちゃんと俺を好きだと態度と言葉で示してくれる。

「嘘だよ。先生が好きなのに、他の奴なんか目に入んないって」

 先生にキスする。先生がしがみついてきた。

「ちょっと、そんなに強くくっつかれたら動けないよ」
「ごめん、ごめん」
「なにがごめん?」
「試すみたいなことして、ごめん」
「どゆことさ」
「爪。中野にむりやり塗られたのはほんとだけど、わざと残してた」
「なんで」
「お前の反応みたくて」
「俺の?」
「嫉妬してくれんのかどうか」
「嫉妬するよ、当たり前じゃん」
「うん、ごめん、嬉しい。嬉しい」

 チュッチュと俺の顔中にキスしてくる。ほんと、嬉しくてしょうがないって感じに。

「先生こそ、俺の嫉妬うざくない?」
「うざくない。もっとして欲しい」

 俺もたいがい面倒臭い男だけど、先生も俺と同じくらい面倒臭い男みたいだ。

 よっぽど嬉しかったのか先生は俺の上に乗っかって積極的に動いた。あまりに激しく動くから抜けそうになったことが何度か。

「はあっ、あっ、あっ、イクッ、出るっ」

 先生、早くない? 俺の目の前で白いのが噴きあがる。恍惚とした表情の先生を押し倒し、今度は俺が上になった。

「お疲れさま、今度は俺が先生気持ちよくしてあげる」

 腰を抱え上げ、ガンガン奥を突きあげる。射精したばっかの先生のちんこから残りの精液が飛び散る。

「はあっ、ああっ、待っ……水沢っ」
「どしたの、先生」
「奥っ……深すぎっ」
「根本まであったかいよ」
「ううっ、ああぁ」
「もっと奥、入っていい?」

 ちょっと不安の混じった目が俺を見る。先生はブルッと武者震いみたいに体を震わせて頷いた。

「いくよ」
「……はぁあ…ッ…あっ、ああっ」

 部屋に音を響かせながらちんこを出し入れする。先生の声は止まらない。口を塞ぐことすら忘れている。録音してやろうかな。ハメ撮りとるやつって馬鹿かと思ってたけど、いまその気持ちちょっとわかるわ。

「先生、俺、イクよ」
「ああっ、あっ、いい、ああっ、水沢ぁっ」

 セックスの時に名前呼ばれるのって、なんでこんなにクルんだろう。



 ベッドの上で先生が爪を弄っていた。爪でガリガリと剥がしている。

「取るのそれ、かわいいのに」
「こんなの残しとくわけないだろ」

 ふと思いついて先生の胸に思いっきりすいついた。

「痛えっ、なにすんだよ」
「それのかわりに、俺が残しといてあげるよ」

 先生の胸に赤い吸いあと。強く吸い過ぎて真っ赤だ。

 先生はそれを茫然と触った。嫌だったかな?

「何日かしたら消えるじゃねえか」

 寂しそうに、残念そうにつぶやくもんだから、俺はまた先生を押し倒してしまった。

 今夜眠れないじゃん。




最終回最高かよ!

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2018-09-07(Fri) 20:45| 面倒臭い二人| トラックバック(-)| コメント 2

愛で殴る(2/2)

<前話>

「一緒に気持ちよくなろうよ、先生」
「う、わ、お前、なに擦りつけてんだっ」

 尻に固いものが当たる。

「優しくするから」
「ちが、そういう問題じゃ」
「だから、早く、俺のこと好きだって言ってよ」

 言えるか。言ったらもう俺、超絶うっとうしい男になる。毎日だってキスしたいし、好きだって言いたいし言って欲しいし、おはようからおやすみまでメールとか電話したいし、休みの日はずっと一緒にいたいし、異性だろうが同性だろうがこいつに近づく奴全員に嫉妬するし、独占欲半端ないし、束縛だってしたい!

 前島と付き合っている時、無理して我慢してきたものが、こいつと付き合ったら全部爆発する。自分でわかる。

「う、ううっ、もう、その手やめろって」
「先生、乳首弱いんだね? 開発する必要ないくらい」

 それを確かめるように水沢が俺の乳首を弄る。前島は淡白な男だった。性的に強いほうじゃなかったんだと思う。仕事で疲れてるんだとセックスの誘いを何度も断られた。セックスは月一程度で、しかも前島は早くてすぐ終わった。一晩に二度なんて絶対なくて、俺がイケないまま終了することも多々あった。

 自然と一人で処理することが増えた。中途半端に火照った穴におもちゃを突っ込んで、前島にして欲しいこと言って欲しいことを想像しながら自分でやった。そのせいですっかり乳首は性感帯に育った。

「もともとここ、自分で触ってたの?」
「触ってないっ」
「じゃ、天然? やらしい体してんな、先生」

 ああ、なんてことだろう。俺が妄想していた理想のタチ様みたいなことを言いやがる。

「乳首だけでイッちゃったりして」
「そんなわけあるか!」
「だよね、こっちも触って欲しいよね」
「あっ、違う、そういう意味じゃな……!」

 シコシコシコと勃起を扱く手つきが早くなった。俺の膝はもうガクガク。

「あっ、あ、ばか、やめろ……ッ」
「先生の声、色っぽい」
「変なこと言うな」
「ほんとだって。その声、好き」

 前島と付き合いたての頃、俺はまだ経験が浅くて、とにかく相手を悦ばせるため、ネットで見た動画みたいにアンアンおおげさに喘いでみせた。そしたら「盛りすぎ。気持ち悪い」とバッサリ。以来、前島とセックスする時は声を抑えるようになった。ひとりよがりなセックスだったから、声なんか抑える必要もほとんどなかったわけだけど。

「待っ……、手、止めろ、やばい、出る」
「出す前に言うことあるよね、先生」
「なに……?」
「俺のこと、好きでしょ?」
「またそれか」
「だって先生言ってくれないから」

 どうして言わないとわからないんだ。嫌ならとっくに逃げている。ここまでされるがままなのは、好きって意外、どんな理由があると思っているんだ?

「言ってくれなきゃ、先生の気持ちわかんないよ。このまま続けていいのか不安になる。先生、俺のこと、ほんとはどう思ってる?」

 水沢の言葉にハッとなった。俺が前島に求め、結果与えられなかったもの。好きという言葉だとか、毎日の連絡とかじゃなく、それらがもたらす安心感。本当に俺が欲しかったものはそれだったんだ。

 水沢もそれを求めている。そりゃそうだ。気のある相手から思わせぶりな態度を取られているのに、肝心な言葉は言ってもらえないんじゃ、遊ばれていると思っても仕方がない。

 ただ自分が傷つきたくないために、俺は前島みたいなことを水沢にしてしまっていた。

 前島にはなりたくない。あいつと付き合っていた頃の俺みたいな気持ちを水沢にさせたくない。

 一世一代の勇気を振り絞るしかなさそうだった。

「安心しろ、ちゃんと好きだから」

 首をむりやりひねって水沢にキスする。自分から舌を絡め、水沢の勃起に尻を押しつけた。

「だから、続きはベッドで」

 水沢スイッチが入ったのが手に取るようにわかった。俺をベッドに押し倒すとすぐ馬乗りになってキスしてきた。俺は下から水沢のベルトを外し、ズボンと下着を脱がせてやった。

 ブルンと外へ飛び出したものは年相応にいきり立っていた。刺し貫く瞬間をいまかいまかと待ち構えている。

「先生、もっかい好きって言って」
「さっき言っただろ」
「何回だって聞きたい」
「好きだ」
「もっと」
「好きだ。水沢が好きだ。大好きだ」
「俺も! 俺も先生のこと大好き」

 はたからみたらただのバカップルだろう。それでいい。俺はバカップルに憧れてたんだ。

「待って、ローション持ってきた」

 水沢はポケットからボトルを取り出し手に出した。ベトベトになった手を俺の尻の間に差し込み、指を穴に入れてきた。人に触られるのは久しぶり。ゾクゾクと喜びに震えてしまう。

「ここに今から俺のいれるんだって、すごくね」
「う、うん、すごいな」
「男同士でも繋がって気持ちよくなれるんだよ」
「ああ」
「俺、猿みたいに毎日ヤリたくなるかも」
「ま、毎日はさすがに」
「高校卒業したら一緒に暮らそうよ、先生」
「えっ、一緒に?!」
「先生が嫌がるときはやんないからさ」

 違う。違う、違う。俺が驚いたのは、水沢が当たり前みたいに未来のことを口にしたから。俺がいる前提で。ずっと一緒にいると、言ってくれたから。

「お前、ほんとに俺でいいのか?」
「なに、なんの予防線張ろうとしてんの?」
「じゃなくて、俺、嫉妬深いからな」
「へー! 意外」
「束縛するし、かなりうっとうしいからな」
「上等じゃん。俺も相当重いほうだから」

 束縛したい、されたい。口出ししたい、されたい。もう、我慢しなくてもいいのか?

「別れたくなっても、しつこいからな」
「まず別れたくなんないよ」
「そんなのわからないだろ」
「行動で示して信じてもらうしかないね」

 もういいかな? 独り言みたいに呟いて水沢は指を抜いた。同じく用意しておいたのだろうコンドームの袋を破って装着し、俺に押し当てた。

「もう、先生と生徒には戻れないね」
「とっくにそうだろ」
「たしかに」

 水沢が笑う。笑いながら挿入してきた。比べるなんて失礼な話だが、前島とぜんぜん違う。固さも、太さも、熱さも、大きさも、なにもかも。

「すごい、きつい。先生、大丈夫?」
「大丈夫」
「動くよ?」

 頷いたら水沢がゆっくり動きだした。この年頃ならもっとガンガン腰を動かしたいだろうに、俺を気遣ってそうはしない。本当に俺を大事に思ってくれている証拠だ。

「もっと早くして大丈夫だから」

 ほんと? と目が問う。頷き返したら叩くリズムが早くなった。男らしいものが中を掻きまわす。俺の勃起がブルンブルン揺れる。

「上から見る先生、すっごいエロい」

 気持ち悪がられないよう、口を塞いで声を我慢する。

「何してんの、声聞かせてよ」

 手を剥がされた。

「はあっ、あっ」
「うわ、エッロい」
「や、だ、あ、あんっ」
「先生ってこんなエロかったんだ」
「違う、あぁっ、ああっ」
「しばらくこれをオカズにしよう」
「なに、言って、あっ、奥、だめっ」
「奥いいの? もっと?」

 俺の腰をぐっと掴んで自分のほうへ引きよせた。前島では届かなかった場所をこじ開けられる。

「やめ…そんな、中まできたら……イクッ……!」
「もうイキそう? ほんとに?」

 ガクガク頷いたら「かわいい」と笑われた。

「もうちょっと我慢してよ。一緒にイキたい」

 俺の根元をぎゅっと掴んで悪魔の微笑み。楽しげなピストン運動が始まった。俺にとっては地獄の時間。いや、至福の時間。こんなに快楽を与えられたことなんてなかった。

 口を塞ぐことも忘れて、喘ぎ声を出しまくった。気持ち良すぎて辛くなって、水沢にイカせてと頼んだ。

「だめ、初めてのときはやっぱ一緒じゃないと」

 水沢はなかなかイカない男だった。「一緒」にこだわって俺をイカせてもくれない。確かに水沢は重いというより面倒臭い男かもしれない。俺にはちょうどいい。

「先生、手、離すよ?」
「は、早くっ、イカせてくれ!!」

 水沢の手が離れる。勢いよく精液が飛び出す。水沢は俺の射精の瞬間をじっと見ていた。収まるのを待って、

「このまま二回目してもいい?」

 俺が望んできたものを、水沢はエスパーみたいに読み取って与えてくれる。これはもう愛の殴打だ。ノックアウトされた俺は、だらしない顔で頷くのだ。





例えば雨が降ったなら




2018-08-28(Tue) 20:54| 愛で殴る| トラックバック(-)| コメント 2

愛で殴る(1/2)

<前話「宙ぶらりん」>

「先生!」

 階段を降りていたら呼び止める声。振り返らずとも誰だかわかる。うちのクラスの水沢。

 水沢は俺の隣に並ぶと、「土曜日、先生んち行っていい?」と囁いた。

「だめ」
「いっつもだめじゃん。いつならいいの」
「来てどうする」
「先生とキスしたり」
「ばか」
「それ以上のこともしたいし」
「男同士だぞ」
「昨日、先生思ってマスかいた」
「そんな報告しなくていいから」
「だって先生のこと好きだし」
「う」
「好きな人にキスしたり触ったりしたいでしょ」
「わ、わかった、土曜日来ていいから」
「やった。約束ね」

 目の前に立てられた小指。水沢はニコニコ顔。若さって怖い。人の目がないことを確認してから水沢の小指に指を絡めた。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます」

 指切った! 冷静に考えたら嘘ついたくらいで針を千本も飲ませられるって代償えぐいな。そんなことでも考えていなきゃ、俺の顔はどんどん熱くなって赤くなってしまう。

 恥ずかしげもない告白。惜しみない愛の言葉。意味のない約束。

 今まで俺が欲しくて、だけど与えられることのなかったものばかりだ。

「じゃあ、先生、土曜日、いつものコンビニで」

 階段を駆け下りて行く水沢の背中を見送る。俺も昔はあれくらい身軽に走れた。後先考えず、自分の欲望のままに、気持ちのままに。

 純粋な水沢を大人の俺に付き合わせていいのかと、何度目かの疑問が頭をグルグルする。

 本当はそんなきれいごとじゃなくて、また捨てられたくないっていうのが本音のくせに。

 ♢ ♢ ♢

「男同士ってやっぱり将来性ないから」

 将来性がないってどういう意味だ。子供産むことか? 男女の恋愛だって子供を作る目的じゃないだろ。子供を持たない選択をする夫婦だっている。だいたい男同士だって付き合う前からわかってんのに、いまさら別れる理由がそれ?! 馬鹿にしてんのか?

 と、3年付き合った前島から別れを切りだされた時、俺は頭の中でたくさんの言葉が浮かんだが全部飲みこんだ。

 前島が、ギャーギャーやかましく言われることを嫌う奴だと知っていたから、自然と我慢を覚えた。

「わかった。そういうことなら、俺がどうこうできる問題じゃないしな」
「君ならわかってくれると思ってた。それと、誰かから聞くより俺の口から知らされるほうがいいと思うから言うけど、年末に結婚する予定なんだ。祝福してくれとは言わないけど、邪魔だけはしないでくれるか」

 読書家で小難しそうな本が家に千冊以上もあって、寡黙で、どんな時も冷静で、俺より5歳年上の落ち着きがあって、論理的で理論的な話し方も、無駄を嫌う合理的なところも、全部俺にはないもので魅力的に見えていたけど、こいつが実は人の心を思いやれない冷血漢で自分優先の自己中野郎で、損得勘定が得意な奴だってことに、この時やっと気付いた。

 いや、今までもそれに気付く場面は幾度となくあった。惚れた弱みで見てみぬふり、気付かないふりをしてきただけだった。

 そんな奴だと薄々気付きながら3年も付き合い、挙句バカみたいな振られ方をした自分が情けなくって情けなくって、しばらく立ち直れなかった。前島は宣言通り、管理栄養士だという女と結婚した。いまでもこうして夢に見るくらいには、引きずっている。

 でも最近は夢に見る頻度は減ってきた。誰のおかげか。水沢のおかげだ。それがわかるくらいには、俺は水沢を意識している。惹かれている。ぶっちゃけ、好き。

 水沢と付き合ったら。水沢は俺の理想の彼氏になってくれそうな気がする。

 前島は「そんなこと言わなくてもわかるだろ」と、滅多に、いやほとんど好きだと言ってくれなかった。セックスの時以外、ベタベタすることを嫌ったし、冗談言っても笑わないし、下ネタなんて挟んだら汚物でも見るような目で見られたし、遊園地デートを提案したら「男同士で行くような場所じゃない」と即却下、挙句俺を子供扱い。

 思い出せば思い出すほど、どうして俺、あんな男が好きだったんだろうと不思議になる。催眠術にかけられていたとしか思えない。

 水沢は俺がしたいこと全部してくれそうだ。言って欲しいことも、俺が頼む前に言ってくれる。

 だからこそ、水沢の言動を間に受けて突っ走ったら止まれなくなってしまう自覚がある。夢中になってから「やっぱ将来性ないし、男同士とかむり」なんて振られたら号泣して縋りつく自信がある。

 前島のときは自制できたものが、水沢との蜜月を経験したあとではできなくなる、それがわかるから、簡単に水沢の気持ちを受け入れられない。

 精一杯ブレーキを踏んでいる。水沢が素直に感情表現してくれる度、ブレーキが壊れそうになる。大きな音を立てて火花を散らせて。ブレーキを踏む足の力を緩めたい誘惑と常に戦いながら。

 そのくせ、水沢と会う約束をするとその日が楽しみでたまらない。家の掃除もせっせとするし、水沢が好きそうな飲み物やスナック菓子を用意したり、楽しめそうなDVDを買っておいたりしている。嫌われたくない。好かれたい。愛想を尽かされたくない。いつまでも好きでいてほしい。

 俺はなんてずるい大人だ。

 ♢ ♢ ♢

 土曜日、水沢をコンビニで拾って自宅へ連れ帰った。車中、俺をじっと見つめながら「いますぐキスしたい」と俺を舞い上がらせる台詞を言う。「運転中だぞ」ってもっともらしいことを言いながら、顔がニヤけそうになるのを必死に止めた。

 部屋に入るなり、水沢は俺に抱きついてきた。

「先生のにおい好き」

 とうなじに鼻をこすりつけてくる。出る前シャワーを浴びておいてよかった。

 水沢の手が腹のあたりでゴソゴソ動いてると思ったら、服の下に手が入ってきた。

「おい、水沢っ」
「触るだけ」
「おっさんの腹なんか触ってなにが楽しい」
「先生の裸を想像してる」
「あ、おい、動かすな」

 水沢の手がじりじりと上へ移動する。触り方が性的でゾクリと体が震えた。

「先生とエッチなことしたい」
「なんてこと言うんだ、お前は」
「好きな人に触ったらしたくなんの、ふつうだろ」

 平気で好きだと言い、平気でセックスしたいと言う。俺が前島に言いたかったこと。言ってほしかったこと。でも言えず、言ってもらえなかったこと。水沢は言うのが当たり前みたいに自分の感情を素直に言葉にする。心臓がもたない。

「あっ、ちょっと」

 水沢の指が俺の乳首に触れた。人差し指でこねまわしたり、押しつぶしたり。簡単にそこが立ちあがる。指でつままれ、引っ張られた。

「も、やめっ」
「やだ」
「ばかっ、シャレにならん」
「シャレじゃないし」

 いきなり股間を鷲掴まれた。手の平で揉むように撫でられる。そこに血液が集まり、固くなっていく。

「水沢! いい加減にしろ」
「先生、俺のこと好き?」
「なっ」

 いまこの状況でそんなことを聞くか?! 嫌いなわけがない。好きだ。好きに決まってる。でも俺がそんなこと言えると思うか?!

 言ったら最後、こいつに全部さらけ出してしまうことになる。年上のプライドとかそんなの関係なく、こいつに夢中になって、みっともない姿をさらすことになる。そのあと、「やっぱ男同士ってない」と振られたら、一生立ち直れない。

 だから、なにも聞かずそのままことを進めてくれたら、口ではやめろと言いながら流されるつもりだったのに。

「どっち? 好き?」
「嫌いじゃ、ない」
「嫌いじゃないなら、好き?」
「どっちだっていいだろっ」
「良くないよ。愛のないセックスなんてだめじゃん」
「ただヤリたいだけのくせに、なにもっともらしいことを」
「違うよ、俺、先生に無理強いしたくないし」

 器用にベルトを外すと水沢の指がなかに侵入してきた。

「それにやっぱ、ちゃんと好きって言ってもらいたいし」

 指先が先端に触れる。ぬるりとした感触。先走りのせいだ。恥ずかしくて死にそう。

「前はゆる勃ちだったけど、今日はすごいね」

 パンツから引っ張りだされた。見なくてもわかっているのについ下を確認してしまう。完全に勃起している。それを水沢が握っている。

「男同士がどうするのか、ちゃんと調べたよ俺」
「そんな時間があるなら勉強しろ」
「俺の、入れていい?」
「駄目に決まってるだろ」
「気持ちいいんだって」
「知るか」

 いや、知ってるけど。そんなふうに耳元で求められ続けたら腰が砕けそうになる。もしかしてわざとか? こいつ、知っててわざとやってんのか?!







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2018-08-27(Mon) 20:30| 愛で殴る| トラックバック(-)| コメント 3

宙ぶらりん(2/2)

<前話>


「何時に帰る?」

 そろそろ日が沈むころ先生が時計を見て言った。

「晩飯食って行っていい?」
「俺はいいけど、親御さんは心配しないか?」
「早く帰ったら逆に心配される」
「どんな家庭だ」

 期待するなよ、と先生がキッチンに立って手料理を振るまってくれた。野菜炒めと味噌汁と豆と白米。家の食卓に並んだら文句言ってるメニューだけど、先生んちだから何も言わない。食べてみると意外とうまい。味付けがうちと違うせいかな。

「先生、料理うまいね」
「割と作るからな」
「彼女にも作ってあげてたの?」
「え? ああ、まあな」
「今頃彼女は後悔してると思うよ。先生振って別の男と結婚したこと」
「どうかな。相手は管理栄養士で料理上手って噂だ」
「へえ……?」

 かんりえいようしって職業がいまいちピンとこない。たぶん、調理師と似たような免許だろう。

 満腹になったら眠くなった。

「泊まっていっちゃだめ?」
「だめに決まってんだろ」

 さすがにそうか。

「ご飯食べるとなんで眠くなんの?」
「消化のために血液が胃に集まって脳にいく血液が少なくなるとか、色々言われてるな」
「三大欲求のひとつが満たされたら他のも満たそうとすんだろ?」
「ふはっ、食欲、睡眠欲、性欲?」
「ちょっとだけ寝たい。お願い、寝かせて」
「一時間だけだぞ」

 先生の許しをもらったのでベッドに移動して寝転がった。俺の布団とは違う匂い。先生の匂い。もっとおっさんくさいのかと思ったけど、ぜんぜんそんなことなかった。加齢臭とかってもっと年いってからなのかな。先生の布団はいい匂いがする。

 目を閉じたらすぐ夢の中だった。俺は学校にいた。教室で俺と先生、二人きりの授業。先生はいつもの無難な服装じゃなくて、男を主張した服で髪型もキメてた。いきなり教室の戸が開いて、ウエディングドレスを着た女が乱入してきた。

「やっぱりあなたしかいないの!」

 と涙を流して叫ぶ。きっと先生を捨てて別の男と結婚した彼女だ。顔は知らんけど。

 いまさら勝手すぎるだろ、と俺が口を挟む前に、先生は女の手を取って教室を出て行った。取り残された俺は、机の上のノートや教科書を手で薙ぎ払った。すごく腹が立ったし、胸が痛んだ。

「……きろ、おい、起きろ!」

 先生の声でハッと目が覚めた。目の前に先生の顔。どこにも行かず、ここにいてくれた。夢だとわかってほっとした。

「変な夢みた」
「どんな」
「先生がウエディングドレス着た女と学校からいなくなる夢」
「なんだそれ」
「もし、別れた彼女がやりなおしたいって言ってきたらどうする?」
「ねえよ、そんなこと」
「もしもだって」
「さあな」
「考えて」
「やり直すなんて、ありえないな」
「いまも好きなんだろ?」
「好きとは違うな。ひどい別れ方だったから混乱のほうが強い」
「別れたとき泣いた? 俺は泣いた」

 先生は俺をじっと見た。冗談で済まそうか、本当のことを言おうか、迷ってるように見える。本当のことを聞きたくて、俺も真顔でじっと見つめ返した。先生は「めっちゃ泣いた」と白状した。

 先生が泣いたところなんて想像できない。成人した大人が泣くほど、恋とか愛が辛いものなんて、夢がない。

「なんで人を好きになるんだろう」
「哲学的な疑問だな」
「だってさ、必ず成就するわけじゃないし、死ぬまで別れない保証もないわけだし」
「惹かれるのは本能的なものだろ」
「子孫繁栄的な?」
「それもあるけど、人に説明できる理由なんてない場合もあるだろ」
「例えば一目惚れとか?」
「一緒にいて、なんとなく好きになっていくとか」

 ふと、俺と先生が、日常の枠を外れて過ごすこの時間はそれに当てはまるのだろうかと思った。今日の約束をした日から、先生はただの担任じゃなくなった。学校の先生じゃなく、一人の生身の男として俺の目に映るようになった。生徒と教師って関係が曖昧な空間は居心地がよくて、年上の友達みたいな錯覚を抱いてしまう。

 さっきの夢でもそうだ。先生を連れて行った女に腹を立てた。俺を置いて行く先生にもむかついた。

 もしかして俺、先生のことを好きになれるのかもしれない。いや、もしかしたらすでにちょっと先生のこと好きになってるのかもしれない。

「俺が先生のこと好きだって言ったら?」

 先生は軽く目を見開いた。

「びびる」
「そんだけ?」
「気の迷いだって説得する」
「迷いじゃなかったら?」
「体が目当てなのか?」

 胸を隠す仕草で場をごまかそうとする。そうはいくか、と俺は真剣な空気を維持する。

「そうじゃないけど。でも、そうかも」

 先生の腕を掴んで顔を寄せた。先生の体が強張る。

「ちょ、おい」
「俺、先生とキスできるかも」
「できるかどうかじゃなく、必要かどうかだろ」
「この気持ち確かめるのに必要だと思う」

 先生がしまった、って顔をする。俺は男にしか見えない先生の顔を見つめながらキスした。彼女としたキスとかわらない。柔らかな感触。漂ってくる匂いが、女じゃなく男のものだってだけ。掴む腕がごついのも違うか。

「ばか、本当にするな」

 先生が俺を突き放す。慌てる姿が珍しいし、顔が赤いのもかわいい。かわいい? 先生相手にかわいいと思うのか、俺は。

 もう一回キスしようとしたら手で防がれた。

「もういいだろ、男として何が楽しい」
「好きな人とキスしたくなるの、ふつうだろ」
「好きな人ってお前なあ」
「俺、先生のこと好きだと思う、たぶん」
「たぶんて」
「先生がかわいいし、キスしたい。好きってことだろ?」
「んな短絡的な」
「先生は俺とキスしてどう?」
「どうもしない」
「顔赤いよ?」
「教師をからかうな」
「ちゃんと答えてよ」
「お前でもドキドキはする」
「俺のこと好き?」
「桶谷先生とキスしてもたぶんドキドキする」

 先生は生活指導のいかつい桶谷の名前を出した。つまり、キスしたら誰とでもドキドキするとごまかしたいわけだ。

「じゃ、もっかいキス」
「なんでそうなる」
「キスして勃ったら俺が好きってことで」
「嫌だよ!」
「自信ないんだ?」
「男の生理現象甘くみんな」
「ほんとに無理なら勃たないよ」

 先生の肩を掴んでベッドに押し倒した。先生がハッと息を飲んで俺を見上げる。羞恥と戸惑いと、ちょっとの怯え? そんな顔もするんだ。グッとくる。

「俺、キスうまいからね」

 唇を舐めて潤してから先生にキスした。うおって驚く口に舌を差し込む。歯の隙間を抜けて、ぬるっと触れ合った舌に頭がくらりとした。男同士の嫌悪感なんか心配する必要なかった。最初から最後まで、徹頭徹尾、俺は先生に興奮できる自信がある。

 膝でごりっと股間を押してみた。固くなってない? 目を開けたら先生と目が合った。俺の勝ちだね。目で笑いかける。肩を強く押されたと思ったらいきなり視界が反転した。いつの間にか俺が先生の下になっていた。

「先生?」

 先生は食いつように俺にキスしてきた。俺がしたより激しく深いキスは、さっきの仕返しだと言わんばかりだ。歯の裏、口蓋、頬の裏、舌の先から裏側まで、余すところなく先生の舌が這う。

 あまりの気持ち良さにうっとりしてたら、股間をギュッと掴まれた。

「大人を舐めるなよ」

 先生は俺の勃起をいい子いい子すると体を起こして立ちあがった。

「送ってやる。帰るぞ」
「えっ、ちょ、この状態で無理!」
「知るか。自業自得だ」
「先生だって勃ってたじゃん!」
「ゆる勃ちな」

 早くしろ、と先生が俺に背を向けた。先生の耳が赤い。俺はそれを見てまたかわいい、と思った。

 帰りの車の中、先生は今日のことの口止めをした。先生と二人の秘密だ。誰にも言うつもりなんかない。

 待ち合わせに使ったコンビニの駐車場に車を停めて、先生は大きな溜息をついた。

「あー、お前を家に呼ぶんじゃなかった」
「キスしておいて、それはないんじゃない」
「教え子に手を出すとか最低だろ俺」
「先に手を出したの俺だから」
「そういう問題じゃねえ」
「今度はもっとやらしいことするから」
「今度なんかねえよ」
「勃ったじゃん。俺のこと好きってことだろ」
「だから、ゆる勃ちな」
「同じだし」
「ちげえし」
「ガキかよ」
「ガキはお前だろ」
「ガキだから我慢しねえもん」
「都合よくガキになるなよ」
「俺のこと嫌い?」

 先生はぐっと言葉を詰まらせた。

「……卑怯な訊き方するなよ」

 ハンドルを握る腕に顔を埋めて先生は呻った。首筋を撫でたらビクッと顔をあげる。

「大丈夫、卒業までには好きになってもらうから」
「どっからその自信わいてくるんだ」
「先生の態度見て? 満更でもないっしょ」

 先生は困った顔で口をモゴモゴさせてたけど、最後は諦めたように頷いた。

「満更でもない」
「ねっ」

 先生の首に手をかけてキスをする。迷った末、先生がキスに応えてくれた。明日からまた学校の中では生徒と先生。傍目にみたらそう。でも俺たちはキスしてもいい関係。恋人って呼ぶにはまだ不完全だけど、いつかきっと先生を俺に惚れさせて、別れた彼女を忘れさせるし、彼女以上にメロメロにさせてみせる。








2018-08-26(Sun) 20:49| 宙ぶらりん| トラックバック(-)| コメント 0

宙ぶらりん(1/2)

※キス止まり

 先生と、授業中に目が合った。一瞬俺の目に留まる視線。生々しいっつーか。

 大胆にも微かに笑ってみせて、視線が逸らされた。誰かに気付かれたらどうすんだ。

 案外先生、俺にもうメロメロなんじゃない?

 ♢ ♢ ♢

 二週間前、塾の帰りに雨が降ってきて、コンビニで雨宿りしてたらたまたま先生が店に買い物にきた。俺を見つけると、こんな時間までウロつくなって頭をガシガシ撫でられた。

 いつも学校で見る服装とは違って、もっとカジュアルでラフな先生の格好に、この人って普通の兄ちゃんだったんだなって、当たり前のことに気付いた。

 塾帰りに雨宿りしているだけだと言うと、先生が車で送ってくれることになった。

 コンビニに停めてある黒い車の助手席に乗った。UFOキャッチャーで取ったようなぬいぐるみとか、ダッシュボードのフェイクファーとか、面白いものは何もない。

「何さがしてる」

 先生はキョロキョロする俺に苦笑して言った。

「つまんねえ車」
「車につまるもつまらんもあるか」
「女っけもない」
「俺ぁモテるぞ」
「彼女いないじゃん」
「今はな」
「でた、強がり」
「お前もいないだろ」
「なんで知ってんの」
「担任だから」
「把握してんの? キモッ」

 あははって先生が笑う。学校で滅多に聞かない大きな笑い声。夜。学校外。先生の車の中。普段と違う空気が、俺に大胆な行動を取らせたんだと思う。

「先生の家行ってみたい」

 思いつきが口をついて出た。

「だめ」

 即答されたら余計、意地になる。

「なんでだめ?」
「時間が遅い」
「遅くなかったらいいの?」
「だめ」
「なんで」
「生徒は家に呼ばない主義」
「なんで」
「依怙贔屓って言われるだろ」
「誰にもいわないよ」
「信用できない台詞第一位だわ、それ」
「ほんとだって」
「だーめ」
「じゃ、卒業してからだったらいい?」
「そんなに来たいのか?」

 呆れた顔で先生が俺をチラッと見た。対向車のヘッドライトに先生の顔が照らされる。夜の車のなかで見る先生の顔は、学校で見るのと違ってすごく大人で、車を運転する姿とか、実はけっこうかっこいいんじゃんって気付いた。俺も免許取ろう。

「行きたい。卒業してから行っていい?」
「その頃には忘れてるだろ」
「俺は忘れないよ」
「信用できない台詞第2位」
「ほんとだって」

 本気にされてないことに腹が立って声が力む。

「わかったわかった」

 先生はそんな俺を子供をあしらうみたいにいなす。

「行っていい?」
「必死か」
「行っていい?」
「わかったって」
「約束」

 いま思えば、そこまでして先生の家に行きたいわけじゃなかった。ただ思いつきを口にして、それを速攻で断られて、ただ意地になっていただけ。

 それに、いつもと違う場所で先生と話をしてたら、先生と生徒って当たり前の関係がちょっと曖昧にぼやけて、前より少し親密な関係だと錯覚してしまった。

 ただそれだけだったのに。

「俺はそんな先の約束覚えてる自信ねえよ」

 なかったことにされるのかと構えていたら、

「今回だけ、特別。絶対誰にも言うなよ」
「それって」
「今度の休み、来るか?」
「行く!」

 生徒と教師。その境界線から先生は手を伸ばし、俺がその手を取った瞬間だった。



 約束したから先生の家に行くことは誰にも言わずに一週間を過ごした。

 学校にいる先生はいつもの見慣れた先生だった。でも車の中で過ごした時間が、今までなかった些細な変化を生んだ。

 あの夜の先生は髪を下ろしていたけど、学校の中では前髪後ろに流してることに気付いたり。

 皺のあるワイシャツを見て、本当に彼女いないんだ、と密かに笑ってしまったり。

 職員用の駐車場で先生の車はすぐ見つけられるようになったり。

 廊下を歩いてるときとか、先生の声は遠くからも聞き分けられるようになったりとか。

 自分でも驚くくらい、先生の家に行くことが楽しみだった。

 週末目前の休み時間、廊下を歩いていたら先生に呼び止められた。こっち来いって手招きされて、ピンと来たから、友達を先に行かせて先生のもとへ駆けよった。

「どこで待ち合わせする? 何時?」
「声がでかい」
「楽しみだもん」
「この前のコンビニでいいか?」
「いいよ。何時?」
「何時がいい? 朝早くはだめだぞ」
「じゃ、11時。お昼なんか食べに行こうよ」
「誰かに見つかったらどうする」
「買って行って先生の家で食べよう」
「ん。それじゃ11時ってことで」
「OK!」

 元気よく返事をすると、先生は優しく笑った。



 約束の日、時間より早くコンビニについた。雑誌コーナーで立ち読みしてたら先生の車が見えて店を出た。

 先生は今日はジャケット姿だった。腕にはごつい腕時計。学校に着てくる日和ってる服とは違う男臭さがあった。

「何食べる?」

 車を出しながら先生が言う。

「どっか連れてってくれんの?」
「せっかく出てきたんだし、家で食うのもな」
「牛丼!」
「そんなもんでいいのか」

 先生が苦笑する。先生が笑うところを見るのが好きだ。

 牛丼屋で並んで食べて、コンビニ寄ってから先生の家に向かった。

 先生の家はマンションの二階。意外と片付いたワンルーム。ここでも面白いものが見つからないかとキョロキョロしてたら、「こら」と頭をつかまれた。

「先生ほんとに彼女いないんだね」
「今はな」
「いつから?」
「それ聞く? 涙なしでは聞けないぞ」
「聞きたい」
「まじか。教えないけどな」
「ケチ」
「お前はどうなんだ」
「俺もいないって知ってるだろ」
「なんで別れた?」
「ハンカチの用意は?」
「ティッシュがある」

 前に付き合ってた彼女と別れたのは半年以上も前。よくある話だけど、彼女に二股かけられてて、しかも俺は本命のほうじゃなかった。彼女は別の高校のイケメンと付き合っていた。

 彼女が男と腕組んで歩いてるって友達から聞いて問い詰めたらゲロッた。そんな女こっちから振ってやった。もちろん、泣いた。

「話したんだから、先生も教えてよ」
「やだよ」
「嘘つき」
「教えるなんて言ってないだろ」
「なんで言えないの?」
「なんつーか、まだ処理できてないっつーか」
「まだ好きなの?」
「大人の恋愛はそんな単純じゃないんだよ」
「複雑なんだ?」
「いや、単純だけど」
「どっちだよ」
「結婚したんだよ」

 吐きだすように先生は言った。意味が理解できなかった。

「誰が?」
「付き合ってた相手が、別の奴と」
「うっそ、どういうこと?」
「俺とは一緒にいられないって。俺と別れて別の奴と結婚した」
「別れてすぐ?」
「そうだ。ずっと一緒にいようって言ってたくせにな」
「先生も二股かけられてたの?」
「そういうことになるな」
「俺と一緒じゃん」

 うん、と先生は噛みしめるようにゆっくり頷いた。微笑を浮かべてるけど、悲しい笑顔で見てるこっちが罪悪感を持ってしまう。しつこく聞くんじゃなかった。

「だから俺、先の約束はしないことにしたんだ」

 高校卒業後に、先生の家に来る、というあの夜のやりとりのことを言っているんだろう。おかげで今日、俺はここへこれたわけだ。

 そのあと適当にだべりながらテレビを見たり、ビデオを見たり、成績のことで軽く説教されたり、進路相談みたいな話をしたり。とにかくあっという間に時間は過ぎていった。









2018-08-25(Sat) 20:10| 宙ぶらりん| トラックバック(-)| コメント 0

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お越しくださりありがとうございます。 初めに「当ブログについて」をご一読くださいますようお願い致します。
管理人が以前、某掲示板で書いていたものをここで再利用しています。決してパクリでは御座いません。そしてお願い。GKさんの小説を保存しておられる方いましたらぜひご連絡頂けないでしょうか。いまとても読みたいのです…

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