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更新履歴・お知らせ

2018/12/7
カインとアベル3、完結

2018/12/6
カインとアベル2、更新

2018/12/5
カインとアベル1、更新

2018/11/27
Tedious story15、完結

2018/11/26
Tedious story14、更新

2018/11/25
Tedious story13、更新

2018/11/24
Tedious story12、更新

2018/11/23
Tedious story11、更新

2018/11/22
Tedious story10、更新

2018/11/21
Tedious story9、更新

2018/11/19
Tedious story8、更新

2018/11/18
Tedious story7、更新

2018/11/17
Tedious story6、更新

2018/11/16
Tedious story5、更新

2018/11/15
Tedious story4、更新

2018/11/14
Tedious story3、更新

2018/11/13
Tedious story2、更新

2018/11/12
Tedious story1、更新

2018/9/7
面倒臭い二人、更新完結

2018/8/28
愛で殴る2、完結

2018/8/27
愛で殴る1、更新

2018/8/26
宙ぶらりん2、完結

2018/8/25
宙ぶらりん1、更新

2018/8/23
とどめを刺されたい3、完結

2018/8/22
とどめを刺されたい2、更新

2018/8/21
とどめを刺されたい1、更新

2018/8/16
生温い2、更新完結

2018/8/15
生温い1、更新

2018/6/28
続・盲目の狼2完結

2018/6/27
続・盲目の狼1更新

2018/6/23
盲目の狼2更新完結

2018/6/22
盲目の狼1更新

2018/6/21
往事渺茫…15更新完結

2018/6/20
往事渺茫…14更新

2018/6/19
往事渺茫…13更新

2018/6/18
往事渺茫…12更新

2018/6/17
往事渺茫…11更新

2018/6/16
往事渺茫…10更新

2018/6/15
往事渺茫…9更新

2018/6/14
往事渺茫…8更新

2018/6/13
往事渺茫…7更新

2018/6/12
往事渺茫…6更新

2018/6/11
往事渺茫…5更新

2018/6/10
往事渺茫…4更新

2018/6/9
往事渺茫…3更新

2018/6/8
往事渺茫…2更新

2018/6/7
往事渺茫としてすべて夢に似たり1更新

2018/5/6
妄想2、更新完結

2018/4/13
おいくら?2、更新完結

2018/4/12
おいくら?1、更新

2018/3/31
ズッ友だょ、更新完結

2018/3/2
利害関係の終了2、完結

2018/3/1
利害関係の終了1、更新

2018/2/23
勝手にやってろ2、完結

2018/2/22
勝手にやってろ1、更新

2018/2/20
続・嫁に来ないか2、完結

2018/2/19
続・嫁に来ないか1、更新

2018/1/20
嫁に来ないか2、完結

2018/1/19
嫁に来ないか1、更新

2017/11/21
雨の日の再会2、完結

2017/11/20
雨の日の再会1、更新

2017/11/19
ピンクの唇、完結

2017/11/2
赤い爪、完結

2017/10/28
スカートめくり、完結

2017/10/23
続続続・ひとでなし2、完結

2017/10/22
続続続・ひとでなし1、更新

2017/10/21
続続・ひとでなし2、完結

2017/10/20
続続・ひとでなし1、更新

2017/10/19
続・ひとでなし2、完結

2017/10/18
続・ひとでなし1、更新

2017/09/08
ひとでなし2、完結

2017/09/07
ひとでなし1、更新

2017/09/02
ほんとにあったら怖い話2完結

2017/09/01
ほんとにあったら怖い話1更新

2017/07/28
コンビ愛更新、完結

2017/07/06
第二ボタン2更新、完結

2017/07/05
第二ボタン1更新

2017/05/25
ちょろくない2更新、完結

2017/05/24
ちょろくない1更新

2017/05/16
やっぱちょろい2更新、完結

2017/05/15
やっぱちょろい1更新

2017/02/11
メリクリあけおめ2更新、完結

2017/02/10
メリクリあけおめ1更新

2016/11/14
義父の訪問更新、完結

2016/10/27
覗き2更新、完結

2016/10/26
覗き1更新

2016/10/22
終わらない夜2更新、完結

2016/10/21
終わらない夜1更新

2016/10/16
凹の懊悩2更新、完結

2016/10/15
凹の懊悩1更新

2016/09/28
可愛さも憎さも百倍2更新、完結

2016/09/27
可愛さも憎さも百倍1更新

2016/09/22
利害の一致2更新、完結

2016/09/21
利害の一致1更新

2016/09/16
楽しい記憶喪失!3更新、完結

2016/09/15
楽しい記憶喪失!2更新

2016/09/14
楽しい記憶喪失!1更新

2016/09/13
楽しい同棲!2更新、完結

2016/09/12
楽しい同棲!1更新

2016/09/11
Phantom15更新、完結

2016/09/10
Phantom14更新

2016/09/09
Phantom13更新

2016/09/08
Phantom12更新

2016/09/07
Phantom11更新

2016/09/06
Phantom10更新

2016/09/05
Phantom9更新

2016/09/04
Phantom8更新

2016/09/03
Phantom7更新

2016/09/02
Phantom6更新

2016/09/01
Phantom5更新

2016/08/31
Phantom4更新
リンク一件追加

2016/08/30
Phantom3更新

2016/08/29
Phantom2更新

2016/08/28
Phantom1更新

2016/08/04
嘘7更新、完結

2016/08/03
嘘6更新

2016/08/02
嘘5更新

2016/08/01
嘘4更新

2016/07/31
嘘3更新

2016/07/30
嘘2更新

2016/07/29
嘘1更新

2016/07/18
Love Scars3更新、完結

2016/07/17
Love Scars2更新

2016/07/16
Love Scars1更新

2016/07/13
行きつく先は5更新、完結

2016/07/12
行きつく先は4更新

2016/07/11
行きつく先は3更新

2016/07/10
行きつく先は2更新

2016/07/09
行きつく先は1更新

2016/07/04
電話が鳴る7更新、完結

2016/07/03
電話が鳴る6更新

2016/07/02
電話が鳴る5更新

2016/07/01
電話が鳴る4更新

2016/06/30
電話が鳴る3更新

2016/06/29
電話が鳴る2更新

2016/06/28
電話が鳴る1更新

2016/06/16
今日の相手も2更新、完結

2016/06/15
今日の相手も1更新

2016/06/08
今日の相手は2更新、完結

2016/06/07
今日の相手は1更新

2016/05/25
いおや2更新、完結

2016/05/24
いおや1更新

2016/05/14
奇跡2更新、完結

2016/05/13
奇跡1更新

2016/04/28
ターゲット2更新、完結

2016/04/27
ターゲット1更新

2016/03/02
視線の先2更新、完結

2016/03/01
視線の先1更新

2016/02/23
性癖の道連れ2更新、完結

2016/02/22
性癖の道連れ1更新

2016/02/15
DL販売お知らせ

2016/01/20
尾行2更新、完結

2016/01/19
尾行1更新

2015/12/07
遺作2更新、完結

2015/12/06
遺作1更新

2015/12/02
昼夜2更新、完結

2015/12/01
昼夜1更新

2015/11/26
大小2更新、完結

2015/11/25
大小1更新

2015/11/15
彼はセールスマン2更新、完結

2015/11/14
彼はセールスマン1更新

2015/10/22
2度あることは2更新、完結

2015/10/21
2度あることは1更新

2015/09/18
死神さんいらっしゃい2更新、完結

2015/09/17
死神さんいらっしゃい1更新

2015/09/08
Congratulations2更新、完結

2015/09/07
Congratulations1更新

2015/09/01
待田くんに春の気配3更新、完結

2015/08/31
待田くんに春の気配2更新

2015/08/30
待田くんに春の気配1更新

2015/08/11
亀の恩返し2更新、完結

2015/08/11
亀の恩返し1更新

2015/08/07
Aからのメール2更新、完結

2015/08/06
Aからのメール1更新

2015/07/06
5年後2更新、完結

2015/07/05
5年後1更新

2015/07/04
待っててね2更新、完結

2015/07/03
待っててね1更新

2015/05/11
その後3更新、完結

2015/05/10
その後2更新

2015/05/09
リクエスト小説
その後1更新

2015/05/05
待田くんに春はこない2更新、完結

2015/05/04
待田くんに春はこない1更新

2015/04/30
楽しいシーソーゲーム!2
更新、完結

2015/04/29
楽しいシーソーゲーム!1更新

2015/04/21
楽しい親子喧嘩!1
楽しい親子喧嘩!2更新、完結

2015/04/16
楽しい放課後!2更新、完結

2015/04/15
楽しい放課後!1更新

2015/04/06
楽しい合コン!2更新、完結

2015/04/05
楽しい合コン!1更新

2015/04/01
楽しいお見舞い!2更新、完結

2015/03/30
楽しいお見舞い!1更新

2015/03/24
楽しい旧校舎!2更新、完結

2015/03/23
楽しい旧校舎!1更新

2015/03/16
楽しい入院生活!2更新、完結

2015/03/15
楽しい入院生活!1更新

2015/03/05
楽しい遊園地!2更新、完結

2015/03/04
楽しい遊園地!1更新

2015/02/27
楽しいロッカールーム!2更新、完結

2015/02/26
楽しいロッカールーム!1更新

2015/02/16
楽しいOB会!2更新、完結

2015/02/15
楽しいOB会!1更新

2015/02/14
一周年!!
いつもありがとうございます!
君は日向の匂い更新、完結
シンデレラアイドルのSSです

2015/02/13
保健室の先生2更新、完結

2015/02/12
保健室の先生1更新

2015/02/11
teeth2更新、完結

2015/02/10
teeth1更新

2015/02/09
楽しい初カノ!2更新、完結

2015/02/08
楽しい初カノ!1更新

2015/01/31
楽しい勉強会!2更新、完結

2015/01/30
楽しい勉強会!1更新

2015/01/23
楽しいお泊り!2更新、完結

2015/01/22
リクエスト小説
楽しいお泊り!1更新

2015/01/08
明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します!
リクエスト小説
両想い1、2更新、完結

2014/12/12
楽しい合宿!2更新、完結

2014/12/11
楽しい合宿!1更新

2014/12/01
アガルタ2更新、完結

2014/11/30
リクエスト小説
アガルタ1更新

2014/11/23
朝のお楽しみ2更新、完結

2014/11/22
リクエスト小説
朝のお楽しみ1更新

2014/11/14
即位式2更新、完結

2014/11/13
即位式1更新

2014/11/04
裏ドSくん3更新、完結

2014/11/03
裏ドSくん2更新

2014/11/02
裏ドSくん1更新

2014/11/01
ひみつのドSくん2更新、完結

2014/10/31
ひみつのドSくん1更新

2014/10/30
伴侶1、2更新、完結

2014/10/27
支配人3更新、完結

2014/10/26
支配人2更新

2014/10/25
支配人1更新

2014/10/24
隣人3更新、完結

2014/10/23
隣人2更新

2014/10/22
隣人1更新

2014/10/15
元上司2更新、完結

2014/10/14
リクエスト小説
元上司 1更新

2014/10/10
ニコニコドッグⅡ 2更新、完結

2014/10/09
リクエスト小説
ニコニコドッグⅡ 1更新

2014/10/04
茶番2更新、完結

2014/10/03
リクエスト小説
茶番1更新

2014/09/12
「ちょろい 2」更新、完結

2014/09/11
「ちょろい 1」更新

2014/09/08
「新雪の君」更新、完結

2014/09/06
コメントお返事させて頂きました

2014/09/05
「すばらしい日々3」更新、完結

2014/09/04
「すばらしい日々2」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/03
リクエスト小説
「すばらしい日々1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/09/01
「好きと言って4」更新、完結

2014/08/31
「好きと言って3」更新

2014/08/30
「好きと言って2」更新

2014/08/29
リクエスト小説
「好きと言って1」更新

2014/08/24
「純粋に近付いた何か2」更新、完結

2014/08/23
リクエスト小説
「純粋に近付いた何か 1」更新

2014/08/15
コメントお返事させて頂きました

2014/08/14
再会2更新、完結
コメレスさせて頂きました

2014/08/13
リクエスト小説「再会1」更新
「ノビ」の続編です

2014/07/26
コメントお返事させて頂きました

2014/07/25
息子さんを僕にください2更新完結

2014/07/24
リクエスト小説「息子さんを僕にください1」更新
娘さんを僕に下さいとは無関係ですw

2014/07/22
コメントお返事させて頂きました

2014/07/20
久しく為さば須らく2更新、完結
コメントお返事させて頂きました

2014/07/19
リクエスト小説「久しく為さば須らく1」更新
コメントお返事させて頂きました

2014/07/18
コメントお返事させて頂きました

2014/07/16
コメントお返事させて頂きました

2014/07/15
コメントお返事させて頂きました

2014/07/14
コメントお返事させて頂きました

2014/07/13
リクエスト小説「嫉妬せいでか2」更新、完結
コメお返事させて頂きました

リクエスト小説「嫉妬せいでか1」更新

2014/07/11
拍手お返事させて頂きました
お知らせ一件

2014/07/10
コメント、拍手お返事させて頂きました

2014/07/09
拍手お返事させて頂きました

2014/07/08
コメント、拍手お返事させて頂きました
耽溺 2更新、完結

2014/07/07
拍手お返事させて頂きました
リクエスト小説「耽溺 1」更新

2014/07/06
拍手お返事させて頂きました

2014/07/05
拍手お返事させて頂きました

2014/07/04
コメント、拍手、お返事させて頂きました

2014/07/03
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後 2更新、完結

2014/07/02
コメント、拍手、お返事させて頂きました
吉原と拓海その後1更新しました

2014/07/01
コメントお返事させて頂きました
シンデレラアイドル2更新、完結

2014/06/30
拍手お返事させて頂きました
シンデレラアイドル1更新しました

2014/06/29
リクエスト募集してます

2014/06/27
拍手お返事させて頂きました

2014/06/24
目は口ほどに 更新、完結

2014/06/17
茶々丸更新、完結
獣姦っぽい

2014/06/11
連鎖 2更新、完結

2014/06/10
連鎖 1更新

2014/06/07
拍手お返事させて頂きました

2014/06/06
拍手お返事させて頂きました

2014/06/05
拍手お返事させて頂きました

2014/06/04
元旦那さん 2更新、完結

2014/06/03
元旦那さん 1更新
旦那さんの続きです

2014/05/29
昨日の記事の続きで拍手お返事させてもらっています

2014/05/28
旦那さん 2更新、完結

2014/05/27
旦那さん 1更新

2014/05/22
夢の時間2更新、完結

2014/05/21
アンケート1位小説「親子」
夢の時間1更新

2014/05/16
この物語はフィクションです更新、完結

2014/05/14
アンケート1位小説「教師と生徒」で先生受け。
信じて下さい更新。完結

2014/05/11
純粋とは程遠いなにか2更新。完結
ダウンロード販売のお知らせ

2014/05/09
純粋とは程遠い何か1更新

2014/05/01
長男としての責務2更新。完結

2014/04/30
長男としての責務1更新

2014/04/27
セフレ更新。完結

2014/04/21
嘘が真になる2更新。完結

2014/04/20
嘘が真になる1更新。
アンケート終了しました
投票してくださった皆さんありがとうございました!

2014/04/15
親切が仇になる2更新。完結

2014/04/14
親切が仇になる1更新

2014/04/11
家庭教師更新。完結

2014/04/09
惚れ薬2更新。完結

2014/04/08
惚れ薬1更新

2014/04/05
ニコニコドッグ更新。完結

2014/04/03
健やかなるときも病めるときも更新。完結
アンケート設置1ヶ月記念更新
回答ありがとうございます!

2014/04/02
お隣さん2更新。完結

2014/04/01
お隣さん1更新

2014/03/28
B3-17 はるか更新。完結

2014/03/27
会話の語尾は常にハートマーク更新。完結

2014/03/24
僕の居場所更新。完結

2014/03/21
兄弟愛(3/3)更新。完結

ストックを全て出し切ってしまいましたので毎日更新は今日で終わりになります。
これからは書き終わり次第更新していきますので、引き続きよろしくお願い致します。

2014/03/20
兄弟愛(2/3)更新。

2014/03/19
兄弟愛(1/3)更新。

2014/03/18
7歳の高校生更新。完結

2014/03/17
7歳の高校生更新

2014/03/16
裏の顔更新。完結
アンケート2位「教師と生徒」
少し違う感じになりました。

2014/03/15
残業も悪くない更新。完結
アンケート結果を反映させてみました。
アンケートに答えてくださった皆さんありがとうございます。引き続きお願い致します

2014/03/14
片思い更新。完結

2014/03/13
クラスの地味男更新。完結

2014/03/12
吉原と拓海更新。完結

2014/03/11
罠更新。完結

2014/03/10
同級生更新。完結

2014/03/09
目覚め更新。完結
FC2小説にて、
閃光戦士フラシュレッド!公開。完結。

2014/03/08
やってられない更新。完結

2014/03/07
地下の城ピュラタ更新。完結

2014/03/06
地下の城ピュラタ更新。

2014/03/05
部室にて更新。完結

2014/03/04
すべからく長生きせよ更新。完結

2014/03/03
秘め事更新。完結
アンケート設置。ご協力お願いします

2014/03/02
映画館にて更新。完結

2014/03/01
大迷惑@一角獣更新。完結

2014/02/28
大迷惑@一角獣更新。

2014/02/27
僕はセールスマン更新。完結

2014/02/26
俺のセールスマン更新。完結

2014/02/25
夏の夜更新。完結

2014/02/24
妄想更新。完結

2014/02/23
先生 その2更新。完結

2014/02/22
洞窟更新。完結

2014/02/21
洞窟更新。

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カインとアベル(3/3)



「前に彼女とエッチしたのいつ?」
「いつって……わかんね……、三ヶ月? くらい、前」
「回数も、俺としてるほうが多いんじゃない? 最近忙しくてしてなかったけどさ。それでも三ヶ月も前ってことはないでしょ」

 押されてベッドに仰向けになった。俺の足を押し開いて、守がのしかかってくる。

「弟よりセックスしてない彼女と、ほんとに結婚する気?」
「えっ? あ」

 さっきむかついて彼女と結婚するとかしないとか口走った気がする。

「あ、あれは……ただの勢いつーか、あくまで未定の予定であって……」
「じゃ、まだ結婚はしない? 彼女もつれこない?」
「……来ない」

 というか、守の気を引くための嘘だ。

 良かった、と守は嬉しそうに笑った。

「お互い誤解も解けたし、兄ちゃん、俺にちんぽ入れて欲しい?」
「な、なんで、毎回それ言わすんだよ……! なんの意味があるんだよ、どうせやること同じだろ!」
「同じじゃないよ。ちゃんと兄ちゃんに言って欲しいんだよ。兄ちゃんに求められてんだって実感したいの」
「そんな……でも……」
「兄ちゃんは昔からなんでもできて優秀だったよね。俺の憧れだったよ。その兄ちゃんが俺のために恥ずかしいの我慢してくれんのがすっごい嬉しい。だって兄ちゃん、高校入ったくらいから冷たくなったじゃん。反抗期になった俺の相手が面倒臭かったんだろうけど。おまけにその頃ショタだって自覚してさ。だからあの日、俺の部屋に来て、俺のためにセックスしてくれて、死ぬほどうれしかったよ。俺、出来損ないだからさ。こうでもしなきゃ、兄ちゃんに触ることもできないんだ」
「お前は出来損ないなんかじゃない!」

 電話でも守は自分を出来損ないだと言った。俺も頭に血が上って、守に出来損ないだと言ってしまった。

「さっきは……頭きて。お前に彼女できたと思って。俺とやってる時に、彼女の電話出るとかまじありえないだろって。だから……、出来損ないだなんて、ほんとに思ってない」
「ユキさんに、嫉妬したってこと?」

 頷くと守は笑った。

「兄ちゃん、俺のこと超好きなんじゃん。じゃあ、言えるよね? 俺のなにが、どこに欲しい?」

 亀頭を肛門になすりつけながら守が意地悪く訊ねる。

「う、あ、守の……、ちんこ、俺の、後ろ……!」
「何回も言ってるのにまだ恥ずかしい? 守の勃起おちんぽ、兄ちゃんのおまんこに入れて、でしょ」
「なんで……! 俺、いま、翔太だろ」
「俺はもうずっと、兄ちゃんだと思って抱いてたけど?」
「ど、どういう」
「わかるでしょ。俺も兄ちゃんのこと、超好きだってこと」

 ずぶっと守のちんこが入ってきた。

「はあっ!」
「あれ、さっきまで入れてたのになんかキツい。仲直りセックスで興奮してる?」
「守、守……! あ、あ、やば……変、ああ、ああっ」

 俺のちんこから精液がビューっと飛び出した。

「すっげ、トコロテンじゃん。兄ちゃん、スケベな体になったよね」
「ああっ、守、動くな、まだ……動いたら……ッ!」

 頭の中が真っ白になった。体がガクガク震える。精液が出ていないのに俺は絶頂を迎えていた。

「またイッた? ドライ? まじで?!」

 楽しげに興奮した守の声も遠く聞こえる。頭の先からつま先まで快感が全身に広がっている。気持ちよさがホワホワと心地よい感覚。

「そんな気持ちいい?」
「い、い……気持ちい……!」
「兄ちゃん、俺のちんぽ好きでしょ?」
「う、うう」
「素直になんなよ。守のおちんぽだいしゅきって言ってみな」

 なんでこいつは毎回俺に言わせようとする言葉がかわるんだ。しかも決まって恥ずかしい言葉に。

「メスイキするくらい、気持ちよかったんだろ? 彼女とヤッてここまで気持ち良くなったことあんの? ないだろ」

 守のちんこがゆっくり出たり入ったりしている。二度続けてイッたばかりの俺にはそれすら快感が強すぎる。

「待っ──あ──……あ、やめ、あ、あぁッ」
「またイキそ? すっげー。めちゃくちゃ敏感になってるじゃん。ほら、素直に言わなきゃ、また強制アクメきちゃうよ?」

 俺のちんこの根本を強く握って守が腰を振る。

「わかっ……!! わかった、だからやめ……ストップ!!」
「じゃ、言って。守のおちんぽ気持ち良すぎてメスイキとまんないって」
「ま、守の、おちんぽ、気持ちよくて、メスイキ、とまんない」
「兄ちゃんかわいい」

 嬉しそうに言うと守は俺にキスをしてきた。ヌルヌルと溶け合うようなねちっこいやつ。どっちのかわかんない唾液を何度も飲み下した。

「俺とセックスすんの、好き?」
「さっき言っただろ」
「あれは俺のちんぽが好きかどうかだろ。いま訊いてんのは俺とセックスすんのが好きかどうか。さっき兄ちゃん、嫌々してるって言ってたじゃん。自分を犠牲にして、我慢して俺とセックスしてたって」
「あっ、あれも、お前に彼女が出来たと思ったから」
「ああいう時って本心が出るよね。あれが兄ちゃんの本心だったわけ?」
「違う! いや、最初はそりゃ嫌々だったけど……! でも、今は違うって……、そんなん、俺の反応間近で見てるお前が一番よくわかってんだろ」

 守は意地の悪い顔でニヤニヤ笑っている。

「まあね。いくら弟がホモでショタコンの引きこもりでも、家から出すために普通セックスしないよね。言われるままに恥ずかしい格好して、外でヤッたり、あそこの毛、剃らせたりさ。素質がなきゃやんないし、あんなに何度もイカないよね」
「わかってるくせに、今更訊くなよ」
「兄ちゃんがかわいい反応するから、いじめたくなっちゃうんだよ」

 俺の乳首を弄りながら守は腰を動かした。心地よい快感がじんわりそこから広がっていく。それに身を任せたらまたイケる自信がある。何度もイクのが怖い。経験したことないような強い絶頂感だった。あれを立て続けに何度も食らったら気が狂いそうだ。

「あっ、そだ、また忘れるとこだった」

 守は机のスマホを取った。俺にレンズを向けてシャッターを切る。

「ちょ! なにするんだよ!」
「ユキさんにね、兄ちゃんとのハメ撮り見せろって言われてたんだ」
「ハメ……! お前! ユキって奴にどこまで話した?!」
「全部知ってるよー。そこまでしてくれるなんて、素晴らしいお兄さんだねって褒めてたよ」
「なんでそんなこと! 兄弟なんだぞ!」
「ユキさんて聞き上手なんだもん。口は堅い人だから安心していいよ。だから俺もフィギュアの制作、頼めたんだし。あ、データは渡さないから。だってユキさん、兄ちゃんオカズにシコりそうだもん。俺に負けず劣らずの変態だからさー」

 しゃべってる間も守はシャッターを押し続けた。パシャ、パシャ、と俺の顔や体、勃起ちんこや結合部に至るまで、すべてを撮影した。

「写真撮られて興奮してる? 我慢汁いっぱい垂れてるよ。中もギチギチに締め付けちゃってさ」
「や、やめ……、恥ずかしい、だろ……!」
「兄ちゃんのいやらしいフィギュア、作ってもらおうね」

 スマホを横に置くと守はガンガン突き上げてきた。

 俺と守の関係を、見ず知らずの第三者に知られている。それどころか、ハメ撮り写真を見られてそれを参考にフィギュアを作られるのだ。

 守はそれをどうする気だろう。部屋に飾ってたまに動かして、時々はオナニーに使ったりするんだろうか。守にとって俺は少年より性欲をかきたてられる存在になれたのだろうか。

「守……、俺、もう、ショタの格好、しなくてもいいのか……?」
「しなくていいよ。はっきり言って、初めから似合ってなかったしね。兄ちゃんがしたいなら別にしてもいいけど。俺はどんな格好の兄ちゃんでも興奮できる性癖になったから」
「じゃあ、もうしない」
「どんな姿でも、兄ちゃんはかわいいよ」
「俺のこと、好きか?」
「好きだよ」

 嬉しいと同時に悲しい。

 親父、母さん、親不孝な息子でごめん。たぶん俺も守も、一生独身。誰とも結婚しないし、子供も作らないと思う。

 誰にも迷惑かけずに、二人だけで生きていくから。それが俺たち兄弟の幸せだから。

「忘れないうちに、もう一回、メスイキしとこうね」

 ガクガクと激しく揺さぶられる。

「ああっ! あ、あんっ、だ、めっ、そんな強くしたら、あっ、ああっ!」

 強い刺激にまた頭の奥から白い靄が広がっていく。

「兄ちゃんのアヘ顔も写真撮っとかないと。これはユキさんには見せないよ、俺だけのものだもん」

 守の声。カメラのシャッター音。全部が遠い。

 ただただ、ぬるま湯みたいな気持ち良さに包まれて、俺は幸せだった。




蟷螂の檻(1)



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2018-12-07(Fri) 19:06| カインとアベル| トラックバック(-)| コメント 2

カインとアベル(2/3)

<前話はこちら>

 あいかわらず翔太くんの衣装はきつかった。スカートから俺のちんぽははみでてるし、上の衣装も小さくて腹が見えている。

「兄ちゃん、ここ、伸びてきちゃってんじゃん。ちゃんと剃らなきゃ」

 自分のちんこを俺にぶっさしながら守が俺の陰毛を撫でる。中途半端な伸びかけで手に引っかかる感触が気持ち悪い。

「もう、剃んねえよ……!」
「こんなので、彼女とセックスしてたの?」
「するわけないだろ」
「セックスレスで、彼女に怪しまれない?」

 守の言う通り。彼女には浮気の探りを何度か入れられた。

 守に剃られたのは二度目。一度目は疲れているとかなんとかで誤魔化せた。立て続けの二度目はそれも通用しなくなって、守が会いにくるせいで休日も会えない日が続き、彼女が浮気を疑うのも当然だった。

 実際、これは浮気みたいなもん。いや、実の兄弟でセックスしてるなんて浮気以上か。人を異常な泥沼に引きずり込んでおいて、守のクソ野郎は……!

 ゆさゆさ揺さぶられて、もうすぐイキそうって時に守のスマホが鳴った。

「あっ」

 と声をあげた守は机のスマホに手を伸ばし、こともあろうか電話に出た。

「もしもし!」
「嘘だろ……」

 ショタアニメのコスプレさせた実の兄にちんこ突っ込んでる状況で電話に出るか?!

「いま思い出したとこ! ほんとだって!」

 家族以外と明るく話をする守なんて何年ぶりにみるだろう。小学/生以来じゃないか?

「それはあとで……うん、そう……何言ってんの、おかしいんじゃない。本気で言ってる?」

 キャッキャと守が笑う。電話の相手はそれなりに親しい相手。まさかと思うが彼女じゃないよな?

「もー、仕方ないなあ。ユキさんだから特別だよ。でもちょっとだけ!」

 ユキ?! いまこいつ、ユキっつったか?!

 まじで相手彼女かよ!!

「……ほんとそれな! いまのとこ就職してよかったわー。ユキさんいなかったらとっくに辞めてたかもしんない」

 はあ?

 こいついまなんつった?

「いやほんと。俺って出来損ないだからさ。生きてく楽しみできたのも、ユキさんのおかげだよ」

 ギュッて。心臓のあたりが苦しくなった。

 こいつをあの部屋から出すために俺が払った犠牲はなんだったんだ?

 どんな理由であれ、こいつがまっとうな大人として働きだして、兄として嬉しかったんだぞ。

 俺の処女も、近親相姦の罪の意識も、精液まみれのプライドも、俺が差し出したものは一切守の口からは語られない。

 ユキさんのおかげ? ユキさんがいなきゃ仕事辞めてた? ユキさんのおかげで生きていくのが楽しい?

 ふざけやがって。

 俺はなんだったんだよ。

 俺はお前のなんだったんだよ!!!

「あ、うん、それは明日……送らないよ、俺だけのもんだもん。見せるだけ。また明日……て、あ、ちょっ……」

 守を突き飛ばしてベッドから飛び降りた。ずるっとちんこが出る感触に危うく感じそうになったが、腹立つわ情けないやらでそれどころじゃない。

「なに、兄ちゃん、いきなり」

 守は通話を切ったスマホをまた机に戻すと、仁王立ちでブルブル震えている俺に手を伸ばしてきた。

「触んな、死ね!!!」

 俺の剣幕に驚いて守が手をひっこめる。

「あ、電話出たから怒ってる? ごめん、ちょっと約束あって、忘れてたから咄嗟に出ちゃったんだよ」
「だったらそっち……! 優先しろや……!!」
「えっ、なんで泣いてんの?」

 慌てて守が立ちあがる。守は全裸。俺はピチピチのコスプレ衣装。なにこの兄弟。いい年して、なんでこんな馬鹿げた格好で馬鹿げたやり取りしてんだろう。

「お前最悪! 俺にこんなことさせておいてさあ!!」
「えっと……、そんなに翔太くんやだった? 今更どうしたんだよ。いつもノリノリだったじゃん」
「いつも嫌々だったに決まってるだろ!! お前みたいな出来損ない! どうにかしなきゃと思って! 俺が犠牲になれば済む話だと思ったから! 我慢してお前の相手してやってたんだよ!」

 傷ついた顔で守が絶句する。なに被害者面してんだよ?! 俺にやったこと全部棚あげか!? 忘れたなんて言わせねえぞ!

「もう嫌だ! もうこんなことやめる! もう二度としないからな! 約束?! 知るか! お前がまた引きこもりに戻ろうが男の子に手を出して捕まろうが俺の知ったこっちゃねえ! お前のことなんかどうでもいい! 野垂れ死のうが、彼女とよろしくやってようが! 俺にはなんっっっっっっの! 関係もない!!!」

 怒鳴りながら涙が溢れて止まらなかった。情けねえ。弟にいいようにされて。挙句、ポイと捨てられて。

 裏切りだ。人を変態の道に引きずり込んでおいて、自分だけさっさとまともな道に戻るなんて。俺はもう、引き返せないっていうのに……!

「そんなに嫌々俺の相手してくれてたんだったら謝る。けどその前に、いっこ訊いていい? 彼女ってなんのこと?」
「はあ?! しらばっくれんな! 母さんも知ってんだぞ! お前がいま電話してた相手! ユキって女! 彼女なんだろ?!」

 ぽかんと顔をしたあと「ぶはっ」と守が吹きだした。

「ユキさん? 彼女? ありえねー!」

 腹抱えてエビぞりになって笑う。

「ユキさんて、俺の会社の人で男だよ、おとこ! 雪本って苗字でみんなからユキさんって呼ばれてるだけ。え、母さんも勘違いしてんの? まじかー」
「ごまかされねえぞ。さっきも電話で好きだとか会いたいとか話してたの聞いてたんだからな!」
「えー? あー、あれ! あれは……サプライズだからあんま言いたくないんだけど」
「言え!」

 考える時間を与えてはいけないと思って間髪入れず叫ぶ。

「仕方ないなあ。ユキさん、造形師でさ、兄ちゃんのフィギュア作ってもらってんの」

 どんな嘘も見破ってやるぞと待ち構えていたが、思いがけないワードに思考が一瞬止まった。

 ぞうけいしってなんだ。俺のフィギュア?

 フルチンのまま守はベッドに腰かけて話しだした。

「ユキさんが作ったフィギュア、俺もいっぱい持っててさ。覚えてる? 俺の部屋にあったやつ。あれ、三分の一はユキさんが作ったんだよ。いまのとこも、ユキさんがいるから面接受けたんだし。ユキさん、俺の性癖一発で見抜いてさ。ユキさんもショタ好きなんだよね。そんなわけで意気投合して、フィギュア作ってもらえることになったわけ」
「俺、俺の?」
「そう」
「兄ちゃんの小さい頃の写真いっぱい持ってって見せたんだけど、なんか違うなーって。どうせ作ってもらうならいまの兄ちゃんの姿がいいと思って。だから兄ちゃんの写真撮ってくるから待ってってお願いたタイミングで兄ちゃんが家に来るからさ。今日写真撮れそうってユキさんに電話してたの。好きだって言ったのはユキさんが作るフィギュアのこと。会いたいって言ったのは、兄ちゃんのフィギュア。これで誤解、解けた?」

 辻褄は合っている。無理なところも破綻しているところもない……気がする。それでもどこかおかしいところはないかと守の話を反芻する。どこも見つけられない。というか、守の話を信じたい俺がいる。

「兄ちゃん、おいで」

 とまた守が手を伸ばす。なんで年下のお前のほうが兄貴ぶってんだ。

「おいでって、ほら」

 強引に俺の腕を掴んで隣に座らせた。

「俺に彼女できたかもって思って怒ったの?」
「ちげーし」
「もう俺の相手すんの、やになった?」
「だっ……それ、は……」
「そりゃ怒るよね。こんな格好させられて」

 守は翔太くんのスカートをもちあげた。

「ここ、こんなにされて」

 と伸びかけの股間の毛を撫でる。

「兄ちゃんはもう、俺のちんぽなしじゃ生きられないのにね?」
「なっ、そんなわけ!」

 守は俺の首を舐めながらちんこを握ってきた。萎えてたのに、真相がわかって、守に触られただけでそこはまた立ちあがる。







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2018-12-06(Thu) 22:29| カインとアベル| トラックバック(-)| コメント 0

カインとアベル(1/3)

<「長男としての責務」→「久しく為さば須らく」>

「あら、珍しい」

 久しぶりに実家に顔を出したら母さんが驚いた顔をした。

「ほい、土産」

 来る途中で買った饅頭を渡してリビングへ。親父がゴルフを見ているが守の姿はない。日曜の昼間だってのに、あいつはどこにいったんだ。

「守ならいないわよ」

 母さんの一言にぎょっと焦った。俺と守がしてるあれやこれやを見透かされたんじゃないかと思って。でも母さんは俺なんか見てなかった。饅頭の包みを開けながら、

「守ね、彼女できたみたい。ユキさんって名前の。最近ずっとメールとか電話でやり取りしててねー。嬉しそうな顔してんの。これもみんなお兄ちゃんのおかげだわ」

 と嬉しそうに言う。

 半年ほど前まで守は引きこもりだった。

 結婚を意識した彼女が俺の親に会いたいと言いだして、俺は長年見てみぬふりをしてきた引きこもりの弟をどうにかしなきゃと守の部屋を訪ねた。

 そこで初めて守がショタコン変態野郎だと知った。守は半裸の少年のポスターやフィギュアに囲まれた部屋で自分の変態世界に浸り切っていた。

 こうなるまで放置した責任は長男である俺にもあると思って、文字通り一肌脱いで守を社会へ引きずりだすことに成功した。

 あいつのために。あいつの言いなりになって。

 着たくもない小さな服を着せられて。なりたくもないショタコンアニメの主人公になりきって。したくもない守とのセックスに耐えてきたというのに。

「あいつに、彼女……?」

 腹の底にゾワゾワと黒いものが蠢いた。

 自分の存在を盾にして俺に変態趣味を強要していたくせに、自分はなにちゃっかり彼女とか作ってんだよ?!

 お前は小さな男の子にしか興奮しないショタホモだろうが! お前の歪んだ欲望に付き合ってやれるのは俺だけだろうが! 女とか! お前がさんざん汚らしいと罵倒してきた相手と今頃!!

 社会に出てみて、やっと生身の女の良さに気付けたって?!

 ざっけんな! 引退して髪の毛伸ばし始めた高校球児みたいな俺の股間はどうなるんだよ! お前が剃らせてくれって拝み倒してきたんだろうが!

 どうりで! 最近顔見せないと思ったら、彼女とやりまくってたからかよ!

 そういや、あいつのショタホモ趣味も本物か怪しいもんだ。いくら俺とセックスする条件があったからって、それまで後生大事にしてきたフィシュアやポスターをあっさり捨てられるなんて、所詮その程度の性癖だったってわけだ。

 ファッションショタホモかよ。矯正可能の性癖なんて偽物じゃねえか。本物のショタホモ野郎共に謝りやがれってんだ!!

「晩ご飯、食べてくでしょ? 今日はお鍋にしようかしらね~」

 親父と饅頭を頬張る母さんは嬉しそうだ。一時はどうなるかと将来が不安だった守が、自分の部屋を出て、鬱陶しかった髪の毛を切り、就職先を見つけてきたと思ったら今度は彼女だ。そりゃ嬉しいに決まっている。

 俺の預かり知らぬところでそういう展開だったなら、俺も素直に喜べただろう。だがしかし、俺はがっつり預かり知っている。なんなら巻きこまれている。挙句、使い終わったテイッシュみたいな扱いを受けている。

 処分されたフィシュアやポスターのように。守は俺を処分するだろう。俺が最初、守の存在を恥ずかしいと思ったように。守は彼女に、俺の存在を隠そうとするだろう。なかったことにするだろう。

 俺をさんざん犯しておきながら。ただの思いつきで人の股間パイパンにしておきながら。

「許すまじ」

 怒り心頭。体が震えた。



 夜の十時過ぎになって守が帰ってきた。玄関の靴で俺がいることには気づいているだろうにリビング素通り!

 階段上る守に「ごはんはー?」と母さんが声をかける。

「食べてきたからいらない」

 三週間ぶりぐらいに聞いた守の声。

「彼女と食べてきたのかしらねー」

 母さんは嬉しそう。確かに、誰かと外食している姿なんて半年前の守からは想像もできない。というか、厨二病こじらせた中三くらいからあいつ友達いなかったから、人付き合い自体いったい何年ぶりだって話になる。

 兄としては、弟がまともに生活していることを喜ぶべきなんだろうが。

 私生活にまで影響受けるくらい被害を被った俺としては、一言文句言ってやらなきゃ気がすまない。

 親父と母さんはクイズ番組を見ている。お互い回答を言い合う、仲睦まじい夫婦だ。彼女と結婚したら親父たちみたいになりたいと、密かに思っていた。今は二人に申し訳ない。

 のっぴきならない状況だったとはいえ俺は血の繋がった守とセックスした。そのことを知ったら二人は卒倒するだろう。

 勘当レベルのことをしたのに、当の守は俺の罪悪感なんかお構いなしで彼女なんか作りやがって。

 俺はそっとリビングを離れた。



 守の部屋の前で立ち止まる。中から微かに話声が聞こえてくる。誰かと一緒かと思ったが、守の声しか聞こえないから電話でもしているのだろう。

 あの守が、家族以外の誰かと電話で会話している。社会人なら当たり前の行動に、俺はまだ驚いてしまう。

 もしかして電話の相手は彼女かもしれない。ドアに耳をあて、聞き耳をたてる。

「……た……さすが……ユキ……ずっと……ん、好きだ……た……会いたい……」

 あー、もうこれ確定っすわ。

 電話の相手は彼女。守に彼女!!

 俺の自尊心も! 兄としてのプライドも!! 全部踏みにじって精液まみれにしてくれやがった守に彼女!!!

 笑わせやがる。

 ドアを蹴破らんばかりに開けると、守がビクッと体を震わせた。

「兄ちゃん……」
「あー、悪い悪い。電話中だった?」
「いや、いま終わったとこ」

 スマホを机に置いて、守はコートを脱いだ。コート脱ぐ間も惜しいくらい、早く彼女と電話でお話したかったんですね、わかります!

「最近どうよ」
「ぼちぼちやってるよ。仕事はしんどくて辞めたいけど、まあ、楽しいこともあるし」

 楽しいことってもちろん彼女のことデスよねー! もしかして相手は同僚か?

「兄ちゃんこそ、どうしたの。珍しいじゃん、こっち来るなんて」
「んー、ちょっと? こっちに用あって?」
「なに、俺の顔見たくなった?」

 どの口がそんなこと言うんだよ。

「ちげーよ。そろそろさー、彼女と正式な顔合わせ? した方がいいのかなーって思って」

 出任せに嘘をついた。守の顔から笑みが消える。

「結婚するってこと?」
「そりゃあお前、そのつもりで付き合ってんだし」
「ふうん」

 俺に背を向けコートをクローゼットにかける。下の引きだしをゴソゴソやって守が振り返る。手に持っているのは翔太くんの衣装。

「結婚してもこれは続けてよ。約束なんだから」

 と俺の足元に翔太くんの衣装を投げ捨てた。

「着て。早く」

 口調も動作もなんかキレ気味。

 おかしくない? お前はキレる立場にいないだろ。彼女いるくせになんでこんなことさせるのか意味わかんねえよ。やっぱお前、俺でしか興奮できないんじゃないのか?

 腕を伸ばし、衣装を拾った。







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2018-12-05(Wed) 20:43| カインとアベル| トラックバック(-)| コメント 0

Tedious story(15/15)

1011121314

※リバ注意

 純に手を取られるまま、素直にソファから立ちあがりトイレへ向かう。純に使おうと買っていた浣腸が棚に置いてあった。純がそれを手に取る。

「俺にやったんだから、俺も今井さんにしていいよね?」
「え、あ……?」

 ズボンと下着をずり下ろされた。尻たぶの奥に、異質な感触。

「純っ」
「浣腸は初めて? 慣れちゃえばどうってことないよ」

 尻の奥に何か入りこむ感覚があった。浣腸のグリセリン液。

「俺がいいって言うまで、出さないでね」

 俺を一人トイレに残して純はどこかへ消えた。少しして、上半身裸になった純が戻ってきた。

「まだ大丈夫?」
「なにが?」
「もう少ししたらお腹痛くなると思うけど、まだ我慢してね」

 俺の服に手をかけ、脱がしていく。パンツを足から抜く頃、腹がグルグルと痛みだした。

「純、腹が痛い」
「もうちょっと我慢」

 全裸になった俺にキスしてくる。手は乳首を抓っている。痛こそばゆい。

「純、もう無理だ……!」
「まだだよ、今井さん、頑張って」

 細く長い純の指が勃起したペニスを撫でる。腹のなかはグルグル暴れまわっている。限界だ。純を押しのけトイレに座った。

「外に出てろよっ」
「今井さんのかっこ悪いとこ見たい。俺も興奮する」

 俺が腹の中身を出している間、純は楽しげに何度もキスしてきた。口だけじゃなく、頭や額、こめかみ、頬、顎。口の届くところはほぼキスされた。

「じゃあ、次はシャワーだね」

 また純に手を引かれて風呂場へ移動する。慣れた手つきでシャワーヘッドを外すと、純は俺の尻にホースの先をあてがった。

「感覚でなんとなくわかるけど、入れ過ぎちゃうとお腹破れるから、きつくなったらすぐ言ってね」

 ぐい、と先端がなかに押し込まれた。ノズルを回す音のあと、生温かいお湯が直腸に注ぎ込まれた。

「ああ、純っ……!」

 未知の感覚が怖くて純に縋りついた。俺を抱きとめる細い体が変に頼もしい。

「俺もさ、今井さんのこと最初から好きだったのかな。好奇心だけでここまでできないよね、普通」

 ホースのお湯が止まった。そっと引き抜かれる。

「お腹、ぽっこりしてる。かわいい」

 満面の笑みで純が俺の腹を撫でた。ああ、こいつも俺と同類の変態だ。

「じゃ、力んで」

 腹に力を込めたら溜まっていたお湯が勢いよく出た。掻き出すように純が指を入れる。俺の顔を近くで凝視しながら、「俺以外にこんなのさせちゃ駄目だよ」と言う。させるわけねえだろ。

 またお湯を入れられた。さっきより長く。多く。

「純、ストップ! これ以上は……!」

 腹が破裂する! 焦る俺を面白がっているのだろう。純はゆっくりとした動作でお湯を止めた。

「最初に駅で俺に声かけてきた時、今井さん、俺を見てがっかりした顔したでしょ。あんな顔されたことないからなんか腹立ってさ。いつもだったら相手にしないんだけど、気になるから今井さんのこと追いかけたんだ。あの時、俺を見てがっかりしたのって須賀さんに似てないって気付いたからだったんだよね」
「だめだ、出る……!!」

 膝の震えが止まらない。立っていられなくなって床にしゃがみ込んだ。尻から大量のお湯が放流される。ただ腹のものを出しているだけなのにこんなにも疲れるものなのか。疲弊して動けない俺の下半身に純はシャワーをかけた。

「頭んなかに俺以外の奴がいるのが許せなくてさ、絶対落としてやろうって思った。俺に夢中にさせて、人生破滅させてから捨ててやろうって。なのに俺のほうが今井さんに落とされちゃったよ」

 脇の下に手を差し込んで純が俺を立たせる。足腰に力が入らない。

「今井さん、膝ガクガクじゃん」

 俺を笑う純に体を拭かれ、ベッドに移った。ぐったりする俺に、ご褒美みたいなキスをくれる。

「腕、痛くない?」
「ああ」

 彩加に切られた傷は正直ジンジンと痛んだが、浣腸の疲労が強くてそれほど気にならない。

「寝ちゃだめだよ。まだやることあるんだから」
「寝てない。ちょっと疲れただけだ」
「何回かやれば要領わかって平気になるから」

 俺はこれをこの先何回もやるということか。純とセックスするために。

「なあ、純」
「うん?」
「最初にお前を見た時、がっかりなんかしなかったぞ」
「嘘だ。今井さんあの時、あ、違うって顔した」
「してない。確かに須賀とは似てないって思ったけど、お前があんまりきれいだったから驚いたんだ」
「きれいって言われるの嫌いなんだけど、今井さんに言われると嬉しい」
「お前は俺に惚れてるからな」
「そうだよ。だから今井さんを抱きたいの。今井さんの全部を俺のものにしたい」

 俺を四つん這いにさせると純はローションを手に出した。ぬめる手が肛門のまわりを撫でる。以前純にそこを触られた時、なんとなく嫌な予感の芽は出ていた。もしかして狙われているんじゃないか、と。まさか現実になるとは。

「指入れるよ」
「いちいち言わなくていい」

 ぬる、と指が入ってきた。純の細い指だから抵抗はない。ただ腹の奥を弄られるような異物感がすごい。

「今井さんの、すごくきつい。俺の入るかな?」
「だったらやめとけ」
「俺は最初はイケなかったけど、今井さんはイカせてあげるからね」

 指を何度も出し入れする。ローションのせいで粘ついた音がする。自分の尻から聞こえるのかと思うと恥ずかしい。

 純は指を増やした。なかでグリグリ回したり押したりする。排泄したいような感覚がじわじわこみあげてくる。

「わかる? ここ、前立腺」

 グイ、となかを擦られた。陰嚢の奥を直接刺激されたような感覚にビクンと腰が跳ねた。

「男はここでイクんだよ。慣れたら女の子みたいに射精しないでイケるようになるんだって。あ、今井さんも調べたから知ってるんだっけ? いつかメスイキさせたいなあ」

 旅行いきたいなぁみたいな口調で言いながら純は前立腺をマッサージするように指を動かした。ペニスがピクピク反応する。

「今井さん、気持ちいい? ここ、ヒクついてる」
「う、あ、っかんねえ」
「だいぶトロトロになってきた。そろそろ入れても大丈夫じゃないかな」

 グチュッ、ジュボッと激しく指を出し入れする。これが純のペニスにかわったら。想像したら胸が潰れそうになった。

「もう入れろよ、俺がもたない」
「オーケイ」

 楽しげな純の声。指が抜かれると体をひっくり返された。頬を上気させた純と目があった。雄の目をしていた。そして俺は雌として見られている。それを自覚した途端、体中の毛穴が開いた。

「やっぱ無理! やめ!」
「いまさらなに言ってんの」

 足を押し広げられた。なんて屈辱的な格好だろう。体重を乗せながら純が俺のなかに入ってくる。指よりずっと太くて熱い。

「純……、やめろっ……!!」
「ここまできてやめらんないよ」

 純のものがズブズブなかに押し込まれてくる。それを受け入れている自分を客観視したら死にたくなるほど恥ずかしくなった。

「もうすぐ……、ほら、入った。わかる? 俺の、全部今井さんの中だよ」

 ズンズンと俺の一番奥に当ててくる。言われなくても腹への圧迫感が尋常じゃない。胃がせりあがっているような、のど元がつかえるような感じもする。

「純、痛え……」
「痛い? だいぶ解したと思ったんだけど。やっぱり初めては痛いものなんだね。そりゃそうだよね、こんなの、普通出し入れしないもん」

 腹のなかで純が動いた。

「ううっ、やめ、動くな、あ、ああっ」
「つらいよね? わかるよ。でも想像してみてよ、今井さんのなかに俺がいるんだって。お腹あったかいでしょ? もっとあったかくなるよ」

 ぐぬぅと引かれる男根。排便に似た気持ち良さ。ピリピリと裂ける痛み。それがまた押し戻される。腸が押し上げられているような感覚。嘔気に似た気持ち悪さ。

「純……! 頼む、抜いてくれ……! 俺にはやっぱり無理だ、あ、ああっ」
「無理じゃないよ。ほんとはこうされるの好きでしょ? 俺にされて嬉しいでしょ?」
「好きじゃな……はあッ、はっ、あ、むり、むりだ、純……!!」

 出し入れの速度が増す。年下の高校生に体を揺さぶられている。純のものが俺のなかを出たり入ったりして擦っている。羞恥から頭がクラクラする。

「つまんないこと気にしてないで、身も心も俺に預けなよ。頭ばかにしてさ、思いっきりよがってみなよ」
「嫌だ、いや、はっ、あ、そんな、動かすな……!」

 タンタンとリズムをつけて純が腰を打つ。途中でローションを足したのか、ぐちゅぐちゅと濡れた音が響く。

「だんだん、俺の形に慣れてきたころじゃない?」
「まだ、むり、そんな、あッ、はあっ!」
「でももう、痛いだけじゃないみたいだね」

 純が俺のペニスを握る。一度萎れる気配を見せたが、また完全勃起していた。先端をグリグリと弄られる。ローションだか先走りだかわからない水音。

「あ、くう、先……、そんな、するな……」
「気持ちいいでしょ? 中、締まったよ」

 ピストンを続けながら純がしつこく亀頭を弄る。カウパーがダラダラ出ているのがわかる。

「待ぁ……! ああっ、うう、うっ」

 呻きながら純の腕を掴んだ。逆に掴み返されて、引きよせられた。

「このへんかな?」

 純の亀頭が浅い場所を突く。何を探しているのかすぐわかった。膀胱の裏側をゴリゴリやられて、そのたびにペニスの根本がジンジンした。

「うあっ、あぁ、純、純……!」

 純が言う通り、さっきより腹が熱くなってきた。異物感は薄れ、かわりに別の何かがこみあげてくる。太ももが痙攣し始め、純の腰に巻きつけた。

「中うねってるよ。やばい、気持ちいい」

 いきなり深く挿入された。痛みはわずか。苦痛じゃないものを感じ始めていた。

 俺の奥で少し休憩したあと、純はまた腰を振った。浅く、深く。たまに角度を変えたりする。不規則な動き。純のペニスが内壁に擦れる。カリの段差、亀頭の形を感じる。

 自分のケツがじんわり熱くなる。女みたいに濡れてんじゃないだろうかという錯覚を抱くくらい、そこはグチョグチョに熟んでいた。

「あ、あっ、やめ、ああっ」
「今井さんも、よさげだね」

 いつもより少し低い純の声。前髪が乱れて目にかかっている。口は薄く開かれ、時々唇を舐めた。未成年の幼さはそこにはない。男が放つ精気を全身から発散させて、俺を組みしき、男の証を穿ちこんでいる。

 また、胸が潰れそうな感覚に襲われた。

 純になら、全部許そう。何もかも差し出そう。この苦痛も純といられるなら些細な代償だ。

「純、純……ッ!」
「どうしたの」
「俺をお前の好きにしてくれ。お前にならどうされてもいい。お前が好きなんだ」

 言い終わる前にボロリと涙が零れた。何も悲しくない。どこも痛くないのに、なぜか溢れた涙だった。

 純はそんな俺を蕩けそうな顔で見ていた。

「もっと、思いっきり、泣かせてあげる」

 激しく陰茎を扱かれた。嘘みたいにすぐ果てた。射精してもまだ扱かれる。

「いっ、いあっ、ん! んああっ!!」
「イッたばっかで、痛い? やめる?」
「痛ッ、あっ、やめな……ひっ、い、ああっ、あ!」
「出てきた。トロトロの、透明なの。イケそう?」
「むり……! まだ……イケない、純、ああっ……!」

 涙だけじゃなく鼻水も止まらない。駄々っ子みたいに頭を振って純の腕を握りしめる。純の手は止まらない。情け容赦なく動かし続ける。

「今度、潮吹く練習もしようよ、今井さん」
「わかった、わかったから……!! なんでも言うこときくから、もう、それは、やめてくれ……頼む、う、はぁあっ」

 強制的な二度目の射精。量もわずか。やっと純の手が離れていったと思ったら、緩やかだった腰のピストン運動が再開した。痛みがないわけじゃないが、そこはもうはっきりと、快感を感じるようになっていた。

 純に擦られるたびに、ペニスに刺激が走る。

「は、あ、純、もっと、奥まで」
「奥がいいの?」
「もっとお前を感じたい」

 腕を伸ばせば純が体を傾けてくれる。首に抱きついたら純の匂いが近くなった。

「これで今井さんは俺のもんだね」

 囁く声を聞くと同時に、俺の中で純が脈打つのを感じた。

 ♢ ♢ ♢

 純の鼻歌で目が覚めた。

 聞き覚えがない。最近流行りの曲なのか、純の自作か。

「おはよう、今井さん」

 俺の腕に包帯を巻きながら純が言う。

「血が滲んでたから新しいのに取り替えといたよ」
「ああ、悪い」

 頭が鈍く痛い。腰も体も怠い。今が何時かもわからない。

「カッターの傷って痕が残るんだよね」
「お前も切ったことがあるのか?」
「俺じゃないけど、近所に住んでた女の人。顔をざっくり切ってやったんだけど、傷が治っても痕残っててさ」

 軽い口調に比例しない内容。眠気が一気に吹き飛んだ。目を見張る俺に気付いて純が吹きだした。

「昔の話。それに正当防衛だよ。その人やたら俺の体に触ってくるからさ、護身用にカッター持ち歩いてたんだ。その日も、お菓子あげるって俺を家に呼んで股間触ってきたからカッターで切ってやった。ショタコンの変態のくせに自分が悪いことしてるって自覚はあったんだろうね、俺に切られたなんて誰にも言わなかったよ」

 いつだったか、この見た目のせいでさんざん嫌な目に遭ったと純の言葉を思い出した。

「引いた? 俺の人格形成ってこの見た目にずいぶん影響されたと思うよ。小学校に入るまで女の子の格好させられてたし、誘拐されそうになったことも何回かあるし、満員電車に乗れば痴/漢にあうし、俺をレイ/プしようとした女もいたしね。やられる前にやんなきゃ身がもたないよ」
「……俺のことも、憎いか?」

 俺も純の見た目に釣られ、声をかけた変態の一人。

「違う違う、今井さんはイレギュラーだったから、それがおもしろくて好きになったんだよ。予想以上の変態で屑野郎。突き抜けると清々しいよね。そういうとこに俺も興奮すんの。今井さんの言う通り。俺の相手できんのって今井さんしかいないと思う」

 純が俺の頭を撫でる。本性はそれとは真逆なのに、聖母みたいな優しく慈愛に満ちた顔で。

 俺と付き合うのは大学卒業までと宣言したくせに、また俺を期待させるような言葉を吐く。どこまでも人を翻弄するのがうまい。もうこの泥沼から抜け出せる気がしない。抜け出したいとも思わない。







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2018-11-27(Tue) 21:39| Tedious story| トラックバック(-)| コメント 3

Tedious story(14/15)

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 デタラメに腕を振り回す彩加の手にはカッターナイフが握られていた。純を庇うために咄嗟に体が動いた。純を抱きしめる腕を切りつけられた。鋭い痛みが走る。彩加の腹を蹴った。彩加が尻もちをつく。すぐ態勢を立て直し、また俺に向かってきた。

「私の純くん、返してええぇぇ────ッ!!」

 とりあえず純だけ先に逃がそう。俺一人なら、彩加くらいなんとでもなる。そう思った次の瞬間、腕のなかにいた純が消えた。俺の腕を潜り抜け、彩加の前に立ちはだかっている。

「純! 危ない!」

 悲鳴のような俺の声。正気を失った彩加と、カッターナイフに立ち向かう純。心臓が止まるような光景。自分が傷つくより、純が傷つくことがなにより恐ろしい。永遠のトラウマになる一瞬だった。

 俺の手が届くより先に、純は彩加を殴り倒していた。なお起き上がろうとする彩加の腹を純は容赦なく蹴った。彩加は獣のような泣き声で純の名前を叫んだ。

「純やめろ!」

 俺の声は届かない。倒れた彩加にさらに追い打ちをかけている。

「純、もういい、大丈夫だ!」

 馬乗りになって彩加を殴り続ける純を羽交い絞めにした。細い体のどこにこんな力があったのかと驚く。

「はなせよ! 今井さん、切られたんだよ? 許せるわけないじゃん! こいつ殺してやんなきゃ気がすまないよ!」
「そんなに深い傷じゃないし、俺はもう気が済んだ!」

 純は怒りの目を俺に向けた。純の髪は乱れ、白い頬は興奮に紅潮している。初めて見る純の顔だった。

「帰ろう。傷の手当て、してくれんだろ?」

 手の甲から肘に向けて、10㎝ほどの傷から血が流れていた。それを見て純はいくらか正気を取り戻したらしかった。ハッとした顔で俺を見、地面で丸まっている彩加を見た。そして大きく息を吐きだした。

「ごめん、俺のせいだね。……先にドラッグストア寄っていい?」
「コンドームも買っといてくれ」

 上目遣いに俺をじっと見る。軽口に笑うでもなく、怒るでもなく。意味深な目つきで、俺のほうが妙に焦らされる。

 彩加を放置して駅前のドラッグストアへ向かった。俺は外で待ち、純が一人で店に入った。純は5分ほどで戻ってきた。血が垂れないようガーゼをあてて包帯を巻いてもらう。純を待ってる間に呼んでおいたタクシーが到着し、二人で乗り込んだ。

 タクシーの中で純は無口だった。俺から顔を背けるようにずっと窓の外を見ている。カッターを持った女に襲われ、俺が腕を切られた直後だ。さすがの純も平静ではいられないのだろう。

「大丈夫か?」
「俺は平気」
「もう彩加と会うなよ。女相手でも油断ならないからな」
「……うん。二度と会わない」

 声も沈んでいる。顔を見せてほしくて首筋を撫でたらやんわり手を払われた。そんなタマじゃないと思うが、まさか責任を感じて落ち込んでいるのだろうか。

 タクシーがマンションの前に止まった。何も言わないが純も一緒にタクシーをおりた。

「今井さんは座ってて」

 家に入るなり、純は手前の洗面所に入った。俺は言われた通りソファに座った。しばらくして濡れたタオルを持った純がやってきた。上着を脱がせると包帯も外し、血の汚れをタオルで拭いてくれた。

「思ってたより酷いよ。やっぱ病院行ったほうがいいよ」
「いや、この程度なら縫うほどでもないし、病院には行かない。とりあえず化膿止めだけ塗って、またガーゼと包帯巻いといてくれ」
「なんで俺のこと守ろうとしたの? 余計なお世話だよ」

 静かな怒りを含んだ声。純はタオルを持つ手を握りしめた。

「すまん。つい、な。でもあれ、狙われたのは俺だったっぽいな。彩加はお前を傷つけるつもりはなかったみたいだ。ほんとに余計な真似だったな」

 彩加はずっと俺に憎しみの目を向けていた。俺に純を取られたと逆恨みしたのだ。

「別に。元はと言えば俺のせいなんだし。俺のほうこそ、今井さんを巻きこんじゃったこと謝んないと」

 ずっと伏せられた目。いつ俺を見てくれるだろうかと、長い睫毛を見つめる。

「ずいぶんしおらしいな。らしくない」
「ほんとだよ」

 どこか拗ねたような口調。ずっと逸らされた目。しびれを切らして純の顎に手をかけた。上を向かせてやっと顔が見られた。予想外だった純の不安そうな表情に思わずうろたえた。

「どうしたんだ? 具合が悪いのか? まさかどっか切られたか?」
「なんともないよ」

 と俺の手を払う。どう見てもなんともなくないだろう。

 純はまた俯いた。傷に化膿止めの薬を塗り、包帯とガーゼを巻き直す手付きは優しい。

「決めた。もう今井さんとは会わない」
「……はっ?!」

 ソファから腰をあげた純はゴミを拾い集めるとゴミ箱に捨てた。包帯とガーゼの残りは容器に仕舞い、薬と一緒にテーブルに置く。

「なんで……、急にそんな」
「今井さんといると俺、みっともない人間になるから」
「どこがみっともないんだよ、どっちかって言うと俺のほうがだいぶみっともない姿晒してるだろ」

 下心丸出しで純に声をかけ、仲間にボコられ裸の写真を撮られた。尾行には気付かれ、仕返しするつもりが純のピンチを助けて見返りにフェラをしろと言った。そのあとも、呼び出されればホイホイ出て行ったし、ホテルに連れこんで肉体関係を迫った。未成年の純に夢中になって、電話もメールもしつこかったはずだ。挙句、修羅場に巻きこまれて負傷。

 俺のみっともないところならいくらでも出てくるが、純がそんな失態をおかした記憶はない。

「今井さんだってさっき見ただろ。俺が彩加をボコったとこ」
「あれ? あれは俺を助けるためにやったことだろ?」
「今井さんがやられたの見て、頭に血が上ったんだ。止められなきゃマジで彩加のこと殺してたかもしんない。あんなふうに冷静でいられなくなって、なにしでかすかわかんない自分が嫌だ」

 純は顔を歪めた。

「今井さんが絡むと俺、冷静でいられなくなる。自分が保てなくなるなんて、そんなの嫌だ。かっこ悪いよ。醜い。俺が一番軽蔑してる人間になりたくない」

 リップサービスじゃない純の本音だった。それを聞いて俺の心臓は破裂しそうなほどバクバク鳴っている。

 そっと純の腕を掴んだ。振り払う素振りを見せたが、諦めたように力が抜けた。

「お前のかっこ悪いとこ、案外好きだぞ」
「俺は嫌だ。今井さんには見せたくない」
「俺のみっともないとこはいっぱい見ただろ。それでおあいこだ」
「今井さんは今まで一度だってみっともなくなかったよ。ずっとかっこよかったじゃん」

 不意打ちで褒められて顔が熱くなる。

 いつも飄々として見えた純が、素の顔を俺に晒している。純にとって恥ずかしい本音を吐露している。諦めて最初から望みもしなかった可能性が俄かに浮上した。

「純、俺と付き合ってくれ」
「は?! なに言ってるの? もう会わないって言ってるんだよ」
「お前が好きなんだ。俺にはお前しかいない」

 純の両手を掴んだ。

「お前にも俺しかいないはずだぞ。性悪なクソガキの本性知っても興奮するのは俺くらいだろ。俺は汚れきってるお前がいいんだ。お前も知ってる通り、俺の性癖は特殊だ。お前が彩加をボコッたときも興奮した。お前がかっこ悪いと思うことが、俺にはたまらなくイイことなんだよ」
「なに言って……、変態だってわかってたけど、言うことめちゃくちゃ過ぎ」
「俺にはお前しかいない、お前にも俺しかしない。付き合う以外、選択肢はないだろ。ここで俺を振ったら後悔するのはお前の方だぞ」
「それには異論があるけど」
「いいから、黙って俺にしとけ」

 腕を引っ張ると、純は抵抗せずまたソファに腰をおろした。顔を近づける。触れ合う寸前、純は目を閉じた。

 噛みつくようにキスした。純が体を倒す。その上に跨った。

「待って」

 服のなかに手をいれようとしたら胸を押し返された。

「そんなに俺が好きなの?」
「ああ、最初からお前だって気付いてただろ」
「俺、ぜったい浮気するよ。今井さん一筋なんて無理だよ」
「わかってる。承知の上だ」
「こう見えて俺、結婚して家買って子供二人欲しいって夢持ってるから、付き合うとしても大学卒業までだよ」
「充分だ」
「嫉妬も束縛もされたくない」
「しない。できると思ってない」
「鬱陶しくされたらすぐ別れる」
「わかった」
「それでもいいなら、付き合ってあげてもいいよ。そのかわりさ」

 純がニヤリと笑った。さっきまで迷子みたいな顔をしていたくせに、もう調子を取り戻している。なんだか嫌な予感がする。

「前に俺が欲張りだって言ったこと、覚えてる?」
「言ってたな、そういえば」
「今井さんのこと全部、俺のものにしたいって言ったことも?」
「とっくにお前のもんだって答えたはずだ」

 このやりとりをした日、俺は純に陥落したと言ってもいいだろう。純には完全服従だ。

「本当に俺のものになってくれるの?」
「何が欲しいんだ? なんでもくれてやる」
「じゃあ、俺が今井さんを抱きたい」
「なッ!!」

 反射的に純から体を離していた。純がムッとした顔をする。

「なんで飛びのくのさ。全部俺にくれるんでしょう? だったら今井さんを抱きたい」
「そ、それはだめだ」
「なんで? 俺は全部、今井さんにあげたよ? フェラも顔射も、浣腸だってさせてあげたじゃない。今井さんだからだって何度も言ったよね?」

 体を起こし、純が俺の腕を掴む。背中を冷汗が流れた。

「ずるいぞ、まさか最初からそのつもりだったのか?」
「大丈夫、怖くないよ。俺が気持ち良くなってたの、見てたでしょ? 今度は今井さんの番。ぜったい気持ち良くしてあげる。俺、自信あるよ」

 スルスルと純の腕が這いあがってくる。猫科の動物のようにしなやかな動き。

「待て、頼む、それだけは勘弁してくれ」
「どうして? 全部、俺にくれるんじゃなかったの?」

 純のものに。純とひとつに。俺の願いだった。

「今井さんの全部、俺のものにしてあげる。嬉しいでしょ?」

 頷きかけて首を振る。どうしたいのか、自分でもわからなくなってきた。純の声は俺から思考力を奪う。催眠術をかけられているような気分になる。

「とりあえず、一緒にトイレ行こうか?」

 俺の耳元で純が囁いた。








2018-11-26(Mon) 20:37| Tedious story| トラックバック(-)| コメント 0

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お越しくださりありがとうございます。 初めに「当ブログについて」をご一読くださいますようお願い致します。
管理人が以前、某掲示板で書いていたものをここで再利用しています。決してパクリでは御座いません。そしてお願い。GKさんの小説を保存しておられる方いましたらぜひご連絡頂けないでしょうか。いまとても読みたいのです…

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